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第三章 地下迷宮挑戦編

第70話 屋敷のメイド達

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 俺は年若い少女達の完璧に揃った挨拶を見て驚いていた。
 頭を下げる角度まで……み、見事だ……

「彼女達は全員、勝手ながら先にあさひ様を主とした主従関係を結ばせていただきました。まだ教育期間が2週間と短い為、行き届いていないことお許し下さい」

 カレンが平然と答える。

 い、いや、十分です。挨拶を見ればわかる。たった二週間でこれほどの教育を………

 カレンはこの一ヶ月奔走していた。あさひの拠点となる屋敷探し。その屋敷の管理をするた為のメイド探し、王都中の一般奴隷をカレンが直接見て選んだ。何百人といる中から選んだ10名だった。もっと人数を入れるべきと思っていたが、カレンの基準をクリアできたのがこの10名だった。その後は彼女達に徹底的な教育。たった二週間だったが、あさひ、ユヅキ、ステラ、さらに王族であるルイス、ルーシーの世話をするとあっては妥協は許されなかった。

 カレンの指示に従い、ミケネ、フーカ、サーシャも全力でサポートしていた。


 そういえば………3週間前ユヅキに血を少し分けて欲しいと言われたけど、もしかして契約に使ったのか………奴隷契約は血が必要。だが本人がいる必要は無い。アレクの知識が点と点を結びつけてくれる。

「皆の者。このお方が我らのご主人様であるあさひ様だ。今日からここで暮らすことになる。皆ご主人様に尽くすのだぞ!」

 ミケネがメイド服の皆さんにかっこよく指示している。

「「「「「はい!ミケネ様!」」」」」

「「「「「よろしくお願い致します!ご主人様!!!」」」」」

 またも左右5人ずつ、年若い美しい少女達が一斉に頭を下げて俺に挨拶する。

 俺は【鑑定】を発動する。

 あっ、エルフの子がいる……名前はミアか………綺麗だなー……

 あっ、犬耳と猫耳の子がいる……名前はココとネネか………

 ドワーフの子もいる……名前はマイテか………

 あとの6人は人族っぽい………えっ、皆さん美少女ばかり………

 【鑑定】で調べながら、俺の思考加速先生は高速で状況を理解しようと頑張りグルグル思考を加速する。

 異世界恐るべし………

 い、いや知っている。アレクの記憶でこういう世界だという事は知ってるが気持ちが追いつかん。

 あっ!とりあえず俺は自己紹介をしなくては。

 あっ、いかん。緊張してきた。全員が俺を見ている。
 うっ、美少女ばかりだ。

 な、なんて挨拶しよう。


 えっと、そうだ。こういう時こそアレクの記憶を。
 俺は思考加速先生をフル回転させる。

 この時俺は気付いてなかった。

 興奮と緊張のあまり、【創造眼】を抑えることができていないことを。


「あさひだ。今日からよろしく頼む」

な、なんて普通の挨拶をしてしまったんだ……

 辺りが神々しく金色に光る!

それを見たカレン達、メイド達の雰囲気が変わる………

 カレン、ミケネ、フーカ、サーシャが俺の正面に跪く。
 慌てて、メイド達も跪く。


 えっ!?しまった!【創造眼】を抑えられてない。



 げっ!?


 パーティ化の【配下】が10人増えている!?

 アイナ、カリサ、ダリア、ニナ、ヒセラ、リアナ、マイテ、ココ、ネネ、ミア

 いきなりこんなに【配下】が増えて覚えられる訳が無い。


 ん?


 いや、覚えてしまった。完全記憶師匠が優秀すぎる件………


 確か

【配下】
 あさひを心から崇拝する者のみ配下になれる。
 経験値共有化、念話、相乗効果が使用可能になる。

 配下になった者はあさひへの忠誠が更に増す。

 配下相乗効果
 あさひは配下全員のステータス合計の一定割合(小)を強化することができる。
 配下はあさひのステータス合計値の一定割合(小)を強化することができる。

 恐るべし【創造眼】。なんというカリスマ性。


 更に【パーティ化】のレベルが上がったようで新たなスキルを覚えてる。

【スキルコピー】
 あさひはパーティメンバー、配下のスキルをコピーする事ができる。
 パーティメンバー、配下はあさひのスキルを一つだけランダムでコピーする事ができる。

 こ、これはまたチートな能力が………俺は仲間のスキルを全て使える事になったのか………アレクの強い探究心がこのスキルを覚えさせた気がする……


 跪く一人のメイドが声を発する。

「ち、力が、何か得体の知れない力が溢れてきます!」

「わ、私もです!」

「す、凄い!」

「き、奇跡のお力!き、奇跡です………」

 メイド達は騒然とする。

「あさひ様、無事彼女達はあさひ様の配下になれたようですわ。ワタクシ達の力も上がったようです」

 そ、そうか。ここにいるメイド達が配下に加わった事で、【相乗効果】で俺のステータスが上がった。
 そして、メイド達は【あさひの加護】でステータスが上昇したのか。
 俺のステータスが上がったことで、パーティメンバーのステータスも上がったのか。

 カレンがメイド達に話始める。

「皆、よく聞きなさい!これがあさひ様のお力です。皆の力はあさひ様のお力によって大きく上がりましたわ。このことは絶対に秘密です!いいですね!これからもあさひ様に忠誠を誓うのです!」

「「「「「はい!カレン様!私達はご主人様に忠誠を誓います!!!」」」」」

 中には震えながら、涙を流している子もいる。

 と、とんでもないことになってしまった。
 俺はそんな大層な人物ではない。

 あっ、そうだ。みんなにリラックスしてもらおう!念話でフランクに話そう!リラックスだ。リラックス。

(みんなー、そんなに固くならなくてもいいよ!楽しくやろう!楽しく!)

「あ、頭の中から声が………」

「か、神の声………」

「こ、このお方が私達のご主人様………」

「あああっ、あさひ様。奇跡のお方。一生忠誠を誓います………」

 さらにざわざわする………

 ガタガタ震えて俺を拝み始める子まで。

 ち、ちがーう!俺が望んでるのはこれじゃない……違うんだ!


「アイナ、カリサ、ダリア、ニナ、ヒセラ、リアナ、マイテ、ココ、ネネ、ミア、とにかくこれからよろしく!」

 俺は完全記憶師匠の力で覚えた全員の名前を呼んだ。


「私達、一人一人の名前まで………」

「覚えて頂いているなんて………」

「ざわざわざわざわ………」

 さらにざわざわしてしまっている。


「メイド達の名前をまだ伝えていませんのに。さすがあさひ様です。さて、ステラ様達もお待ちしていますので、お部屋をご案内します」

「あ、ああ、わかった」

 そうだった。ユヅキやステラを【テレポート】で迎えに行かなきゃ。メイドさん達の事はこれからゆっくり考えよう。

 俺はカレン達に各部屋を案内された。
 その後自分の部屋とテレポート用の部屋を案内され無事魔法陣を設置してユヅキ達を迎えに行くのであった。
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