上 下
42 / 42

赤髪の花婿・16

しおりを挟む
その言葉を契機に、赤伯は青明の体を寝台に沈ませる。
赤伯の指と唇が肌に触れる度、青明は彼の頭を撫でる。切りっぱなしにされた毛先の感触が愛おしくて、熱い吐息が漏れた。

「は……ぁ……」

帯の解かれた寝巻が乱れ、肌が露わになっていく。
柔肌に噛みつくように唇を触れさせ、やがてそれは腹部にたどり着いた。

「さっき持ち上げたとき……前よりちょっとだけ軽かったけど」

ふに、と腹の肉を摘ままれ、悲鳴に近い声をあげる。

「ちょっ、こんなときに何するんですか!」
「だって……青明の腹……なんかかわいいし」

ふわふわと腹を揉まれているうちに、なんだか変な気分になってくる。

「んっ……もう、やめ……子猫じゃ、ないんですからぁ……!」

少し余った肉をいじりながら、赤伯が臍に口づける。ぞくぞくとした痺れが肩を走り、青明は全身を突っ張らせた。

「だ、大丈夫か?」
「なんで……そんなところばかり触るんです……っ」

臍を覆う青明の指を撫で、赤伯は小さくごめんと呟く。

「腰布、外していい?」

青明は手の甲を顔に当てながら、無言でこくんと頷いた。すっかり寝巻は剥がれ、半身は腰布に包まれただけになっている。
睡眠をとる際に締め付けのない、ただ腰に巻かれただけの布に、赤伯は指をかけた。

「……え」

するりと衣擦れの音をさせ、外すと同時に赤伯が止まる。いや、ほぼ固まるに近かった。

「青明、お前……これさ」
「んっ!」

指先が、中心に近い鼠径部を撫でる。
滑らかな感触が心地よくて、赤伯は指を何度も往復させた。

「あっ、ちょっ、くすぐった……」
「びっくりした。剃ってるのか?」
「もう、どうしていちいち聞いてくるんですか」
「だって青明のこと、ちゃんと知りたいし」

本来なら体毛の生えている部分を、するすると撫で下ろしていく。
その肌が気持ち良くて、赤伯は返答を待ちながら触れた。

「……つく、ない、から」
「ん?」
「美しくない、から……そって、ます……」
「ふうん……そっか」

答えを受け止めた様子を見やると、青明はもぞもぞと赤伯の体に手を這わせた。

「赤伯さまばかり狡いです」

そう言って起き上がると、赤伯の寝巻を剥いていった。
若く瑞々しい赤伯の体には程よく筋肉がついて、訓練兵時代の浅い日焼けが月明かりに眩しい。

「あの、さ……じっと見られるのも、なんか恥ずかしいんだけど……」
「ふふ、お返しです」
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

黄色い水仙を君に贈る

えんがわ
BL
────────── 「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」 「ああ、そうだな」 「っ……ばいばい……」 俺は……ただっ…… 「うわああああああああ!」 君に愛して欲しかっただけなのに……

傷だらけの僕は空をみる

猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。 生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。 諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。 身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。 ハッピーエンドです。 若干の胸くそが出てきます。 ちょっと痛い表現出てくるかもです。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

オレに触らないでくれ

mahiro
BL
見た目は可愛くて綺麗なのに動作が男っぽい、宮永煌成(みやなが こうせい)という男に一目惚れした。 見た目に反して声は低いし、細い手足なのかと思いきや筋肉がしっかりとついていた。 宮永の側には幼なじみだという宗方大雅(むなかた たいが)という男が常におり、第三者が近寄りがたい雰囲気が漂っていた。 高校に入学して環境が変わってもそれは変わらなくて。 『漫画みたいな恋がしたい!』という執筆中の作品の登場人物目線のお話です。所々リンクするところが出てくると思います。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

処理中です...