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第七章ー隣国ー

☆ネージュの呟き☆

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我が主の名はハル─ハルノミヤ=コトネ─

我が名はレフコース改め─ネージュ─







「どうやら、エディオル様がウォーランド王国こちらに帰って来るようですね。」

主が寝た後、少し目が覚めてしまい、邸内をブラブラ歩いていると最強執事の声が聞こえた。

「そうなの?それじゃあ、ハルが知ったら喜びそうね。」

どうやら、聖女も一緒に居るようだ。

「──ハル様には内緒にして、驚かせましょう。」

「……ゼンさん………」

「……何ですか?その目は…。ですよ?」

『“サプライズ”とは何だ?』

「「ネージュ(殿)!?」」

あの騎士が帰って来るなら、きっと主は喜ぶ。なのに、直ぐに知らせず“サプライズ”するとは、どう言う事だ?

『“サプライズ”をすれば、主は、もっと喜ぶのか?』

首を傾げて最強執事に問う。

「─えぇ、そうです。あ─会いたいと思っている相手が、急に現れたら…嬉しいでしょう?」

『ふむ─』

確かに。我も、もう二度と会えないと思っていた主に会えた時は嬉しかった。ならば、主も、その“サプライズ”で、もっと喜ぶかもしれぬな─。

「─ゼンさん…自分で言っておいてダメージ喰らい過ぎじゃない?」

「…ハル様が…会いたい相手……とか…まだ早過ぎると思いませんか!?」

「一体、ハルを何歳だと─」

最強執事は悔しそうな顔を、聖女は呆れた顔をしていていまいちよく意味は分からぬが、取り敢えず、主には騎士の事を“サプライズ”する事になった。





「こっちに戻って来てから、2人でゆっくりできてなかったでしょう?今日は、2人だけでゆっくりして来たら?」

と言う聖女の言葉に嬉しさが増した。
最近は何かとバタバタして、主とゆっくりできていなかったのだ。我のお気に入りのあの森で、主と2人でゆっくりできると思うと、自然と尻尾が揺れた。

ーあの騎士が来る迄は、主とゆっくりしようー











我がいつも昼寝をする大樹の元に案内すると、主は喜んでくれた。色とりどりのかすみ草も気に入ったようだ。

しかし─

主は、まだ危ない扉を開けようとしていたようだ。心配になり、更にギュッと抱き付いた。本当に、小さい主は可愛い。危ない扉を開けないように、更にしっかりと主を監し──見守っておこう。










「モフモフ~」

と言って、主が嬉しそうに我のお腹に顔をスリスリしている。

ーそんな主が可愛いー

主と2人で昼寝。幸せだな─と、そのまま眠りについた。













ピクリと、体が反応した。

ーあぁ、ようやく騎士が来たかー

あの騎士の気配を感じ目を開けると、主は我のお腹の上で寝ていた。起こすのも可哀想か─それに、これも“サプライズ”になるのか?と思い、そこからソッと抜けて騎士を迎えに行った。



主はまだ眠ったままだったが、騎士に気付けば喜んでくれるだろう。あの騎士も、早く主を物にすれば良いのだが…主のポンコ─駄目具合がもう少しマシにならなければ…無理なのかもしれぬな─。
兎に角、これからも騎士には頑張ってもらおう。


主が笑顔でいれるように。


主が幸せになる為に。



主、また我を選んでくれて、本当にありがとう─。









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