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第五章ー聖女と魔法使いとー
閑話ールイス=カルザインー
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.+:。 ヾ(◎´∀`◎)ノ 。:+.
感謝の気持ちを込めて、閑話を投稿します。
良ければ読んで下さい。
勿論、読まなくても本編には影響はないので、読み飛ばしてもらっても大丈夫です。
(`ー´ゞ-☆
第一騎士団長を務めている私─ルイス=カルザイン─は、最近…とても…とても忙しい。
事の始まりは…王城内の誰もが知っている通り…あの夜会の日からである。
いつもの通り、第一騎士団で王城の警備にあたっていた。入場者の確認も、王城付きの女官達と共に一人一人確認をした。しっかりやった筈だったのだか…。
まさかの大失態。しかも、その被害者が、パルヴァン辺境地で、あの“三恐”─もとい─“三強”に娘のように可愛がられていると言う薬師だった。
その為、色々キレたグレン様が、辺境地から王都に来ると言う。その事を、我が実の息子であるエディには秘密にされ…クレイル殿から聞かされた。
ーあ、コレ、終わった?ー
と思ったのは秘密だ。いや……バレバレか?
はい。グレン様の登場は…早かった…本当に…早過ぎて、若者達の心のフォローをする時間が無かった。とは言え、正直、グレン様で良かった!と心底思ったのは…これも秘密だ。ゼン殿が来ていたら…うん。想像するのは止めておこう。
その被害者である薬師が、実は元の世界に還れなかったハル殿だった。そのハル殿と共に我が息子のエディが、最近おかしくなった騎士の話を訊きに来た。
2人が私の執務室に入って来た時…私は驚いた。何と言うか…エディの顔が…蕩けていたのだ。エディが社交界では“氷の騎士”と呼ばれているのを知っていた。
私自身が恋愛結婚だから、エディにも─と思ってはいたが、女嫌いのエディには無理か─と、半ば諦めていたのだが…しかも相手は、三強お気に入りの薬師。
ー面白いー
ただ、誰が見てもエディがハル殿に好意を寄せている事は分かるのに、ハル殿本人は全く…清々しい程に全く気付いていないようだ。
息子を名前呼びして良いよ?と言っても、嬉しがる事もなく『頑張ってみます』みたいな事を言われた。
ーえ?そこ、頑張らないと駄目なの?ー
と突っ込みたいのを我慢したが、笑う事は我慢できなかった。エディも少し複雑そうな顔をしていたが、最終的には『言質は取った!』みたいな顔をしていたから…後から攻めるつもりなんだろう。うん。頑張れエディ。
その日、邸に帰って速攻で、我が愛しの妻であるルーチェに報告した。
「あのエディが?で?どんな子なの!?」
「薬師なんだけどね?本当にビックリなんだけど、エディの好意には全く気付いてないし、名前呼びして良いと言っても無理!とか言ってたよ?面白いよね?」
と笑いながら言う私とは逆に、ルーチェは少し怒りを纏い
「え?私達の可愛い息子のアピールを完全スルーって事?有り得ないわ!」
あぁ…失念していた。我が妻は…親バカだった…。
ールーチェ=カルザイン侯爵夫人ー
もともとは女騎士の副団長だった。その時の団長がシルヴィア様。
そう。ルーチェは…シルヴィア様だけではなく、パルヴァンの三強を尊敬しまくっている。
「ルーチェ。その薬師は、グレン様とゼン殿の命の恩人で、その上、三強に娘のように可愛がられている子なんだ。」
「──は?え?」
「その娘の命を助けたのは…エディらしいけど。」
「え?エディには勿体無い過ぎない?そんな子なら、もっと良い相手が居るでしょう?」
ーまさかの…実の息子切り捨て発言!ー
えー…実の息子より、三強を取るのか…いや…何となく…予想はできていたけど。
「ルーチェ、そんな事言わないでくれるか?やっと…ようやく、あの氷の騎士が、恋をしたんだから。応援までは要らないけど、温かく見守って行こう?」
ソファーに座っているルーチェの横に座り、そっと腰に手を回す。
「ふふっ…冗談よ?勿論、エディがその子を望むのなら、私は何の文句は無いわよ?私も、その子を可愛がるだけだわ。」
ニコリと笑うルーチェ。年をとっても相変わらず可愛い。エディも、年をとっても一緒に笑える相手ができれば良いなと思いながら、ルーチェの頬に軽くキスをした。
『ハル殿が、あの魔導師の話しをしている時に倒れました。』
と、クレイル殿から報告があったのは、ゼン殿が王城来ると聞いた数日後だった。
ーコレ、終わったどころか…死ねるよね?ー
もういっそのこと…騎士達には秘密にしておいて、当日ビックリの方が良いんじゃないだろうか?
「なぁ、クレイル殿。ゼン殿が来る事、黙って─」
「当日ビックリ!だけは止めてあげて下さい。事前報告はしてあげて下さい。」
ーだよね…。分かってましたー
はい。ゼン殿も早かった。しかも、本当に、色んな意味でキレッキレだった…。それに、グレン様の時にも思ったが…あのパルヴァンの女騎士?の2人は…凄過ぎないか?第一が敵わないって…私も第一の訓練の仕方を変えた方が良いのかもしれないな─と素直に思い直した。
兎に角、もうこれ以上忙しくなる事がありませんようにーと祈るのみ。
その願いも虚しく…この後も色んな事が起きる事は……この時の私は想像だにしなかった。
*ここ最近の一番の苦労人、ルイス第一騎士団長でした(笑)書いていて、何となくハルと似ているなぁ…と。σ(*´∀`*)*
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良ければ読んで下さい。
勿論、読まなくても本編には影響はないので、読み飛ばしてもらっても大丈夫です。
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第一騎士団長を務めている私─ルイス=カルザイン─は、最近…とても…とても忙しい。
事の始まりは…王城内の誰もが知っている通り…あの夜会の日からである。
いつもの通り、第一騎士団で王城の警備にあたっていた。入場者の確認も、王城付きの女官達と共に一人一人確認をした。しっかりやった筈だったのだか…。
まさかの大失態。しかも、その被害者が、パルヴァン辺境地で、あの“三恐”─もとい─“三強”に娘のように可愛がられていると言う薬師だった。
その為、色々キレたグレン様が、辺境地から王都に来ると言う。その事を、我が実の息子であるエディには秘密にされ…クレイル殿から聞かされた。
ーあ、コレ、終わった?ー
と思ったのは秘密だ。いや……バレバレか?
はい。グレン様の登場は…早かった…本当に…早過ぎて、若者達の心のフォローをする時間が無かった。とは言え、正直、グレン様で良かった!と心底思ったのは…これも秘密だ。ゼン殿が来ていたら…うん。想像するのは止めておこう。
その被害者である薬師が、実は元の世界に還れなかったハル殿だった。そのハル殿と共に我が息子のエディが、最近おかしくなった騎士の話を訊きに来た。
2人が私の執務室に入って来た時…私は驚いた。何と言うか…エディの顔が…蕩けていたのだ。エディが社交界では“氷の騎士”と呼ばれているのを知っていた。
私自身が恋愛結婚だから、エディにも─と思ってはいたが、女嫌いのエディには無理か─と、半ば諦めていたのだが…しかも相手は、三強お気に入りの薬師。
ー面白いー
ただ、誰が見てもエディがハル殿に好意を寄せている事は分かるのに、ハル殿本人は全く…清々しい程に全く気付いていないようだ。
息子を名前呼びして良いよ?と言っても、嬉しがる事もなく『頑張ってみます』みたいな事を言われた。
ーえ?そこ、頑張らないと駄目なの?ー
と突っ込みたいのを我慢したが、笑う事は我慢できなかった。エディも少し複雑そうな顔をしていたが、最終的には『言質は取った!』みたいな顔をしていたから…後から攻めるつもりなんだろう。うん。頑張れエディ。
その日、邸に帰って速攻で、我が愛しの妻であるルーチェに報告した。
「あのエディが?で?どんな子なの!?」
「薬師なんだけどね?本当にビックリなんだけど、エディの好意には全く気付いてないし、名前呼びして良いと言っても無理!とか言ってたよ?面白いよね?」
と笑いながら言う私とは逆に、ルーチェは少し怒りを纏い
「え?私達の可愛い息子のアピールを完全スルーって事?有り得ないわ!」
あぁ…失念していた。我が妻は…親バカだった…。
ールーチェ=カルザイン侯爵夫人ー
もともとは女騎士の副団長だった。その時の団長がシルヴィア様。
そう。ルーチェは…シルヴィア様だけではなく、パルヴァンの三強を尊敬しまくっている。
「ルーチェ。その薬師は、グレン様とゼン殿の命の恩人で、その上、三強に娘のように可愛がられている子なんだ。」
「──は?え?」
「その娘の命を助けたのは…エディらしいけど。」
「え?エディには勿体無い過ぎない?そんな子なら、もっと良い相手が居るでしょう?」
ーまさかの…実の息子切り捨て発言!ー
えー…実の息子より、三強を取るのか…いや…何となく…予想はできていたけど。
「ルーチェ、そんな事言わないでくれるか?やっと…ようやく、あの氷の騎士が、恋をしたんだから。応援までは要らないけど、温かく見守って行こう?」
ソファーに座っているルーチェの横に座り、そっと腰に手を回す。
「ふふっ…冗談よ?勿論、エディがその子を望むのなら、私は何の文句は無いわよ?私も、その子を可愛がるだけだわ。」
ニコリと笑うルーチェ。年をとっても相変わらず可愛い。エディも、年をとっても一緒に笑える相手ができれば良いなと思いながら、ルーチェの頬に軽くキスをした。
『ハル殿が、あの魔導師の話しをしている時に倒れました。』
と、クレイル殿から報告があったのは、ゼン殿が王城来ると聞いた数日後だった。
ーコレ、終わったどころか…死ねるよね?ー
もういっそのこと…騎士達には秘密にしておいて、当日ビックリの方が良いんじゃないだろうか?
「なぁ、クレイル殿。ゼン殿が来る事、黙って─」
「当日ビックリ!だけは止めてあげて下さい。事前報告はしてあげて下さい。」
ーだよね…。分かってましたー
はい。ゼン殿も早かった。しかも、本当に、色んな意味でキレッキレだった…。それに、グレン様の時にも思ったが…あのパルヴァンの女騎士?の2人は…凄過ぎないか?第一が敵わないって…私も第一の訓練の仕方を変えた方が良いのかもしれないな─と素直に思い直した。
兎に角、もうこれ以上忙しくなる事がありませんようにーと祈るのみ。
その願いも虚しく…この後も色んな事が起きる事は……この時の私は想像だにしなかった。
*ここ最近の一番の苦労人、ルイス第一騎士団長でした(笑)書いていて、何となくハルと似ているなぁ…と。σ(*´∀`*)*
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