上 下
14 / 203
第一章ー最初の1年ー

閑話ーベラトリス=ウォーランドー

しおりを挟む
*お気に入りが30を超えて、喜んでいるみんです。こそっと、ベラトリス王女視点を投稿させて頂きます。お気に入り登録、ありがとうございます(*´ω`*)*








私はベラトリス=ウォーランド。ウォーランド王国の第一王女でございます。

私には三つ年上の兄─ランバルト=ウォーランド─がおります。第一王子であり、王太子でもあります。金髪碧眼の美男子…だと思います。父である国王陛下や宰相が認める通り、政務に関してはしっかりしていると…思います。ですが…

恋愛?異性に関しては…へっぽこですわね…。







お兄様が生まれる前から、お兄様の代で聖女様を召喚する事が決まっていたらしい。聖女様は浄化が終われば、元の世界に還るかこの世界に残るか…選べるのだが、過去の文献から、聖女様はこの世界に残り、共に助け合った王子や騎士と結婚する事が多々あったそうだ。聖女様と王族の婚姻はめでたい事である。

その為、お兄様には婚約者が居なかった。そうなると、必然的に、将来お兄様の側近になる方達も婚約者を作らない。お兄様を含めその側近達は謂わば…“将来有望株”。なので、聖女様云々は関係無い!とばかりに、いつもご令嬢方がお兄様達に群がって…コホン…媚を売って…コホン…アピールをしています…。あのご令嬢方の情熱は、見ていて面白…コホン…感服致します。



そんなお兄様ですが、どうやら、3人いる聖女様の1人、ミヤ様の事が気になる様です。

「その目付き、ヤバいですわよ!?」

と、言いたくなる様な目でミヤ様を見詰めている時があります。まぁ、ミヤ様は完全スルーですが…。

そんな中、一気に広まったハル様の噂。ハル様は、あまり表には出て来ません。なので、私もハル様がどの様な方なのか、全く分かりませんでした。ただ、噂の広がり方が異常だなと…印象を持ちました。

そして、お兄様は馬鹿をやらかしました。
えぇ…あの馬鹿兄の考えは手に取る様に解りました。

『ミヤ様を悩ませる我が儘放題のハル殿から、私がミヤ様を守らなければ!』

と、脳内お花畑は、そう考えたのでしょう。ヒーロー気取りもいいところです。まさか、何の調査もせず放置し、おまけにハル様女性の元にエディオル様男性を遣るとは…。サエラがすぐに動いてくれて助かりました。


あぁ、エディオル様も馬鹿でしたね。ハル様を間近で見て、何も思わなかったのでしょうか?エディオル様はお兄様専属の近衛騎士。洞察力は素晴らしかった筈なのですが…そこに関しては、未だに謎と言うか、何となく違和感があります。いつか、その違和感?謎?が解ける日が来るかしら?


そのハル様には、謁見の場で初めてお会いしました。

「え?この子の何処を見て、あの噂通りの子だと思ったの!?」

と、お兄様とエディオル様に食って掛かりそうになりました。どう見ても、ハル様が被害者でしょう!!

なのに、ハル様は笑ってお兄様の謝罪を受け取られました。

ー受け取らなくても良いのにー

と思ったのはここだけの話です。

このハル様、あまり目立ちたくないようで、眼鏡と前髪で顔を隠しているけど、とても可愛らしい方なんです!こんな妹が欲しかったのです!!もっと一緒にお茶をしたり、ハル様を着飾らせたりしたいのですが…嫌われるのは嫌なので、我慢ですわ!

そんな可愛らしいハル様から戴いたブレスレットは、私の一番のお気に入りです。きっと、ハル様も聖女様達も、浄化が終われば元の世界に還られるのでしょう。還りたいオーラに溢れていますから…。

ーお兄様、ざまぁ見ろ!ですわね!ー

と、思っているのは秘密です。

とにかく、還ってしまうのは残念ですが、こればっかりは仕方ありません。このブレスレットを見る度に思い出すでしょう。それで、十分です。

後、私にできる事は、4人が無事に元の世界に還れる様に祈るだけです。







*以上、ベラトリス王女の独白でした。明日も、本編を2話投稿予定です。宜しくお願いします*



しおりを挟む
感想 152

あなたにおすすめの小説

巻き込まれ召喚された賢者は追放メンツでパーティー組んで旅をする。

彩世幻夜
ファンタジー
2019年ファンタジー小説大賞 190位! 読者の皆様、ありがとうございました! 婚約破棄され家から追放された悪役令嬢が実は優秀な槍斧使いだったり。 実力不足と勇者パーティーを追放された魔物使いだったり。 鑑定で無職判定され村を追放された村人の少年が優秀な剣士だったり。 巻き込まれ召喚され捨てられたヒカルはそんな追放メンツとひょんな事からパーティー組み、チート街道まっしぐら。まずはお約束通りざまあを目指しましょう! ※4/30(火) 本編完結。 ※6/7(金) 外伝完結。 ※9/1(日)番外編 完結 小説大賞参加中

【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜

光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。 それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。 自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。 隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。 それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。 私のことは私で何とかします。 ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。 魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。 もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ? これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。 表紙はPhoto AC様よりお借りしております。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@12/27電子書籍配信
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

贄の令嬢はループする

みん
恋愛
エヴェリーナ=ハウンゼントには、第二王子の婚約者が居たが、その第二王子と隣国の第一王女が恋仲になり、婚約破棄されてしまう。その上、黒色の竜の贄にされてしまい、命尽きた──と思ったら、第二王子と婚約を結ぶ前の時に戻っていた。 『正しい路に────』と言う言葉と共に、贄とならないように人生をやり直そうとするが───。 「そろそろ……キレて良いかなぁ?」 ループする人生に、プチッとキレたエヴェリーナは、ループから抜け出せるのか? ❋相変わらずのゆるふわ設定なので、軽い気持ちで読んでいただけると幸いです。 ❋独自の設定があります。 ❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。 ❋他視点のお話もあります。 ❋更新時間は決めていませんが、基本は1日1話更新です。 ❋なろう様にも投稿しています。

毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。

克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

今更ですか?結構です。

みん
恋愛
完結後に、“置き場”に後日談を投稿しています。 エルダイン辺境伯の長女フェリシティは、自国であるコルネリア王国の第一王子メルヴィルの5人居る婚約者候補の1人である。その婚約者候補5人の中でも幼い頃から仲が良かった為、フェリシティが婚約者になると思われていたが──。 え?今更ですか?誰もがそれを望んでいるとは思わないで下さい──と、フェリシティはニッコリ微笑んだ。 相変わらずのゆるふわ設定なので、優しく見てもらえると助かります。

処理中です...