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第一章ー最初の1年ー
謁見
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*本日2話目の投稿です。宜しくお願いします*
ーまさか、そこまで酷い事になっているとは…思わなかったー
「更に驚いたのが…聖女様方には勿論の事、ハル様にも生活に必要な経費が出されている筈ですが…靴はありませんでしたし、まともな服もありませんでした。」
「は?」
「失礼ながら、早急に必要と思いましたので、ハル様の意向を確かめずに何着か注文させて頂きました。明日には届くかと…。」
「サエラさん、それはありがとう。でもねぇ…経費って、上を通して使う物でしょう?その上の人は、一体どんな仕事をしてるの?これ、王様や宰相様は知ってるの?」
ーはい、警察官であるミヤさんがすこぶる笑顔で静かに怒っていますー
「その辺りの事については、ベラトリス様が対処されております。」
何故か、サエラさんまでがすこぶる笑顔です。
「あれ?そう言えば…ハルちゃん、サエラさんの言ってる事理解してるよね?もしかして、1人で勉強したの?」
「あ!その事なんですけど!」
それから、私はこの1ヶ月の間の事を話した。いっぱい話したい事があったのだ。3人とも、嫌そうな顔する事もなく、うんうんと優しい顔をして聞いてくれた。
「ハルは凄いね!たった2ヶ月で、こっちの言葉が喋れるんだもん。私達の場合、相手に勝手にこの国の言葉に変換されるみたいだから、何だかズルしてるみたいな気分になるわ。」
学校の先生らしい考えだなぁと思った。
「あ、でも、日本語!って意識すると、周りにも日本語にしか聞こえないらしいから、何か秘密の話をする時は便利なのよね。」
ふふっと、フジさんが笑いながら言う。
ーあぁ…この感じ、久し振りだなぁー
その日は、会えなかった1ヶ月分を取り戻すかのように、皆でいっぱい話をして、一緒に食事もして、夜更かしもした。そのまま、私のベッドの上で4人ともがギュウギュウになって寝落ちしてしまったのだった。
「ハル様、おはようございます。」
夜更かししたにも関わらず、気持ちが昂っていたせいか早い時間に目が覚めたので、庭に出てかすみ草を眺めていたところに、サエラさんがやって来た。
「おはよーございます。」
「ハル様は、かすみ草がお好きなのですか?」
「はい。すごく、すき。」
「では、摘み取ってお部屋に飾りましょうか?」
私は、フルフルと首を横に振り
「いらない。ここで見る。取る、かわいそう」
「そうですか?分かりました。では、時間がある時にでも、もっと沢山のかすみ草を植えましょえか?」
「うん!それ、すてきね!」
サエラさんは、私を喜ばす天才なんだろうか?その優しさにまた、胸が温かくなる。そうなると、自然と笑顔にもなる。
「さぁ、そろそろ朝食にいたしましょう。」
「はーい!」
またサエラさんの手料理が食べられると思うと嬉しくて、その時の私は気付いていなかった。
サエラさんが、庭の奥の方を静かに見詰めていた事にー。
「…“謁見”ですか?」
「はい。今回の件で、どうしてもと…。その際、ベラトリス様も同席されるとの事です。恐らく、謝罪の場を設けたいのではと…。」
“謁見”とか大事にしないで欲しいけど、それがこの世界のルール…なんだろうか?
「ハル、どうする?」
「後々引き摺るのも嫌なので、行きます。でも、お姉さん達と一緒が良いです。一緒じゃないと無理です!」
「それは勿論よ!じゃあ、謁見するって事で、伝えてくれる?」
「承知致しました。」
そう言って、サエラさんは下がって行った。
謁見は、その日のうちに行われる事になった。
4人で、王様の執務室に入る。そこには…
王様、宰相様、王太子殿下、カルザイン様、ベラトリス王女が居た。
「こちらからのお願いを聞いて頂き、ありがとうございます。」
フワリと笑顔を浮かべ、ベラトリス王女が挨拶をする。その横で、王太子殿下が気まずそうな顔をしている。
「お兄様…何か…言う事はありませんの?」
ベラトリス王女が、それはそれは綺麗な笑顔で兄である王太子殿下に声を掛ける。
「聖女様方、ハル殿、今回の事は本当に申し訳なかった!」
ガバッと王太子殿下が頭を下げる。
ーえーっ!?王族の人って、そんな簡単に頭を下げちゃって良いの!?ー
1人焦って周りを見る。
ーあれー?ー
何だろう…皆、謝って当たり前!みたいな顔してる??
「ハル様…」
「はいっ!」
「お兄様が…本当に失礼をしてごめんなさい。王太子ともあろう者が、噂を鵜呑みにするなど…王族の一員として恥ずかしい限りですわ!」
「ベラ…そこまで言わなくても良いだろう?」
「お兄様、何か仰って?」
「いや…」
ーどの世界でも…女性の方が強いんですねー
「ふふっ…」
「ハル?大丈夫?」
思わず笑いが溢れた私に、ミヤさんが声を掛けてくれる。
「シャザイ、うけとる。もう、いいです。」
「ハル…」
ハルは優し過ぎるわ…と、ミヤさんは私に言った後、王様や宰相様、王太子殿下に一通りの苦言を呈した。流石?警察官、逃げ道が全くない詰め寄りだった。聞いてる私がドキドキした。
ーまさか、そこまで酷い事になっているとは…思わなかったー
「更に驚いたのが…聖女様方には勿論の事、ハル様にも生活に必要な経費が出されている筈ですが…靴はありませんでしたし、まともな服もありませんでした。」
「は?」
「失礼ながら、早急に必要と思いましたので、ハル様の意向を確かめずに何着か注文させて頂きました。明日には届くかと…。」
「サエラさん、それはありがとう。でもねぇ…経費って、上を通して使う物でしょう?その上の人は、一体どんな仕事をしてるの?これ、王様や宰相様は知ってるの?」
ーはい、警察官であるミヤさんがすこぶる笑顔で静かに怒っていますー
「その辺りの事については、ベラトリス様が対処されております。」
何故か、サエラさんまでがすこぶる笑顔です。
「あれ?そう言えば…ハルちゃん、サエラさんの言ってる事理解してるよね?もしかして、1人で勉強したの?」
「あ!その事なんですけど!」
それから、私はこの1ヶ月の間の事を話した。いっぱい話したい事があったのだ。3人とも、嫌そうな顔する事もなく、うんうんと優しい顔をして聞いてくれた。
「ハルは凄いね!たった2ヶ月で、こっちの言葉が喋れるんだもん。私達の場合、相手に勝手にこの国の言葉に変換されるみたいだから、何だかズルしてるみたいな気分になるわ。」
学校の先生らしい考えだなぁと思った。
「あ、でも、日本語!って意識すると、周りにも日本語にしか聞こえないらしいから、何か秘密の話をする時は便利なのよね。」
ふふっと、フジさんが笑いながら言う。
ーあぁ…この感じ、久し振りだなぁー
その日は、会えなかった1ヶ月分を取り戻すかのように、皆でいっぱい話をして、一緒に食事もして、夜更かしもした。そのまま、私のベッドの上で4人ともがギュウギュウになって寝落ちしてしまったのだった。
「ハル様、おはようございます。」
夜更かししたにも関わらず、気持ちが昂っていたせいか早い時間に目が覚めたので、庭に出てかすみ草を眺めていたところに、サエラさんがやって来た。
「おはよーございます。」
「ハル様は、かすみ草がお好きなのですか?」
「はい。すごく、すき。」
「では、摘み取ってお部屋に飾りましょうか?」
私は、フルフルと首を横に振り
「いらない。ここで見る。取る、かわいそう」
「そうですか?分かりました。では、時間がある時にでも、もっと沢山のかすみ草を植えましょえか?」
「うん!それ、すてきね!」
サエラさんは、私を喜ばす天才なんだろうか?その優しさにまた、胸が温かくなる。そうなると、自然と笑顔にもなる。
「さぁ、そろそろ朝食にいたしましょう。」
「はーい!」
またサエラさんの手料理が食べられると思うと嬉しくて、その時の私は気付いていなかった。
サエラさんが、庭の奥の方を静かに見詰めていた事にー。
「…“謁見”ですか?」
「はい。今回の件で、どうしてもと…。その際、ベラトリス様も同席されるとの事です。恐らく、謝罪の場を設けたいのではと…。」
“謁見”とか大事にしないで欲しいけど、それがこの世界のルール…なんだろうか?
「ハル、どうする?」
「後々引き摺るのも嫌なので、行きます。でも、お姉さん達と一緒が良いです。一緒じゃないと無理です!」
「それは勿論よ!じゃあ、謁見するって事で、伝えてくれる?」
「承知致しました。」
そう言って、サエラさんは下がって行った。
謁見は、その日のうちに行われる事になった。
4人で、王様の執務室に入る。そこには…
王様、宰相様、王太子殿下、カルザイン様、ベラトリス王女が居た。
「こちらからのお願いを聞いて頂き、ありがとうございます。」
フワリと笑顔を浮かべ、ベラトリス王女が挨拶をする。その横で、王太子殿下が気まずそうな顔をしている。
「お兄様…何か…言う事はありませんの?」
ベラトリス王女が、それはそれは綺麗な笑顔で兄である王太子殿下に声を掛ける。
「聖女様方、ハル殿、今回の事は本当に申し訳なかった!」
ガバッと王太子殿下が頭を下げる。
ーえーっ!?王族の人って、そんな簡単に頭を下げちゃって良いの!?ー
1人焦って周りを見る。
ーあれー?ー
何だろう…皆、謝って当たり前!みたいな顔してる??
「ハル様…」
「はいっ!」
「お兄様が…本当に失礼をしてごめんなさい。王太子ともあろう者が、噂を鵜呑みにするなど…王族の一員として恥ずかしい限りですわ!」
「ベラ…そこまで言わなくても良いだろう?」
「お兄様、何か仰って?」
「いや…」
ーどの世界でも…女性の方が強いんですねー
「ふふっ…」
「ハル?大丈夫?」
思わず笑いが溢れた私に、ミヤさんが声を掛けてくれる。
「シャザイ、うけとる。もう、いいです。」
「ハル…」
ハルは優し過ぎるわ…と、ミヤさんは私に言った後、王様や宰相様、王太子殿下に一通りの苦言を呈した。流石?警察官、逃げ道が全くない詰め寄りだった。聞いてる私がドキドキした。
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