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第三章ー浄化巡礼の旅ー
歪みの地④
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*本日、2話目の投稿です*
*引き続き、軽く戦闘シーンがあります*
勿論、馬鹿にしてる訳じゃない。このままの姿で魔族に勝てるとも思っていない。ただ、元に戻るのは、最終手段としてとっておこうと思った事と…魔導師長が居て躊躇いがあったからだ。
でも、確かに…躊躇ってなんていられない。何としてでも"歪み"の浄化と修正を完成させなければいけないんだ。私情を挟んではいけないんだ。
ー魔導師長が…どんな反応をするのか…怖いけどー
"歪み"と雪を見る。雪はこちらに気付く事なく浄化を続けていて、穢れが少しずつではあるが浄化されていっている事が判る。
手に魔力を集め、アーシムの胸に射ち放つ。アーシムは手にしていた私の髪を離して、その攻撃を軽く避ける。
その間に私はアーシムから距離をとり、自分に掛けた魔法を解除し、本来の姿を解放した。
最初に青色だった瞳が、淡いラベンダー色に戻る。そして、銀髪の髪が毛先からゆっくりと上に向かってピンクブロンドに色を変えて行く。
ー久し振りの…"ミシュエルリーナ"だー
耳につけた魔道具を伝い、魔導師や魔法使い達が息を飲むのが分かった。そう、魔力の色が…変わったのだ。視える人にとっては驚きなのだろう。
アーシムが、少し後ろに下がり距離をとる。
「人間のくせに…魔力は俺達並にあるのか…これは…面白いな…。」
ーこっちは全然面白くない。同じ位か…アーシムは、チート並なのかー
お互い距離は詰めずに攻撃魔法を繰り出す。
本来の魔力を使えるようになり、体も軽く感じるし攻撃力も上がった。それでも…距離を縮めなければ…仕留める事は難しいよね…。でも、動きも力もアーシムの方が上だろう。
それに…さっき攻撃を受けた左腕が痛みと熱を持っている。隙があれば、治癒魔法を掛けようとは思うけど、ホントに隙がない。
ーどちらが、いつまでもつかー
魔物だって、魔力は無尽蔵では無いだろう。魔力が枯渇すれば、それは死を意味する。怪我を負っている分、私の方が…不利だ。
ーどうする?ー
ほんの少しの焦りだった。
「他に考え事とは…本当に舐められたものだな。」
気付いた時には、目の前に距離を詰めて来たアーシムが居た。
ーっ!ー
『ミュー!』
「ミューさん!!」
耳につけた魔道具から魔導師長の声が、私の背後から琢磨の声が聞こえた。
「…くっ…」
アーシムの手に短剣が握られている。直接的な攻撃に転じて来たのだ。咄嗟に避けはしたが避けきれず、先程と同じ左腕に短剣が刺さってしまった。私も右手に魔力を込めアーシムの胸を狙って攻撃を射つ。勿論、アーシムは私の腕に刺した短剣を引き抜き攻撃をかわし、また私から距離をとった。
「そろそろ遊びは終わりにしようか?」
アーシムがニタリと嗤う。そこには愉悦の感情しかない。全身が粟立つ。
チラリと"歪み"を確認して気付いた。
ーあぁ…アーシムも焦っているのかー
そう、"歪み"の浄化がほぼ終わり掛けているのだ。浄化が終わり修正に入れば、完璧にできなくとも、また暫くはアーシムも動けなくなる。それどころか、ここに居る魔導師、魔法使い達が動けるようになるのだ。いくら魔族と言えどアーシムに勝ち目は無い。
私としても…ここで一気にいかなければ…後が無いと言う事だ。
私は、浄化のイメージを膨らませ、一本の剣を出現させた。
あぁ…前世のイメージに引き摺られたようだ。
ー日本刀ー
手にあったのは、正しく日本刀だった。イメージする時に"妖刀正宗"が浮かんだのだ。前世でお父さんが好きだった日本刀だ。
手に馴染む感覚。そのままその日本刀に浄化の魔法を掛ける。
あの朱殷宮殿での一件以降、時間がある時にアルバニア様に剣の指南をお願いしていた。
ー大丈夫。落ち着いていけば大丈夫ー
すぐに動いたのはアーシムの方だった。持っていた短剣が長剣へと変わり、魔法も使いながら攻撃を繰り返す。
私は焦らず、ひたすら攻撃をかわしつつアーシムの動きをを目で追って行く。
ー大丈夫。落ち着いている。アーシムの動きが何となく読めてきたー
アーシムの顔には全く変化はないが、動きが少し雑になって来ている。私の予想通り"歪み"の浄化が目の前まで迫って来ている事に気付き、焦って来ているのだ。動きが単調になって来ている。
次にアーシムが距離を詰めて来た時が、最後のチャンスかもしれない。
魔法攻撃で私の左腕を狙い、私が避ける。そこから一気に私との距離を縮めるー。その長剣が私の胸元を狙って来た。
その時、アーシムの肩越しに、雪の浄化が終わったのが見えた。
アーシムも何かを感じたようで、意識が私から自身の後方に居る雪の方に向かう。
ーそっちには行かせない!ー
私はアーシムの長剣の切っ先を手で掴み、自分の方へ引き寄せる。
「なっ!?」
思わず引っ張られたアーシムはバランスをくずし、私の方へと体を傾けた。
ー今だ!ー
切っ先を掴んでいる手に更に力を入れて、自分の方へと引き寄せて
日本刀をアーシムの心臓に突き刺したー
*引き続き、軽く戦闘シーンがあります*
勿論、馬鹿にしてる訳じゃない。このままの姿で魔族に勝てるとも思っていない。ただ、元に戻るのは、最終手段としてとっておこうと思った事と…魔導師長が居て躊躇いがあったからだ。
でも、確かに…躊躇ってなんていられない。何としてでも"歪み"の浄化と修正を完成させなければいけないんだ。私情を挟んではいけないんだ。
ー魔導師長が…どんな反応をするのか…怖いけどー
"歪み"と雪を見る。雪はこちらに気付く事なく浄化を続けていて、穢れが少しずつではあるが浄化されていっている事が判る。
手に魔力を集め、アーシムの胸に射ち放つ。アーシムは手にしていた私の髪を離して、その攻撃を軽く避ける。
その間に私はアーシムから距離をとり、自分に掛けた魔法を解除し、本来の姿を解放した。
最初に青色だった瞳が、淡いラベンダー色に戻る。そして、銀髪の髪が毛先からゆっくりと上に向かってピンクブロンドに色を変えて行く。
ー久し振りの…"ミシュエルリーナ"だー
耳につけた魔道具を伝い、魔導師や魔法使い達が息を飲むのが分かった。そう、魔力の色が…変わったのだ。視える人にとっては驚きなのだろう。
アーシムが、少し後ろに下がり距離をとる。
「人間のくせに…魔力は俺達並にあるのか…これは…面白いな…。」
ーこっちは全然面白くない。同じ位か…アーシムは、チート並なのかー
お互い距離は詰めずに攻撃魔法を繰り出す。
本来の魔力を使えるようになり、体も軽く感じるし攻撃力も上がった。それでも…距離を縮めなければ…仕留める事は難しいよね…。でも、動きも力もアーシムの方が上だろう。
それに…さっき攻撃を受けた左腕が痛みと熱を持っている。隙があれば、治癒魔法を掛けようとは思うけど、ホントに隙がない。
ーどちらが、いつまでもつかー
魔物だって、魔力は無尽蔵では無いだろう。魔力が枯渇すれば、それは死を意味する。怪我を負っている分、私の方が…不利だ。
ーどうする?ー
ほんの少しの焦りだった。
「他に考え事とは…本当に舐められたものだな。」
気付いた時には、目の前に距離を詰めて来たアーシムが居た。
ーっ!ー
『ミュー!』
「ミューさん!!」
耳につけた魔道具から魔導師長の声が、私の背後から琢磨の声が聞こえた。
「…くっ…」
アーシムの手に短剣が握られている。直接的な攻撃に転じて来たのだ。咄嗟に避けはしたが避けきれず、先程と同じ左腕に短剣が刺さってしまった。私も右手に魔力を込めアーシムの胸を狙って攻撃を射つ。勿論、アーシムは私の腕に刺した短剣を引き抜き攻撃をかわし、また私から距離をとった。
「そろそろ遊びは終わりにしようか?」
アーシムがニタリと嗤う。そこには愉悦の感情しかない。全身が粟立つ。
チラリと"歪み"を確認して気付いた。
ーあぁ…アーシムも焦っているのかー
そう、"歪み"の浄化がほぼ終わり掛けているのだ。浄化が終わり修正に入れば、完璧にできなくとも、また暫くはアーシムも動けなくなる。それどころか、ここに居る魔導師、魔法使い達が動けるようになるのだ。いくら魔族と言えどアーシムに勝ち目は無い。
私としても…ここで一気にいかなければ…後が無いと言う事だ。
私は、浄化のイメージを膨らませ、一本の剣を出現させた。
あぁ…前世のイメージに引き摺られたようだ。
ー日本刀ー
手にあったのは、正しく日本刀だった。イメージする時に"妖刀正宗"が浮かんだのだ。前世でお父さんが好きだった日本刀だ。
手に馴染む感覚。そのままその日本刀に浄化の魔法を掛ける。
あの朱殷宮殿での一件以降、時間がある時にアルバニア様に剣の指南をお願いしていた。
ー大丈夫。落ち着いていけば大丈夫ー
すぐに動いたのはアーシムの方だった。持っていた短剣が長剣へと変わり、魔法も使いながら攻撃を繰り返す。
私は焦らず、ひたすら攻撃をかわしつつアーシムの動きをを目で追って行く。
ー大丈夫。落ち着いている。アーシムの動きが何となく読めてきたー
アーシムの顔には全く変化はないが、動きが少し雑になって来ている。私の予想通り"歪み"の浄化が目の前まで迫って来ている事に気付き、焦って来ているのだ。動きが単調になって来ている。
次にアーシムが距離を詰めて来た時が、最後のチャンスかもしれない。
魔法攻撃で私の左腕を狙い、私が避ける。そこから一気に私との距離を縮めるー。その長剣が私の胸元を狙って来た。
その時、アーシムの肩越しに、雪の浄化が終わったのが見えた。
アーシムも何かを感じたようで、意識が私から自身の後方に居る雪の方に向かう。
ーそっちには行かせない!ー
私はアーシムの長剣の切っ先を手で掴み、自分の方へ引き寄せる。
「なっ!?」
思わず引っ張られたアーシムはバランスをくずし、私の方へと体を傾けた。
ー今だ!ー
切っ先を掴んでいる手に更に力を入れて、自分の方へと引き寄せて
日本刀をアーシムの心臓に突き刺したー
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