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月属性と“ルーナ”
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「次は、“月属性”についてね。」
“月属性”─とは、月の加護を持つ者の事を言うそうだ。そして、その数も少ないらしい。
月の加護があると、持っている魔力とは別に“癒し”の力を得る。その“癒し”は、怪我を治したり、文字通り他人の心を癒したりする。ただし、あくまでも他人に対して行えるモノであり、自身の怪我などは治せないらしい。
「だから、月属性の者は、自分の事は自分でしっかり守らないと駄目なんだけど、貴方の場合は、白狼のお蔭でリスクは減っているわね。そして、月属性の者には特徴があるの。私の瞳を見て…判るかしら?」
アシーナさんはそう言うと、私に顔を近付けて視線を合わせる。
『ひょっとして、瞳の中のキラキラ?』
「そう。月属性の者は、瞳の中がキラキラしているの。貴方もね。多分だけど、白狼なのに毛色が白銀なのは、その月属性の影響だと思うわ。」
『なる…ほど?』
ーいや、本当にファンタジー要素が半端無いー
『アシーナさんも、月属性なんですね。魔法は使えるんですか?』
「あ、まだ言ってなかったわね。私は“魔女”なの。“東の森の魔女”もしくは、“白銀の魔女”と呼ばれているわ。」
“魔女”とは──
全ての属性の魔力を持つ者の呼称だそうで、極希に二つの属性の魔力持ちがいるが、基本は一つだけ。なので、全属性を持つ魔女とは、本当に凄い存在なんだろう。
それ故に──この国には東西南北にそれぞれ森があり、そのそれぞれの森に魔女を配置し、その森の管理を行っているそうで、貴族生まれは別として、基本、魔女に爵位はないが、“伯爵”並の立場として扱われているそうだ。
『アシーナさんは、凄い人だったんですね。そんな人に…拾ってもらえて良かったんですけど……。私…これからどうしたら…良いんでしょうか?』
日本には還れない。
他の4人を探そうにも、ここが何処かも分からないのに探しようがない。そもそも、他の4人がこの国に来ているのかも分からないのだ。
その上──私は人間ではなく、白狼になってしまっている。
右手をヒョイッと上げて見つめる。
ーうん。何度見てももふもふだし、肉球があるー
シュン─と項垂れていると、アシーナさんが私の頭を撫でながら
「多分なんだけど……完璧に白狼になった訳ではないと思うわ。」
と、その言葉に耳がピクリッと反応した。
「どうしても、月の加護より水の精霊の加護の方が強いから、今は白狼の姿になっているけど……満月…月の加護が一番強まる時には、本来の姿に戻れると思うわ。」
丁度、3日後が満月だと言う事で、その時に確認する事になった。
そこで、人間の姿に戻れたなら、白狼の姿になっているのは、ただ水の精霊が私を守る為に加護を掛けて姿を変えているだけで、そのうち元の姿に戻れるだろうと。
もし、満月でも人間の姿に戻れない時は──その時に考えよう!
兎に角、確認する迄は、この世界、この国について色々教えてもらう事にした。
「あ、スッカリ忘れていたけど、貴方の名前は何て言うの?」
『ハッ!私も言うの、忘れてました!キョウコ……モチヅキ=キョウコと言います!』
「キョウコ─女の子──で良いのよね?」
『え?』
と、態々性別を訊かれた事にビックリしていると、両脇に手を差し込まれて抱き上げられた。
そうすると、ダラーンと足が垂れ下がり、お腹をアシーナさんに向けて無防備に曝け出す姿になる。
ーあれ?ちょっと恥ずかしいんだけど!?ー
「うーん…見た目、オスかメスかも判らないのよね。」
ーどこを見られているんだろうか?いや、どこを見られているか分かってるけどね!?ー
恥ずかし過ぎて、垂れ下がっている足─後ろ足をバタバタとさせると、「あ、ジロジロ見てごめんなさいね。」と言って、椅子の上に下ろしてくれた。
「“キョウコ”は、この世界では珍しい名前だし姿が違うから──“ルーナ”と言う名前で呼ぶのはどうかしら?」
ー日本…英語?でも、“ルナ”って“月”の事を表してたよね?ー
聞き慣れたような名前で違和感もなくて、白狼の姿で“杏子”と呼ばれるのは少し抵抗があったから、私はアシーナさんの提案通り“ルーナ”と呼んでもらう事に同意した。
そして、あっという間に3日が過ぎた。
いよいよ、今日は満月の日だ。
この3日間は──正直に言うと、楽しかった。
まだまだ初歩の初歩の─更にその前段階だが、アシーナさんから魔力の使い方を教わっている。
魔力の流れを感じるだけで2日も掛かってしまった。この世界の魔力持ちの子達は、この魔力の流れを感じるのに1日も掛からないらしい。
「それは仕方無いわ。もともと魔法、魔力とは無縁の身体だったのだから。」
と、アシーナさんは私がポンコツ?でも、呆れる事も怒る事もなく優しく付き合ってくれる。そして、いつも笑って頭を撫でてくれるのだ。
ー撫でられると嬉しくて、尻尾がユラユラするのは──仕方無いよね?ー
“月属性”─とは、月の加護を持つ者の事を言うそうだ。そして、その数も少ないらしい。
月の加護があると、持っている魔力とは別に“癒し”の力を得る。その“癒し”は、怪我を治したり、文字通り他人の心を癒したりする。ただし、あくまでも他人に対して行えるモノであり、自身の怪我などは治せないらしい。
「だから、月属性の者は、自分の事は自分でしっかり守らないと駄目なんだけど、貴方の場合は、白狼のお蔭でリスクは減っているわね。そして、月属性の者には特徴があるの。私の瞳を見て…判るかしら?」
アシーナさんはそう言うと、私に顔を近付けて視線を合わせる。
『ひょっとして、瞳の中のキラキラ?』
「そう。月属性の者は、瞳の中がキラキラしているの。貴方もね。多分だけど、白狼なのに毛色が白銀なのは、その月属性の影響だと思うわ。」
『なる…ほど?』
ーいや、本当にファンタジー要素が半端無いー
『アシーナさんも、月属性なんですね。魔法は使えるんですか?』
「あ、まだ言ってなかったわね。私は“魔女”なの。“東の森の魔女”もしくは、“白銀の魔女”と呼ばれているわ。」
“魔女”とは──
全ての属性の魔力を持つ者の呼称だそうで、極希に二つの属性の魔力持ちがいるが、基本は一つだけ。なので、全属性を持つ魔女とは、本当に凄い存在なんだろう。
それ故に──この国には東西南北にそれぞれ森があり、そのそれぞれの森に魔女を配置し、その森の管理を行っているそうで、貴族生まれは別として、基本、魔女に爵位はないが、“伯爵”並の立場として扱われているそうだ。
『アシーナさんは、凄い人だったんですね。そんな人に…拾ってもらえて良かったんですけど……。私…これからどうしたら…良いんでしょうか?』
日本には還れない。
他の4人を探そうにも、ここが何処かも分からないのに探しようがない。そもそも、他の4人がこの国に来ているのかも分からないのだ。
その上──私は人間ではなく、白狼になってしまっている。
右手をヒョイッと上げて見つめる。
ーうん。何度見てももふもふだし、肉球があるー
シュン─と項垂れていると、アシーナさんが私の頭を撫でながら
「多分なんだけど……完璧に白狼になった訳ではないと思うわ。」
と、その言葉に耳がピクリッと反応した。
「どうしても、月の加護より水の精霊の加護の方が強いから、今は白狼の姿になっているけど……満月…月の加護が一番強まる時には、本来の姿に戻れると思うわ。」
丁度、3日後が満月だと言う事で、その時に確認する事になった。
そこで、人間の姿に戻れたなら、白狼の姿になっているのは、ただ水の精霊が私を守る為に加護を掛けて姿を変えているだけで、そのうち元の姿に戻れるだろうと。
もし、満月でも人間の姿に戻れない時は──その時に考えよう!
兎に角、確認する迄は、この世界、この国について色々教えてもらう事にした。
「あ、スッカリ忘れていたけど、貴方の名前は何て言うの?」
『ハッ!私も言うの、忘れてました!キョウコ……モチヅキ=キョウコと言います!』
「キョウコ─女の子──で良いのよね?」
『え?』
と、態々性別を訊かれた事にビックリしていると、両脇に手を差し込まれて抱き上げられた。
そうすると、ダラーンと足が垂れ下がり、お腹をアシーナさんに向けて無防備に曝け出す姿になる。
ーあれ?ちょっと恥ずかしいんだけど!?ー
「うーん…見た目、オスかメスかも判らないのよね。」
ーどこを見られているんだろうか?いや、どこを見られているか分かってるけどね!?ー
恥ずかし過ぎて、垂れ下がっている足─後ろ足をバタバタとさせると、「あ、ジロジロ見てごめんなさいね。」と言って、椅子の上に下ろしてくれた。
「“キョウコ”は、この世界では珍しい名前だし姿が違うから──“ルーナ”と言う名前で呼ぶのはどうかしら?」
ー日本…英語?でも、“ルナ”って“月”の事を表してたよね?ー
聞き慣れたような名前で違和感もなくて、白狼の姿で“杏子”と呼ばれるのは少し抵抗があったから、私はアシーナさんの提案通り“ルーナ”と呼んでもらう事に同意した。
そして、あっという間に3日が過ぎた。
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「それは仕方無いわ。もともと魔法、魔力とは無縁の身体だったのだから。」
と、アシーナさんは私がポンコツ?でも、呆れる事も怒る事もなく優しく付き合ってくれる。そして、いつも笑って頭を撫でてくれるのだ。
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