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ファンタジー
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❋本日、3話目になります。宜しくお願いします❋
「あらあら、これはまた……珍しいモノが落ちて来たわね。」
意識を手放す前に耳に届いたその声は、その場には場違いな程の優しい声だった。
ふわふわと体が軽い。
それに、良い匂い?がする。
ーあぁ、死んで天国にでもこれたのかなぁ?ー
「ふふっ。可愛いわね。尻尾が揺れてるわ。」
ー?ー
また、あの優しい声が耳に届いた。
ソロソロと目を開けると──
「あ、目が覚めた?」
その優しい声の主は、プラチナブロンドの長い髪を後ろでひと括りにしていて、目は黒に近いけど─濃紺?色の瞳をしている。そして、私と同じ様に、キラキラしたモノが入っている。
ー綺麗な瞳だなぁー
と、ジッとその瞳を見つめる。
「ふふっ。可愛い子ね。えっと…言葉は解る?」
コクコクと頷く。
「それなら良かったわ。色々訊きたい事があるだろうけど、先ずは──何か食べましょうか。」
そう言って、その人は私を軽く撫でた後、この部屋から出て行った。
私は、今居る部屋をキョロキョロと見回す。
私が今居るのは、この部屋のベッドの上。大人2人がゆっくり寝れる大きさだ。
部屋は、ログハウスの様な作りになっていて、彼女が出て行った扉の他に、もう一つ扉がある。それと小さな窓が一つ。その窓から見えるのは──暗闇。気を失う前はまだ明るかった。と言う事は、私は結構長い時間眠っていたのかもしれない。
それから、自分の手元に視線を落とす。
ーうん。やっぱりもふもふだし、肉球がある。どうして…こうなった?ー
“色々訊きたい事はあるだろうけど─”
と、彼女は言った。なら、何か知っている?分かっているのかもしれない。彼女からは、さっきみたいな恐怖感は感じない。寧ろ、安心感がある。多少、用心はするが、悪い人ではないだろう。彼女の言う通りで、先ずは腹ごしらえをしてから次を考えよう──。
そう思って、私は彼女が部屋に戻って来るのをベッドの上で静かに待っていた。
「私の名前は“アシーナ”よ。」
私を助けてくれた?女性はアシーナさん。私が倒れていた森─“東の森”─の奥に住んでいて、今居る所がその家だそうだ。
私を食べようとしていた生き物は、魔獣と呼ばれる魔石を核として生きているモノらしい。
ここが何処かは置いといて─
ここには“魔法”が存在するそうだ。それは、魔力を持って生まれる者と、空気中に存在する魔素を取り込んで魔法を使う者が居る。ただし、魔素を取り込んで使う場合には、向き不向き、その魔素との相性がある上、それなりの訓練が必要らしく、魔力を持って生まれなかった場合は、殆どの人が魔法を使う事はないそうだ。魔力を持って生まれた人も、その魔力量には個人差があり、生活魔法しか使えない者から、攻撃や守護の魔法を使える者など色々あるそうだ。
ーファンタジー要素が半端ないー
私は読んだ事はないけど、女子グループがよくラノベ?の話をしていて、その話をよく耳にしていたけど──
今の状況って、有り得ないけど……そう言う事なんだろうか?
これもラノベお約束?で、この世界には階級が存在し、貴族社会を中心に回っている。この世界の大陸にはいくつかの国が存在し、その殆どの国が国王が治めている。この国も王様が治めていて、比較的平和な国だそうだ。
ただ、空気中の魔素が増え過ぎて、その魔素から生まれる魔獣が、近年少しずつ数を増やしているそうで、今はその事が問題になっているとの事だった。
「特に、ここみたいな森は魔素が溜まりやすくてね。魔獣が増えないように、1日何度か見回りをしているのよ。それで、その見回り中に倒れているあなたを見つけたのよ。」
なるほど。私は運が良かったんだ。
『助けてもらって、ありがとうございます。』
ペコリと頭を下げると、「どういたしまして」と、アシーナさんはふわりと笑って私の頭を撫でた。
「他の事も、また追々話をするとして──」
と、アシーナさんは私の頭を撫でながら口を開いた後、一度言葉を区切り
「あなたがどうしてここに来て、その姿になったのか……話してくれるかしら?」
ーあぁ、アシーナさんは、何かを知っているんだー
改めて、アシーナさんのキラキラ光る濃紺の瞳を見つめる。その目は、とても優しい。
私は一度目を瞑った後、もう一度アシーナさんをしっかりと見据えて、私がここに来る迄の話をした。
❋“恋愛”タグありますが、少し後の方になります。すみません!“溺愛”に関しては、色んなパターンの溺愛が含まれます(笑)。
明日からは、基本は1日1話ずつの更新となります。
今作品も、宜しくお願いします❋
٩(。˃ ᵕ ˂ )و♡
「あらあら、これはまた……珍しいモノが落ちて来たわね。」
意識を手放す前に耳に届いたその声は、その場には場違いな程の優しい声だった。
ふわふわと体が軽い。
それに、良い匂い?がする。
ーあぁ、死んで天国にでもこれたのかなぁ?ー
「ふふっ。可愛いわね。尻尾が揺れてるわ。」
ー?ー
また、あの優しい声が耳に届いた。
ソロソロと目を開けると──
「あ、目が覚めた?」
その優しい声の主は、プラチナブロンドの長い髪を後ろでひと括りにしていて、目は黒に近いけど─濃紺?色の瞳をしている。そして、私と同じ様に、キラキラしたモノが入っている。
ー綺麗な瞳だなぁー
と、ジッとその瞳を見つめる。
「ふふっ。可愛い子ね。えっと…言葉は解る?」
コクコクと頷く。
「それなら良かったわ。色々訊きたい事があるだろうけど、先ずは──何か食べましょうか。」
そう言って、その人は私を軽く撫でた後、この部屋から出て行った。
私は、今居る部屋をキョロキョロと見回す。
私が今居るのは、この部屋のベッドの上。大人2人がゆっくり寝れる大きさだ。
部屋は、ログハウスの様な作りになっていて、彼女が出て行った扉の他に、もう一つ扉がある。それと小さな窓が一つ。その窓から見えるのは──暗闇。気を失う前はまだ明るかった。と言う事は、私は結構長い時間眠っていたのかもしれない。
それから、自分の手元に視線を落とす。
ーうん。やっぱりもふもふだし、肉球がある。どうして…こうなった?ー
“色々訊きたい事はあるだろうけど─”
と、彼女は言った。なら、何か知っている?分かっているのかもしれない。彼女からは、さっきみたいな恐怖感は感じない。寧ろ、安心感がある。多少、用心はするが、悪い人ではないだろう。彼女の言う通りで、先ずは腹ごしらえをしてから次を考えよう──。
そう思って、私は彼女が部屋に戻って来るのをベッドの上で静かに待っていた。
「私の名前は“アシーナ”よ。」
私を助けてくれた?女性はアシーナさん。私が倒れていた森─“東の森”─の奥に住んでいて、今居る所がその家だそうだ。
私を食べようとしていた生き物は、魔獣と呼ばれる魔石を核として生きているモノらしい。
ここが何処かは置いといて─
ここには“魔法”が存在するそうだ。それは、魔力を持って生まれる者と、空気中に存在する魔素を取り込んで魔法を使う者が居る。ただし、魔素を取り込んで使う場合には、向き不向き、その魔素との相性がある上、それなりの訓練が必要らしく、魔力を持って生まれなかった場合は、殆どの人が魔法を使う事はないそうだ。魔力を持って生まれた人も、その魔力量には個人差があり、生活魔法しか使えない者から、攻撃や守護の魔法を使える者など色々あるそうだ。
ーファンタジー要素が半端ないー
私は読んだ事はないけど、女子グループがよくラノベ?の話をしていて、その話をよく耳にしていたけど──
今の状況って、有り得ないけど……そう言う事なんだろうか?
これもラノベお約束?で、この世界には階級が存在し、貴族社会を中心に回っている。この世界の大陸にはいくつかの国が存在し、その殆どの国が国王が治めている。この国も王様が治めていて、比較的平和な国だそうだ。
ただ、空気中の魔素が増え過ぎて、その魔素から生まれる魔獣が、近年少しずつ数を増やしているそうで、今はその事が問題になっているとの事だった。
「特に、ここみたいな森は魔素が溜まりやすくてね。魔獣が増えないように、1日何度か見回りをしているのよ。それで、その見回り中に倒れているあなたを見つけたのよ。」
なるほど。私は運が良かったんだ。
『助けてもらって、ありがとうございます。』
ペコリと頭を下げると、「どういたしまして」と、アシーナさんはふわりと笑って私の頭を撫でた。
「他の事も、また追々話をするとして──」
と、アシーナさんは私の頭を撫でながら口を開いた後、一度言葉を区切り
「あなたがどうしてここに来て、その姿になったのか……話してくれるかしら?」
ーあぁ、アシーナさんは、何かを知っているんだー
改めて、アシーナさんのキラキラ光る濃紺の瞳を見つめる。その目は、とても優しい。
私は一度目を瞑った後、もう一度アシーナさんをしっかりと見据えて、私がここに来る迄の話をした。
❋“恋愛”タグありますが、少し後の方になります。すみません!“溺愛”に関しては、色んなパターンの溺愛が含まれます(笑)。
明日からは、基本は1日1話ずつの更新となります。
今作品も、宜しくお願いします❋
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