47 / 57
★ありがとうございます★
しおりを挟む
❋お気に入り登録が100を超えました。登録していただき、ありがとうございます。感謝の気持ちを込めて閑話を投稿しました。よければ読んで下さい。読み飛ばしても、本編に影響はありません❋
(*,,˃ ᵕ ˂ )✰*。
*マーカス=リンデル*
「この女、本当にクズだな…」
この一言に尽きる。
この女とは─エレーナ嬢の事だ。
相変わらずユシール殿下は動いていない。側近である私にも何も言わない。聞くのはマクウェル様とエレーナ嬢の話と、噂だけ。
ー殿下は、こんなにも愚かな方だっただろうか?ー
いや、王族─第二王子でありながら人が好過ぎるのだろう。王族とは、お人好しでは駄目なのだ。王太子殿下や王弟殿下のように、腹黒さを持ち合わせていなければ……こうやって、簡単に騙されるのだ。それに、王族としての自覚もしっかり持つべきだろう。
シルフィー嬢について調べてみたら、そこから直ぐにエレーナの仕業だと言う事が判明した。誰もが噂を知ってはいるが、エレーナがベルフォーネ様やシルフィー嬢に苛められている─との目撃情報は皆無だった。“苛められているらしい”としか出て来なかった。
それに─
エレーナの双子の弟─アーロンも、何やら一人で動いている。
と言う事は、十中八九…いや、100%エレーナのでっち上げだろう。
そのエレーナは勿論の事、マクウェル様も殿下も…私とアーロンが動いている事には全く気付いてはいないだろう。
そんななか、あの3人は何やら企んでいるようで、ここ数日はこそこそと何やら話し合っている。
ー本当に、滑稽だなー
私とアーロンが既に離れている─なんて事には全く気付いてもいない。それに気付いた時…どんな顔をするのか…
「愉しみだな…」
「マーカス様は、相変わらず真っ黒ですわね。」
一人ニヤニヤしていると、これまた愉しそうに笑っているベルフォーネ様がやって来た。
「ベルフォーネ様も、向こうが動くのを楽しみに待っているのでしょう?」
「ふふっ。勿論よ。どんな馬鹿を曝け出してくれるのかしらね?」
「一つ…気になるんですけど…。王弟殿下って、シルフィー嬢を……」
「本当に、マーカス様はよく見てらっしゃるのね。」
ベルフォーネ様は答えてはいないけど、そう言う事なんだろう。
パッと見では分からないが、王弟殿下のシルフィー嬢を見る目が、何となく他とは違う気がするのだ。私がシルフィー嬢と話していると、何となく殺気?めいたモノを飛ばされている様な気も…しなくもないし…。
「あの王弟殿下がね…。本当に、面白い事だらけですね。」
「マーカス様、王太子殿下が、日を改めて話がしたいと言っていたので、予定を教えて下さるかしら?」
「王太子殿下が?それは……」
「ふふっ。アーロンと2人でね。良かったわね。」
第二王子の側近だった私は、これからどうするか?と色々考えていたけど──
「ありがとうございます。」
これからは、王太子殿下の元で頑張って行こう。
「ユシール殿下が、ベルフォーネ様とシルフィー嬢を呼び出したようです。」
ついに、ユシール殿下が動いて来た為、王弟殿下に報告をしに来た。
「ようやくか…どんな戯言が飛び出すのか…愉しみだな。」
と、これまた王弟殿下も真っ黒な笑顔を浮かべる。
「私も詳しくはしりませんが、証拠があるとか言ってましたけど…きちんとした証拠は無いと思います。“聞いた”や、“─が言っていた”程度の証拠かと。」
「はっ。それが証拠になると思っているところが凄いな。」
「あの…マクウェル様には気を付けた方が良いかもしれません。」
「気を付ける?」
「マクウェル様は、幼い頃……シルフィー嬢が好きだった…ようです。その分、シルフィー嬢に対する失望感?の様なモノが憎悪に変わっている感じですから、何をするか…」
と言いかけてから、ヒュッと息を呑んだ。
「マクウェルが、シルフィーに手を出す─と?」
王弟殿下は、口は笑っているのに、目は笑っていないどころか、その視線だけで人が凍ってしまいそうな程の冷気を纏っているかのようだ。
「シルフィーに手を出したら、それで…終わりにしてやる。」
ーマジかー
ニヤリと笑う王弟殿下。
「えっと…いくつ差ですか?」
「12─だな。」
「シルフィー嬢も、とんでもない方に…捕まってしまいましたね。」
「同感だ──。」
先程とは違い、フワリと笑う。
あぁ、本当にシルフィー嬢が好きなのか─。
あの無表情なシルフィー嬢が、王弟殿下の前ではどんな表情を見せているのか…気にはなるが…王弟殿下の絶対零度な視線と殺気は浴びたくはないから、適度な距離をもって接していこう。
そして始まったお馬鹿劇場。
お粗末過ぎて嗤える。
勿論、ベルフォーネ様も嗤っている。
ある意味、もう少し…頑張って欲しかった。
❋今日も、いつもの時間に本編を投稿します。宜しくお願いします❋
(*,,˃ ᵕ ˂ )✰*。
*マーカス=リンデル*
「この女、本当にクズだな…」
この一言に尽きる。
この女とは─エレーナ嬢の事だ。
相変わらずユシール殿下は動いていない。側近である私にも何も言わない。聞くのはマクウェル様とエレーナ嬢の話と、噂だけ。
ー殿下は、こんなにも愚かな方だっただろうか?ー
いや、王族─第二王子でありながら人が好過ぎるのだろう。王族とは、お人好しでは駄目なのだ。王太子殿下や王弟殿下のように、腹黒さを持ち合わせていなければ……こうやって、簡単に騙されるのだ。それに、王族としての自覚もしっかり持つべきだろう。
シルフィー嬢について調べてみたら、そこから直ぐにエレーナの仕業だと言う事が判明した。誰もが噂を知ってはいるが、エレーナがベルフォーネ様やシルフィー嬢に苛められている─との目撃情報は皆無だった。“苛められているらしい”としか出て来なかった。
それに─
エレーナの双子の弟─アーロンも、何やら一人で動いている。
と言う事は、十中八九…いや、100%エレーナのでっち上げだろう。
そのエレーナは勿論の事、マクウェル様も殿下も…私とアーロンが動いている事には全く気付いてはいないだろう。
そんななか、あの3人は何やら企んでいるようで、ここ数日はこそこそと何やら話し合っている。
ー本当に、滑稽だなー
私とアーロンが既に離れている─なんて事には全く気付いてもいない。それに気付いた時…どんな顔をするのか…
「愉しみだな…」
「マーカス様は、相変わらず真っ黒ですわね。」
一人ニヤニヤしていると、これまた愉しそうに笑っているベルフォーネ様がやって来た。
「ベルフォーネ様も、向こうが動くのを楽しみに待っているのでしょう?」
「ふふっ。勿論よ。どんな馬鹿を曝け出してくれるのかしらね?」
「一つ…気になるんですけど…。王弟殿下って、シルフィー嬢を……」
「本当に、マーカス様はよく見てらっしゃるのね。」
ベルフォーネ様は答えてはいないけど、そう言う事なんだろう。
パッと見では分からないが、王弟殿下のシルフィー嬢を見る目が、何となく他とは違う気がするのだ。私がシルフィー嬢と話していると、何となく殺気?めいたモノを飛ばされている様な気も…しなくもないし…。
「あの王弟殿下がね…。本当に、面白い事だらけですね。」
「マーカス様、王太子殿下が、日を改めて話がしたいと言っていたので、予定を教えて下さるかしら?」
「王太子殿下が?それは……」
「ふふっ。アーロンと2人でね。良かったわね。」
第二王子の側近だった私は、これからどうするか?と色々考えていたけど──
「ありがとうございます。」
これからは、王太子殿下の元で頑張って行こう。
「ユシール殿下が、ベルフォーネ様とシルフィー嬢を呼び出したようです。」
ついに、ユシール殿下が動いて来た為、王弟殿下に報告をしに来た。
「ようやくか…どんな戯言が飛び出すのか…愉しみだな。」
と、これまた王弟殿下も真っ黒な笑顔を浮かべる。
「私も詳しくはしりませんが、証拠があるとか言ってましたけど…きちんとした証拠は無いと思います。“聞いた”や、“─が言っていた”程度の証拠かと。」
「はっ。それが証拠になると思っているところが凄いな。」
「あの…マクウェル様には気を付けた方が良いかもしれません。」
「気を付ける?」
「マクウェル様は、幼い頃……シルフィー嬢が好きだった…ようです。その分、シルフィー嬢に対する失望感?の様なモノが憎悪に変わっている感じですから、何をするか…」
と言いかけてから、ヒュッと息を呑んだ。
「マクウェルが、シルフィーに手を出す─と?」
王弟殿下は、口は笑っているのに、目は笑っていないどころか、その視線だけで人が凍ってしまいそうな程の冷気を纏っているかのようだ。
「シルフィーに手を出したら、それで…終わりにしてやる。」
ーマジかー
ニヤリと笑う王弟殿下。
「えっと…いくつ差ですか?」
「12─だな。」
「シルフィー嬢も、とんでもない方に…捕まってしまいましたね。」
「同感だ──。」
先程とは違い、フワリと笑う。
あぁ、本当にシルフィー嬢が好きなのか─。
あの無表情なシルフィー嬢が、王弟殿下の前ではどんな表情を見せているのか…気にはなるが…王弟殿下の絶対零度な視線と殺気は浴びたくはないから、適度な距離をもって接していこう。
そして始まったお馬鹿劇場。
お粗末過ぎて嗤える。
勿論、ベルフォーネ様も嗤っている。
ある意味、もう少し…頑張って欲しかった。
❋今日も、いつもの時間に本編を投稿します。宜しくお願いします❋
52
お気に入りに追加
799
あなたにおすすめの小説
公爵令嬢 メアリの逆襲 ~魔の森に作った湯船が 王子 で溢れて困ってます~
薄味メロン
恋愛
HOTランキング 1位 (2019.9.18)
お気に入り4000人突破しました。
次世代の王妃と言われていたメアリは、その日、すべての地位を奪われた。
だが、誰も知らなかった。
「荷物よし。魔力よし。決意、よし!」
「出発するわ! 目指すは源泉掛け流し!」
メアリが、追放の準備を整えていたことに。
悪役令嬢はお断りです
あみにあ
恋愛
あの日、初めて王子を見た瞬間、私は全てを思い出した。
この世界が前世で大好きだった小説と類似している事実を————。
その小説は王子と侍女との切ない恋物語。
そして私はというと……小説に登場する悪役令嬢だった。
侍女に執拗な虐めを繰り返し、最後は断罪されてしまう哀れな令嬢。
このまま進めば断罪コースは確定。
寒い牢屋で孤独に過ごすなんて、そんなの嫌だ。
何とかしないと。
でもせっかく大好きだった小説のストーリー……王子から離れ見られないのは悲しい。
そう思い飛び出した言葉が、王子の護衛騎士へ志願することだった。
剣も持ったことのない温室育ちの令嬢が
女の騎士がいないこの世界で、初の女騎士になるべく奮闘していきます。
そんな小説の世界に転生した令嬢の恋物語。
●表紙イラスト:San+様(Twitterアカウント@San_plus_)
●毎日21時更新(サクサク進みます)
●全四部構成:133話完結+おまけ(2021年4月2日 21時完結)
(第一章16話完結/第二章44話完結/第三章78話完結/第四章133話で完結)。
公爵閣下に嫁いだら、「お前を愛することはない。その代わり好きにしろ」と言われたので好き勝手にさせていただきます
柴野
恋愛
伯爵令嬢エメリィ・フォンストは、親に売られるようにして公爵閣下に嫁いだ。
社交界では悪女と名高かったものの、それは全て妹の仕業で実はいわゆるドアマットヒロインなエメリィ。これでようやく幸せになると思っていたのに、彼女は夫となる人に「お前を愛することはない。代わりに好きにしろ」と言われたので、言われた通り好き勝手にすることにした――。
※本編&後日談ともに完結済み。ハッピーエンドです。
※主人公がめちゃくちゃ腹黒になりますので要注意!
※小説家になろう、カクヨムにも重複投稿しています。
教会を追放された元聖女の私、果実飴を作っていたのに、なぜかイケメン騎士様が溺愛してきます!
海空里和
恋愛
王都にある果実店の果実飴は、連日行列の人気店。
そこで働く孤児院出身のエレノアは、聖女として教会からやりがい搾取されたあげく、あっさり捨てられた。大切な人を失い、働くことへの意義を失ったエレノア。しかし、果実飴の成功により、働き方改革に成功して、穏やかな日常を取り戻していた。
そこにやって来たのは、場違いなイケメン騎士。
「エレノア殿、迎えに来ました」
「はあ?」
それから毎日果実飴を買いにやって来る騎士。
果実飴が気に入ったのかと思ったその騎士、イザークは、実はエレノアとの結婚が目的で?!
これは、エレノアにだけ距離感がおかしいイザークと、失意にいながらも大切な物を取り返していくエレノアが、次第に心を通わせていくラブストーリー。
私は幼い頃に死んだと思われていた侯爵令嬢でした
さこの
恋愛
幼い頃に誘拐されたマリアベル。保護してくれた男の人をお母さんと呼び、父でもあり兄でもあり家族として暮らしていた。
誘拐される以前の記憶は全くないが、ネックレスにマリアベルと名前が記されていた。
数年後にマリアベルの元に侯爵家の遣いがやってきて、自分は貴族の娘だと知る事になる。
お母さんと呼ぶ男の人と離れるのは嫌だが家に戻り家族と会う事になった。
片田舎で暮らしていたマリアベルは貴族の子女として学ぶ事になるが、不思議と読み書きは出来るし食事のマナーも悪くない。
お母さんと呼ばれていた男は何者だったのだろうか……? マリアベルは貴族社会に馴染めるのか……
っと言った感じのストーリーです。
中将閣下は御下賜品となった令嬢を溺愛する
cyaru
恋愛
幼い頃から仲睦まじいと言われてきた侯爵令息クラウドと侯爵令嬢のセレティア。
18歳となりそろそろ婚約かと思われていたが、長引く隣国との戦争に少年兵士としてクラウドが徴兵されてしまった。
帰りを待ち続けるが、22歳になったある日クラウドの戦死が告げられた。
泣き崩れるセレティアだったが、ほどなくして戦争が終わる。敗戦したのである。
戦勝国の国王は好色王としても有名で王女を差し出せと通達があったが王女は逃げた所を衛兵に斬り殺されてしまう。仕方なく高位貴族の令嬢があてがわれる事になったが次々に純潔を婚約者や、急遽婚約者を立ててしまう他の貴族たち。選ばれてしまったセレティアは貢物として隣国へ送られた。
奴隷のような扱いを受けるのだろうと思っていたが、豪華な部屋に通され、好色王と言われた王には一途に愛する王妃がいた。
セレティアは武功を挙げた将兵に下賜されるために呼ばれたのだった。
そしてその将兵は‥‥。
※作品の都合上、うわぁと思うような残酷なシーンがございます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※頑張って更新します。
婚約破棄され家を出た傷心令嬢は辺境伯に拾われ溺愛されるそうです 〜今更謝っても、もう遅いですよ?〜
八代奏多
恋愛
「フィーナ、すまないが貴女との婚約を破棄させてもらう」
侯爵令嬢のフィーナ・アストリアがパーティー中に婚約者のクラウス王太子から告げられたのはそんな言葉だった。
その王太子は隣に寄り添う公爵令嬢に愛おしげな視線を向けていて、フィーナが捨てられたのは明らかだった。
フィーナは失意してパーティー会場から逃げるように抜け出す。
そして、婚約破棄されてしまった自分のせいで家族に迷惑がかからないように侯爵家当主の父に勘当するようにお願いした。
そうして身分を捨てたフィーナは生活費を稼ぐために魔法技術が発達していない隣国に渡ろうとするも、道中で魔物に襲われて意識を失ってしまう。
死にたくないと思いながら目を開けると、若い男に助け出されていて……
※小説家になろう様・カクヨム様でも公開しております。
0歳児に戻った私。今度は少し口を出したいと思います。
アズやっこ
恋愛
❈ 追記 長編に変更します。
16歳の時、私は第一王子と婚姻した。
いとこの第一王子の事は好き。でもこの好きはお兄様を思う好きと同じ。だから第二王子の事も好き。
私の好きは家族愛として。
第一王子と婚約し婚姻し家族愛とはいえ愛はある。だから何とかなる、そう思った。
でも人の心は何とかならなかった。
この国はもう終わる…
兄弟の対立、公爵の裏切り、まるでボタンの掛け違い。
だから歪み取り返しのつかない事になった。
そして私は暗殺され…
次に目が覚めた時0歳児に戻っていた。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。こういう設定だとご了承頂けると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる