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第一章 最強の娘? いえいえ、娘が最強です
新居、決定
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不動産屋の親父さんとサラとの会話を聞いていると、少し背景が見えてきた。
不動産屋のどら息子ムラータは、幼い頃からどうもサラに気があったようで、何度となく求婚していたらしい。
しかも、結構サラに迷惑をかけていたらしく、あとをつけたり、私物を盗んだり、あまつさえ勝手に自分はサラと結婚するのだと言いふらし、サラの実家にまで迷惑をかけたとの事だ。
それでも厳しい処罰をしなかったのはサラの優しさらしく、親父さんは今も低頭平身でサラに対して申し訳なさそうにしている。
魂が抜け落ち腰砕けになっているムラータを見るとまだまだサラに未練はありそう。
「なるほど、それで新居をウチで探してくれるって訳かい。でもいいのかい? ウチは、この辺りにしか物件ないが、サラちゃんなら富裕層地区に……」
「私、家出たもの。それに旦那、木こりだし」
誰が旦那だ、と口には出さないが心の中で指摘する。
「そうかい、そうだよな。よし、任せろ! で、予算はどれくらいだ?」
ムラータの親父さんにじろじろと品定めするように見られたあと、予算を聞いてくるが俺に相場を知る術はない。
「だいたい月八ピールといったところかしら?」
「八ピールか。それは随分と厳しい注文だな……。よし、取り敢えず幾つか案内しよう。ついてきてくれ」
サラは的確にこちらの予算を言い当ててきた。正直、木こりとしてやっていくならギリギリ上限一杯の家賃である。
何せ、ウチには一人、いや一匹大食漢がいるから食費はかかる。
「他に条件はあるかい?」
「出来れば庭付きがいいわね。それも家畜が飼えるほどの」
「ふむ。馬でも飼うのかい?」
「そんなところかしら」
流石に熊だとは言えないのだろう。ただ、馬が飼えるほどの庭なら、熊五郎も喜ぶかもしれない。
「まずはここだ」
最初に案内されたのは二階建ての二軒の家が連なる木造家屋。まずは庭を見るが、塀は低いものの結構広い。塀などは後から幾らでも足せるから条件としてはぴったりだし、何より結構家も大きい。
そう安心して表側へと向かうと俺とサラの表情が同時に曇る。
案内された家は問題ない。ただ、問題は連なるもう一軒の方にあった。
誰も住んでいないようだが、扉には後から木の板で塞がれており、そこには大きな赤い文字が。
『呪』
『絶対許さない』
『一生恨んでやる』
そう書かれてあった。
「八ピールにして大きな家だと思った」
残念だが、これは断念するしかない。
一応不動産屋の親父に隣家のことを聞いてみたが「模様です」と言い放ちやがった。
次に案内されたのは庭付きではあるが、家賃の高さと庭の狭さで却下。
そして次に案内されたのは、これまた二階建ての木造の建物の一階にある二部屋のうちの一部屋。
建物にくっ付けられた木板には『平和荘』と書かれていた。
まずは部屋の中を拝見。台所にトイレ、居間に寝室とどちらかと言えば一人暮らし用のようにも見えた。
だが贅沢は言っていられないし、アリステリアと二人では十分だ。
「このタンスやベッドは?」
俺は不動産屋の親父さんに尋ねてみた。他にもテーブルや椅子も三脚置かれている。
「前の住民の物だよ。つい最近置いていったんで、そのまま使ってくれてもいい。処分するなら自分達で頼むな」
正直、色々と入り用なので家具付きはありがたい。触れてみると少し埃は被ってはいるが掃除さえすれば使えそうだった。
「次は庭だな」
不動産屋の親父さんが少し建て付けの悪い横開きの戸板を全開にすると結構な広さとしっかり目隠し用の囲いがされた庭が。そこには井戸と小屋のようなものまであった。
「あの小屋は前の住民が馬小屋として建てた物だ」
「この井戸は使えるの?」
「ああ、全然問題ない」
親父さんとサラの会話を聞きながら、俺は何より居間と庭が一繋ぎになる点が大いに気に入っていた。
庭から熊五郎が家の中に入るのにちょうどいい。それに庭には、まだ広さが残っているので風呂を作れるかもしれない。
幸い井戸もそばにある。
上を向くと、二階の住民からは丸見えなので屋根は必要だが。
「どうする?」
サラが聞いてくるが俺の中では既に決まっていた。
「ここにしよう」
俺はここを新居として決めた。きっとアリステリアや熊五郎も気に入ってくれるだろう。
「それではすぐに契約するかい?」
俺が頷くと俺達は一度家の中に戻る。契約書を取り交わそうと俺達が椅子に座った時だった。
ガシャーンと何か割れる音が隣から聞こえてきた。
隣とは壁が薄いらしく、急に男のわめき声が続けて聞こえてくる。
相当興奮しているのか、何を言っているのかまではわからない。
不動産屋の親父さんを見ると「またか」といった感じで頭を抱えている。
訳ありの物件なのは予想しているが、一応不動産屋の親父さんに隣家について尋ねてみた。
最初は少し渋っていた親父さんではあったが、隣の住人について話をしてくれた。
隣には若い夫婦が住んでおり、結構喧嘩が絶えないのだという。ただ、喧嘩というには旦那さんの一方的な暴力で、わめき散らすのだという。
「うーん、それは……」
人の怒鳴り声など聞いていて気分の良いものではない。
前の住民も相当迷惑していたらしく、買い手もなかなかつかないそうだ。
夜中などは迷惑極まりないが、そもそもアリステリアは一度寝てしまえば、魔物の気配がしない限り起きては来ない。
あとは俺が我慢すればいいだけのこと。
「よし、契約します」
決意した俺は簡易的な契約書に名前を記入した時点で、内容をもう一度確かめた。
「ここに家畜可とありますけど、間違いないよな?」
親父さんが頷くと、俺は内心ほくそ笑みを浮かべてしまう。
家畜と書いてあるだけで、熊は駄目とは書いていない確認だった。
「それじゃ、これ鍵ね。二本。もう一本あるがこれは万一のためにウチで預からせて貰うよ」
最後に鍵に関しての契約書が済み、晴れて契約完了となる。
「それじゃ、俺はこれで。サラちゃん、お幸せに」
不動産屋の親父さんと別れ、見送りを終えると俺達は同時に伸びをした。
「終わったわね」
「サラ、ありがとう。色々助けてくれて」
「いいのよ。それよりこっちこそ当て馬のような事をさせてごめんね」
ムラータの事だろう。昔からの友人としてやんわりと自分の事を諦めさせたかったのだと言うが、そもそも私物を盗んだりしてる点で、よく許せたものだと、俺は少し呆れてしまった。
だからサラは聖女の役割を与えられたのかもしれない。
「もう日が暮れそうね」
「急いで戻ろう。ちょうどいい機会だ。日が暮れれば、熊五郎を長時間檻に入れなくて済む」
俺とサラは急いでアリステリアやアラキの元へと戻るのであった。
「パパ!!」
アリステリアが俺を見つけるなり駆け出して胸に飛び込んでくる。
「待たせたね。約束通りこれはお土産だ」
そう言うと俺は帰り道の途中で寄って買ったカチューシャをアリステリアに渡した。
以前アリステリアが俺にくれた花冠をモチーフにしたようなカチューシャ。最初はサラに選んで貰おうと思っていたが「タツロウが選んだ方が喜ぶ」からと、必死に捻り出した答えだった。
今まで殆んど着飾る事のなかったアリステリアはよっぽど嬉しいらしく、その場でくるくると舞ってみては「似合うです? 似合うです?」と、黒い瞳を輝かせながら聞いてくる。
「お姫様みたいだよ」
そう言ってやると、アリステリアは「パパ、ありがとです!」と足に抱きつき、今度は熊五郎とアラキに見せびらかしに走って行ってしまった。
「ありがとう、サラ。助かったよ」
柄はともかくカチューシャにしたのはサラの提案だった。男親だからか、その手には本当に無頓着で。
しかし、嬉しそうに熊五郎とアラキに報告するアリステリアを見ていると、今後も何か買ってやろうと思うのであった。
不動産屋のどら息子ムラータは、幼い頃からどうもサラに気があったようで、何度となく求婚していたらしい。
しかも、結構サラに迷惑をかけていたらしく、あとをつけたり、私物を盗んだり、あまつさえ勝手に自分はサラと結婚するのだと言いふらし、サラの実家にまで迷惑をかけたとの事だ。
それでも厳しい処罰をしなかったのはサラの優しさらしく、親父さんは今も低頭平身でサラに対して申し訳なさそうにしている。
魂が抜け落ち腰砕けになっているムラータを見るとまだまだサラに未練はありそう。
「なるほど、それで新居をウチで探してくれるって訳かい。でもいいのかい? ウチは、この辺りにしか物件ないが、サラちゃんなら富裕層地区に……」
「私、家出たもの。それに旦那、木こりだし」
誰が旦那だ、と口には出さないが心の中で指摘する。
「そうかい、そうだよな。よし、任せろ! で、予算はどれくらいだ?」
ムラータの親父さんにじろじろと品定めするように見られたあと、予算を聞いてくるが俺に相場を知る術はない。
「だいたい月八ピールといったところかしら?」
「八ピールか。それは随分と厳しい注文だな……。よし、取り敢えず幾つか案内しよう。ついてきてくれ」
サラは的確にこちらの予算を言い当ててきた。正直、木こりとしてやっていくならギリギリ上限一杯の家賃である。
何せ、ウチには一人、いや一匹大食漢がいるから食費はかかる。
「他に条件はあるかい?」
「出来れば庭付きがいいわね。それも家畜が飼えるほどの」
「ふむ。馬でも飼うのかい?」
「そんなところかしら」
流石に熊だとは言えないのだろう。ただ、馬が飼えるほどの庭なら、熊五郎も喜ぶかもしれない。
「まずはここだ」
最初に案内されたのは二階建ての二軒の家が連なる木造家屋。まずは庭を見るが、塀は低いものの結構広い。塀などは後から幾らでも足せるから条件としてはぴったりだし、何より結構家も大きい。
そう安心して表側へと向かうと俺とサラの表情が同時に曇る。
案内された家は問題ない。ただ、問題は連なるもう一軒の方にあった。
誰も住んでいないようだが、扉には後から木の板で塞がれており、そこには大きな赤い文字が。
『呪』
『絶対許さない』
『一生恨んでやる』
そう書かれてあった。
「八ピールにして大きな家だと思った」
残念だが、これは断念するしかない。
一応不動産屋の親父に隣家のことを聞いてみたが「模様です」と言い放ちやがった。
次に案内されたのは庭付きではあるが、家賃の高さと庭の狭さで却下。
そして次に案内されたのは、これまた二階建ての木造の建物の一階にある二部屋のうちの一部屋。
建物にくっ付けられた木板には『平和荘』と書かれていた。
まずは部屋の中を拝見。台所にトイレ、居間に寝室とどちらかと言えば一人暮らし用のようにも見えた。
だが贅沢は言っていられないし、アリステリアと二人では十分だ。
「このタンスやベッドは?」
俺は不動産屋の親父さんに尋ねてみた。他にもテーブルや椅子も三脚置かれている。
「前の住民の物だよ。つい最近置いていったんで、そのまま使ってくれてもいい。処分するなら自分達で頼むな」
正直、色々と入り用なので家具付きはありがたい。触れてみると少し埃は被ってはいるが掃除さえすれば使えそうだった。
「次は庭だな」
不動産屋の親父さんが少し建て付けの悪い横開きの戸板を全開にすると結構な広さとしっかり目隠し用の囲いがされた庭が。そこには井戸と小屋のようなものまであった。
「あの小屋は前の住民が馬小屋として建てた物だ」
「この井戸は使えるの?」
「ああ、全然問題ない」
親父さんとサラの会話を聞きながら、俺は何より居間と庭が一繋ぎになる点が大いに気に入っていた。
庭から熊五郎が家の中に入るのにちょうどいい。それに庭には、まだ広さが残っているので風呂を作れるかもしれない。
幸い井戸もそばにある。
上を向くと、二階の住民からは丸見えなので屋根は必要だが。
「どうする?」
サラが聞いてくるが俺の中では既に決まっていた。
「ここにしよう」
俺はここを新居として決めた。きっとアリステリアや熊五郎も気に入ってくれるだろう。
「それではすぐに契約するかい?」
俺が頷くと俺達は一度家の中に戻る。契約書を取り交わそうと俺達が椅子に座った時だった。
ガシャーンと何か割れる音が隣から聞こえてきた。
隣とは壁が薄いらしく、急に男のわめき声が続けて聞こえてくる。
相当興奮しているのか、何を言っているのかまではわからない。
不動産屋の親父さんを見ると「またか」といった感じで頭を抱えている。
訳ありの物件なのは予想しているが、一応不動産屋の親父さんに隣家について尋ねてみた。
最初は少し渋っていた親父さんではあったが、隣の住人について話をしてくれた。
隣には若い夫婦が住んでおり、結構喧嘩が絶えないのだという。ただ、喧嘩というには旦那さんの一方的な暴力で、わめき散らすのだという。
「うーん、それは……」
人の怒鳴り声など聞いていて気分の良いものではない。
前の住民も相当迷惑していたらしく、買い手もなかなかつかないそうだ。
夜中などは迷惑極まりないが、そもそもアリステリアは一度寝てしまえば、魔物の気配がしない限り起きては来ない。
あとは俺が我慢すればいいだけのこと。
「よし、契約します」
決意した俺は簡易的な契約書に名前を記入した時点で、内容をもう一度確かめた。
「ここに家畜可とありますけど、間違いないよな?」
親父さんが頷くと、俺は内心ほくそ笑みを浮かべてしまう。
家畜と書いてあるだけで、熊は駄目とは書いていない確認だった。
「それじゃ、これ鍵ね。二本。もう一本あるがこれは万一のためにウチで預からせて貰うよ」
最後に鍵に関しての契約書が済み、晴れて契約完了となる。
「それじゃ、俺はこれで。サラちゃん、お幸せに」
不動産屋の親父さんと別れ、見送りを終えると俺達は同時に伸びをした。
「終わったわね」
「サラ、ありがとう。色々助けてくれて」
「いいのよ。それよりこっちこそ当て馬のような事をさせてごめんね」
ムラータの事だろう。昔からの友人としてやんわりと自分の事を諦めさせたかったのだと言うが、そもそも私物を盗んだりしてる点で、よく許せたものだと、俺は少し呆れてしまった。
だからサラは聖女の役割を与えられたのかもしれない。
「もう日が暮れそうね」
「急いで戻ろう。ちょうどいい機会だ。日が暮れれば、熊五郎を長時間檻に入れなくて済む」
俺とサラは急いでアリステリアやアラキの元へと戻るのであった。
「パパ!!」
アリステリアが俺を見つけるなり駆け出して胸に飛び込んでくる。
「待たせたね。約束通りこれはお土産だ」
そう言うと俺は帰り道の途中で寄って買ったカチューシャをアリステリアに渡した。
以前アリステリアが俺にくれた花冠をモチーフにしたようなカチューシャ。最初はサラに選んで貰おうと思っていたが「タツロウが選んだ方が喜ぶ」からと、必死に捻り出した答えだった。
今まで殆んど着飾る事のなかったアリステリアはよっぽど嬉しいらしく、その場でくるくると舞ってみては「似合うです? 似合うです?」と、黒い瞳を輝かせながら聞いてくる。
「お姫様みたいだよ」
そう言ってやると、アリステリアは「パパ、ありがとです!」と足に抱きつき、今度は熊五郎とアラキに見せびらかしに走って行ってしまった。
「ありがとう、サラ。助かったよ」
柄はともかくカチューシャにしたのはサラの提案だった。男親だからか、その手には本当に無頓着で。
しかし、嬉しそうに熊五郎とアラキに報告するアリステリアを見ていると、今後も何か買ってやろうと思うのであった。
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