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吸血鬼の皆さんダメ人間になる

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「これはすごい!!天国ですか?」

「うんうん、天国、極楽、最高!」

「あああぁぁぁ俺はもう仕事したくない。」

「俺ももうイヤだぁぁ。」

「私はもうここから出ません。」

「俺もここから出ねぇ。もう彼奴等の言うことなんて聞きたくない。」

「「「「そうだそうだ」」」」

・・・・・・

えーーーーっと?エステサロンにマロンゴーを調べるたために魔国から派遣されて来た吸血鬼5名ほどを招待したところ、5人全員がエステサロンに感動をしてくれたところまではよかったが、途中から話の雲行きが怪しくなり始め···気がついたら全員が居座ると言い出した···意味がわからん。

勝手に5人で話しているので間に口を挟む隙間もないくらいヒートアップをしているようだ。


「俺らかなり頑張って働いたよな?」

「あぁ、毎日クソが付くくらい働いたのにさ、給料が馬鹿みたいに安いってふざけてんだろ。」

「あれはないよな?せめて金額4.5枚貰わないと働く意味がない。」

「あいつが溜め込んでんのか、それとももっと上がちょろまかしてんのかだよな?はぁ、俺らマジクソ見てぇな生活だよな、」

「あぁでもこっちにこれてよかったよな?」

「はい、あちらにいたらハードすぎて死にますよ!」



・・・・・・



うん、5人だけの会話を聞いているとブラック企業っぽい。
それ嫌気が差したようで、仕事をボイコットしエステサロンに立てこもるよう。


うん、立てこもりとかやめてほしい。
仕事の大変さには同情するけど、人様に迷惑をかけるの早めてほしいです。

確かにね、エステサロンは人を駄目にするくらい最高に気持ちがいいし、サロンに住みたい気持ちがわかるが、勝手に住み着く話はやめてほしい。

泊める気なんてサラサラないけど、せめて何か一言言いましょう。

大きな声で作戦を立ててる5人に仕方無しにシンジュから声をかけた。
「吸血鬼の皆さんエステサロン体験はいかがでしたか?」

するとリーダー格の吸血鬼が身振り手振りでエステサロンがどれだけ素晴らしいのか、感動したかなど事細かく泣きながら教えてくれた。
泣きたくなるくらいエステサロンに感動してもらえてよかった。ここからが本題。ボイコット問題である。

「感動してもらえてよかったよ。ちなみにみんなは仕事が大変なの?これから仕事かな?」

「はい、寝る間を惜しんで仕事をしているので身体がバキバキでしたが、エステサロン?の体験をしてから身体がホニャホニャになりました。もう俺達はここから動きません。」

リーダー格の吸血鬼が「動かない」と言うと後ろで様子を見ていた残り4人も大げさに首を動かし頷くと、全員がベッドに寝そべり、動かないアピールをし始めた。

どうすればいい?

大柄な吸血鬼を人間である私が動かすことなんてできない。ギルドマスターやエメになら厳しい言葉をなけて追い出すことができるが、そもそもエステ体験を吸血鬼の皆さんにお願いしてしまったから難しい···

特別に今回は宿にしてお金を取る?

う~ん大分面倒なことになったな~。

このエステサロンスキルはとてもいいけど、前回もギルドマスターとエメが使い物にならなかったもんな。

効果がありすぎて怖いよね。

1日何人もお客様を入れるのではなく、1週間制にしようかな。たぶん、最初に来店するのはある程度お金を持った方達だと思うし、さすがに1週間も体験すれば部屋から退出するでしょうか?

朝晩ご飯付き、プラスで間食昼食注文可、シャワー完備で美ボディ1週間コースとかどう?

着替え等は自分で行う必要があるので、メイドに普段お世話をされている貴族はまずは自宅で着替えの練習をしてもらわないといけないけどね。

メイドがサロン内に入ってくるのは面倒だし、色々物色されたりするのも嫌。貴族も一般人も予約した人のみが入れる隠れ家的サロンにしよう。
それができない人は帰ってもらおう。

スキル内はそもそも安全だし、護衛も必要ない。

むしろ護衛をサロン内に入れたほうが心配。知らない筋肉ムキムキの男たちが私が施術中に室内のものを壊したり、盗んだり···ありえるよね。

よし、決まり!エステに来たいなら1人で何でもできる人限定で!

これならお客様が殺到することはないでしょう!

そうと決まれば開店準備に向けてサロン内を掃除しよう。この吸血鬼達は魔国の人間に引き取ってもらおう。

私の力じゃ動かせないし、ちょっとめんどくさい。


誰が魔国から来てくれるのだろう。
魔国から迎えのものが来るまで寝かせてあげよう。


多分ね、迎えのものが来たらたくさん働かせられるだろうからね。今回は特別サービスで1日宿泊無料で。


よし、それじゃ開店準備に向けて頑張るぞ!!!
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