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部屋でのフェルとライオスの会話

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それぞれ宿に着くと分かれて休憩を取ることになった。

今回初めてフェルとライオスは宿で同じ部屋に泊まることになった。野営の場合は2人でテントに泊まることがあるがホテル泊まることはない。なぜなら同じ種族ではないため習慣が違うため、せっかくホテルに泊まっても互いに気を使い疲れるからだ。しかし今回は話さなければならないことが多々あり同じ部屋を取る必要があった。

本音を言うとフェルもライオスも話し合いをするならシンジュと同室になりたかった···



部屋に入ると同時に2人はハァ~とため息をついた。
まさかこんなに大きな騒動を引き起こすとは思っていたなかった。

さらにフェルは自分の鑑定とシンジュの鑑定があまりに違うことに驚いていた。
普通は鑑定魔法と言えば名前、種族、体力、魔力、スキルあたりしか見ることができない。それにも関わらず少女は健康状態が分かると言っていた。それに過去に働いていた仕事まで分かるようだ。どこまで鑑定で分かるか、逆に何が見えないのか疑問に思った。
きっと自分達は出会って早々に鑑定魔法を使われただろう、、、そこで何が見えたのか知りたいと思った。



そんな事を考えているとしばらく無言だったらライオスが「あれはやばいだろ!」とベットに寝転がりながらが言った。


「そうですねぇ、大きな騒動になりそうですね。」
本当に大きな騒動が起きる···今後どうなるのか想像がつかなかった。


「いや、もうすでに大きな騒動になっているだろ。俺はあの子供の鑑定魔法で身体を調べてもらいてえな。なんだか最近調子悪いんだよな···お前は身体について見れないのか?俺のことを見てくれよ!!!」


「残念ながら見ることが出来ません。私だって調べてもらいたいです。彼女にはどこまでバレてるのでしょうか···それよりも今回の大騒動はどうしますか?ドワーフ共和国から他の国へ移動します?」



「もう無理だろ。明日には鉱山ギルドの奴らが押しかけて来るぞ?きっと鉱山ギルドのギルド長が騒ぐぞ。あれは鉱山愛が異常だろ?!」
シンジュ達が金の件で話をしたギルド長は鉱山が恋人だと周りに周知してるくらい鉱山を愛していたのだ。
そのためほとんどの人がギルド長の愛を知っていた。ライオスは明日駆けつけてきたギルド長が騒ぐのが目に見えていた。


「確かにそうですね。金は足がつかないと言われていますからね。犯罪組織にしてみれば良い資金源の1つだったのでしょうね。」


「俺達も知らない間に犯罪に加担をしてたのか···普通に金なんて金貨として使うだろ??犯罪で生み出された金とか最悪だな······」


「でも今回分かってよかったです。犯罪組織を潰すために私達に指名依頼が入るかもしれませんが、この世に必要のない人達が消えるなら今回の騒動は最高ですね。ふふふ」


「お前相変わらず怖いぞ!お前の場合は冒険者より暗殺者だもんな。」


「ええ、暗殺者ですよ。スキルが暗殺者ですからね、、、そもそも冒険者になった理由を貴方は知っているでしょう?」



「そりゃ知ってるさ。お前が何をしようが俺にとっては大事な仲間だからな?それに俺も冒険者をしながら祖国のために働いてるからな?俺達の仲間は皆そうだろ?!」


「それはそうですね。ありがとうございます。」


フェルはそもそも王族のため冒険者になる必要がなかった。母が犯罪組織に売られたのをきっかけに冒険者となったのだ。
もともと母親は普通のエルフで下位貴族だったが、国王が見初めたことにより王族に嫁いだ。しかし王族はほぼハイエルフしかいなかった。そのためエルフだった母親は孤立し、さらに普通のエルフ達からは嫉妬による嫌がらせを度々受けたのだ。
次第に嫌がらせの度合いが大きくなり、犯罪組織に売られる事件が起きた。すぐに助け出したことで無事だったが、フェルは助けた時に自分のスキルを使って犯罪組織と母親に嫌がらせをした者たちも全て消した。



なぜならその犯罪組織と嫌がらせをしていた者達は、度々同族のエルフを売買していたからだ。
なぜそれを何百年と見抜けなかったのかと自分の父(国王)や王族に失望し、自ら冒険者となって犯罪組織を罰することを選んだ。
それからすぐに魔物や盗賊討伐、犯罪組織の処分を行い続けたことで気がついたらS級冒険者になっていた。
フェルはエルフ国から外に出たことでメキメキと成長し、今はでは国1番の実力あると言われているが、国王になる気は全くない。
これからも自由気ままに冒険者活動をし、悪い者たちを合法的に···ときには秘密裏に処分して行こうと思っている。
それは同族に対しても変わらない。もし国王陛下が何かを仕出かしたら自分のスキルを使って処分すると決めている。




真剣な話をしているなか「ぎゅるるるるる」とライオスのお腹の音が室内に響いた。
「わりぃ、たくさん話したら腹が減った。ご飯食いに行こうぜ!!!」へへへと言った。その後もぎゅるぎゅるとライオスのお腹の音が止まらない。


そんなライオスを見て「貴方はお腹に何か飼ってるのですか?仕方ないですね。」と言って一度話を切り上げてシンジュとエメの部屋に向かうのだった。

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