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第1章
2、翌朝、安定の塩対応
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翌日。僕は密かに自分のお祝いも兼ねて近くの酒楼に今回の旅の仲間を連れて夕飯を食べに行った。ご飯も美味しいし、アルコールの強いお酒も多くてお気に入りだったりする。ふわふわした幸せな気持ちで僕はにこにこしていた。
「リアム、どうかしたの?」
ぎく!と言う音がしそうなくらい僕は動揺したが、とりあえず笑顔を浮かべる。
「え、何の話かな??」
今回同行した天才女性考古学者のエマはみんなで飲んでる時にそんなことを口にした。
「隠したってムダだよぉ?リアム今日一日ずーーっと浮かれてるじゃん?」
すぐ横に座っていた琥珀がちょんちょんと肘で僕の腕をつつく。いたずらっ子なのが残念だけど、彼女の支援魔法は本当に協力だ。今回もバリアとMP回復にとても助けてもらった。だけどこういう時見逃してくれないのが困る。
「え、そう?」
「そうそう!わかってないの本人だけだよ!」
「あ、あはは…!」
みんなには呪いのことは内緒にしていたから、それが解けたことで浮かれてるなんて言えない。ましてやその解除方法もその相手も、言えるわけがない。僕は曖昧に笑うしかなかった。
「なになにぃ?あ、恋バナからみとか?」
「こい……?え、え!?ちがっ……違うよ!」
隠すことがより面倒くさい方向に進んでしまった。僕がわたわたしていると「リアムにそんな相手ができるわけないだろ」と冷たい声が飛んでくる。
「ジェラルド」
「それに、こいつが惚れる相手なんてろくな人間じゃないに決まってる」
その言葉にカチンときた僕は思わず言い返してしまう。
「そんな言い方はないだろう?僕の趣味が悪いって言いたいのかい?」
「事実だろう?他人の迷惑を考えない、人に好かれる努力をしないやつがまともな恋愛などできるはずもない」
「っ!」
痛恨過ぎて言葉が出ない。
「ちょっと!ジェラルド!言い過ぎよ!」
「事実だろう。王女との婚約を破棄するまで想う相手がいるくせに、何もしていないんだろう」
これは事実だ。僕のことを気に入ってくれた王家の方に縁談を持ちかけられた。『逆玉』だと皆が持て囃してくれたけど、僕は結局断ってしまった。好きな人がいるのに、別な人と結ばれてしまうのは、その相手に失礼だと。
何かのタイミングでジェラルドにそんな話をしたら「…お前の人生だ。好きにすればいい」とだけ言ってくれた。周りの皆は「勿体ない!」と騒いだり怒ってくれたけど、僕はその言葉だけで十分嬉しかった。
「リアム、泣かないで?大丈夫だよ、リアムちゃんと顔綺麗だから!」
「琥珀……ありがとう」
「てかさ、ジェラルドに言われたくないと思うんだけど?どうしちゃったの?」
「…うるさい」
ジェラルドはあらかたお皿を綺麗にしたからか、僕達に背を向けてさっさと酒場を後にして行ってしまったので結局そのままになってしまった。
「はぁ……」
(どうしてこうなっちゃうんだろう)
僕はため息を吐く。好きな人に好かれたいだけなのに、どうしてこんなに難しいんだろう。浮かれてた気持ちがしおしおと萎んでいく。
「あ!そうだ!いい事思いついたよ!」
琥珀がぱちん☆と手を叩くので僕は思わずそちらを見た。すると彼女はにっこり笑ってとんでもないことを言う。
「潰れるまで飲み倒そうよ?ジェラルドのことなんて忘れてさ」
「え!?」
「ほらほら!おにーさーん!お酒持ってきてー!」
「ちょっと!琥珀!?」
「さ!ウィリアムの!ちょっとイイとこ見てみたい♡」
「ま、まあ、そこまで言うなら」
「ちょっと、2人とも…!」
「お兄さんいい飲みっぷりだねぇ!」
「あはは、ありがとうございます」
エマの制止する声も無視して、結局そのまま僕は潰れるまで飲み続けることになったのだった。
***
「…またか」
数時間後。酒場の机でふわふわアルコールに敗北した僕の頭の上から、呆れた声が聞こえた気がした。
「ん~……ジェラルド……?」
「お前、また潰れたんだってな?」
「えへへ……」
僕はへにゃりと笑ってみせる。もう何回目か数えるのもやめたが、僕はいつもジェラルドに迷惑をかけてしまうらしい。気づけば酔って寝てしまうのだ。
「うう……ごめん……」
僕はふらふらと立ち上がるとジェラルドにあっさり横抱きにされた。テキパキ手際よく僕を抱えると「迷惑かけた」とだけお店の人に話してる声がする。
「ほら、帰るぞ」
「はぁい……」
そのままジェラルドに抱えられて店から出ると外はもう真っ暗になっていた。満月が夜道を照らしてくれる中、僕らはゆっくりと帰路につく。
(あー……ジェラルドの匂いがする)
アルコールで頭がぽやぽやしてるせいもあって僕は思わずぎゅっとその首に抱きついた。それに驚いたのかジェラルドは歩みを止める。そしてすぐにため息を吐いた。
「お前な……」
「えへへ…♡」
ケンカしてたけどお酒を飲めばもういいやってなってしまう。ゴロゴロ甘えた猫みたいになっちゃうけど、仕方ないよね。ジェラルドはなんだかんだで優しいし面倒見もいい。たまに、ちょっと、だいぶ意地悪なとこあるけど。
「ジェラルド、ありがとう、大好きだよ」
「……そうか」
いつも通りのそっけない返事だけど僕はそれがとても嬉しかった。だって、いつもと変わらずにいてくれるってことは、まだ嫌われてないってことだもん。
「……お前はいつもそればかりだな」
「だって本当のことだもん……大好き……」
そう言ってぎゅっと抱きつくとジェラルドの心臓の音がドクンと跳ねた気がした。でも次の瞬間には優しくベッドへ寝かされてしまう。
「……まったく、人の気も知らないで……」
「んぇ?」
「なんでもない。もう寝てろ」
「はぁい……」
僕は素直に目を閉じる。するとすぐに睡魔がやってきた。
(ああ、幸せだなぁ)
そんな幸せな気持ちのまま、僕は夢の世界へと旅立ったのだった。
***
悲しいときは飲むに限る!とリアムは潰れるほど飲んで机に突っ伏して眠ってしまった。
「リアム潰れちゃったねー」
「琥珀が飲ませすぎたからでしょう?」
「悲しい時は飲むのが一番じゃん!エマもそう思うでしょ?」
すぅすぅ寝息を立てて眠るリアムの姿を他所にエマと琥珀は女子飲みをしていた。エマはちらりと眠るリアムを見る。確かにいつも楽しそうだけど、今日は特にペースが速かった。
「ジェラルドも意地悪だよねぇ。リアムが誰を好きで誰とくっついてもボク達には関係ないのに。そんなに嫌いなのかなぁ?」
「まぁ、ジェラルドはリアムのこと嫌いではないでしょうけど」
「え!?そうなの!?」
エマの言葉に琥珀が食いつく。エマは少し考えてから口を開いた。
「……少なくとも無関心ではないと思うわ。だっていつもリアムのこと見てるもの」
「えー!全然気づかなかった!いつもお小言ばっかり言ってるのに?」
「それは、リアムが心配だからでしょう?リアムはとてもいい子だけどどこか危なっかしいから…」
エマの言葉に琥珀は納得いかないような顔をした。
「でもさぁ!ボク達だってリアムのこと心配してるんだよ!?本当に心配してたらなんであんな言い方するんだろ」
「それは、まぁ……」
確かにジェラルドの態度は冷たいと思う。だが、それはきっと彼の優しさ故だ。彼は誰よりも周りを見ているし、人の機微にも敏感であるとエマは思う。
ただ、確かに、リアムに対しては、少し違う気がする。
「ジェラルドってぇ、好きな子に意地悪しちゃうタイプなのかもねぇ」
「え?」
「だってそうじゃん。好きな子に素直になれないんだよ、きっと」
ムフムフ笑う琥珀の言葉にエマは考え込んだ。
(確かに……)
ジェラルドはリアムにだけ少し態度が冷たい気がする。言葉尻は厳しいし、リアムの失敗に呆れていることも多い。でも、それはきっと……
「エマ?」
「……いえ、なんでもないわ」
エマはそれ以上何も言わなかったが、なんとなくジェラルドの気持ちを察したのだった。
(不器用な人ね)
エマは小さくため息を吐くとグラスに入ったワインを飲み干した。
「それじゃ!いつものようにあまのじゃくジェラルドくんに酔いつぶれたリアムの回収、お願いしちゃおっか!」
エマと琥珀はジェラルドが酔っ払ってしまったリアムのことをいつも気にかけて、ちゃんと部屋まで連れ帰っていることを知っているのだ。
「……ジェラルドも少しは素直になればいいのにね」
エマはそう呟くとジェラルドに通信魔法を唱えるのだった。
***
「リアム、どうかしたの?」
ぎく!と言う音がしそうなくらい僕は動揺したが、とりあえず笑顔を浮かべる。
「え、何の話かな??」
今回同行した天才女性考古学者のエマはみんなで飲んでる時にそんなことを口にした。
「隠したってムダだよぉ?リアム今日一日ずーーっと浮かれてるじゃん?」
すぐ横に座っていた琥珀がちょんちょんと肘で僕の腕をつつく。いたずらっ子なのが残念だけど、彼女の支援魔法は本当に協力だ。今回もバリアとMP回復にとても助けてもらった。だけどこういう時見逃してくれないのが困る。
「え、そう?」
「そうそう!わかってないの本人だけだよ!」
「あ、あはは…!」
みんなには呪いのことは内緒にしていたから、それが解けたことで浮かれてるなんて言えない。ましてやその解除方法もその相手も、言えるわけがない。僕は曖昧に笑うしかなかった。
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隠すことがより面倒くさい方向に進んでしまった。僕がわたわたしていると「リアムにそんな相手ができるわけないだろ」と冷たい声が飛んでくる。
「ジェラルド」
「それに、こいつが惚れる相手なんてろくな人間じゃないに決まってる」
その言葉にカチンときた僕は思わず言い返してしまう。
「そんな言い方はないだろう?僕の趣味が悪いって言いたいのかい?」
「事実だろう?他人の迷惑を考えない、人に好かれる努力をしないやつがまともな恋愛などできるはずもない」
「っ!」
痛恨過ぎて言葉が出ない。
「ちょっと!ジェラルド!言い過ぎよ!」
「事実だろう。王女との婚約を破棄するまで想う相手がいるくせに、何もしていないんだろう」
これは事実だ。僕のことを気に入ってくれた王家の方に縁談を持ちかけられた。『逆玉』だと皆が持て囃してくれたけど、僕は結局断ってしまった。好きな人がいるのに、別な人と結ばれてしまうのは、その相手に失礼だと。
何かのタイミングでジェラルドにそんな話をしたら「…お前の人生だ。好きにすればいい」とだけ言ってくれた。周りの皆は「勿体ない!」と騒いだり怒ってくれたけど、僕はその言葉だけで十分嬉しかった。
「リアム、泣かないで?大丈夫だよ、リアムちゃんと顔綺麗だから!」
「琥珀……ありがとう」
「てかさ、ジェラルドに言われたくないと思うんだけど?どうしちゃったの?」
「…うるさい」
ジェラルドはあらかたお皿を綺麗にしたからか、僕達に背を向けてさっさと酒場を後にして行ってしまったので結局そのままになってしまった。
「はぁ……」
(どうしてこうなっちゃうんだろう)
僕はため息を吐く。好きな人に好かれたいだけなのに、どうしてこんなに難しいんだろう。浮かれてた気持ちがしおしおと萎んでいく。
「あ!そうだ!いい事思いついたよ!」
琥珀がぱちん☆と手を叩くので僕は思わずそちらを見た。すると彼女はにっこり笑ってとんでもないことを言う。
「潰れるまで飲み倒そうよ?ジェラルドのことなんて忘れてさ」
「え!?」
「ほらほら!おにーさーん!お酒持ってきてー!」
「ちょっと!琥珀!?」
「さ!ウィリアムの!ちょっとイイとこ見てみたい♡」
「ま、まあ、そこまで言うなら」
「ちょっと、2人とも…!」
「お兄さんいい飲みっぷりだねぇ!」
「あはは、ありがとうございます」
エマの制止する声も無視して、結局そのまま僕は潰れるまで飲み続けることになったのだった。
***
「…またか」
数時間後。酒場の机でふわふわアルコールに敗北した僕の頭の上から、呆れた声が聞こえた気がした。
「ん~……ジェラルド……?」
「お前、また潰れたんだってな?」
「えへへ……」
僕はへにゃりと笑ってみせる。もう何回目か数えるのもやめたが、僕はいつもジェラルドに迷惑をかけてしまうらしい。気づけば酔って寝てしまうのだ。
「うう……ごめん……」
僕はふらふらと立ち上がるとジェラルドにあっさり横抱きにされた。テキパキ手際よく僕を抱えると「迷惑かけた」とだけお店の人に話してる声がする。
「ほら、帰るぞ」
「はぁい……」
そのままジェラルドに抱えられて店から出ると外はもう真っ暗になっていた。満月が夜道を照らしてくれる中、僕らはゆっくりと帰路につく。
(あー……ジェラルドの匂いがする)
アルコールで頭がぽやぽやしてるせいもあって僕は思わずぎゅっとその首に抱きついた。それに驚いたのかジェラルドは歩みを止める。そしてすぐにため息を吐いた。
「お前な……」
「えへへ…♡」
ケンカしてたけどお酒を飲めばもういいやってなってしまう。ゴロゴロ甘えた猫みたいになっちゃうけど、仕方ないよね。ジェラルドはなんだかんだで優しいし面倒見もいい。たまに、ちょっと、だいぶ意地悪なとこあるけど。
「ジェラルド、ありがとう、大好きだよ」
「……そうか」
いつも通りのそっけない返事だけど僕はそれがとても嬉しかった。だって、いつもと変わらずにいてくれるってことは、まだ嫌われてないってことだもん。
「……お前はいつもそればかりだな」
「だって本当のことだもん……大好き……」
そう言ってぎゅっと抱きつくとジェラルドの心臓の音がドクンと跳ねた気がした。でも次の瞬間には優しくベッドへ寝かされてしまう。
「……まったく、人の気も知らないで……」
「んぇ?」
「なんでもない。もう寝てろ」
「はぁい……」
僕は素直に目を閉じる。するとすぐに睡魔がやってきた。
(ああ、幸せだなぁ)
そんな幸せな気持ちのまま、僕は夢の世界へと旅立ったのだった。
***
悲しいときは飲むに限る!とリアムは潰れるほど飲んで机に突っ伏して眠ってしまった。
「リアム潰れちゃったねー」
「琥珀が飲ませすぎたからでしょう?」
「悲しい時は飲むのが一番じゃん!エマもそう思うでしょ?」
すぅすぅ寝息を立てて眠るリアムの姿を他所にエマと琥珀は女子飲みをしていた。エマはちらりと眠るリアムを見る。確かにいつも楽しそうだけど、今日は特にペースが速かった。
「ジェラルドも意地悪だよねぇ。リアムが誰を好きで誰とくっついてもボク達には関係ないのに。そんなに嫌いなのかなぁ?」
「まぁ、ジェラルドはリアムのこと嫌いではないでしょうけど」
「え!?そうなの!?」
エマの言葉に琥珀が食いつく。エマは少し考えてから口を開いた。
「……少なくとも無関心ではないと思うわ。だっていつもリアムのこと見てるもの」
「えー!全然気づかなかった!いつもお小言ばっかり言ってるのに?」
「それは、リアムが心配だからでしょう?リアムはとてもいい子だけどどこか危なっかしいから…」
エマの言葉に琥珀は納得いかないような顔をした。
「でもさぁ!ボク達だってリアムのこと心配してるんだよ!?本当に心配してたらなんであんな言い方するんだろ」
「それは、まぁ……」
確かにジェラルドの態度は冷たいと思う。だが、それはきっと彼の優しさ故だ。彼は誰よりも周りを見ているし、人の機微にも敏感であるとエマは思う。
ただ、確かに、リアムに対しては、少し違う気がする。
「ジェラルドってぇ、好きな子に意地悪しちゃうタイプなのかもねぇ」
「え?」
「だってそうじゃん。好きな子に素直になれないんだよ、きっと」
ムフムフ笑う琥珀の言葉にエマは考え込んだ。
(確かに……)
ジェラルドはリアムにだけ少し態度が冷たい気がする。言葉尻は厳しいし、リアムの失敗に呆れていることも多い。でも、それはきっと……
「エマ?」
「……いえ、なんでもないわ」
エマはそれ以上何も言わなかったが、なんとなくジェラルドの気持ちを察したのだった。
(不器用な人ね)
エマは小さくため息を吐くとグラスに入ったワインを飲み干した。
「それじゃ!いつものようにあまのじゃくジェラルドくんに酔いつぶれたリアムの回収、お願いしちゃおっか!」
エマと琥珀はジェラルドが酔っ払ってしまったリアムのことをいつも気にかけて、ちゃんと部屋まで連れ帰っていることを知っているのだ。
「……ジェラルドも少しは素直になればいいのにね」
エマはそう呟くとジェラルドに通信魔法を唱えるのだった。
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