上 下
49 / 50

おまけ(前篇)

しおりを挟む
 かつて、デートの最中に司は栄之助から逃げるように帰ったことがある。それは嫉妬の感情に気づいた瞬間だったが、栄之助からすれば、愛らしい姿にして家で散々抱き潰すつもりだった。そしてその時のことを栄之助はずっと根に持っていた。
「…だからって、今じゃなくてもいいじゃん」
「いーや、今じゃないとダメだな。あれからどんだけ我慢したと思ってんだよ」
 栄之助はそう言うと、司のニットワンピをまくり上げる。司は抵抗するように足を閉じたが、すぐに栄之助に阻止されてしまい、そのまま下着を脱がされた。手際が良すぎる。
「っ……!」
 恥ずかしさで顔を背ける司だったが、ふと何かに気付いて目線を下ろす。そこには勃起した性器があった。司は赤面しながらも必死で隠そうとするが、栄之助がそれを許すはずもない。
「なに隠そうとしてんだよ」
「だ、だって……それは……」
 司は恥ずかしくて仕方がなかった。自分の痴態を見られたことだけでも恥ずかしいのに、勃起までしているところを見られて恥ずかしくないわけがない。しかし栄之助は容赦なく司の手を退けると、まじまじとそこを見つめて言った。
「すげぇじゃん。そんなに興奮したんだ?」
「……バカ!もう離してよぉ!」
 司は泣きそうな声で叫ぶが、栄之助はびくともしない。
「くっそエロいな…なぁ?女のかっこして、エロい下着着て興奮しちまったのかよ?司ちゃん?」
「ち、違うってば!」
「じゃあなんでこうなってんだよ?」
 栄之助はそう言いながら下着の中に指を差し込んで司のものに触れる。そして指先で優しく撫でるように刺激し始めた。司はビクンと大きく跳ね上がると、背中を仰け反らせるようにして腰を浮かせた。
「あっ……!やだ!触らないで!」
「こんなにしといてよく言うぜ」
 栄之助は笑いながら手を動かし続ける。司は必死に耐えようとするが、身体は正直に反応してしまっていた。
「はぅう…っ」
 栄之助の手が動くたびに司はビクビクと震える。そしてだんだん声が抑えられなくなってきた。
「あっ、あ……っ、ん……っ」
「おい、声抑えんなよ」
「だ、だってぇ…」
「ちょーカワイイ…感じてるときのお前、声ガキみてぇに高くなんのな…?マジで可愛いわ」
 栄之助はそう言いながら司のものを扱いていく。そしてそのまま先端をぐりっと押し込んだり、カリ首をなぞったりと様々な刺激を与えた。その度に司は腰を跳ねさせ、甘い声で喘いでしまう。
「あ……っ!あっ、あっ!だめ……っ!」
「ダメじゃないだろ?こんなにさせておいて」
 栄之助はニヤリと笑うと、更に激しく手を動かし始めた。
「はっ…マジカワイイ…イヤってほどイかせまくってやるからな…?」
「そ、そんなことしなくて……いいよっ!」
 司は必死に抵抗するが、栄之助の手の動きは止まらない。それどころかどんどん激しくなっていくばかりだ。
「あ、あ、あっ!やだ!やめてぇ……っ!」
 司は目に涙を浮かべて訴えるが、栄之助は構わず手を動かし続けた。そしてとうとう絶頂を迎える瞬間が訪れる。しかしその瞬間、突然栄之助の手が離れていった。
「……え?」
 突然のことに驚いて司が呆然とするが、栄之助はニヤニヤ笑うだけだ。
「カワイー顔すんなって。焦らされんのも好きだろ?」
 栄之助はそう言うと、再び司のものに触れようとした。しかし今度は触れる直前で手を止める。
「あ……」
「どうした?もっとして欲しいのか?」
 栄之助が意地悪な笑みを浮かべて言うと、司の顔が真っ赤に染まった。そして恥ずかしそうに顔を背けるが、その反応を見た栄之助はさらに笑みを深める。
「なぁ、欲しいって言えよ」
「や、やだよ……」
 司は消え入りそうな声で答える。しかし栄之助は許さないとばかりに司のものを強く握り込んだ。
「あ!ああっ!だめっ!痛いっ!」
「ダメじゃないだろ?ほら、言えよ」
 栄之助が耳元で囁くと、司はビクビクと震えながら言った。
「なぁ…?言えって…ちゃんと俺が欲しいって」
 栄之助の口調にはどことなく熱に浮かされたような狂気が感じられ、司は背筋がゾクゾクした。同時に、司自身も同じくらい興奮していた。
「ほ……ほしい……」
 司は蚊の鳴くような声で言う。だが満足出来ないのか、栄之助は触れるか触れないかというギリギリの力加減で触れ始めた。極端すぎる愛撫に、司はおかしくなりそうだった。
「ちが…もっと……」
「もっと?何がだよ?」
 意地悪く聞いてくる栄之助に対して、司は涙目になりながら言う。
「……ね、お願いだから……ちゃんと触ってよぉ」
「どこをだ?」
「僕のおちんちん……いっぱい気持ちよくしてぇ…」
 司のおねだりに、栄之助は満足そうに笑う。
「はー…たまんねぇな…可愛すぎて頭おかしくなりそうだわ」
栄之助はそう言うと、司のものに再び手を伸ばした。司の身体を知り尽くした愛撫。待ち望んでいた刺激に司は歓喜の悲鳴を上げた。
「あっ!ああんっ!ああっ!」
「はっ……気持ちよさそーな顔……もっと見せろって」
 栄之助は手の動きをさらに早めていく。司が絶頂を迎える寸前で手を止めると、今度は根元をキュッと握りしめた。その瞬間、行き場のない快感が身体中に広がり、司は悶絶した。
「ああっ!やだぁっ!」
「嫌じゃないだろ?気持ちいいくせに」
 栄之助はククッと笑うと、再び司のものを擦り始めた。今度は先程よりも強く激しく動かし続ける。その刺激に司は腰を浮かせて悶えるが、やはり絶頂には至らないようだ。
「あぅ……っ!やだぁ……っ!イきたいよぉ……っ!」
「ダーメ。俺だってお預けくらってんだ。我慢すれば限界まで気持ちよくさせてやるよ?」
「ひぅ…ひどい…」
 涙目の司を見つめる栄之助の目は細められている。だが、うっとりとした目の奥には狂気じみた光が灯っていた。
「ひどいのはお前のほうだろ?あの日、デートの後俺がどんな気持ちだったかわかるか?あんな健気なことされて、散々煽られて、これからエロい下着着せてめちゃめちゃセックスできるってすんげー期待してたのに、つまんねぇ女に嫉妬なんかして帰りやがって…どんだけ心配だったかわかるか?あんなカワイイ姿で他の男に掻っ攫われたらって考えると気が狂いそうなんだよ!わかんねぇのか!?」
「わ、わかんない……っ!」
 司はぶんぶんと首を横に振る。すると栄之助は苛立ったように司のものを強く握った。
「いぎっ!?いたいっ!やめてぇ……っ!」
「わかれよ!俺がどれだけお前のこと好きかってことくらい!」
 栄之助が叫ぶように言うと、司はビクッとして怯えた表情を見せた。しかしすぐにまた目に涙を浮かべて言った。
「わかんないよぉ……!そんなの、言ってくれないと…わかんないよぉ……」
「そうかよ」
 栄之助は司のものを掴んでいた手を離すと、今度は自分のものを取り出した。そしてそのまま司のものと一緒に握り込む。
「あっ!ああっ!だめっ!」
「いいから集中しろって」
 互いのものを重ね合わせるようにして手を上下させる。司のものは栄之助のものから溢れ出た先走りでぐちょぐちょになっており、それが潤滑油となってより強い快感を生み出した。
「あっ!ああんっ!」
「はぁ…はぁ…気持ちいいな?司」
 栄之助は余裕のない声で言う。司もそれに答えるように必死にコクコク頷く。
「ちっちぇちんぽピクピクさせて、カワイイなぁ?」
「う、うるさ…!自分がちょっと大きいからってぇ…っ!」
「は?デカくねぇよ。お前のが小さすぎんの」
 栄之助はそう言うと、更に強く司のものを擦り上げる。すると司の口から甲高い声が上がった。
「ああっ!だめぇっ!イっちゃうぅ……っ!」
「まだダーメ。お預けされたお仕置きだって言ってんだろ?」
「お、おねがい…もう……ゆるして……」
 司は目に涙を浮かべて懇願する。しかし栄之助はニヤリと笑うだけで手を休めようとはしなかった。
「ひっ!ああん!だめぇっ!」
「なぁ司、自分でシゴけよ」
 栄之助が耳元で囁くと、司は戸惑いながらもゆっくりと自分のものに手を伸ばす。そしてそのまま上下に動かし始めた。
「あっ……あ……っ」
「そうそう、上手じゃん」
 栄之助は満足そうに笑う。
「俺の言う事聞いて気持ちよくなってる姿、クソ興奮するわ」
「や、やだ……っ!そんなこと言わないでよぉ……っ!」
「なんでだよ。可愛いって言ってんのに」
 栄之助は腰を掴むとぐっと引き寄せる。そしてお互いのものを密着させると激しく腰を動かした。
「あぅ…♡あちゅい…♡♡」
立ってられない司は縋り付くように栄之助に抱きつく。
「司、可愛い」
「あっ……あ……♡」
 司は快楽に蕩けきった顔で栄之助を見上げる。その瞳にはハートマークが浮かんでいるように見えた。
「はっ、やーらし。女のカッコしてちんぽ擦り合わせてるだけなのにこんなにトロトロになっちまうなんてさ」
「う、うるさい……♡」
 栄之助がからかうように言うと、司は恥ずかしそうに顔を逸らす。しかし栄之助は逃さないとばかりに司の顎を掴むと強引にキスをした。
「んぅ……!?」
 驚いて目を見開く司を無視して舌を入れる。そしてそのまま口内を犯し始めた。歯列をなぞり、上顎を舐め上げ、そして舌を絡ませる。濃厚なディープキスに司は苦しそうな声を漏らし、服を掴むが、栄之助は構わず続けた。
「んっ♡んんぅ~っ♡」
 司はビクビクと身体を痙攣させるが、栄之助は逃さないとばかりにさらに強く抱きしめる。満足するまでキスされて、酸欠になりそうだった。
「ぷはっ……はぁ……はぁ……」
 司は息も絶え絶えになりながら呼吸を整える。体格差のせいで、司が栄之助の胸元に顔を埋めるような形になっている。そんな姿も可愛くて仕方がないのか、栄之助は司の頭を撫でた。
「可愛いな……ほんと……」
「う、うるさいってばぁ……♡」
 司は恥ずかしそうに顔を背けるが、それでもなお栄之助に抱きついている。その仕草にまた興奮してしまいそうになるが、なんとか抑え込んだ。
「なぁ…挿れていいか?もう限界だわ」
「う、うん……♡」
 司は小さく答える。すると栄之助はゆっくりと司をベッドに寝かせた。そしてその上に覆い被さるような体勢になると、再び口付けをする。
「んっ……ちゅっ……♡」
 舌を絡め合い、唾液を交換し合う濃厚なキスをしながら栄之助は自分のものを取り出した。それはすでにガチガチになっており、血管が浮き出ている。その大きさに司はゴクリと唾を飲み込んだ。
(お、おっきい…前より大きくなってない…?本当同級生なの…?僕のと全然違うし…)
 司は頰を赤らめる。しかし栄之助は構わず司の両足を抱えると、先端を秘部に押し当てた。そしてゆっくりと挿入していく。
「あっ……♡ああ……♡」
 司の口から甘い吐息が漏れる。栄之助はゆっくりと時間をかけて奥まで入れていった。そして全て入り切ると、動きを止める。
「全部入ったな……痛くねぇか?」
「う、うん……だいじょぶ……」
 司は肩で息をしながら答えるが、その表情は明らかに快楽に蕩けている。栄之助は優しく微笑むと、ゆっくりと抽挿を開始した。初めはゆっくりだったストロークが次第に激しさを増していく。
「あっ!あん……っ♡」
「はぁ……気持ちいいぜ?司の中……」
 栄之助が熱い吐息と共に言うと、司は恥ずかしそうに顔を背ける。しかし同時に中に入っているものをキュッと締め付けた。素直な身体の反応に、思わず栄之助も笑ってしまう。
「くくっ、可愛いな」
「もう……からかわないでよ……っ!」
 司は頰を膨らませて怒るが、それすらも可愛らしい。栄之助は司の頰を撫でると優しくキスをした。そして徐々に腰のスピードを上げていく。パンッという肌同士がぶつかり合う音が部屋に響いた。その度に司は声を上げてしまう。
「あっ!あん♡やっ、だめぇっ♡」
「何がダメなんだよ?」
 栄之助は意地悪く聞くと、さらに強く腰を打ち付ける。司はビクビクと震えながら答えた。
「そ、そんなこと……言えないよぉ……」
「言えよ」 
 栄之助が耳元で囁くように言うと、司は観念したように口を開く。
「き……きもちよくて……おかしくなりそう……♡」
 司の告白を聞いた瞬間、栄之助は理性が吹き飛びそうになった。だがなんとか堪えて司の頭を撫でると律動を再開する。
「…かわいすぎんだろ、お前」
「あぅっ♡あっ♡ああん♡」
 司は喘ぐことしかできない。栄之助は司の両足を抱えると、より深く挿入した。
「どんだけ俺を煽れば気が済むんだよ?」
「ふぁぁ……♡しらないよぉっ♡」
 司の瞳は既に快楽の色に染まりきっており、焦点が定まっていない。完全に理性を失ってしまっているようだ。そんな姿を見た栄之助はさらに興奮し、激しく腰を打ちつける。パンッ!パァン!という音が部屋中に響いた。
「絶対手離してやんねぇからな」
 栄之助はそう宣言すると、司の唇を奪った。口内を犯し尽くすかのような激しいキスに司は呼吸困難になりそうになるが、それでも必死に応えようとする。
「んっ、出る!」
 栄之助は司の中に熱い液体を流し込んだ。それと同時に司も絶頂を迎える。
「んっ♡んんんっ♡♡♡」
 ビクビクと身体を痙攣させるが、栄之助は構わず続けた。最後の一滴まで搾り取るかのように締め付けてくる感覚に、思わず声が出てしまう。ようやく口を離すと酸素を求めるように司は大きく息を吸った。
「はぁっ、はぁ……♡」
「ははっ、えっろいなぁ司……」
 栄之助はニヤリと笑うと、司の中から自分のものを引き抜く。すると司の秘部からゴポッという音と共に白濁液が流れ出てきた。それを見た途端、また自身が元気を取り戻すのを感じた。
「もう一回やるか?」
 栄之助が尋ねると、司は顔を真っ赤にしながら答える。
「……う……うん……♡」
「…次はこれ着て?お前のために買っておいたやつ」
「~~~っ」
 愛らしいベビードールのような下着に、司は真っ赤な頬を膨らませて「この変態!」と逞しい胸筋を押し返すのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

親友だと思ってた完璧幼馴染に執着されて監禁される平凡男子俺

toki
BL
エリート執着美形×平凡リーマン(幼馴染) ※監禁、無理矢理の要素があります。また、軽度ですが性的描写があります。 pixivでも同タイトルで投稿しています。 https://www.pixiv.net/users/3179376 もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿ 感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_ Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109 素敵な表紙お借りしました! https://www.pixiv.net/artworks/98346398

白雪王子と容赦のない七人ショタ!

ミクリ21
BL
男の白雪姫の魔改造した話です。

兄弟愛

まい
BL
4人兄弟の末っ子 冬馬が3人の兄に溺愛されています。※BL、無理矢理、監禁、近親相姦あります。 苦手な方はお気をつけください。

推しに監禁され、襲われました

天災
BL
 押しをストーカーしただけなのに…

童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった

なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。 ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…

食事届いたけど配達員のほうを食べました

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか? そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。

男色医師

虎 正規
BL
ゲイの医者、黒河の毒牙から逃れられるか?

処理中です...