生意気幼馴染が女装したら可愛いすぎたので付き合うことになりました

１９

「ねえ、栄之助」
「ん？なんだよ？」
　放課後の帰り道。司は突然足を止めると、栄之助の袖を引っ張った。まだ校内にも関わらず、上目遣いで見上げてくる。その仕草に胸が高鳴ったが、平静を装って聞き返すと、司は言った。
「今日も、するの…？その、この前みたいなやつ……」
　司は頰を赤らめながら恥ずかしそうに告げた。栄之助は一瞬思考が止まったが、すぐに我に返ると慌てて司の口を塞ぐ。
「バッカ！こんな所で何言ってんだ！」
「だって……みんな居ないし……」
「だからってお前な…」
　栄之助はそう言ってため息を吐くと、司の頭を小突く。しかし内心はかなり動揺していた。まさかそんなことを言われるとは思わなかった。
（は、破壊力やべえな…くそ…イライラする…！）
　栄之助はなんとか平静を保つと、司の頭に手を置いて言った。
「お前さ、俺以外の前でそういう可愛いこと言うなよ？」
「何が……？」
　司が首を傾げると、栄之助は苦笑しつつ答える。
「誘ってるようにしか聞こえねえよ」
「……！？ち、違う！そんなつもりじゃなくて！た、ただの確認で……」
「俺はしたいけど？」
　栄之助の言葉に司の顔は真っ赤に染まる。
「…っ！」
「俺の考えてること教えてやろうか？今すぐお前のこと押し倒して突っ込んでぐちゃぐちゃに喘がせて泣かせたいって思ってる」
「な、な、なに言ってんのさ栄之助……！」
　司は慌てて栄之助から離れた。しかしすぐに腕を掴まれてしまう。
「逃げんな」
「……っ！」
　耳元で囁かれた声にゾクッとした感覚が背を走る。司は抵抗する気力を削がれてしまった。
「なあ？お前、我慢できるか？」
「……無理かも……」
　司の答えを聞いて栄之助は満足げな笑みを浮かべた。
「可愛すぎ。お前、俺以外にそんな顔見せるんじゃねえぞ」
「見せるわけないだろ……」
　司は呆れた声で答えたが、栄之助はニヤリと笑って言った。
「じゃあ今から俺ん家来い」
「……え？」
「思いっきり声出せるぜ？それに……」
　栄之助は司の耳元に口を寄せると囁いた。
「そんな顔されたら、俺だって我慢出来ねぇから。めちゃめちゃ啼かせてやるよ」
「……っ！」
　司は顔を真っ赤にすると、栄之助から逃げるように走り去った。
「おい、待てって！」
　そんな司を追いかけるように、栄之助は走り出した。そしてあっという間に追いつくと後ろから抱きしめるようにして捕まえた。
「はい、捕獲」
「ちょ！そんな、猫みたいな扱いすんな！」
「似たようなモンだろ？ちっちぇし、逃げ足早ぇし、それに…」
「はうっ…！」
　低い声音で耳元で囁く。
「欲しい時だけ可愛くおねだりしてくるとことか、な？」
「ばっ！馬鹿じゃないの！？」
「お前が煽るのが悪い」
　そう言うと栄之助は司の服の中に手を差し入れて腹を撫で回した。
「んっ……もうっ！」
　司はビクッとして身体を強ばらせる。しかし抵抗せずにされるがままだ。心なしか甘い匂いさえする。そんな司に、栄之助はさらに興奮していくのを感じるのだった。