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「はぁ……」
司はため息をつくと、ベッドに寝転がった。
(僕って男好きだったのかな……?)
司は自分の思考に嫌になった。栄之助に抱かれてからのこの数日で、まるで自分が女の子のように思えて仕方がないのだ。
(まあ昔から『カワイイ』って言われてたし、言われてるのも慣れてるし、何なら理解して色々上手く生きてたとこはないわけじゃないけど…)
思い返すと保護者や先生、クラスメイトからその可愛さで何でも許されてきたところはないわけではない。だけど、だからと言って女の子になりたいとか思ったことはなかった。
(…アイツが変なことさせるから…)
嫌がらせには手がかかりすぎだと思う。制服盗んで、使用人に家まで持って帰らせて、それを着せて、犯して……。
(でも……嫌じゃなかったんだよね……)
司は枕を抱き締めながら呟いた。栄之助に抱かれた時のことを思い出すと顔が熱くなる。甘い言葉を囁かれ、限界まで甘やかされて、少し強引で、信じられないくらい気持ちよくて。しかもそれがクセになってしまっている。自分でもわかってる。これはまずい。このままだと、戻ってこれないところまで堕ちてしまう気がする。
(こんなの、絶対おかしいって……!)
しかし司は自分の意思とは反対に身体の熱が高まるのを感じていた。嫌われるより好かれる方が勿論いい。だけど、あんな顔で真面目に好きだと言われて、胸がドキドキしないやつなんていない。こんなはずではなかったのにと思う反面、また彼が自分を求めてくれることに喜びを感じている自分がいた。
(ああもう!考えるな!あんなやつの思うツボじゃん!栄之助は嫌なやつ!ヤなやつなの!)
司は自分に言い聞かせるように何度も呟いた。そしてベッドの上で悶々とした時間を過ごすのだった。
司はため息をつくと、ベッドに寝転がった。
(僕って男好きだったのかな……?)
司は自分の思考に嫌になった。栄之助に抱かれてからのこの数日で、まるで自分が女の子のように思えて仕方がないのだ。
(まあ昔から『カワイイ』って言われてたし、言われてるのも慣れてるし、何なら理解して色々上手く生きてたとこはないわけじゃないけど…)
思い返すと保護者や先生、クラスメイトからその可愛さで何でも許されてきたところはないわけではない。だけど、だからと言って女の子になりたいとか思ったことはなかった。
(…アイツが変なことさせるから…)
嫌がらせには手がかかりすぎだと思う。制服盗んで、使用人に家まで持って帰らせて、それを着せて、犯して……。
(でも……嫌じゃなかったんだよね……)
司は枕を抱き締めながら呟いた。栄之助に抱かれた時のことを思い出すと顔が熱くなる。甘い言葉を囁かれ、限界まで甘やかされて、少し強引で、信じられないくらい気持ちよくて。しかもそれがクセになってしまっている。自分でもわかってる。これはまずい。このままだと、戻ってこれないところまで堕ちてしまう気がする。
(こんなの、絶対おかしいって……!)
しかし司は自分の意思とは反対に身体の熱が高まるのを感じていた。嫌われるより好かれる方が勿論いい。だけど、あんな顔で真面目に好きだと言われて、胸がドキドキしないやつなんていない。こんなはずではなかったのにと思う反面、また彼が自分を求めてくれることに喜びを感じている自分がいた。
(ああもう!考えるな!あんなやつの思うツボじゃん!栄之助は嫌なやつ!ヤなやつなの!)
司は自分に言い聞かせるように何度も呟いた。そしてベッドの上で悶々とした時間を過ごすのだった。
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