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先輩視点
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サークルの新人、地方出身の1年生。何をするでも控えめで恥ずかしがり屋。大きめの眼鏡にチェックのシャツ。いかにも理工学部って感じだが、横顔はハッとするほど綺麗だと思う。クールな見た目のに笑うと目が細くなってめちゃめちゃカワイイ。動いているところは、もっとカワイイ。
生憎これは女子のことではない。男子大学生1年生に対する評価だ。
現在、サークルは新入生歓迎会の真っ最中。俺はビールを口にしながら斜め前の新入生をぼーっと見つめていた。
寒いところ出身だからか、肌は白くて口数は少ない。だがニコニコしながら話を聞いてうんうんと頷いている。控えめで慎ましい。
その新入生は酒に強くないらしく、注がれるビールをちびちび飲んでいた。周りにいる人間たちもそれを面白そうにからかっているようだ。
「ねーえかいとー?そう思わない?」
「あー…わり、聞いてなかったわ」
「な、おまえひど!」
隣に座っている同い年の女子はそう騒ぐ。ノリはいいが女としては見れないタイプだ。どちらかと言うとあの新人クンの方がよほど俺のタイプだったりする。まあ、生憎男なのだが。
あの、見るからにピュアで従順そうな後輩とセックスできたらな、なんて酔った頭で考えてはそんな妄想を振り払う。
いや、待て待て俺よ。俺はゲイじゃないし、まだそこまで酔っていないはずだ。落ち着け俺。
「あ…」
ぼんやりと見つめられていたことに気づいた新人クンは俺と目があった瞬間頬を赤く染めて俯いた。カワイイ反応に思わずチンコが硬くなる。
俺は同性愛者ではない、と自分自身に言い聞かせながらビールを煽った。しかし、それはただの気休めにしかならなかったようで、酒が進む度に彼のことしか考えられなくなっていた。
「…ん?」
視線を感じると思ったら、新入生クンがこちらをじっと見ていたようだ。目が合うと彼は恥ずかしそうに俯いた後、恐る恐る上目遣いで俺を見た。
こういう時、自分の顔が良いことに感謝する。意中の相手を落とすのにいつだって役に立ってきた。
「1年生?名前は?」
俺はにっこり微笑んだ。なるべく優しく、先輩らしく話しかける。
「あの……っ、……あ……」
「ん?」
「せい、って言います…青って書いて…」
おずおずと名乗る後輩クンに思わず頬が緩む。カワイイ。人馴れしてないし、押しには弱いタイプか?なら話は早いかもしれない。
「よっと」
「えっ…」
俺は彼の隣に座ると肩を抱いた。敏感なのかビクリと肩を震わせる彼がまた可愛らしい。
「俺の名前知ってる?」
「……や、まだ……です」
「そっか、じゃあ覚えてね?俺の名前はかいと。海に翔ぶって書くんだ。覚えやすいでしょ?」
「あ、……はい……」
戸惑いながらも頷く後輩クンに俺はにっこりと微笑みかける。くそ、カワイイな、本当に。彼の視線はちらちらと俺の股間に向いていた。少し酔っていて勃起しているのがバレたのかもしれない。それなら好都合だ、このままホテルに連れてってしまえばいいのだから。
「ちょっとかいとー!こっち来なさいよぉ!1年生、困ってるじゃん!」
「ああ、ごめんごめん。ちょっとカワイイ後輩にちょっかい出してただけだよ」
酔ったノリで絡みつく女達の声がうっとおしいが無視するともっと面倒になるので、適当に受け流す。
「新人クンのことからかいすぎだよー」
「ええ?俺そんなつもりないんだけどなあ?」
「あんま絡んでないのー!その子電車なんだし」
「えーマジ?そうなの、青クン?ごめんなー」
笑い合いながら、俺は彼の肩を抱いたまま立ち上がる。酔ってふらつくふりをして密着すると彼は恥ずかしそうに俯いた。その様子に俺の股間は更に硬くなるのを感じた。
(ヤバい、全然抱ける…)
俺はそのまま自分の座っていた席に彼を連れていった。隣には酔い潰れた奴がいて、そいつの荷物を漁ると財布から勝手に金を抜いて後輩クンに渡してやる。
「え?あ、あの……」
「いいから受け取って」
戸惑いながらも彼は素直に金を受け取ると、ぺこりと頭を下げた。
(今日はまだ早い…焦るな、俺)
頭ではわかっているのに、彼のことを考えると身体が熱くなってくる。俺、本当にノンケだよな?こんなに可愛くて初心そうな男子大学生相手に勃つなんてありえなくね?と自分の理性を疑いながら俺は後輩クンの肩を抱き寄せた。
「気をつけて帰るように?」
俺みたいな悪い先輩に捕まらないように、と心の中で呟く。
後輩クンははい、と頷いてから俺の目をじっと見つめてきた。
「あの……ありがとうございました……」
彼の目は潤んでいて、頬は赤く染まっている。明らかに発情した女みたいな顔に、ここが新歓でなければそのまま押し倒して犯していただろう。
「おう、お礼はコイツに言っておけよ?」
そう言って財布を抜き取った奴を指差すと、青クンはくすりと笑った。
「はい……ありがとうございます」
ぺこりと頭を下げる姿が可愛らしい。その動作一つ一つに俺の股間は熱くなっていく。このまま彼を持ち帰りたい衝動を堪えて、俺はにっこりと微笑んだ。彼は他の先輩たちにも挨拶をすると帰っていったようだ。その後ろ姿を見ながら、俺は誓った。夏合宿で絶対、モノにすると。
◇
「かいと、昨日どうだった?あんま話せなかったけど」
サークルの飲み会から帰ってきた翌日、バイト先で同期の女に話しかけられた。昨日の新歓で一緒だった女だ。とりあえず返事をする。
「ああ……まあ、普通だったよ」
俺は適当に答えるとロッカーを開けて着替えを始める。本当はあの新人クンが気になって仕方がなかった。でも、新歓でいきなりヤって二度と口聞いてもらえなかったらそれはそれで泣くから我慢する。
「まあ、かいとは可愛い系よりキレイ系が好きだもんねえ」
「別に?そんなことないけど?」
俺は適当に返事をしながらTシャツを脱ぐと、中に着ていたタンクトップも脱ぐ。露わになった俺の上半身を見て、同期の女はひゅう、と口笛を吹いた。
「相変わらずイイ身体してんね」
「ありがとー」
Tシャツを着ながら返事をすると同期は後ろから抱きついてきた。背中に柔らかいものが押し付けられるが全然嬉しくない。
「ねーかいと、かいとは今年も夏合宿いくよね…?」
「あ?ああ、行くぜ?勿論」
あのカワイイ後輩といちゃつく大義名分になるし、何より、夜に行われる宴会の後のチャンスを逃すわけにはいかない。
「やったー!じゃあさ、また一緒に海行こうよ!」
「は?ああ……まあいいけど」
彼女の水着姿は嫌いじゃないが、正直言って俺は新人クンのことしか考えていなかった。早くヤリたいな、なんて思いながら返事をすると彼女は嬉しそうに笑っていた。
「…つーかどうせ3年女子全員一緒だろうが」
「そういう事言わないの!」
◇
「海だーー!!」
サークルの先輩の掛け声と共に、俺たちは青い海へと飛び出した。新歓でお持ち帰りできなかった後輩クンとヤるために、俺は今日こそはと思っていた。
夏合宿。みんな開放的な気分になってハメを外す。テニス部の合宿とは言え毎年お願いしている宿に荷物を置き、午前中は練習、午後は海、夜は飲み会。初日の夜に『例のイベント』が行われ、2日目以降は最早パーティみたいになる。まあ1年生は知らないが。
俺のお目当ての1年生青クンは、いつも通り少しおとなしいグループの男子達とパラソルの下で荷物番をしていた。パーカーを着ていて露出も少ない。解釈一致だ。
「1年生は泳ぎいかねぇの?」
気を使ったフリをして声かけをすると、青クンはビクッと肩を震わせた。可愛い。
「あ、あの……僕、泳げなくて……」
まあそうだよな、眼鏡のままだし。
「海翔先輩って水泳全国大会出てたんですよね?」
「あ、ああ」
青クンの隣りにいた他の1年がそう言うと青クンの目がキラキラする。カワイイなあ、オイ。俺はおくびにも出さないで笑う。
「すご…」
「カッコいいな…」
「テニスもめちゃ上手いのに」
「海翔先輩、なんでも出来るんだな…」
ひそひそ1年男子の称賛を受けていると、遠くから「かいとー!!早く来いよー!!」と言う声が聞こえてきた。
「おっと悪ぃわ。新人クン達も順番にでも海入れよ?折角来たんだし」
そう言って笑うと、青クンはまた惚けた乙女みたいな顔をしていた。邪魔されたが、まあいいか。夜はこれからだ。
◇
「じゃ、かいとお疲れー」
「……っす」
1日目の練習を終えて、夜。飲み会が始まり、俺は先輩方の挨拶を終えて席に戻る。新人達は俺達より長く捕まって、既に女子の一部は男の先輩のスキンシップに捕まっている。
「あーあ…あの子、彼氏持ちらしいよ?相手悪かったねぇ、山本先輩だもんね」
「下手したら夏で別れちゃうかもね」
「かわいそ」
全然気の毒じゃなさそうに女子達がひそひそ飲みながらそんな話をしている。す、と太ももを撫でられた。目を向ける。
「ね、かいと。今年も抱いてくれる?」
あーウザ、一気にテンションが下がる。一度やったからって彼女面されるのが一番面倒くさい。だが、俺は人間が出来てるのでニッコリ笑って「さあな?」と返す。
「えー!なんでよぉ!」
「お前狙ってるヤツから話聞いてるから、今年はダメ」
こう言うと大抵は引き下がってくれる。現に、彼女は面白くなさそうな顔でビールを煽った。
「俺今年会計だし、そう機嫌悪くすんなって」
「いったーい!もう、調子いいんだから」
適当に交わしながら俺は端っこで男の先輩達にレクチャーを受けつつある新人男子達の側に行く。
「青クン、先に宿の人にお金払いに行くから、付き合ってくんね?」
「え?は、はい」
スタートは21時の予定。今から行けば丁度冒頭には参加しなくて済む。
「じゃ、青クン借りてくな?」
俺は他のメンバーにウインクすると、カワイイ新人クンの肩を抱いて、宴会場を出た。
「あの、かいと先輩?」
「ああ……悪いな、急に連れ出して」
宿のロビーまで来たところで、俺は肩を抱いたまま新人クンを見る。不安そうな瞳が揺れているが、それもまた可愛い。思わず舌舐めずりしそうになるのを堪えながら、俺は口を開いた。
「話聞いた?どこまで?」
「あ、なんか、その、これからが本番だって、先輩が…」
「ふぅん」
この時間、旅館のフロントにはほとんど客がいない。俺はカワイイ新人クンと二人きりの時間を存分楽しむことにした。
「そう、これからが本番」
「え……?」
「おいで?」
俺はそう言って新人クンの腕を掴むとそのまま歩き出した。フロントの人にお金を払い、外に出れば外は真っ暗で静まり返っている。あまり遠くに行くと誰かに見つかる可能性があるからここから歩いて10分くらいにあるコンビニまで行く。飲み物と、ついでにゴムも買いたい。
「かいと先輩、あの……」
「ちょっと付き合ってくんね?」
そう言いながら俺はコンビニに入ると、ゴムの箱を2箱カゴに入れた。もうひとつサイズ違いのを入れようとするのを新人クンは困ったように俺を見てくる。後は酒と水。何が良い?って聞いて思いの外強い酒の名前が出るのも発見だった。青クン酒強いのか。クスリ入れないとだめかもな。なんて。
そのまま肩を抱いて旅館へと戻ると、既に宴会場は盛り上がっていて、嬌声が漏れていた。
「へぇ……ヤリ始めたみたいだな」
俺は笑いながら新人クンの肩を抱く。
「かいと先輩、あの……」
戸惑っている彼に「見る?」と案内する。
「あっ♡あん、あっ♡すごぉい、んぁあ♡」
女の高い喘ぎ声が漏れている。それだけで青クンは俯いてしまった。クソカワイイ。
「ちょっと待ってて」と言うと俺は近くにいた同級生にゴムを二箱渡す。
「おー、かいと。お前も参加するか?」
「今日は疲れたから遠慮するわ。俺いると女独占してお前ら楽しめないだろ」
「まあな、サンキュ」
俺は笑いながら頷くと荷物を持って襖を閉めた。俺の荷物は開けっ放しの鞄だけ。中には財布と携帯、あとはコンビニで買ったものだけだ。
「びっくりした?」
青クンはぽけっとした顔で俺を見上げる。ああ、可愛いなあ、本当に。
「先輩、あれ、あれって…」
「そ、毎年の恒例。今年は1年の璃梨佳ちゃんがキャプテンとヤッてたよ。キャプがヤッたら後はもう好き勝手乱交。ま、普通だよ」
何ならそのまま結婚した先輩たちもいるし。そう言いながら俺は肩を抱く。びくっ!と怯えたように反応される。意識されてると思うと自然に股間が熱くなった。
「あの、かいと先輩、僕……」
「ん?参加したい?」
「ち、ちが!違います…その…」
俺はそっと青クンの腰を撫でる。ビクッと震えたが、抵抗はされなかった。これ、イケるんじゃね?このまま抱けるんじゃね?と俺の中の悪魔が囁く。可愛い新人クンに種付けできるチャンスなんて二度とないかもしれないぞ?と理性が警鐘を鳴らす。
「なあ、青クン。お願いあんだけど」
「え…」
「俺さ、あの場戻ると多分今日寝させてもらえない気がするんだわ。かと言って俺の部屋戻っても襲われそうだし」
「そ、そうなんですか……」
「だからさ、青クンの部屋行ってもいいか?」
他の1年クン達は先輩女子に喰われてるだろうし。俺は少し背の低い黒髪に覆われた耳元で囁いた。
「えっ、と……あの……」
真っ赤に染めた顔を俯かせながら、青クンはオロオロと視線を彷徨わせる。
「だめ?」
俺は上目遣いで少し首を傾げる。女の子には効果絶大だが、男に効くかはわからない。だが今は使える手段は全て使うしかない。ちゅ、と耳の後ろに口付けるとビクンッと身体が跳ねた。
「わ、わかりました…僕の部屋で良ければ……」
「マジ?ありがと、青クン」
良かった。多分この子は押しに弱いタイプだ。今だって俺に流されて部屋に入れてくれるのだから。可愛いけど少し心配にもなる。まあ、先輩として、他の1年男子を心配してあげたって言い訳も使えるし。何より、1年男子の部屋は一番遠い。邪魔が入ることはほぼない。
「じゃ、行こっか。飲み直そうぜ?」
俺はわざと親しげに肩を抱くと、新人クンの部屋へと向かった。
◇
(よし……)
俺は心の中でガッツポーズをした。新人クンは本当に押しに弱かった。部屋に入ってすぐにビールを勧めるとおずおずと受け取って飲み始めたし、コンビニで買った酒の缶を開けて渡すと少しずつ口に運んでいた。そんなに信頼して良いのかなって俺は小さく笑う。すっかり酔いが回ったのかトロンとした瞳で俺を見つめてくると「かいとせんぱい……」なんて舌足らずに呼んでくる。
「ん?どうした?」
俺はその可愛さに内心ドキドキしながら、なんでもないフリをして頭を撫でる。耳を擽ると彼の口から甘い吐息が漏れた。可愛いな、本当に。女の子みたいだ。そんなことを考えていると甘えるように俺の身体にしなだれかかってきた。
(よく効いてる…クスリまで素直に効くんだな…)
乱交パーティで女子に飲ませたのと、同じような薬を酒に混ぜておいた。少量だから効き目は弱いが、彼は随分と素直になっている。
「ん……かいとせんぱい……」
「どうした?」
俺は優しい先輩を装うと、彼の頭を撫でる。もっと触って欲しくてたまらないのか青クンは俺の身体に頬を擦り寄せる。
「きもちいいんです…なんだか…ふわふわして……」
「そうか。じゃあもっと気持ちよくなろうか?」
俺はそう言うと、軽くキスをして彼の股間に手を伸ばす。そこは既に緩く勃ち上がっていた。それを服の上から優しく撫でるとビクンッと腰が跳ねる。本当に素直で可愛い。今度はズボンのベルトを外して前を寛げる。ボクサーパンツの中に手を入れると、熱い肉棒がピクピク震えていた。
「ぁ……ん、かいとせんぱい……」
恥ずかしそうに顔を逸らすのも可愛くて仕方ない。もっと気持ちよくしてあげたいと思いながら俺は竿を握り込む。そのままゆっくり上下に扱くと先走りが溢れてきた。
「あっ、やっ、だめぇっ♡」
ぬちゃ、ぬちゃ、と粘着質な音が響く。青クンは顔を真っ赤にして震えていたが、俺の手を払い除けようとはしなかった。
「かいとせんぱい……なんでぇ……?♡」
酔っているせいか呂律も怪しくなっている。可愛いなあ、と思いながら俺は耳元で囁いた。
「気持ちイイだろ?」
「ん……きもちいいです…」
ふにゃ、と微笑まれ、チンコがピクついてしまう。クソ、本当にカワイイ。メガネを外してやると、潤んだ瞳が露わになった。
「かわいいな?青クン」
ちゅ、と目尻にキスすると「ん……」と擽ったそうに身を捩る。それが可愛くてつい悪戯をしたくなるが今は我慢だ。俺は彼のチンコから手を離すと自分のズボンを下ろした。下着を押し上げるそれを解放してやる。テント張ってる下着は恥ずかしいが、俺は彼のチンコに自分のものを近づけた。
「え……なに……」
戸惑っている彼に構わず、俺は互いのものを一緒に握り込むと上下に擦った。先走りでヌルついた感触が気持ち良いのか青クンは甘い吐息を漏らしている。
「あ…あぁ…♡」
くちゅくちゅといやらしい音が響く。俺は彼の耳元で囁いた。
「ほら、青クンも触って」
「んっ♡はい……♡」
彼は言われるがまま、俺のものに手を伸ばすと拙い手付きで扱いてきた。お互いの先走りで滑りが良くなり、どんどん激しくなっていく。
「はぁ、はぁ、先輩の、熱くて、大きい…♡」
「っ、青クンのも、熱くてビクビクしてるよ……」
二人分の荒い息遣いが部屋に響く。もうそろそろ限界だ。俺は手の動きを早めると一気に射精感が込み上げてきた。
「あ、だめ♡せんぱい、イッちゃう♡」
「ああ……俺もイキそう……!」
俺は青クンを布団に押し倒すと、彼の顔に白濁をぶち撒けた。青クンは熱い飛沫が顔にかかっても嫌がるどころか嬉しそうに微笑んでいる。
「ふぁあん…♡すごぉ…♡」
蕩けた顔で見つめられ、俺はまたチンコが硬くなるのを感じた。髪をかきあげ見下ろす。
(あー……ヤベェなこれ……)
このまま最後までシたい。というか、ここまでして抱かないなんて男じゃないだろ?
同性愛とかどうでもいい、この子を抱きたい。思い切り啼かせたい。
そんな俺の思考を読んだかのように、彼は誘うように「かいとせんぱい……」と甘く俺の名を呼んだ。
◇
「青クン初めて?セックス」
「はい……初めてです……」
俺が尋ねると彼は恥ずかしそうに答える。その表情が可愛くて思わずキスをしたくなったが我慢する。今はとにかく彼を可愛がりたいのだ。
(まあ、俺も男とは初めてなんだけどな)
なんて、心の中で呟きながら俺は彼の頭を撫でた。さらさらの黒髪が指の間をすり抜ける感触が気持ち良い。
「じゃあ、ちゃんと解してあげないとな?」
そう言って俺はベッドの下からローションを取り出すと掌に垂らした。粘度の高いそれを指に絡ませると青クンの後ろに触れる。すると彼はビクンッと震えた。
「ひゃ!だ、ダメです、そんなとこ、きたない…っ」
「大丈夫」
俺は宥めるように額に口付けると、ゆっくり中指を埋めていく。すると彼はぎゅっと目を瞑った。痛いのかと思いきや、すぐに甘い声が漏れ始める。
「ぁんっ♡やっ、そこぉ♡」
どうやら媚薬が効いているらしい。クスリで敏感になっている青クンは、ビクビク身体を震わせながら感じている。俺は彼の感じる場所を探すように中を探ると、ある一点に触れた途端彼が一際大きな声を上げた。
「ひぁああん!♡」
どうやらここが前立腺らしい。見つけたそこを重点的に攻めると、彼は甘い声を上げて善がり始める。
「あっ、何…ここ…ゾクゾクしちゃう…♡」
「気持ち良い?」
「はい……きもちぃれす……」
呂律も回らなくなっている。可愛いなあ、本当に。俺は彼の額に軽くキスすると指を引き抜いた。もう限界だった。よく耐えた、俺。ゴムを口に咥えて破ると、手早く自分のものに被せる。
「青クン、挿れるぞ?」
「はい……」
俺は彼の両足を抱えると、ゆっくりと挿入していく。指とは比べ物にならない質量に彼は苦しそうな声を上げたが、媚薬の効果なのか痛みはないらしい。むしろ気持ちよさそうに身体を震わせている。ズブズブと根元まで挿入すると、青クンの中は熱くうねっていた。
「はー…」
キツイ、だがオンナとは違う締め付けが堪らない。
(ずっとこうしていたい…)
そんなことを思いながら、俺は青クンの腰を掴むとゆっくり動き始める。最初はキツかったが徐々に馴染んできたのかスムーズに動かせるようになった。
この子のナカに、俺のモノが入ってる。この子の初めてを、俺が奪っている。
それだけで興奮して射精してしまいそうだ。俺は奥歯を噛み締めると、夢中で腰を振った。青クンも気持ちが良いのか蕩けた表情で喘いでいる。
「あっ♡あぁっ♡かいとせんぱいのぉ……すごぉ…♡」
(クソッ……!)
可愛いことを言う後輩に煽られ、俺は腰の動きを速める。パチュン、パチュンと肌のぶつかり合う音が響く中、青クンは必死に俺の首にしがみついてきた。
「あ、だめっ…イッちゃうぅ♡」
どうやら限界が近いらしい。俺もそろそろイキそうだと思い、ラストスパートをかけるようにピストン運動を激しくする。あ、あ、あと開きっぱなしの唇から漏れる声すら可愛くて、俺は思わずその唇を奪った。
「んっ♡ふぁっ♡」
舌を絡めると青クンもそれに応えるように舌を伸ばしてきた。そのまま口内を犯しながら絶頂へと駆け上がる。もう限界だ。そう思った瞬間、俺たちは同時に果てた。ドクンドクンと脈打つようにゴムの中に白濁が吐き出される。
「ぁ……出てる……♡」
青クンはうっとりとした顔で自分の腹を撫でていた。俺はずるりとチンコを引き抜くと、ゴムを外してゴミ箱に捨てる。青クンはまだ物足りないのか、モジモジと足を擦り合わせていた。
「せーくん、どうした?」
俺は彼の身体を抱き寄せると優しく頭を撫でた。すると彼は恥ずかしそうに頬を染めながら擦り寄ってくる。可愛すぎる。ずっとこうしていたい。抱いたばかりなのに、俺の心臓がキュウと締め付けられる。
俺のものになればいい。そうしたら、ずっと気持よくさせてあげる。
ずっと抱きたかった子とヤれたせいか賢者タイムどころかずっと浮かれていた俺は、つい昂った感情のまま青クンにキスを落とす。
「もう一回シたい?それとも、疲れた?」
「あ……えっと……」
言い淀む青クンに俺はクスリと笑うと彼の耳元に唇を寄せた。
「俺の恋人になるなら、何度でもシてあげるぜ?」
「……え」
(しまった!つい…!)
思った時には遅かった。口を滑らせた俺は内心大パニックだった。目の前の彼は顔を真っ赤にして口をパクパクさせている。
「あ……あの……」
(冗談だと言って流せば…)
そう思いつつもそうはしたくなかった。何故なら、この頃には俺は本気で青クンのことを気に入っていた。好みすぎる見た目も、穏やかな性格も、笑う時の仕草も、イくときの少し高い声も。可愛いし、意地悪したくなるし、放っておけなくなる。断られたら、結構多分、落ち込む気がする。
「…は、い」
「……え?」
予想外の返答に俺は間抜けな声を出してしまう。彼は恥ずかしそうに目を伏せると、俺のシャツをギュッと掴んだ。
「ぼ、僕で良ければ……」
(マジかよ……)
俺の心臓はバクバクと音を立てていた。青クンが俺を好き?嘘みたいだ。信じられない。
「あ……あの、良いのか?」
恐る恐る尋ねると、彼はゆっくりと頷く。そして少し緊張した面持ちで口を開いた。
「か、かいと先輩、すごくかっこよくて、優しくて、ずっと憧れてました…だから…」
そう言って彼ははにかむように微笑む。その笑顔があまりにも可愛くて、俺は思わず彼を抱きしめた。
(ああ、もう無理)
可愛いすぎるだろ。この子をめちゃくちゃにしたいという衝動に駆られ、俺は彼の唇を奪った。舌を差し入れると彼もそれに応えるように絡ませてくる。
「んっ……ふぅ……♡」
くちゅ、と唾液の絡まる音がする。お互いの吐息が熱を帯び始めた頃、俺はそっと唇を離すと青クンを押し倒した。可愛いことばかり言うから、俺のチンコはとっくに臨戦態勢だ。
「青クン、もう一回シよ?」
そう言って俺は再び彼の後ろに指を這わせた。すると彼は顔を真っ赤にして目を逸らすが、抵抗することなく俺に身を委ねる。
「んっ……ぁ……♡」
(もっと気持ち良くしてあげるからな)
そう心の中で呟いて、俺は媚薬入りのローションを垂らす。青クンは冷たさに一瞬驚いたようだが、すぐに甘い声で鳴き始めた。俺はその反応を楽しむように彼の身体を愛撫する。胸の先端を舌で転がすと彼はビクビクと身体を震わせた。
「ぁあっ♡やぁっ♡」
可愛すぎんだろ。こんなに敏感で不安になる。やっぱり俺が守ってやらないと。俺は彼の乳首に吸い付いた。舌先でつついたり甘噛みしたりしていると、青クンはビクビク震えながら甘い声を上げる。
「あ♡んっ♡ふぁ♡」
気持ち良さそうに喘ぐ姿に煽られ、俺は空いた手でもう片方の乳首を摘まんだ。薄明かりの中で、青クンが涙目で見つめてくる。
「も、もう、いいですからぁ…♡かいとせんぱいも、きもちよくなってください……」
その台詞に、俺は思わず喉を鳴らす。もう限界だ。今すぐ挿れたい。そう思った瞬間、青クンは自ら足を開いた。そして恥ずかしそうな表情を浮かべながらも自分の指でアナルを広げてみせる。
「ここに、先輩の……いれてください…♡」
そう言って彼は誘うように腰を揺らす。俺は理性が切れる音を聞いた気がした。
◇
「ふー…深夜の温泉気持ちいいな」
「……はい」
「んだよ、せーちゃん。そんな隅っこにいないで、もっとこっち来いよ」
「いえ、僕はここで十分です……」
そう言って青クン、もとい、せーちゃんは露天風呂の縁から動かない。メガネも曇ってよく見えないのか、湯気が熱いのか。どちらにしてもなんだか落ち込んでいるらしい。
「もしかして、気持ちよくなかった?」
「!!そそそ、そんな訳ないです!!」
せーちゃんは慌てて否定すると、真っ赤な顔で俺を見つめた。思わず顔がにやけてしまう。
「ふーん?じゃあなんでそんなに元気ないんだよ?」
「……だって、僕だけあんな恥ずかしいこと……」
(あ、なるほど)
どうやら彼は自分だけ何度もイッてしまったことを気にしているらしい。確かにせーちゃんのチンコは触ってもいないのにビンビンだったし、何回も射精したもんな。けど俺はそれが可愛くて仕方なかったわけだけど……
「なあ、せーちゃん?俺が気持ちよくさせたくてしたんだから、あんまり気にすんなよ?」
「で、でも…」
「あんな風に足広げて誘って来るとは思わなくて、正直めちゃめちゃ興奮したし」
「わー!忘れてください!」
せーちゃんは真っ赤な顔で俺の口を塞ぐ。ばしゃばしゃお湯が跳ねた。俺はその手を摑まえると、手の甲にちゅっと口付ける。
「な、せ、先輩!?」
「……またシような?」
そう言ってニヤリと笑うとせーちゃんは湯気が出そうなほど顔を真っ赤にしたのだった。
◇
翌朝。
案の定、サークルの女子から非難を受けまくった俺は、午後の海水浴で彼女たちの御機嫌取りをするハメになった。水分を取りたくて戻ると相変わらずせーちゃんはパーカーを着込んで荷物番をしていた。
「はい、海翔先輩」
どうぞ、とクーラーボックスから冷えたスポーツドリンクを出してくれる。
「さんきゅ、せーちゃん」
俺はペットボトルを受け取ると一気に飲み干した。冷たい液体が喉を通る感覚が気持ち良い。
「ん…?」
ふと、視線を感じて顔を上げると、せーちゃんが俺のことをじっと見つめていた。
「ん?どした?」
俺が尋ねると、彼はハッとしたように目を逸らす。
「あ……いや、その……」
(なんか今日のせーちゃん変だな)
俺はペットボトルを返した。受け取ったせーちゃんは何故かどこかソワソワしているように見える。
「どうかしたのか?あ、もしかして痛むのか?」
「ち!違います!その、先輩、筋肉すごいなって、思って……」
「ふーん…?」
俺はニヤニヤして耳元で囁く。
「…抱かれたくなった?」
「!!ち、違います!!」
せーちゃんは顔を真っ赤にして反論するが、明らかに動揺している。俺はクスリと笑うと彼の手を握った。
「じゃ、後で二人きりになれるとこ、行こうか」
そう言って笑いかけると彼は真っ赤になって俯いたまま小さく頷くのだった。
ちなみにその晩も同じく乱交パーティが行われると知っていたので、俺はせーちゃんと抜け出してラブホに向かうことにした。
ホテルまでの道を無言で歩いている時間も、我慢できず俺が腰を抱き寄せて、せーちゃんがやだやだするのも堪らなく楽しかった。夏の夜風は相変わらず生ぬるくベタついてて、都会の喧騒に辟易していた俺にはそれが心地良かった。
「せーちゃん、かわいい、愛してる」
そう言って口づけると、真っ赤になって俯く。初心な反応が可愛い。俺のものになってくれてありがとう。そう思いながら、回す手に力を込めてカワイイ後輩を抱き寄せたのだった。
★☆★☆★☆
おしまい!
生憎これは女子のことではない。男子大学生1年生に対する評価だ。
現在、サークルは新入生歓迎会の真っ最中。俺はビールを口にしながら斜め前の新入生をぼーっと見つめていた。
寒いところ出身だからか、肌は白くて口数は少ない。だがニコニコしながら話を聞いてうんうんと頷いている。控えめで慎ましい。
その新入生は酒に強くないらしく、注がれるビールをちびちび飲んでいた。周りにいる人間たちもそれを面白そうにからかっているようだ。
「ねーえかいとー?そう思わない?」
「あー…わり、聞いてなかったわ」
「な、おまえひど!」
隣に座っている同い年の女子はそう騒ぐ。ノリはいいが女としては見れないタイプだ。どちらかと言うとあの新人クンの方がよほど俺のタイプだったりする。まあ、生憎男なのだが。
あの、見るからにピュアで従順そうな後輩とセックスできたらな、なんて酔った頭で考えてはそんな妄想を振り払う。
いや、待て待て俺よ。俺はゲイじゃないし、まだそこまで酔っていないはずだ。落ち着け俺。
「あ…」
ぼんやりと見つめられていたことに気づいた新人クンは俺と目があった瞬間頬を赤く染めて俯いた。カワイイ反応に思わずチンコが硬くなる。
俺は同性愛者ではない、と自分自身に言い聞かせながらビールを煽った。しかし、それはただの気休めにしかならなかったようで、酒が進む度に彼のことしか考えられなくなっていた。
「…ん?」
視線を感じると思ったら、新入生クンがこちらをじっと見ていたようだ。目が合うと彼は恥ずかしそうに俯いた後、恐る恐る上目遣いで俺を見た。
こういう時、自分の顔が良いことに感謝する。意中の相手を落とすのにいつだって役に立ってきた。
「1年生?名前は?」
俺はにっこり微笑んだ。なるべく優しく、先輩らしく話しかける。
「あの……っ、……あ……」
「ん?」
「せい、って言います…青って書いて…」
おずおずと名乗る後輩クンに思わず頬が緩む。カワイイ。人馴れしてないし、押しには弱いタイプか?なら話は早いかもしれない。
「よっと」
「えっ…」
俺は彼の隣に座ると肩を抱いた。敏感なのかビクリと肩を震わせる彼がまた可愛らしい。
「俺の名前知ってる?」
「……や、まだ……です」
「そっか、じゃあ覚えてね?俺の名前はかいと。海に翔ぶって書くんだ。覚えやすいでしょ?」
「あ、……はい……」
戸惑いながらも頷く後輩クンに俺はにっこりと微笑みかける。くそ、カワイイな、本当に。彼の視線はちらちらと俺の股間に向いていた。少し酔っていて勃起しているのがバレたのかもしれない。それなら好都合だ、このままホテルに連れてってしまえばいいのだから。
「ちょっとかいとー!こっち来なさいよぉ!1年生、困ってるじゃん!」
「ああ、ごめんごめん。ちょっとカワイイ後輩にちょっかい出してただけだよ」
酔ったノリで絡みつく女達の声がうっとおしいが無視するともっと面倒になるので、適当に受け流す。
「新人クンのことからかいすぎだよー」
「ええ?俺そんなつもりないんだけどなあ?」
「あんま絡んでないのー!その子電車なんだし」
「えーマジ?そうなの、青クン?ごめんなー」
笑い合いながら、俺は彼の肩を抱いたまま立ち上がる。酔ってふらつくふりをして密着すると彼は恥ずかしそうに俯いた。その様子に俺の股間は更に硬くなるのを感じた。
(ヤバい、全然抱ける…)
俺はそのまま自分の座っていた席に彼を連れていった。隣には酔い潰れた奴がいて、そいつの荷物を漁ると財布から勝手に金を抜いて後輩クンに渡してやる。
「え?あ、あの……」
「いいから受け取って」
戸惑いながらも彼は素直に金を受け取ると、ぺこりと頭を下げた。
(今日はまだ早い…焦るな、俺)
頭ではわかっているのに、彼のことを考えると身体が熱くなってくる。俺、本当にノンケだよな?こんなに可愛くて初心そうな男子大学生相手に勃つなんてありえなくね?と自分の理性を疑いながら俺は後輩クンの肩を抱き寄せた。
「気をつけて帰るように?」
俺みたいな悪い先輩に捕まらないように、と心の中で呟く。
後輩クンははい、と頷いてから俺の目をじっと見つめてきた。
「あの……ありがとうございました……」
彼の目は潤んでいて、頬は赤く染まっている。明らかに発情した女みたいな顔に、ここが新歓でなければそのまま押し倒して犯していただろう。
「おう、お礼はコイツに言っておけよ?」
そう言って財布を抜き取った奴を指差すと、青クンはくすりと笑った。
「はい……ありがとうございます」
ぺこりと頭を下げる姿が可愛らしい。その動作一つ一つに俺の股間は熱くなっていく。このまま彼を持ち帰りたい衝動を堪えて、俺はにっこりと微笑んだ。彼は他の先輩たちにも挨拶をすると帰っていったようだ。その後ろ姿を見ながら、俺は誓った。夏合宿で絶対、モノにすると。
◇
「かいと、昨日どうだった?あんま話せなかったけど」
サークルの飲み会から帰ってきた翌日、バイト先で同期の女に話しかけられた。昨日の新歓で一緒だった女だ。とりあえず返事をする。
「ああ……まあ、普通だったよ」
俺は適当に答えるとロッカーを開けて着替えを始める。本当はあの新人クンが気になって仕方がなかった。でも、新歓でいきなりヤって二度と口聞いてもらえなかったらそれはそれで泣くから我慢する。
「まあ、かいとは可愛い系よりキレイ系が好きだもんねえ」
「別に?そんなことないけど?」
俺は適当に返事をしながらTシャツを脱ぐと、中に着ていたタンクトップも脱ぐ。露わになった俺の上半身を見て、同期の女はひゅう、と口笛を吹いた。
「相変わらずイイ身体してんね」
「ありがとー」
Tシャツを着ながら返事をすると同期は後ろから抱きついてきた。背中に柔らかいものが押し付けられるが全然嬉しくない。
「ねーかいと、かいとは今年も夏合宿いくよね…?」
「あ?ああ、行くぜ?勿論」
あのカワイイ後輩といちゃつく大義名分になるし、何より、夜に行われる宴会の後のチャンスを逃すわけにはいかない。
「やったー!じゃあさ、また一緒に海行こうよ!」
「は?ああ……まあいいけど」
彼女の水着姿は嫌いじゃないが、正直言って俺は新人クンのことしか考えていなかった。早くヤリたいな、なんて思いながら返事をすると彼女は嬉しそうに笑っていた。
「…つーかどうせ3年女子全員一緒だろうが」
「そういう事言わないの!」
◇
「海だーー!!」
サークルの先輩の掛け声と共に、俺たちは青い海へと飛び出した。新歓でお持ち帰りできなかった後輩クンとヤるために、俺は今日こそはと思っていた。
夏合宿。みんな開放的な気分になってハメを外す。テニス部の合宿とは言え毎年お願いしている宿に荷物を置き、午前中は練習、午後は海、夜は飲み会。初日の夜に『例のイベント』が行われ、2日目以降は最早パーティみたいになる。まあ1年生は知らないが。
俺のお目当ての1年生青クンは、いつも通り少しおとなしいグループの男子達とパラソルの下で荷物番をしていた。パーカーを着ていて露出も少ない。解釈一致だ。
「1年生は泳ぎいかねぇの?」
気を使ったフリをして声かけをすると、青クンはビクッと肩を震わせた。可愛い。
「あ、あの……僕、泳げなくて……」
まあそうだよな、眼鏡のままだし。
「海翔先輩って水泳全国大会出てたんですよね?」
「あ、ああ」
青クンの隣りにいた他の1年がそう言うと青クンの目がキラキラする。カワイイなあ、オイ。俺はおくびにも出さないで笑う。
「すご…」
「カッコいいな…」
「テニスもめちゃ上手いのに」
「海翔先輩、なんでも出来るんだな…」
ひそひそ1年男子の称賛を受けていると、遠くから「かいとー!!早く来いよー!!」と言う声が聞こえてきた。
「おっと悪ぃわ。新人クン達も順番にでも海入れよ?折角来たんだし」
そう言って笑うと、青クンはまた惚けた乙女みたいな顔をしていた。邪魔されたが、まあいいか。夜はこれからだ。
◇
「じゃ、かいとお疲れー」
「……っす」
1日目の練習を終えて、夜。飲み会が始まり、俺は先輩方の挨拶を終えて席に戻る。新人達は俺達より長く捕まって、既に女子の一部は男の先輩のスキンシップに捕まっている。
「あーあ…あの子、彼氏持ちらしいよ?相手悪かったねぇ、山本先輩だもんね」
「下手したら夏で別れちゃうかもね」
「かわいそ」
全然気の毒じゃなさそうに女子達がひそひそ飲みながらそんな話をしている。す、と太ももを撫でられた。目を向ける。
「ね、かいと。今年も抱いてくれる?」
あーウザ、一気にテンションが下がる。一度やったからって彼女面されるのが一番面倒くさい。だが、俺は人間が出来てるのでニッコリ笑って「さあな?」と返す。
「えー!なんでよぉ!」
「お前狙ってるヤツから話聞いてるから、今年はダメ」
こう言うと大抵は引き下がってくれる。現に、彼女は面白くなさそうな顔でビールを煽った。
「俺今年会計だし、そう機嫌悪くすんなって」
「いったーい!もう、調子いいんだから」
適当に交わしながら俺は端っこで男の先輩達にレクチャーを受けつつある新人男子達の側に行く。
「青クン、先に宿の人にお金払いに行くから、付き合ってくんね?」
「え?は、はい」
スタートは21時の予定。今から行けば丁度冒頭には参加しなくて済む。
「じゃ、青クン借りてくな?」
俺は他のメンバーにウインクすると、カワイイ新人クンの肩を抱いて、宴会場を出た。
「あの、かいと先輩?」
「ああ……悪いな、急に連れ出して」
宿のロビーまで来たところで、俺は肩を抱いたまま新人クンを見る。不安そうな瞳が揺れているが、それもまた可愛い。思わず舌舐めずりしそうになるのを堪えながら、俺は口を開いた。
「話聞いた?どこまで?」
「あ、なんか、その、これからが本番だって、先輩が…」
「ふぅん」
この時間、旅館のフロントにはほとんど客がいない。俺はカワイイ新人クンと二人きりの時間を存分楽しむことにした。
「そう、これからが本番」
「え……?」
「おいで?」
俺はそう言って新人クンの腕を掴むとそのまま歩き出した。フロントの人にお金を払い、外に出れば外は真っ暗で静まり返っている。あまり遠くに行くと誰かに見つかる可能性があるからここから歩いて10分くらいにあるコンビニまで行く。飲み物と、ついでにゴムも買いたい。
「かいと先輩、あの……」
「ちょっと付き合ってくんね?」
そう言いながら俺はコンビニに入ると、ゴムの箱を2箱カゴに入れた。もうひとつサイズ違いのを入れようとするのを新人クンは困ったように俺を見てくる。後は酒と水。何が良い?って聞いて思いの外強い酒の名前が出るのも発見だった。青クン酒強いのか。クスリ入れないとだめかもな。なんて。
そのまま肩を抱いて旅館へと戻ると、既に宴会場は盛り上がっていて、嬌声が漏れていた。
「へぇ……ヤリ始めたみたいだな」
俺は笑いながら新人クンの肩を抱く。
「かいと先輩、あの……」
戸惑っている彼に「見る?」と案内する。
「あっ♡あん、あっ♡すごぉい、んぁあ♡」
女の高い喘ぎ声が漏れている。それだけで青クンは俯いてしまった。クソカワイイ。
「ちょっと待ってて」と言うと俺は近くにいた同級生にゴムを二箱渡す。
「おー、かいと。お前も参加するか?」
「今日は疲れたから遠慮するわ。俺いると女独占してお前ら楽しめないだろ」
「まあな、サンキュ」
俺は笑いながら頷くと荷物を持って襖を閉めた。俺の荷物は開けっ放しの鞄だけ。中には財布と携帯、あとはコンビニで買ったものだけだ。
「びっくりした?」
青クンはぽけっとした顔で俺を見上げる。ああ、可愛いなあ、本当に。
「先輩、あれ、あれって…」
「そ、毎年の恒例。今年は1年の璃梨佳ちゃんがキャプテンとヤッてたよ。キャプがヤッたら後はもう好き勝手乱交。ま、普通だよ」
何ならそのまま結婚した先輩たちもいるし。そう言いながら俺は肩を抱く。びくっ!と怯えたように反応される。意識されてると思うと自然に股間が熱くなった。
「あの、かいと先輩、僕……」
「ん?参加したい?」
「ち、ちが!違います…その…」
俺はそっと青クンの腰を撫でる。ビクッと震えたが、抵抗はされなかった。これ、イケるんじゃね?このまま抱けるんじゃね?と俺の中の悪魔が囁く。可愛い新人クンに種付けできるチャンスなんて二度とないかもしれないぞ?と理性が警鐘を鳴らす。
「なあ、青クン。お願いあんだけど」
「え…」
「俺さ、あの場戻ると多分今日寝させてもらえない気がするんだわ。かと言って俺の部屋戻っても襲われそうだし」
「そ、そうなんですか……」
「だからさ、青クンの部屋行ってもいいか?」
他の1年クン達は先輩女子に喰われてるだろうし。俺は少し背の低い黒髪に覆われた耳元で囁いた。
「えっ、と……あの……」
真っ赤に染めた顔を俯かせながら、青クンはオロオロと視線を彷徨わせる。
「だめ?」
俺は上目遣いで少し首を傾げる。女の子には効果絶大だが、男に効くかはわからない。だが今は使える手段は全て使うしかない。ちゅ、と耳の後ろに口付けるとビクンッと身体が跳ねた。
「わ、わかりました…僕の部屋で良ければ……」
「マジ?ありがと、青クン」
良かった。多分この子は押しに弱いタイプだ。今だって俺に流されて部屋に入れてくれるのだから。可愛いけど少し心配にもなる。まあ、先輩として、他の1年男子を心配してあげたって言い訳も使えるし。何より、1年男子の部屋は一番遠い。邪魔が入ることはほぼない。
「じゃ、行こっか。飲み直そうぜ?」
俺はわざと親しげに肩を抱くと、新人クンの部屋へと向かった。
◇
(よし……)
俺は心の中でガッツポーズをした。新人クンは本当に押しに弱かった。部屋に入ってすぐにビールを勧めるとおずおずと受け取って飲み始めたし、コンビニで買った酒の缶を開けて渡すと少しずつ口に運んでいた。そんなに信頼して良いのかなって俺は小さく笑う。すっかり酔いが回ったのかトロンとした瞳で俺を見つめてくると「かいとせんぱい……」なんて舌足らずに呼んでくる。
「ん?どうした?」
俺はその可愛さに内心ドキドキしながら、なんでもないフリをして頭を撫でる。耳を擽ると彼の口から甘い吐息が漏れた。可愛いな、本当に。女の子みたいだ。そんなことを考えていると甘えるように俺の身体にしなだれかかってきた。
(よく効いてる…クスリまで素直に効くんだな…)
乱交パーティで女子に飲ませたのと、同じような薬を酒に混ぜておいた。少量だから効き目は弱いが、彼は随分と素直になっている。
「ん……かいとせんぱい……」
「どうした?」
俺は優しい先輩を装うと、彼の頭を撫でる。もっと触って欲しくてたまらないのか青クンは俺の身体に頬を擦り寄せる。
「きもちいいんです…なんだか…ふわふわして……」
「そうか。じゃあもっと気持ちよくなろうか?」
俺はそう言うと、軽くキスをして彼の股間に手を伸ばす。そこは既に緩く勃ち上がっていた。それを服の上から優しく撫でるとビクンッと腰が跳ねる。本当に素直で可愛い。今度はズボンのベルトを外して前を寛げる。ボクサーパンツの中に手を入れると、熱い肉棒がピクピク震えていた。
「ぁ……ん、かいとせんぱい……」
恥ずかしそうに顔を逸らすのも可愛くて仕方ない。もっと気持ちよくしてあげたいと思いながら俺は竿を握り込む。そのままゆっくり上下に扱くと先走りが溢れてきた。
「あっ、やっ、だめぇっ♡」
ぬちゃ、ぬちゃ、と粘着質な音が響く。青クンは顔を真っ赤にして震えていたが、俺の手を払い除けようとはしなかった。
「かいとせんぱい……なんでぇ……?♡」
酔っているせいか呂律も怪しくなっている。可愛いなあ、と思いながら俺は耳元で囁いた。
「気持ちイイだろ?」
「ん……きもちいいです…」
ふにゃ、と微笑まれ、チンコがピクついてしまう。クソ、本当にカワイイ。メガネを外してやると、潤んだ瞳が露わになった。
「かわいいな?青クン」
ちゅ、と目尻にキスすると「ん……」と擽ったそうに身を捩る。それが可愛くてつい悪戯をしたくなるが今は我慢だ。俺は彼のチンコから手を離すと自分のズボンを下ろした。下着を押し上げるそれを解放してやる。テント張ってる下着は恥ずかしいが、俺は彼のチンコに自分のものを近づけた。
「え……なに……」
戸惑っている彼に構わず、俺は互いのものを一緒に握り込むと上下に擦った。先走りでヌルついた感触が気持ち良いのか青クンは甘い吐息を漏らしている。
「あ…あぁ…♡」
くちゅくちゅといやらしい音が響く。俺は彼の耳元で囁いた。
「ほら、青クンも触って」
「んっ♡はい……♡」
彼は言われるがまま、俺のものに手を伸ばすと拙い手付きで扱いてきた。お互いの先走りで滑りが良くなり、どんどん激しくなっていく。
「はぁ、はぁ、先輩の、熱くて、大きい…♡」
「っ、青クンのも、熱くてビクビクしてるよ……」
二人分の荒い息遣いが部屋に響く。もうそろそろ限界だ。俺は手の動きを早めると一気に射精感が込み上げてきた。
「あ、だめ♡せんぱい、イッちゃう♡」
「ああ……俺もイキそう……!」
俺は青クンを布団に押し倒すと、彼の顔に白濁をぶち撒けた。青クンは熱い飛沫が顔にかかっても嫌がるどころか嬉しそうに微笑んでいる。
「ふぁあん…♡すごぉ…♡」
蕩けた顔で見つめられ、俺はまたチンコが硬くなるのを感じた。髪をかきあげ見下ろす。
(あー……ヤベェなこれ……)
このまま最後までシたい。というか、ここまでして抱かないなんて男じゃないだろ?
同性愛とかどうでもいい、この子を抱きたい。思い切り啼かせたい。
そんな俺の思考を読んだかのように、彼は誘うように「かいとせんぱい……」と甘く俺の名を呼んだ。
◇
「青クン初めて?セックス」
「はい……初めてです……」
俺が尋ねると彼は恥ずかしそうに答える。その表情が可愛くて思わずキスをしたくなったが我慢する。今はとにかく彼を可愛がりたいのだ。
(まあ、俺も男とは初めてなんだけどな)
なんて、心の中で呟きながら俺は彼の頭を撫でた。さらさらの黒髪が指の間をすり抜ける感触が気持ち良い。
「じゃあ、ちゃんと解してあげないとな?」
そう言って俺はベッドの下からローションを取り出すと掌に垂らした。粘度の高いそれを指に絡ませると青クンの後ろに触れる。すると彼はビクンッと震えた。
「ひゃ!だ、ダメです、そんなとこ、きたない…っ」
「大丈夫」
俺は宥めるように額に口付けると、ゆっくり中指を埋めていく。すると彼はぎゅっと目を瞑った。痛いのかと思いきや、すぐに甘い声が漏れ始める。
「ぁんっ♡やっ、そこぉ♡」
どうやら媚薬が効いているらしい。クスリで敏感になっている青クンは、ビクビク身体を震わせながら感じている。俺は彼の感じる場所を探すように中を探ると、ある一点に触れた途端彼が一際大きな声を上げた。
「ひぁああん!♡」
どうやらここが前立腺らしい。見つけたそこを重点的に攻めると、彼は甘い声を上げて善がり始める。
「あっ、何…ここ…ゾクゾクしちゃう…♡」
「気持ち良い?」
「はい……きもちぃれす……」
呂律も回らなくなっている。可愛いなあ、本当に。俺は彼の額に軽くキスすると指を引き抜いた。もう限界だった。よく耐えた、俺。ゴムを口に咥えて破ると、手早く自分のものに被せる。
「青クン、挿れるぞ?」
「はい……」
俺は彼の両足を抱えると、ゆっくりと挿入していく。指とは比べ物にならない質量に彼は苦しそうな声を上げたが、媚薬の効果なのか痛みはないらしい。むしろ気持ちよさそうに身体を震わせている。ズブズブと根元まで挿入すると、青クンの中は熱くうねっていた。
「はー…」
キツイ、だがオンナとは違う締め付けが堪らない。
(ずっとこうしていたい…)
そんなことを思いながら、俺は青クンの腰を掴むとゆっくり動き始める。最初はキツかったが徐々に馴染んできたのかスムーズに動かせるようになった。
この子のナカに、俺のモノが入ってる。この子の初めてを、俺が奪っている。
それだけで興奮して射精してしまいそうだ。俺は奥歯を噛み締めると、夢中で腰を振った。青クンも気持ちが良いのか蕩けた表情で喘いでいる。
「あっ♡あぁっ♡かいとせんぱいのぉ……すごぉ…♡」
(クソッ……!)
可愛いことを言う後輩に煽られ、俺は腰の動きを速める。パチュン、パチュンと肌のぶつかり合う音が響く中、青クンは必死に俺の首にしがみついてきた。
「あ、だめっ…イッちゃうぅ♡」
どうやら限界が近いらしい。俺もそろそろイキそうだと思い、ラストスパートをかけるようにピストン運動を激しくする。あ、あ、あと開きっぱなしの唇から漏れる声すら可愛くて、俺は思わずその唇を奪った。
「んっ♡ふぁっ♡」
舌を絡めると青クンもそれに応えるように舌を伸ばしてきた。そのまま口内を犯しながら絶頂へと駆け上がる。もう限界だ。そう思った瞬間、俺たちは同時に果てた。ドクンドクンと脈打つようにゴムの中に白濁が吐き出される。
「ぁ……出てる……♡」
青クンはうっとりとした顔で自分の腹を撫でていた。俺はずるりとチンコを引き抜くと、ゴムを外してゴミ箱に捨てる。青クンはまだ物足りないのか、モジモジと足を擦り合わせていた。
「せーくん、どうした?」
俺は彼の身体を抱き寄せると優しく頭を撫でた。すると彼は恥ずかしそうに頬を染めながら擦り寄ってくる。可愛すぎる。ずっとこうしていたい。抱いたばかりなのに、俺の心臓がキュウと締め付けられる。
俺のものになればいい。そうしたら、ずっと気持よくさせてあげる。
ずっと抱きたかった子とヤれたせいか賢者タイムどころかずっと浮かれていた俺は、つい昂った感情のまま青クンにキスを落とす。
「もう一回シたい?それとも、疲れた?」
「あ……えっと……」
言い淀む青クンに俺はクスリと笑うと彼の耳元に唇を寄せた。
「俺の恋人になるなら、何度でもシてあげるぜ?」
「……え」
(しまった!つい…!)
思った時には遅かった。口を滑らせた俺は内心大パニックだった。目の前の彼は顔を真っ赤にして口をパクパクさせている。
「あ……あの……」
(冗談だと言って流せば…)
そう思いつつもそうはしたくなかった。何故なら、この頃には俺は本気で青クンのことを気に入っていた。好みすぎる見た目も、穏やかな性格も、笑う時の仕草も、イくときの少し高い声も。可愛いし、意地悪したくなるし、放っておけなくなる。断られたら、結構多分、落ち込む気がする。
「…は、い」
「……え?」
予想外の返答に俺は間抜けな声を出してしまう。彼は恥ずかしそうに目を伏せると、俺のシャツをギュッと掴んだ。
「ぼ、僕で良ければ……」
(マジかよ……)
俺の心臓はバクバクと音を立てていた。青クンが俺を好き?嘘みたいだ。信じられない。
「あ……あの、良いのか?」
恐る恐る尋ねると、彼はゆっくりと頷く。そして少し緊張した面持ちで口を開いた。
「か、かいと先輩、すごくかっこよくて、優しくて、ずっと憧れてました…だから…」
そう言って彼ははにかむように微笑む。その笑顔があまりにも可愛くて、俺は思わず彼を抱きしめた。
(ああ、もう無理)
可愛いすぎるだろ。この子をめちゃくちゃにしたいという衝動に駆られ、俺は彼の唇を奪った。舌を差し入れると彼もそれに応えるように絡ませてくる。
「んっ……ふぅ……♡」
くちゅ、と唾液の絡まる音がする。お互いの吐息が熱を帯び始めた頃、俺はそっと唇を離すと青クンを押し倒した。可愛いことばかり言うから、俺のチンコはとっくに臨戦態勢だ。
「青クン、もう一回シよ?」
そう言って俺は再び彼の後ろに指を這わせた。すると彼は顔を真っ赤にして目を逸らすが、抵抗することなく俺に身を委ねる。
「んっ……ぁ……♡」
(もっと気持ち良くしてあげるからな)
そう心の中で呟いて、俺は媚薬入りのローションを垂らす。青クンは冷たさに一瞬驚いたようだが、すぐに甘い声で鳴き始めた。俺はその反応を楽しむように彼の身体を愛撫する。胸の先端を舌で転がすと彼はビクビクと身体を震わせた。
「ぁあっ♡やぁっ♡」
可愛すぎんだろ。こんなに敏感で不安になる。やっぱり俺が守ってやらないと。俺は彼の乳首に吸い付いた。舌先でつついたり甘噛みしたりしていると、青クンはビクビク震えながら甘い声を上げる。
「あ♡んっ♡ふぁ♡」
気持ち良さそうに喘ぐ姿に煽られ、俺は空いた手でもう片方の乳首を摘まんだ。薄明かりの中で、青クンが涙目で見つめてくる。
「も、もう、いいですからぁ…♡かいとせんぱいも、きもちよくなってください……」
その台詞に、俺は思わず喉を鳴らす。もう限界だ。今すぐ挿れたい。そう思った瞬間、青クンは自ら足を開いた。そして恥ずかしそうな表情を浮かべながらも自分の指でアナルを広げてみせる。
「ここに、先輩の……いれてください…♡」
そう言って彼は誘うように腰を揺らす。俺は理性が切れる音を聞いた気がした。
◇
「ふー…深夜の温泉気持ちいいな」
「……はい」
「んだよ、せーちゃん。そんな隅っこにいないで、もっとこっち来いよ」
「いえ、僕はここで十分です……」
そう言って青クン、もとい、せーちゃんは露天風呂の縁から動かない。メガネも曇ってよく見えないのか、湯気が熱いのか。どちらにしてもなんだか落ち込んでいるらしい。
「もしかして、気持ちよくなかった?」
「!!そそそ、そんな訳ないです!!」
せーちゃんは慌てて否定すると、真っ赤な顔で俺を見つめた。思わず顔がにやけてしまう。
「ふーん?じゃあなんでそんなに元気ないんだよ?」
「……だって、僕だけあんな恥ずかしいこと……」
(あ、なるほど)
どうやら彼は自分だけ何度もイッてしまったことを気にしているらしい。確かにせーちゃんのチンコは触ってもいないのにビンビンだったし、何回も射精したもんな。けど俺はそれが可愛くて仕方なかったわけだけど……
「なあ、せーちゃん?俺が気持ちよくさせたくてしたんだから、あんまり気にすんなよ?」
「で、でも…」
「あんな風に足広げて誘って来るとは思わなくて、正直めちゃめちゃ興奮したし」
「わー!忘れてください!」
せーちゃんは真っ赤な顔で俺の口を塞ぐ。ばしゃばしゃお湯が跳ねた。俺はその手を摑まえると、手の甲にちゅっと口付ける。
「な、せ、先輩!?」
「……またシような?」
そう言ってニヤリと笑うとせーちゃんは湯気が出そうなほど顔を真っ赤にしたのだった。
◇
翌朝。
案の定、サークルの女子から非難を受けまくった俺は、午後の海水浴で彼女たちの御機嫌取りをするハメになった。水分を取りたくて戻ると相変わらずせーちゃんはパーカーを着込んで荷物番をしていた。
「はい、海翔先輩」
どうぞ、とクーラーボックスから冷えたスポーツドリンクを出してくれる。
「さんきゅ、せーちゃん」
俺はペットボトルを受け取ると一気に飲み干した。冷たい液体が喉を通る感覚が気持ち良い。
「ん…?」
ふと、視線を感じて顔を上げると、せーちゃんが俺のことをじっと見つめていた。
「ん?どした?」
俺が尋ねると、彼はハッとしたように目を逸らす。
「あ……いや、その……」
(なんか今日のせーちゃん変だな)
俺はペットボトルを返した。受け取ったせーちゃんは何故かどこかソワソワしているように見える。
「どうかしたのか?あ、もしかして痛むのか?」
「ち!違います!その、先輩、筋肉すごいなって、思って……」
「ふーん…?」
俺はニヤニヤして耳元で囁く。
「…抱かれたくなった?」
「!!ち、違います!!」
せーちゃんは顔を真っ赤にして反論するが、明らかに動揺している。俺はクスリと笑うと彼の手を握った。
「じゃ、後で二人きりになれるとこ、行こうか」
そう言って笑いかけると彼は真っ赤になって俯いたまま小さく頷くのだった。
ちなみにその晩も同じく乱交パーティが行われると知っていたので、俺はせーちゃんと抜け出してラブホに向かうことにした。
ホテルまでの道を無言で歩いている時間も、我慢できず俺が腰を抱き寄せて、せーちゃんがやだやだするのも堪らなく楽しかった。夏の夜風は相変わらず生ぬるくベタついてて、都会の喧騒に辟易していた俺にはそれが心地良かった。
「せーちゃん、かわいい、愛してる」
そう言って口づけると、真っ赤になって俯く。初心な反応が可愛い。俺のものになってくれてありがとう。そう思いながら、回す手に力を込めてカワイイ後輩を抱き寄せたのだった。
★☆★☆★☆
おしまい!
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