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0 零れた世界
白い景色
しおりを挟むーーー一面が真っ白な場所に立っている。
ーーー目を開けているのか、閉じているのか。
ーーー誰かの呼ぶ声が聴こえる。暖かい声。
ーーーいや、呼んでいるのだろうか?
『結人……結人!』
ーーーユイト。
ーーー俺の名前だ。覚えがある。
ーーーでも、どうしても声が出ない。
『結人ってば!もう…悩んでたってしょうがないでしょ?』
ーーーいや、悩まなきゃいけない。そう思った。
ーーーその人は心配そうに俺を覗き込んでいた。
「ねぇ…君は…誰?」
ーーー徐々に白さを増していく世界で、それだけは声に出すことができた。
ーーーだがその答えは返ってこない。その人は、俺に語りかける。
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