8 / 100
1章 スキル覚醒、始まりの『退職』へ
第8話 おやっ、社畜ジョブ「書記」の様子が、、
しおりを挟む
日々の多忙に追われ、気づけば20年。前世と変わらぬ年齢まで来てしまった。
立場が変わらないので業務も大きくは変わらないのだが、流石に右も左も分からなかった異世界もきてからもう20年も経ったのだ。
この世界の知識もある程度理解したので整理しておこう。
まず今のステータスから
名前 :タナカ シンジ
年齢 :38
レベル:1
ジョブ:書記レベル9
HP :290/300
MP :10/10
STR :1
DEF :2
AGI :6
INT :120
DEX :65
LUK :25
ジョブスキル
誤字添削 カルク 時計 翻訳 自動手記
図面作成 英雄譚作成 高速手記 強制証文作成
スキル
料理lv4 合気道lv3
まず魔物との戦闘経験は一度もなく、通常レベルは上がっていない。
結局、20年あっても戦闘スキルは身につかなかった。社畜生活では剣を振るう時間もなかったのだ。
ただ、ジョブレベルは4年前に9まで上がっていた。
計40年にも渡る社畜生活は伊達ではなく、休日出勤に日に12時間を超える労働と、その間多くの時間にジョブスキルを使っていたのだ。
ジョブスキルには魔力を消費するタイプの物もあるが、「書記」にはレベル9で手に入った「強制証文作成」スキル以外はHPを消費するだけだったので、取引先の錬金術師からお店に出せない粗悪なポーションを安く貰い、エナジードリンク代わりにキメて働き続けてきた。
冒険者でもジョブレベルは7で1流、8は超1流であり、9はもう伝説クラスらしく、書記に限れば王都の議会に名物お爺さんがいて、その方が唯一のレベル8だとか。
『高速手記』をもっているが齢70を超えてヨボヨボで、一般の書記と変わらないというオチがある。
通常スキルとジョブスキルを説明すると、通常スキルはそれぞれlvがあり、効果も高くなっていく。
ジョブスキルはジョブレベルが1つ上がると新しいジョブスキルを獲得し、こちらにはlvはなく効果が一定らしい。
またジョブレベルが上がると関係する各ステータスにも反映されるが法則性などは曖昧みたいだ。
一応スキルブックについても調べて見たが、まず分類上、赤と青のスキルブックとがある。
赤はジョブスキル、青は通常スキルで特に赤は激レアらしくオークションにかければ金貨1000枚はくだらないとか。
自身のジョブ以外のジョブスキルはスキルブックでしか取得できないのが主な理由だが、青は青で持っているスキルならば使うとlvが上がるので需要はあり、結局はスキル次第といったところが実情らしい。
が、それは貴族や豪商、高ランク冒険者の話だ。
未練たらしく調べて見たが俺には無縁の話だ、虚しくなる。
俺ももう38だ、冒険者への夢などもう語れない。
仕事をやめてレベルの上がった料理人にでもとも考えたがこの世界は前世ほど外食産業が盛んではない。
結局は宿屋や冒険者ギルド併設の酒場の雇われとなれば今と変わりはしない。この世界に料理人というジョブがなく通常スキルなのが証左だろう。
手に入れたジョブスキルもとても独立できるようなものでもなかった。
『強制証文作成』は流石レベル9で手に入れたスキルで強力だがリスクのあるもので、とても使い所が難しく、ろくに試せてもいない。
『英雄譚作成』などもギルマスに連れられ有力者達のご機嫌取りに使われたがこの世界には「吟遊詩人」なるジョブもあり、とてもじゃないが物書きで独立などできない。
あれは一部の人間の自己顕示欲を満たしただけだった。
こうして俺は自身の心を整理……否、心を無にしていつもの仕事に戻ろうとしたところ、先程のスキルの使用で4年振りのジョブレベルupの感触が体に伝わる。
とはいえ所詮、社畜ジョブ「書記」のレベルupだ。
期待しすぎないように自戒しながら一応ステータスを確認する。
結局戦闘系のスキルブックを手に入れられなかった時点で俺の冒険は始まりすらしなかったのだ。と、皮肉な笑みを浮かべながらステータスを確認すると、その笑みは驚愕によって消えた。
名前 :タナカ シンジ
年齢 :38
レベル:1
ジョブ:書記レベル10
HP :290/320
MP :10/12
STR :1
DEF :2
AGI :8
INT :128
DEX :70
LUK :30
ジョブスキル
誤字添削 カルク 時計 翻訳 自動手記
図面作成 英雄譚作成 高速手記 強制証文作成
スキルブック作成
スキル
料理lv4 合気道lv3
立場が変わらないので業務も大きくは変わらないのだが、流石に右も左も分からなかった異世界もきてからもう20年も経ったのだ。
この世界の知識もある程度理解したので整理しておこう。
まず今のステータスから
名前 :タナカ シンジ
年齢 :38
レベル:1
ジョブ:書記レベル9
HP :290/300
MP :10/10
STR :1
DEF :2
AGI :6
INT :120
DEX :65
LUK :25
ジョブスキル
誤字添削 カルク 時計 翻訳 自動手記
図面作成 英雄譚作成 高速手記 強制証文作成
スキル
料理lv4 合気道lv3
まず魔物との戦闘経験は一度もなく、通常レベルは上がっていない。
結局、20年あっても戦闘スキルは身につかなかった。社畜生活では剣を振るう時間もなかったのだ。
ただ、ジョブレベルは4年前に9まで上がっていた。
計40年にも渡る社畜生活は伊達ではなく、休日出勤に日に12時間を超える労働と、その間多くの時間にジョブスキルを使っていたのだ。
ジョブスキルには魔力を消費するタイプの物もあるが、「書記」にはレベル9で手に入った「強制証文作成」スキル以外はHPを消費するだけだったので、取引先の錬金術師からお店に出せない粗悪なポーションを安く貰い、エナジードリンク代わりにキメて働き続けてきた。
冒険者でもジョブレベルは7で1流、8は超1流であり、9はもう伝説クラスらしく、書記に限れば王都の議会に名物お爺さんがいて、その方が唯一のレベル8だとか。
『高速手記』をもっているが齢70を超えてヨボヨボで、一般の書記と変わらないというオチがある。
通常スキルとジョブスキルを説明すると、通常スキルはそれぞれlvがあり、効果も高くなっていく。
ジョブスキルはジョブレベルが1つ上がると新しいジョブスキルを獲得し、こちらにはlvはなく効果が一定らしい。
またジョブレベルが上がると関係する各ステータスにも反映されるが法則性などは曖昧みたいだ。
一応スキルブックについても調べて見たが、まず分類上、赤と青のスキルブックとがある。
赤はジョブスキル、青は通常スキルで特に赤は激レアらしくオークションにかければ金貨1000枚はくだらないとか。
自身のジョブ以外のジョブスキルはスキルブックでしか取得できないのが主な理由だが、青は青で持っているスキルならば使うとlvが上がるので需要はあり、結局はスキル次第といったところが実情らしい。
が、それは貴族や豪商、高ランク冒険者の話だ。
未練たらしく調べて見たが俺には無縁の話だ、虚しくなる。
俺ももう38だ、冒険者への夢などもう語れない。
仕事をやめてレベルの上がった料理人にでもとも考えたがこの世界は前世ほど外食産業が盛んではない。
結局は宿屋や冒険者ギルド併設の酒場の雇われとなれば今と変わりはしない。この世界に料理人というジョブがなく通常スキルなのが証左だろう。
手に入れたジョブスキルもとても独立できるようなものでもなかった。
『強制証文作成』は流石レベル9で手に入れたスキルで強力だがリスクのあるもので、とても使い所が難しく、ろくに試せてもいない。
『英雄譚作成』などもギルマスに連れられ有力者達のご機嫌取りに使われたがこの世界には「吟遊詩人」なるジョブもあり、とてもじゃないが物書きで独立などできない。
あれは一部の人間の自己顕示欲を満たしただけだった。
こうして俺は自身の心を整理……否、心を無にしていつもの仕事に戻ろうとしたところ、先程のスキルの使用で4年振りのジョブレベルupの感触が体に伝わる。
とはいえ所詮、社畜ジョブ「書記」のレベルupだ。
期待しすぎないように自戒しながら一応ステータスを確認する。
結局戦闘系のスキルブックを手に入れられなかった時点で俺の冒険は始まりすらしなかったのだ。と、皮肉な笑みを浮かべながらステータスを確認すると、その笑みは驚愕によって消えた。
名前 :タナカ シンジ
年齢 :38
レベル:1
ジョブ:書記レベル10
HP :290/320
MP :10/12
STR :1
DEF :2
AGI :8
INT :128
DEX :70
LUK :30
ジョブスキル
誤字添削 カルク 時計 翻訳 自動手記
図面作成 英雄譚作成 高速手記 強制証文作成
スキルブック作成
スキル
料理lv4 合気道lv3
21
お気に入りに追加
1,525
あなたにおすすめの小説
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
元天才貴族、今やリモートで最強冒険者!
しらかめこう
ファンタジー
魔法技術が発展した異世界。
そんな世界にあるシャルトルーズ王国という国に冒険者ギルドがあった。
強者ぞろいの冒険者が数多く所属するそのギルドで現在唯一、最高ランクであるSSランクに到達している冒険者がいた。
───彼の名は「オルタナ」
漆黒のコートに仮面をつけた謎多き冒険者である。彼の素顔を見た者は誰もおらず、どういった人物なのかも知る者は少ない。
だがしかし彼は誰もが認める圧倒的な力を有しており、冒険者になって僅か4年で勇者や英雄レベルのSSランクに到達していた。
そんな彼だが、実は・・・
『前世の知識を持っている元貴族だった?!」
とある事情で貴族の地位を失い、母親とともに命を狙われることとなった彼。そんな彼は生活費と魔法の研究開発資金を稼ぐため冒険者をしようとするが、自分の正体が周囲に知られてはいけないので自身で開発した特殊な遠隔操作が出来るゴーレムを使って自宅からリモートで冒険者をすることに!
そんな最強リモート冒険者が行く、異世界でのリモート冒険物語!!
毎日20時30分更新予定です!!
いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!
町島航太
ファンタジー
ひょんな事から異世界に召喚された木村哲郎は、救世主として期待されたが、手に入れたスキルはまさかの「買取」。
ハズレと看做され、城を追い出された哲郎だったが、スキル「買取」は他人のスキルを買い取れるという優れ物であった。
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
触れるだけで強くなる ~最強スキル《無限複製》で始めるクラフト生活~
六升六郎太
ファンタジー
クラフトゲームをこよなく愛する倉野幸太郎は、触れるだけで相手の能力や物体をコピーできるスキル《無限複製》を手に入れ、異世界でクラフト生活を送ることになった。
異世界に存在する貴重な素材を集めてクラフトを堪能し、出会った人からは能力をコピーして自分はどんどん強くなる。
魔導書集めに拠点作り、ポーションの調合に様々なモンスターとのバトル。
強くなるにつれ、様々な事件に巻き込まれる幸太郎。
果たして、幸太郎無事クラフト生活を送ることができるのか。
※他サイトでも連載中
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる