上 下
19 / 21
パワハラ上司にいびられている最中におしっこしたくなった新入社員は

9

しおりを挟む
「落ち着いたか?」
「ッヒグ、っ、すみ、ませ…」
涙は泣き続けたらいずれはとまる。止まったら次に襲ってくるのは何か、羞恥だ。先輩にびちょびちょの手を拭かせて、今その手はしゃがんで俺の下半身を拭いている先輩の肩の上。少し古い匂いのするタオルでとん、とん、と足の水分を叩いている。
「いーよ、泣けるだけ泣いとけ」
「落ち着いたので後は自分でします」
「だーめ、俺がするって決めた」
「はずかしいからっ…」
「ほんと、顔真っ赤」
下から見上げた先輩がくしゃりと笑う。その顔がすごく、安心して。
ムズッ…
(あ…なんか…)
さっきまで戦っていた欲求がまた、湧き上がる。お腹に力を入れるけど、さっき散々我慢したからか、限界が近い。
「よし、拭けた。ん?どうした?」
「せんぱい、といれ、」
「ああ、出し切れてなかったか。ほらこれにしろ」
「っへ!?いや、といれ行くし、」
「その顔で行くのか?良いからここにしちゃえ」
差し出されたのは白いタオル。
「ほら、もういいぞ」
局部をタオルで包まれて、いいぞなんて言われても、どうやって出せば良いのか分からない。
「でない、から、」
「緊張してるのか?じゃあちょっと座れ」
タオルが敷かれたベッドに腰を座らされる。
「ちょ、せんぱい!?」
「よっと、ほんとだ、腹ふくれてる」
靴を脱いだと思ったら、後ろから抱え込んできたのだ。
「体強張ってる。後ろもたれてこい、そうそう」
ふわりと香る柔軟剤の匂い。先輩の鎖骨が見える。イケメンは体の隅々までイケメンなんだな。
「全部体に悪いもん、出しちゃおうなー」
「んんっ」
ぽこりと膨れた下腹を子猫の毛を撫でるみたいに撫でられる。
「しーしー」
伝わる先輩の鼓動。耳元で囁かれる優しい、低い声。どこか強張っていた体が緩んで、それで。
「あ…」
じゅううう…
くぐもった音。分厚いタオルが薄い黄色に染まっていく。
「んんっ」
「こら止めない」
グッとさっきより幾分か強い刺激。じょおお、と多めに漏れる。
「だって、すいきれない」
「大丈夫。まだ乾いてるところあるだろ?」
しょろろろ…
 先輩はうまい具合にタオルを移動させ、なんとかタオルの範疇を超えることはなかった。
「おしっこ、もうない?すっきりした?」
「はい…」
「よし、じゃあこれ下着とスーツ。ロッカーのだからちょっとカビ臭いかもだけど…」
「ありがとうございます…」
「何かあったかいもん飲んで落ち着くか。何が良い?」
「あ、と…ココア…」
「了解。ちゃんと着替えとけよー」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。

木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。 彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。 それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。 そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。 公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。 そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。 「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」 こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。 彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。 同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。

兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜

藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。 __婚約破棄、大歓迎だ。 そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った! 勝負は一瞬!王子は場外へ! シスコン兄と無自覚ブラコン妹。 そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。 周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!? 短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。

【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha
恋愛
ずっと好きだった初恋の相手、社長の弱みを握る為に頑張ります!!にゃんっ♥ 財閥の分家の家に代々遣える“秘書”という立場の“家”に生まれた加藤望。 ”秘書“としての適正がない”ダメ秘書“の望が12月25日の朝、愛している人から連れてこられた場所は初恋の男の人の家だった。 財閥の本家の長男からの指示、”星野青(じょう)の弱みを握ってくる“という仕事。 財閥が青さんの会社を吸収する為に私を任命した・・・!! 青さんの弱みを握る為、“ダメ秘書”は今日から頑張ります!! 関連物語 『お嬢様は“いけないコト”がしたい』 『“純”の純愛ではない“愛”の鍵』連載中 『雪の上に犬と猿。たまに男と女。』 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高11位 『好き好き大好きの嘘』 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高36位 『約束したでしょ?忘れちゃった?』 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高30位 ※表紙イラスト Bu-cha作

不良青年君が補習でお漏らしする話

こじらせた処女
BL
 授業なんてクソくらえ、のスタンスで高校生活を送っている不良、万智カイトは、簡単すぎたと周りが言っていた数学の補習に学年でただ1人、落ちてしまった。周りの不良仲間も合格しており、放課後遊びに行く算段を立てている。カイトも参加したくて、補習をサボろうとしたけれど、数学教師である御手洗に単位が認定できなくなると脅され、渋々ワンツーマンの補習を受けることを決めた。  しかし、机に座ること自体に慣れていない彼は、早々にトイレに行くと嘘をついて逃げ出す。しかし、ケータイを忘れるという大きなミスをおかし、再び戻ることを余儀なくされてしまう。ケータイを奪い取って帰ってしまおうとするが、飲み物を買ってくれた御手洗に絆され、補習を受けることに決めた。机に向かい、問題を数問こなしたところで体に異変が生じ…?

【R18】両想いでいつもいちゃいちゃしてる幼馴染の勇者と魔王が性魔法の自習をする話

みやび
恋愛
タイトル通りのエロ小説です。 「両想いでいつもいちゃいちゃしてる幼馴染の勇者と魔王が初めてのエッチをする話」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/902071521/575414884/episode/3378453 の続きです。 ほかのエロ小説は「タイトル通りのエロ小説シリーズ」まで

ドン引きするくらいエッチなわたしに年下の彼ができました

中七七三
恋愛
わたしっておかしいの? 小さいころからエッチなことが大好きだった。 そして、小学校のときに起こしてしまった事件。 「アナタ! 女の子なのになにしてるの!」 その母親の言葉が大人になっても頭から離れない。 エッチじゃいけないの? でも、エッチは大好きなのに。 それでも…… わたしは、男の人と付き合えない―― だって、男の人がドン引きするぐらい エッチだったから。 嫌われるのが怖いから。

所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!

ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。 幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。 婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。 王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。 しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。 貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。 遠回しに二人を注意するも‥ 「所詮あなたは他人だもの!」 「部外者がしゃしゃりでるな!」 十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。 「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」 関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが… 一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。 なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…

【R18】ショタが無表情オートマタに結婚強要逆レイプされてお婿さんになっちゃう話

みやび
恋愛
タイトル通りのエロ小説です。 ほかのエロ小説は「タイトル通りのエロ小説シリーズ」まで

処理中です...