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第四章 ノースの街作り
第111話 世界樹の街⑪
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<さて、次ですが、この街を護るマッシュルーム兵達の栽培場に向かいたいと思います>
(マッシュルーム兵の栽培場!?)
マッシュルーム兵って、栽培で増えるの!?
驚愕の事実である。
マッシュルーム兵が栽培で増えるとは知らなかった。
前々からこんなにマッシュルーム兵、ギフトポイントで召喚してたっけ? と、思っていたが、まさか栽培で数を増やしていたとは……。
マッシュルーム兵に案内された場所、そこには森だった。
正直、なんで街中に森があるのか不思議だったが、どうやらマッシュルーム兵の栽培をするために敢えて街中に作ったらしい。
「こ、これは……」
「ふえ~。マッシュルーム兵が木や地面に生えています……」
この光景を見て、アメリアさんとクロユリさんも驚きの表情を浮かべている。
「た、確かにこれは凄いね……」
二人が驚くのも当然だ。
森の中には、数多のマッシュルーム兵が群生していた。
端の方では、マッシュルーム・エクスカリバーやマッシュルーム・イージスの栽培も行われている。
<マッシュルーム兵栽培は、以前から行っておりましたが、折角、街を持ったので規模を広げてみました。ここから多くのマッシュルーム兵が生まれ、その全てが今後、ノース様とこの街を護るため働いてくれます>
(そ、そうなんだ……)
それは、心強いね……。
<ちなみに、栽培場とは別にマッシュルーム兵が暮らす山。通称、キノコの山も完備してます。これまではギフトの力を頼りにマッシュルーム兵を召喚することしかできませんでしたが、これからはその山で様々な力を持つマッシュルーム兵を育てることができます>
キノコの山か……。
なんで、マッシュルームの山じゃないか気になる所だけど、まあそこは置いておこう。
唖然とした表情を浮かべながら栽培場を見ていると、栽培場に生えているマッシュルーム兵が震え出す。
そのマッシュルーム兵は地面から足を出すと、この場所のお守りをしていたマッシュルーム兵にマッシュルーム・エクスカリバーとマッシュルーム・イージスを持たされ栽培場から出て行くのが見えた。
「な、なるほど……。あんな感じでマッシュルーム兵が増えるんだ……」
<はい。通常、一日で生えますが、この街には世界樹がありますからね。三時間でマッシュルーム兵が生えてきます。栽培したマッシュルーム兵は調整後、近隣の街や国の見張りにつける予定です>
(さ、三時間に一体……。それに近隣の街や国の見張りって……)
まずい。なんだか非常にまずい気がする。
その内、この辺り一帯がマッシュルーム兵で一杯になってしまうのではないだろうか?
<ああ、安心して下さい。ちゃんと、調整して栽培しますので。ちなみにキノコ・キャッスルも街の中に、二城建っています。いや~、やはり世界樹は素晴らしいですね。世界樹のお陰で、簡単にマッシュルーム兵やキノコ・キャッスルの栽培ができますよ。あのハーフエルフ、珍しくいい仕事をしてくれました>
世界樹との相乗効果でこんなことになっているらしいことだけは理解できた。
アメリアさんとクロユリさんも唖然とした表情を浮かべている。
「ノ、ノース様……。こんなに多くのマッシュルーム兵を作って、一体どうするつもりなのですか?」
「い、いや、別になにも考えてないけど……」
「な、なにも考えず、マッシュルーム兵を量産しているのですか!?」
「い、いや、そういう訳じゃなくて、僕自身はなにかよからぬ事を考えてマッシュルーム兵を量産している訳じゃないといいますか……。なんていうか……」
「そ、そうなのですか?」
アメリアさんの視線が痛い。
まるで考えなしにマッシュルーム兵を生産する馬鹿を見るような視線だ。
マッシュルーム兵を量産しているのはナビさんなのに……。解せない……。
「う、うん。そうだよ」
「……ま、まあ、深く追求はしませんが、ノース様も考えあって量産していることでしょうし、節度を持って頂けるのであれば、それでいいのです。節度を持っていただければ……」
「なにを言っているのです。ノース様が考えなしに行動するはずがないじゃありませんか。ノース様。私は最初からわかっていましたよ♪」
そう言ってくれるのは嬉しいけど、クロユリさんは一体、なにをわかっていたというのだろうか?
僕、この栽培場見るの初めてだからね?
考えあってのものじゃないよ??
なんなら、この街を作ったのナビさんだからね?
とはいえ、そんなことを言うことはできない。
「う、うん。いまは言えないけど、考えあってのことだから、なにも心配しなくて大丈夫だよ? 本当、いま言うことができないだけで、考えあってのことだから!」
当然、考えなんてない。
しかし、そんなことは言えない。
いま、考えなしにマッシュルーム兵を量産してますなんて言えばアメリアさんに危険人物認定されかねないからだ。
特に、栽培したマッシュルーム兵が近隣の街や国の見張りにつく予定だということを知られれば必ず危険人物認定されかねない。
アメリアさんに悟られないよう気を付けねば……。
ナビさんの計画を知ってしまった僕は、心の中で盛大に頭を抱えこんだ。
(マッシュルーム兵の栽培場!?)
マッシュルーム兵って、栽培で増えるの!?
驚愕の事実である。
マッシュルーム兵が栽培で増えるとは知らなかった。
前々からこんなにマッシュルーム兵、ギフトポイントで召喚してたっけ? と、思っていたが、まさか栽培で数を増やしていたとは……。
マッシュルーム兵に案内された場所、そこには森だった。
正直、なんで街中に森があるのか不思議だったが、どうやらマッシュルーム兵の栽培をするために敢えて街中に作ったらしい。
「こ、これは……」
「ふえ~。マッシュルーム兵が木や地面に生えています……」
この光景を見て、アメリアさんとクロユリさんも驚きの表情を浮かべている。
「た、確かにこれは凄いね……」
二人が驚くのも当然だ。
森の中には、数多のマッシュルーム兵が群生していた。
端の方では、マッシュルーム・エクスカリバーやマッシュルーム・イージスの栽培も行われている。
<マッシュルーム兵栽培は、以前から行っておりましたが、折角、街を持ったので規模を広げてみました。ここから多くのマッシュルーム兵が生まれ、その全てが今後、ノース様とこの街を護るため働いてくれます>
(そ、そうなんだ……)
それは、心強いね……。
<ちなみに、栽培場とは別にマッシュルーム兵が暮らす山。通称、キノコの山も完備してます。これまではギフトの力を頼りにマッシュルーム兵を召喚することしかできませんでしたが、これからはその山で様々な力を持つマッシュルーム兵を育てることができます>
キノコの山か……。
なんで、マッシュルームの山じゃないか気になる所だけど、まあそこは置いておこう。
唖然とした表情を浮かべながら栽培場を見ていると、栽培場に生えているマッシュルーム兵が震え出す。
そのマッシュルーム兵は地面から足を出すと、この場所のお守りをしていたマッシュルーム兵にマッシュルーム・エクスカリバーとマッシュルーム・イージスを持たされ栽培場から出て行くのが見えた。
「な、なるほど……。あんな感じでマッシュルーム兵が増えるんだ……」
<はい。通常、一日で生えますが、この街には世界樹がありますからね。三時間でマッシュルーム兵が生えてきます。栽培したマッシュルーム兵は調整後、近隣の街や国の見張りにつける予定です>
(さ、三時間に一体……。それに近隣の街や国の見張りって……)
まずい。なんだか非常にまずい気がする。
その内、この辺り一帯がマッシュルーム兵で一杯になってしまうのではないだろうか?
<ああ、安心して下さい。ちゃんと、調整して栽培しますので。ちなみにキノコ・キャッスルも街の中に、二城建っています。いや~、やはり世界樹は素晴らしいですね。世界樹のお陰で、簡単にマッシュルーム兵やキノコ・キャッスルの栽培ができますよ。あのハーフエルフ、珍しくいい仕事をしてくれました>
世界樹との相乗効果でこんなことになっているらしいことだけは理解できた。
アメリアさんとクロユリさんも唖然とした表情を浮かべている。
「ノ、ノース様……。こんなに多くのマッシュルーム兵を作って、一体どうするつもりなのですか?」
「い、いや、別になにも考えてないけど……」
「な、なにも考えず、マッシュルーム兵を量産しているのですか!?」
「い、いや、そういう訳じゃなくて、僕自身はなにかよからぬ事を考えてマッシュルーム兵を量産している訳じゃないといいますか……。なんていうか……」
「そ、そうなのですか?」
アメリアさんの視線が痛い。
まるで考えなしにマッシュルーム兵を生産する馬鹿を見るような視線だ。
マッシュルーム兵を量産しているのはナビさんなのに……。解せない……。
「う、うん。そうだよ」
「……ま、まあ、深く追求はしませんが、ノース様も考えあって量産していることでしょうし、節度を持って頂けるのであれば、それでいいのです。節度を持っていただければ……」
「なにを言っているのです。ノース様が考えなしに行動するはずがないじゃありませんか。ノース様。私は最初からわかっていましたよ♪」
そう言ってくれるのは嬉しいけど、クロユリさんは一体、なにをわかっていたというのだろうか?
僕、この栽培場見るの初めてだからね?
考えあってのものじゃないよ??
なんなら、この街を作ったのナビさんだからね?
とはいえ、そんなことを言うことはできない。
「う、うん。いまは言えないけど、考えあってのことだから、なにも心配しなくて大丈夫だよ? 本当、いま言うことができないだけで、考えあってのことだから!」
当然、考えなんてない。
しかし、そんなことは言えない。
いま、考えなしにマッシュルーム兵を量産してますなんて言えばアメリアさんに危険人物認定されかねないからだ。
特に、栽培したマッシュルーム兵が近隣の街や国の見張りにつく予定だということを知られれば必ず危険人物認定されかねない。
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