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まえがき
この物語が生まれるまでのいきさつ
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たっちゃんとの出逢いは、いまから六年前、彼が小学校に入学する直前の二月のことでした。そのときのたっちゃんは、「理解言語はたくさんあるのに音声言語として発音できることばがない」という状態でした。なので、「お話ができるようにしてほしい」というご両親の希望で、私が所属する事業所に相談にみえられたのです。
そこからたっちゃんの「ことばの練習(ST指導)」が始まりました。たっちゃんは、驚くべきスピードで日本語音の発音を身につけていき、一年後には文レベルでの会話ができるようにまでなりました。その間、私はたっちゃんがとても豊かな語彙と想像力の広がりを持っていることに気づかされました。本が大好きで、「ぽるか」に来ると、真っ先に本棚に直行するたっちゃん。読んだ本やYouTubeで見た動画、好きなゲームの世界から、思いもかけないフレーズや発想を引き出してきては、お母さんや私を驚かせることが多々ありました。
そんなたっちゃんの力を何かの形に結実できないかと考え、提案したのが、「オリジナルの物語を作る」というプランでした。たっちゃんは、豊かな想像の世界を持っていて、それを言語化することもできるのですが、発語の不明瞭さは残っており、「読み」は得意でも「書き」は苦手、積極的に伝えようという意欲は薄い、という発信面での困難さがあります。そこで、選んだ方法が、「たっちゃんが語ったストーリーをSTが聞き取って文章にする」というものでした。この方法で物語を作り始めたのが一昨年の二月、たっちゃんが四年生の冬のことでした。
それから月に一回、たっちゃんはお話作りをとても楽しみにして通ってくるようになりました。たっちゃんが考えるストーリーやキャラクター設定に添いながら、ときには「そこはどうしてそうなるの?」「もう少しくわしくお話しして」「こういう方向はどう?」などと、サポートするのがお母さんと私の役目でした。「いや、それはちがう。」「うん、その案採用!」などと言い合いながら、たっちゃんもおとなたちとの話し合いを楽しんでいるようでした。
そして、気づけば二年が過ぎ、たっちゃんはもうすぐ中学生になります。この「タツキーランドのお話がこんなに大長編冒険ファンタジーになるとは、当初は予想もしていませんでした。よくがんばったね、たっちゃん。すばらしい物語が完成したよ。
たっちゃんとの六年間は、私の長い臨床家生活の中でも希有な経験となりました。たっちゃんにとって、この経験がこの先どう活きてくるか、それは今後に乞うご期待、ということにして、この物語を読んでくださった方が、しばしお楽しみいただけましたら幸いです。
プラス2(ことばのせんせい)
そこからたっちゃんの「ことばの練習(ST指導)」が始まりました。たっちゃんは、驚くべきスピードで日本語音の発音を身につけていき、一年後には文レベルでの会話ができるようにまでなりました。その間、私はたっちゃんがとても豊かな語彙と想像力の広がりを持っていることに気づかされました。本が大好きで、「ぽるか」に来ると、真っ先に本棚に直行するたっちゃん。読んだ本やYouTubeで見た動画、好きなゲームの世界から、思いもかけないフレーズや発想を引き出してきては、お母さんや私を驚かせることが多々ありました。
そんなたっちゃんの力を何かの形に結実できないかと考え、提案したのが、「オリジナルの物語を作る」というプランでした。たっちゃんは、豊かな想像の世界を持っていて、それを言語化することもできるのですが、発語の不明瞭さは残っており、「読み」は得意でも「書き」は苦手、積極的に伝えようという意欲は薄い、という発信面での困難さがあります。そこで、選んだ方法が、「たっちゃんが語ったストーリーをSTが聞き取って文章にする」というものでした。この方法で物語を作り始めたのが一昨年の二月、たっちゃんが四年生の冬のことでした。
それから月に一回、たっちゃんはお話作りをとても楽しみにして通ってくるようになりました。たっちゃんが考えるストーリーやキャラクター設定に添いながら、ときには「そこはどうしてそうなるの?」「もう少しくわしくお話しして」「こういう方向はどう?」などと、サポートするのがお母さんと私の役目でした。「いや、それはちがう。」「うん、その案採用!」などと言い合いながら、たっちゃんもおとなたちとの話し合いを楽しんでいるようでした。
そして、気づけば二年が過ぎ、たっちゃんはもうすぐ中学生になります。この「タツキーランドのお話がこんなに大長編冒険ファンタジーになるとは、当初は予想もしていませんでした。よくがんばったね、たっちゃん。すばらしい物語が完成したよ。
たっちゃんとの六年間は、私の長い臨床家生活の中でも希有な経験となりました。たっちゃんにとって、この経験がこの先どう活きてくるか、それは今後に乞うご期待、ということにして、この物語を読んでくださった方が、しばしお楽しみいただけましたら幸いです。
プラス2(ことばのせんせい)
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