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精神支配系魔法を含めた状態異常にならない魔術式を身体に描き込むことになった。
最初は魔道具を身につける予定だったのだが俺の身体から溢れる魔力を利用したらより強くなるからと言われたのでやってもらうことにした。
「これは想像以上ですね」
「あれだけの樽をお酒にしても魔力枯渇しないはずだわ」
魔術式を描き込む為に上半身裸になり漏れる魔力を魔石に貯める道具やマジックリングを外す。
魔術式は常時発動型なので消費量を設定するのに正しい魔力量を知りたいからと言われたので身体から魔道具を外したのだ。
にしても久しぶりの開放感、風呂も寝る時も付けっぱなしだからなぁ。
付けてることが苦痛ってことはないのだけれど、常に20近くの魔道具を身に付けてるので身体が動かし難いし重いんだよね。何も知らない人が見たら筋トレする為に重りを巻いているように見えるだろうし。
まぁ、実際重いし筋トレになってるんだけどさ。
「しかし、これほどの魔力を持ちながら普通の魔法を何も使えないのは勿体ないですね」
「俺も使えたらと思うんだけどね」
「全てを引き換えにしなくては奇跡の魔法を使えないのかも知れません」
「そう言うものなのかな?」
「そう言った種類のものなのだと思います、過去にも幾つか有りましたし」
酒魔法ではないが、普通の属性魔法が全く使えない代わりに変わった魔法を使える人が何人か居たそうだ。
龍王国では何代か前の女王が龍に変身出来た代わりに他の魔法が使えなかったらしい。
魔導王国でも何人か確認されてるらしく、入学資格が魔力量だけなのはその辺りが関係しているのかなと思う。
ガラス越しにこちらを見ている女王やドリルに手を振り、麻酔薬を飲む。
女王が見ているのは魔術式が細工されないようにと作業員に誓約と言う呪術を掛けたからだ。女王が見ている間は俺に対して不利となることを一切出来ないと誓った人だけが部屋の中にいる。
そこまでしなくてもと思うのだけど、ドリルがやったほうが良いの強く主張したので同意した。
何かあったときに自分たちが原因ではない証明になるからと部屋にいる人たちも賛同してたから彼らの気分を害したってことはないと思う。
「貴方に何かあったら、酒好きに殺される…」
なるほど、それはお墨付きが欲しくなるな。
*
薬で眠ってる間に作業が終わる。
心臓の上辺りに古い懐中時計のような歯車に似た模様が描かれている。
「これに魔力を込めると魔術式が発動するようになっています、一度動き出したら魔力を使い切るまで動き続けるので気を付けてください」
「効果が有るのは魔法や経口毒などです、そこにはお酒も含まれます。酔いは身体の感覚が鈍るので状態異常扱いになります」
酒を作れるのに酒で酔わない身体になっただと…。
あと、ドリルにも同じ魔術式が描かれた。場所は左足の内腿、女の子なので見え難いところが良いとのことらしい。
お互いお酒で酔えない身体になってしまったな、彼女はお酒が好きだって言ってたのに。
「え、私は魔力を使い切れるわよ?」
「?!」
俺だけ?
「酔う為に使い切ってから飲むなんてことしないってば、雰囲気に酔うことはあるかも知れないけどね!」
「そうか、うん、そうだね」
「酔わずにお酒を楽しめるなんて素晴らしいわね!」
なんか、思った以上に酒好きだなドリルの中の人?
*****
☆ガラスや建造物
この世界には窓ガラスがあります。
建物は石を切り出した物や土や粘土を魔法で固めた物などになります。切り出した石を使った家は天然石の家と言われて高級品扱いです。
☆属性格差
魔物が居る世界なので建築はスピードが命。
高貴な身分の人たちにはあまり人気は有りませんが、庶民的には土属性を手に入れられたら食いっぱぐれがないと言われているので大当たりです。
建築に畑作業に大活躍です。
次点は緑属性で植物を操ることができます。
農業だけでなくベテランになると薬草の育成をする為に研究機関に雇われることもあるとか。
☆庶民、領民
国にもよりますが、領地の民を植えさせたら領主は馬鹿にされます。
領民を同じ人間と考えてるかは抜きにして、品質の高い家畜を出荷する牧場は周りから評価されるのと同じです。
属性が無くても使える身体強化魔法の講習を無料で行う領地も有り、農村には強化した身体で農作業をするおじさんおばさんの姿が。
各国首都の学校の中には農業指導科なども有り、実地訓練などをするところも。
☆貴族、領主
領民は領主を写す鏡と心掛ける貴族家と、首都から出ることなく偉い家に生まれたから偉いと考える貴族の間には隔たりがあり、後者に支持された王子が次の王になって無茶なことを言い出して問題になることも。
その辺りを回避する為に、王族は騎士を持たず地方から騎士を借りて王都の守護に当たらせる制度を持つ国があり、アホな王が無茶なこと言ったら騎士を引き上げて税を納めないことも有ります。
それが有るので首都内で働く貴族も操れそうな王子を支持出来ず、ぐぬぬ…と思ったりしているとか。
☆民主主義など
民主主義やそれに近い国は今現在この大陸には有りません。過去に有りましたが魔物に飲み込まれました。
魔力量の多い人間を作り維持するには向かなかったようです。
最初は魔道具を身につける予定だったのだが俺の身体から溢れる魔力を利用したらより強くなるからと言われたのでやってもらうことにした。
「これは想像以上ですね」
「あれだけの樽をお酒にしても魔力枯渇しないはずだわ」
魔術式を描き込む為に上半身裸になり漏れる魔力を魔石に貯める道具やマジックリングを外す。
魔術式は常時発動型なので消費量を設定するのに正しい魔力量を知りたいからと言われたので身体から魔道具を外したのだ。
にしても久しぶりの開放感、風呂も寝る時も付けっぱなしだからなぁ。
付けてることが苦痛ってことはないのだけれど、常に20近くの魔道具を身に付けてるので身体が動かし難いし重いんだよね。何も知らない人が見たら筋トレする為に重りを巻いているように見えるだろうし。
まぁ、実際重いし筋トレになってるんだけどさ。
「しかし、これほどの魔力を持ちながら普通の魔法を何も使えないのは勿体ないですね」
「俺も使えたらと思うんだけどね」
「全てを引き換えにしなくては奇跡の魔法を使えないのかも知れません」
「そう言うものなのかな?」
「そう言った種類のものなのだと思います、過去にも幾つか有りましたし」
酒魔法ではないが、普通の属性魔法が全く使えない代わりに変わった魔法を使える人が何人か居たそうだ。
龍王国では何代か前の女王が龍に変身出来た代わりに他の魔法が使えなかったらしい。
魔導王国でも何人か確認されてるらしく、入学資格が魔力量だけなのはその辺りが関係しているのかなと思う。
ガラス越しにこちらを見ている女王やドリルに手を振り、麻酔薬を飲む。
女王が見ているのは魔術式が細工されないようにと作業員に誓約と言う呪術を掛けたからだ。女王が見ている間は俺に対して不利となることを一切出来ないと誓った人だけが部屋の中にいる。
そこまでしなくてもと思うのだけど、ドリルがやったほうが良いの強く主張したので同意した。
何かあったときに自分たちが原因ではない証明になるからと部屋にいる人たちも賛同してたから彼らの気分を害したってことはないと思う。
「貴方に何かあったら、酒好きに殺される…」
なるほど、それはお墨付きが欲しくなるな。
*
薬で眠ってる間に作業が終わる。
心臓の上辺りに古い懐中時計のような歯車に似た模様が描かれている。
「これに魔力を込めると魔術式が発動するようになっています、一度動き出したら魔力を使い切るまで動き続けるので気を付けてください」
「効果が有るのは魔法や経口毒などです、そこにはお酒も含まれます。酔いは身体の感覚が鈍るので状態異常扱いになります」
酒を作れるのに酒で酔わない身体になっただと…。
あと、ドリルにも同じ魔術式が描かれた。場所は左足の内腿、女の子なので見え難いところが良いとのことらしい。
お互いお酒で酔えない身体になってしまったな、彼女はお酒が好きだって言ってたのに。
「え、私は魔力を使い切れるわよ?」
「?!」
俺だけ?
「酔う為に使い切ってから飲むなんてことしないってば、雰囲気に酔うことはあるかも知れないけどね!」
「そうか、うん、そうだね」
「酔わずにお酒を楽しめるなんて素晴らしいわね!」
なんか、思った以上に酒好きだなドリルの中の人?
*****
☆ガラスや建造物
この世界には窓ガラスがあります。
建物は石を切り出した物や土や粘土を魔法で固めた物などになります。切り出した石を使った家は天然石の家と言われて高級品扱いです。
☆属性格差
魔物が居る世界なので建築はスピードが命。
高貴な身分の人たちにはあまり人気は有りませんが、庶民的には土属性を手に入れられたら食いっぱぐれがないと言われているので大当たりです。
建築に畑作業に大活躍です。
次点は緑属性で植物を操ることができます。
農業だけでなくベテランになると薬草の育成をする為に研究機関に雇われることもあるとか。
☆庶民、領民
国にもよりますが、領地の民を植えさせたら領主は馬鹿にされます。
領民を同じ人間と考えてるかは抜きにして、品質の高い家畜を出荷する牧場は周りから評価されるのと同じです。
属性が無くても使える身体強化魔法の講習を無料で行う領地も有り、農村には強化した身体で農作業をするおじさんおばさんの姿が。
各国首都の学校の中には農業指導科なども有り、実地訓練などをするところも。
☆貴族、領主
領民は領主を写す鏡と心掛ける貴族家と、首都から出ることなく偉い家に生まれたから偉いと考える貴族の間には隔たりがあり、後者に支持された王子が次の王になって無茶なことを言い出して問題になることも。
その辺りを回避する為に、王族は騎士を持たず地方から騎士を借りて王都の守護に当たらせる制度を持つ国があり、アホな王が無茶なこと言ったら騎士を引き上げて税を納めないことも有ります。
それが有るので首都内で働く貴族も操れそうな王子を支持出来ず、ぐぬぬ…と思ったりしているとか。
☆民主主義など
民主主義やそれに近い国は今現在この大陸には有りません。過去に有りましたが魔物に飲み込まれました。
魔力量の多い人間を作り維持するには向かなかったようです。
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