175 / 371
連載
適正検査に向かいましょう!
しおりを挟む
翌朝、簡単に朝食を摂ってから身支度を終えて階下に降りると、セイがすでにホールで待っていた。
「セイ、ごめんなさい。待たせたかしら?」
階段をタタタ……と急いで駆け降りた私に気づいたセイが頭を振った。
「いや、俺もさっき降りてきたばかりだ。会場まではニール先生が引率してくれるんだよな?」
「ええ、そう聞いているけれど……」
そう言って、ニール先生の部屋である寮監室のほうを見ると、すぐに扉が開いた。
「やあ、皆早いね。もう会場に向かっても大丈夫なのかな?」
最低限身なりを整えたといった様子で出てきたニール先生は眠そうに言った。
昨日は学園内を隈なく歩き回っていたそうでヘトヘトになって帰ってきたのだ。
これでレオン様がいらしていたことを知ったら立ち直れないだろうと思い、秘密にしてある。武士の情け……いや、私からの慈悲ってやつである。
「はい。よろしくお願いします」
「うんうん。筆記用具とか必要なものは持ってるね? じゃあ案内しよう」
私たちは聖獣の皆が見送る中、ニール先生の後に続いて特別寮を出たのだった。
特別寮を出て少し歩くと、すぐに教室や講堂がある建物に着いた。
教育棟は石造りの堅牢な造りの建物で、ロの字の形になっている。四方に外からの出入り口があり、真ん中は広場になっていて、それを取り囲むように回廊があった。
先生に続いて寮から一番近い出入り口から建物に入り、簡単に建物の説明を受けながら回廊を歩いていると、中庭にいた生徒が私たちに気づきこちらを見ながら何か話しているようだった。
見るからに上級生で、派手で煌びやかな制服を着ているから貴族の御令嬢だとわかるグループは、ヒソヒソ話と不躾な視線からしてあまり好意的ではない雰囲気だった。
まあ、入学式まで特別寮に引きこもって姿は見せないわ、やっと出てきたと思ったらお兄様のエスコートで現れ、聖獣契約者として国王陛下からテコ入れされ……他の人からしてみれば、面白くはないよね、うん。
でもそれ全部、私からしてみたら不可抗力じゃん……うう。
同級生もこんな感じだったらどうしよう。
私は憂鬱な気持ちを抱え、周囲を見ないようにして重い足取りでニール先生についていった。
入学式とは違う講堂に案内された私たちは、入り口で受付を済ませて受付順に渡された番号の書かれている席に着いた。
私とセイは続きの番号だったので隣の席だった。よかった、離れなくて。それだけで心強いよ。
「君たちはここで待機してなさい。筆記試験もここで行うけど、まずは魔力量と属性を調べるからね。自分の番が近づいたら係の者に呼ばれるから、呼ばれた部屋に向かうように」
ニール先生の説明を聞きながら示された右側の壁を見ると、ずらりと扉が並んでいた。
「あの部屋に魔力量や属性を調べる魔導具が置いてあるから、係の指示に従うように。それじゃあ僕は試験官の準備があるからこれで」
ニール先生はそう言って講堂から出て行った。
その後も生徒が続々とやってきて、講堂内が騒がしくなり始めたところで、試験官の先生が教壇に立った。
「皆静かに! これから魔力量と属性の検査を行う。番号を呼ばれた生徒は速やかに呼ばれた部屋に向かいなさい。まずは一番から十番は……」
試験官の指示に従って、番号を呼ばれた生徒はぞろぞろと指示された部屋に入っていった。
十部屋に各十人ずつか……私たちは百十二番と百十三番だから、二巡目になるわね。
「ドキドキしますね、セイ様」
「ああ、僕はこういうの初めてだから特にね。楽しみではあるけど」
「ふふ、そうね」
私もこういう場で調べるのって、初めてなのよね。
私の場合、マーレン師が初めて我が家にいらっしゃった時にお父様が同席して私の魔力量や属性を魔導具で調べたのだけれど、二人とも「ほう……」「ううむ……」とか言って黙りこんでしまったのよね。
結局、属性については教えてくれたけれど、魔力量についてはわからずじまいだったんだ。
暴走するほどの魔力量なんだから、魔力お化けなのは間違いないんだろうけど。
最初の生徒たちが次々と検査を終えて席に着いていった。
嬉しそうに戻ってきた生徒もいれば、「そんなはずは……」と暗い顔をしている生徒もいた。思っていたのと違う結果だったってこと?
私も昔調べた時よりも魔力操作が上手くなったし、できる魔法も増えたからどんな結果になるのか楽しみといえば楽しみなのよね。「クリステア嬢、呼ばれたから行こう」
ぼんやりしていて、自分の番号を呼ばれたのに気づかなかった。
私は慌てて立ち上がり、セイの後を追った。
セイとは続きの番号だったから、同じ部屋に通され中に入ると、そこは控室のようで、先に入っていた生徒が緊張した様子で壁際に並べられた椅子に座って待機していた。
「ここで番号を呼ばれるまで待つように」
係に誘導された席について待っていると、奥の扉が開いて検査を終えたらしい生徒が出てきた。
縦巻きロールの金髪で、ド派手なフリルだらけの制服を身にまとった、いかにも貴族の御令嬢といった姿の女生徒が、イライラした様子で係員にツカツカと近づいて言った。
「……こんなはずありませんわ。私が、こんな……そうよ、もう一度やり直しなさい! これは何かの間違いよ!」
どうやら思っていた結果ではなかったみたいね。
「魔導具は正常に動いている。間違いないから席に戻りなさい。じゃあ、次の人は中に入って」
淡々とした対応で次の生徒を誘導する係員はガンとして譲る様子もなかった。
女生徒は「私にそんな態度を取るだなんて、覚えてらっしゃい!」と捨て台詞を吐き、ブォン!と縦巻きロールをぶん回しながら振り向いた。
こわぁ……!
小さくてもプライド高い女の子ってどこの世界でもあんな感じなのかしら。
呆然と見ていると、その女生徒とバチッと目が合った。
やばっ、ジロジロ見てたのバレた⁉︎
「貴女……」
女生徒は真っ直ぐに私のところにやってきて、仁王立ちになった。
「あ、あの、何か……?」
なに見てんのよ! とか怒られちゃうのかな?
「貴女、クリステア・エリスフィード様ね?」
彼女は私を上から下まで全身を睨みつけるようにしてチェックしてから言った。
「え、ええ、はい。そうですけれど……」
……誰だっけ?
新年の親睦パーティーの時はゴタゴタしてたせいで親睦も何もなかったから、新入生の御令嬢たちの名前と顔が一致してないんだよね……実は。
「私、貴女には負けませんから!」
「え?」
「ふん!」
突然の宣戦布告に呆然としている私を尻目に、その女生徒はツン! とそっぽを向いて靴音高く部屋を出て行った。
な、なんだったんだろう……?
て言うか、あの子一体何者なの⁇
「セイ、ごめんなさい。待たせたかしら?」
階段をタタタ……と急いで駆け降りた私に気づいたセイが頭を振った。
「いや、俺もさっき降りてきたばかりだ。会場まではニール先生が引率してくれるんだよな?」
「ええ、そう聞いているけれど……」
そう言って、ニール先生の部屋である寮監室のほうを見ると、すぐに扉が開いた。
「やあ、皆早いね。もう会場に向かっても大丈夫なのかな?」
最低限身なりを整えたといった様子で出てきたニール先生は眠そうに言った。
昨日は学園内を隈なく歩き回っていたそうでヘトヘトになって帰ってきたのだ。
これでレオン様がいらしていたことを知ったら立ち直れないだろうと思い、秘密にしてある。武士の情け……いや、私からの慈悲ってやつである。
「はい。よろしくお願いします」
「うんうん。筆記用具とか必要なものは持ってるね? じゃあ案内しよう」
私たちは聖獣の皆が見送る中、ニール先生の後に続いて特別寮を出たのだった。
特別寮を出て少し歩くと、すぐに教室や講堂がある建物に着いた。
教育棟は石造りの堅牢な造りの建物で、ロの字の形になっている。四方に外からの出入り口があり、真ん中は広場になっていて、それを取り囲むように回廊があった。
先生に続いて寮から一番近い出入り口から建物に入り、簡単に建物の説明を受けながら回廊を歩いていると、中庭にいた生徒が私たちに気づきこちらを見ながら何か話しているようだった。
見るからに上級生で、派手で煌びやかな制服を着ているから貴族の御令嬢だとわかるグループは、ヒソヒソ話と不躾な視線からしてあまり好意的ではない雰囲気だった。
まあ、入学式まで特別寮に引きこもって姿は見せないわ、やっと出てきたと思ったらお兄様のエスコートで現れ、聖獣契約者として国王陛下からテコ入れされ……他の人からしてみれば、面白くはないよね、うん。
でもそれ全部、私からしてみたら不可抗力じゃん……うう。
同級生もこんな感じだったらどうしよう。
私は憂鬱な気持ちを抱え、周囲を見ないようにして重い足取りでニール先生についていった。
入学式とは違う講堂に案内された私たちは、入り口で受付を済ませて受付順に渡された番号の書かれている席に着いた。
私とセイは続きの番号だったので隣の席だった。よかった、離れなくて。それだけで心強いよ。
「君たちはここで待機してなさい。筆記試験もここで行うけど、まずは魔力量と属性を調べるからね。自分の番が近づいたら係の者に呼ばれるから、呼ばれた部屋に向かうように」
ニール先生の説明を聞きながら示された右側の壁を見ると、ずらりと扉が並んでいた。
「あの部屋に魔力量や属性を調べる魔導具が置いてあるから、係の指示に従うように。それじゃあ僕は試験官の準備があるからこれで」
ニール先生はそう言って講堂から出て行った。
その後も生徒が続々とやってきて、講堂内が騒がしくなり始めたところで、試験官の先生が教壇に立った。
「皆静かに! これから魔力量と属性の検査を行う。番号を呼ばれた生徒は速やかに呼ばれた部屋に向かいなさい。まずは一番から十番は……」
試験官の指示に従って、番号を呼ばれた生徒はぞろぞろと指示された部屋に入っていった。
十部屋に各十人ずつか……私たちは百十二番と百十三番だから、二巡目になるわね。
「ドキドキしますね、セイ様」
「ああ、僕はこういうの初めてだから特にね。楽しみではあるけど」
「ふふ、そうね」
私もこういう場で調べるのって、初めてなのよね。
私の場合、マーレン師が初めて我が家にいらっしゃった時にお父様が同席して私の魔力量や属性を魔導具で調べたのだけれど、二人とも「ほう……」「ううむ……」とか言って黙りこんでしまったのよね。
結局、属性については教えてくれたけれど、魔力量についてはわからずじまいだったんだ。
暴走するほどの魔力量なんだから、魔力お化けなのは間違いないんだろうけど。
最初の生徒たちが次々と検査を終えて席に着いていった。
嬉しそうに戻ってきた生徒もいれば、「そんなはずは……」と暗い顔をしている生徒もいた。思っていたのと違う結果だったってこと?
私も昔調べた時よりも魔力操作が上手くなったし、できる魔法も増えたからどんな結果になるのか楽しみといえば楽しみなのよね。「クリステア嬢、呼ばれたから行こう」
ぼんやりしていて、自分の番号を呼ばれたのに気づかなかった。
私は慌てて立ち上がり、セイの後を追った。
セイとは続きの番号だったから、同じ部屋に通され中に入ると、そこは控室のようで、先に入っていた生徒が緊張した様子で壁際に並べられた椅子に座って待機していた。
「ここで番号を呼ばれるまで待つように」
係に誘導された席について待っていると、奥の扉が開いて検査を終えたらしい生徒が出てきた。
縦巻きロールの金髪で、ド派手なフリルだらけの制服を身にまとった、いかにも貴族の御令嬢といった姿の女生徒が、イライラした様子で係員にツカツカと近づいて言った。
「……こんなはずありませんわ。私が、こんな……そうよ、もう一度やり直しなさい! これは何かの間違いよ!」
どうやら思っていた結果ではなかったみたいね。
「魔導具は正常に動いている。間違いないから席に戻りなさい。じゃあ、次の人は中に入って」
淡々とした対応で次の生徒を誘導する係員はガンとして譲る様子もなかった。
女生徒は「私にそんな態度を取るだなんて、覚えてらっしゃい!」と捨て台詞を吐き、ブォン!と縦巻きロールをぶん回しながら振り向いた。
こわぁ……!
小さくてもプライド高い女の子ってどこの世界でもあんな感じなのかしら。
呆然と見ていると、その女生徒とバチッと目が合った。
やばっ、ジロジロ見てたのバレた⁉︎
「貴女……」
女生徒は真っ直ぐに私のところにやってきて、仁王立ちになった。
「あ、あの、何か……?」
なに見てんのよ! とか怒られちゃうのかな?
「貴女、クリステア・エリスフィード様ね?」
彼女は私を上から下まで全身を睨みつけるようにしてチェックしてから言った。
「え、ええ、はい。そうですけれど……」
……誰だっけ?
新年の親睦パーティーの時はゴタゴタしてたせいで親睦も何もなかったから、新入生の御令嬢たちの名前と顔が一致してないんだよね……実は。
「私、貴女には負けませんから!」
「え?」
「ふん!」
突然の宣戦布告に呆然としている私を尻目に、その女生徒はツン! とそっぽを向いて靴音高く部屋を出て行った。
な、なんだったんだろう……?
て言うか、あの子一体何者なの⁇
101
お気に入りに追加
13,927
あなたにおすすめの小説
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ここは私の邸です。そろそろ出て行ってくれます?
藍川みいな
恋愛
「マリッサ、すまないが婚約は破棄させてもらう。俺は、運命の人を見つけたんだ!」
9年間婚約していた、デリオル様に婚約を破棄されました。運命の人とは、私の義妹のロクサーヌのようです。
そもそもデリオル様に好意を持っていないので、婚約破棄はかまいませんが、あなたには莫大な慰謝料を請求させていただきますし、借金の全額返済もしていただきます。それに、あなたが選んだロクサーヌは、令嬢ではありません。
幼い頃に両親を亡くした私は、8歳で侯爵になった。この国では、爵位を継いだ者には18歳まで後見人が必要で、ロクサーヌの父で私の叔父ドナルドが後見人として侯爵代理になった。
叔父は私を冷遇し、自分が侯爵のように振る舞って来ましたが、もうすぐ私は18歳。全てを返していただきます!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
とある婚約破棄の顛末
瀬織董李
ファンタジー
男爵令嬢に入れあげ生徒会の仕事を疎かにした挙げ句、婚約者の公爵令嬢に婚約破棄を告げた王太子。
あっさりと受け入れられて拍子抜けするが、それには理由があった。
まあ、なおざりにされたら心は離れるよね。
【7話完結】婚約破棄?妹の方が優秀?あぁそうですか・・・。じゃあ、もう教えなくていいですよね?
西東友一
恋愛
昔、昔。氷河期の頃、人々が魔法を使えた時のお話。魔法教師をしていた私はファンゼル王子と婚約していたのだけれど、妹の方が優秀だからそちらと結婚したいということ。妹もそう思っているみたいだし、もう教えなくてもいいよね?
7話完結のショートストーリー。
1日1話。1週間で完結する予定です。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。