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カラヴィスタワー 探索記
第二百七十二話 探索者
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カラヴィスタワー内部の緩やかな丘陵地帯の一角にぽっかりと口を開いた洞窟『ヘグナヘル』がある。
獲物が飛び込んでくるのを気長に待つ巨大な魔物のようにも見えるそこは、内部に何体もの魔物が巣食う危険地帯であり、同時に希少な鉱物や天然の魔晶石と精霊石を得られる場所でもあった。
洞窟内部に充満する高濃度の魔力を食べて生きる魔物の中には、体内に高純度の魔力の結晶体を持っている事もあり、腕に覚えのある者達が日夜足を踏み入れては内部で死闘を繰り広げている。
深層に潜れば潜る程に魔力の濃度は濃くなり、ただ呼吸をするだけでも常人には苦痛を齎す過酷な環境となる。
一方で浅い上層ならば訓練しか知らない新米戦士が一人で挑んでも、余程運が悪くなければ生きて帰れる。
それでもやはり運の悪い目に遭遇する者とはいるもので、ヘグナヘル洞窟を発見したドラグサキュバスによって、壁に埋め込まれた魔法の明かりが照らす中を、一人の少年が必死の形相で走っている。
少年が目指しているのは、地上の出入り口の前にドラグサキュバスが結界を貼って作った安全地帯だ。円形の広間に飛び込めば、結界の中に魔物は侵入できずにすごすごと立ち去る他ない。
少年の身なりを見れば、まだそれ程使い込んだ痕跡の見られないなめした革の胸当てに手袋と安物の短剣、小型の丸盾で武装している。
腰の戦闘用ベルトには予備の短剣に傷薬や火打石を入れた革袋や皮の水筒が下げられていて、典型的な新米冒険者の様相だ。
額から頬から汗を流す彼の後を追っているのは、ヘグナヘル洞窟では上層によく出現する岩窟鬼だ。洞窟内部を満たす魔力と洞窟の岩石が混ざり合い、誕生する子供の背丈程の魔物だ。
黒い地肌にあちこちに岩石を鎧の如く纏っていて、顔に鼻や口はなくぼんやりと光る黄色い光が両目の位置で輝いている。太く発達した両腕から繰り出される一撃は、新米冒険者や新米傭兵の貧しい装備では受けきれるものではない。
黄色い目玉か臍のあたりにある黒い球状の核が弱点でそれを狙うのが定石だが、三体も四体も群れを成して追いかけられては少年一人の手に余るだろう。
必死な形相で逃げる少年には、まだ岩窟鬼からの一撃を受けた様子はなく、だからこそこうして走って逃げていられるのだろう。
少年――ジルグは、管理所で無料公開されているヘグナヘル洞窟の地図を脳裏に思い浮かべて、次の角を曲がれば安全地帯だとかすかな希望の光を見出していた。
死への恐怖で喉はからからに乾いてへばり付き、流れる汗が時折目に入っては痛みが走る。必死に呼吸を繰り返す肺はしきりに痛みを訴えかけているが、ここで足を止めてはそれこそ、比ではない痛みと恐怖が待っているのだ。
ジルグは体の訴える痛みを無視して、鉛のように重たい足を遮二無二動かす。
首から下げた虹色の石を埋め込んだ首飾りが、『生命こそ保証してくれる』とはいえ、それには死に到る事態に襲われたらという条件が付随している。
命は助かると分かってはいても、だからといって苦痛に襲われるのを許容する人間等いるものだろうか。少なくともジルグは絶対に嫌だと答える。
「うわっ」
まだ距離のある前方の曲がり角の向こうから、白い光が滲んでいるのに気付き、安堵したのが良くなかった。足元の確認がおろそかになり、ジルグは小さな石を踏み、それによってふらついて転倒するという致命的な失敗を犯してしまった。
顔から地面に倒れ込み、慌てて左手で顔を庇ったが、地面に体を打った痛みよりも岩窟鬼に追いつかれる事の恐怖がジルグの心を黒く染める。
一体だって倒すのに苦労する岩窟鬼が四体も居るのだ。どう足掻いたってジルグに勝ちの目はない。
ジルグが振り上げられる岩窟鬼の棍棒めいた腕とそれを叩きつけられて血を噴く自分を想像し、恐怖に震える瞳で背後の岩窟鬼達を振り返れば、彼らは――性別があるかは不明なのだが――腰から上を失った姿で地面に倒れ込んでいた。
想像していたのとはまるで違う光景に、ジルグが呆ける中、どちゃっと粘っこい水音が左右の壁際から聞こえてきた。
見れば岩窟鬼の腰から上が壁に叩きつけられて、原型を留めておらず染みとなっていた。
ジルグの目に映ったのは、言葉を失う程整った容貌に凶暴極まりない鋭い目つきと、銀色の鱗を使った鎧と同色の鱗で四肢を覆われたドラゴニアンの少女――クイン。
クインの横に並び、左手を横に伸ばした体勢で立っているのは、巨漢の白い鱗のドラゴニアン――ドライセン。
二人の位置からして、この二人がどうにかして岩窟鬼の体を腰から両断したのだと、ジルグはぼんやりと理解する。
ジルグなどとは比べる気にもならない圧倒的強者の雰囲気を纏う彼らに、ジルグの目は、いや、魂は惹きつけられて止まない。ヘグナヘル洞窟ばかりか迷宮の如何なる脅威も寄せ付けない絶対の存在は、まさしくジルグの目指す理想像の上をゆくものだった。
そして目の前に立って腕を振り上げていた岩窟鬼がどおっと音を立てて倒れると、その後ろに隠れて見えなかったたおやかな影がジルグへと近づいてくる。
首元まで露出なく覆う貞淑な印象を受けるドレスの背からは白い翼と先端がハートマークの形になった尾が伸び、艶めく黒髪を割って白い角が両方の側頭部から伸びている。
竜の生物的特徴を備えた女性である。尻尾の先端の形状と肉体的本能を越えて魂を揺さぶる美貌と雰囲気は、彼女がサキュバスである事を暗に証明している。
古神竜ドラゴンを崇拝するドラグサキュバスの長であり、低位だが真性の女神であるリリエルティエルだ。
圧倒的強者の存在に震えていたジルグの魂が震えを忘れた。自分へと近づいて来るその動作の全て、仕草の何もかもがジルグの五感と魂を強烈に痺れさせていた。あるいは熱していた。
息を忘れ、思考を忘れ、ただ目の前のソレだけが自分の全てになる程の強烈な感激、感動がジルグを満たしている。
リリエルティエルの素肌を晒した白魚の如き指が、ジルグの左頬に付着していた泥を拭った。岩窟鬼の血に相当する魔力を含んだ泥だ。魔法素材として中々優秀で、管理所にはこの泥を求める魔法使い達からの依頼が良く届いている。
「頬を汚してしまいましたね。ごめんなさい」
「あ、ああ、いい、いえいえいえいえ、あああのののの」
意味を成さない言葉の羅列を繰り返すジルグの反応は、リリエルティエルにとってよく見るものなので慌てる事もせず、にっこりと穏やかな笑顔を浮かべ続ける。
ここまで純朴で素直な反応をされると、サキュバスとしての食指が非常に刺激されるのだが、そこはそれ、崇拝するドラゴンの分身体が居る事もあり、リリエルティエルは疼く体を人知れず抑えている。
「めめめ、女神様ですか!?」
ジルグにとってこれまで見た事がない程美しい目の前の女性は、そうとしか思えなかった。そして、それは間違いではなかった。
ジルグは知っていて口にしたわけではないだろうが、見事に自分の素性を言い当てた目の前の少年に、リリエルティエルは楽しそうに笑みを深めた。
「ええ、末席ですけれど」
*
ドランの分身体であるグワンダンがロマル帝国で、あまり目立たぬように行動する、という初期の方針から外れた実績を積み重ねている頃、もう片方の分身体であるドライセンもまたベルン男爵領内にて活動を行っていた。
グワンダンが人間に寄った外見のドラゴニアンであるのに対し、竜に寄った外見をしているドライセンは、これまでアークレスト王国南洋の群島諸国家にある迷宮都市メイズリントで、迷宮を利用する知識や技術の蓄積を行っていた。
それがカラヴィスタワーの利用と運営がベルンで本格的に始まった為、領主補佐官であるドランの立場からは中々足を踏み込めない市生の事情や、カラヴィスタワー探索者の現状を知る為に、ドライセン投入が決定されたのである。
ドライセンが動くとなれば、当然と言わんばかりに彼についてくる者達が居る。メイズリントでも同じパーティーで行動していた女性陣だ。
古神竜アレキサンダーがドラゴニアンに変化したクイン、大地母神マイラールが人間の神官戦士に扮したハンマ、時の女神クロノメイズが姿を変えた神官戦士ドーベンの三名だ。
メイズリントでは冒険者の歴史が長く学ぶべき事が多かった為、指導役の先輩冒険者を雇ったが、カラヴィスタワーにおいては誰もかれもが新人である為に彼らだけで行動している。
ベルン男爵領にて巨大すぎる悩みの種となったカラヴィスタワーだが、ベルン男爵領の人々は不屈ともったいないの精神をもって領地経営の糧とするべく、観光資源としての利用が本格的に始まっていた。
一定距離を離れると見えなくなるカラヴィスタワーの周囲を囲む大神ケイオスとマイラールの防壁の入り口に、ベルン男爵領直営の管理施設とそれに付随される各種の施設が建てられている。
公営の施設以外にも大邪神の名を冠する異形の迷宮が、かつてない危険と魅力を兼ね備えた最高に最低の開拓地であると判断した人々が集い、宿屋や酒場、飲食店から鍛冶工房、病院に神殿や教会に到るまでが軒を並べている。
塔それ自体を見物に来る観光客用の宿泊施設も多いが、塔の内部から採取される希少な貴金属や動植物、あるいはまったく未知の物質を手にすべく多くの商人や研究機関の人間達も居を構える者が増え、既に小さな町として機能していた。
古来、利益を得られる迷宮は冒険者と呼ばれる人々や所有権を主張する国家の軍などによって、踏破され、搾取されるものだが、このカラヴィスタワーにおいてはベルン男爵領が所有権を強く主張している。
元々、アークレスト王国では冒険者ギルドの力が強くなく、冒険者に対して戦闘能力を持った自由労働者として認識されている事もあり、カラヴィスタワーへの入場や内部で得たものの取り扱いなどもまずベルン男爵領を介するものと決められている。
メイズリントのようにカラヴィスタワーを中核とした都市が確立し、自治権を獲得するようになればまた話は別かもしれないが、現状ではベルン男爵領の意向が何よりの力を持っている。
ベルン男爵領の次に力を持っているのが、ケイオスを崇めるケイオス教団とマイラールを崇めるマイラール教団だ。
双方とも世俗の権力闘争や富とは距離を置いているものの、信奉する神々が目に見える形で起こした奇跡が存在している為、これに対して強く反応するのは当然であった。
ベルン男爵領はカラヴィスタワーへ入場する際には、個人情報の登録と入場料の支払い、そしてとあるアクセサリ『アリアドネ』の着用を義務付けている。
指輪や腕輪、耳飾りに額飾り、首飾りと様々な形のアクセサリは、カラヴィスタワー内部で生命の危機に瀕すると、自動である程度傷を癒しつつ着用者の身柄をタワーの入り口にある病院内部の緊急施術室まで転移させる機能を持つ安全装置だ。
入場の際に支給されるこれは、カラヴィスタワーを後にする際には返却が義務付けられており、これに違反した場合には本人のみならず冒険者ギルドや何かしらの組織に所属している場合には組織にも罰則が適用され、厳重な取り扱いを求めている。
安全装置としての機能はカラヴィスタワー内部でのみ機能するように設定されているから、外に持ち出した時点で機能不全の魔道具に成り下がる。
それでも着用者の生命を守りつつ、特定の場所に自動転移させる術式とそれに必要な魔力の充填機構は持ち出しを考えるには十分で、いずれ違反者が出るだろうとベルン側は予測している。
ベルン側が技術と所有権を独占している事もあり、冒険者ギルドとそれに所属する冒険者や商人の一部からは煙たがられているのが偽らざる実情だ。
とはいえ、だ。このカラヴィスタワーが内部に計り知れない富と財宝、そしてそれに付随する名誉が眠っているのは紛れもない事実だ。
例えベルン男爵領に実権のほとんどを握られていようとも構わないという者やそこまで考える程の立場を持たない新人は、意気揚々とカラヴィスタワーに挑み、日々の成果に一喜一憂する毎日を送っている。
ベルン男爵領側ではカラヴィスタワーに挑む者達を一般の冒険者とは区別して登録・管理しており、実績によって階級を付与しており、この階級に応じてカラヴィスタワー探索とは別に発生する特別な依頼を出している。
そしてこれらの人々を『探索者』と呼び、カラヴィスタワー探索の始まったばかりの現状では、誰もかれもが新人探索者でしかなかった。
実力はてんでバラバラな新人探索者達の頼りになる味方は、正規の手順を踏めば必ず支給されるアリアドネと第一階層の絶対安全圏であるドラグサキュバスの街インラエンだ。
ベルン男爵領と極めて良好な関係を築くこのドラグサキュバスは、古神竜ドラゴンを崇め、ドラゴンの友であるマイラールやケイオスといった神々に対しても多大なる敬意を払っており、人間に対しても同じように友好的だ。
通常、サキュバスといえば個人単位ではともかく、種族単位で考えると捕食者と捕食対象の関係である為に、敵対関係にある。
その種族単位での例外であるドラグサキュバスは、極めて強力な種であり、彼女らの協力を得られた事は、カラヴィスタワー探索に於いて非常に心強い存在だ。
カラヴィスタワーの入り口からインラエンまでの道のりは、馬車が横に六台並んで走れる広さの街道で繋がれており、途中途中に体を休める為の無人の小屋や長椅子が置かれているのに加え、タワー内部の敵性存在が近寄らないように遠ざける結界が展開されている。
魔物に襲われても命からがら街道まで逃げ込めれば何とか助かる、と探索者達がタワー入り前に必ず受講させられる講座にて叩き込まれている程だ。
インラエンにはドラグサキュバスの他に彼女らの作りだした魔法生物が住人として生活しており、探索者達は彼女らの経営している宿屋や鍛冶工房を利用し、またベルン男爵領直営のタワー管理所インラエン支部が設けられている。
タワー入口の管理所本部以外にもこの支部で男爵領が仲介した民間からの依頼を受けられるし、またタワー内部で採取した探索物を金銭と交換も出来る。
現在、カラヴィスタワーは第二階層まで探索者達の足が届いているが、第二層は第一層から上がる巨大な螺旋階段のごく近辺のみ、第一層もインラエンを中心とした数日で辿りつける範囲に限られている。
第一層にしても未踏破の地域が広がっており、第二層より上層にある他のドラグサキュバスの都市には、誰もたどり着いていないという現状である。
ベルン男爵領側としてはまず第一層の探索と開拓を重視する方針を打ち出しており、第二層以上へは実力と実績を兼ね備えた精鋭の数が揃ってからの探索を考えている。
その為、インラエンに居を構えて第一層の探索に腰を据えている者が探索者のほとんどを占めており、今日も探索者のひよこが輝かしい未来を得るべく必死に努力していた。
ひよこ探索者達の中で、探索者歴こそ五十歩百歩だが、戦闘能力という点においては他の追随を許さないパーティーこそがドライセン達五名だ。
アークレスト王国や近隣諸国では名前の知られていなかったドライセンらは、南の海を渡って来た渡来の冒険者達という決して嘘ではない素性を表向きには伝えている。
探索者達の中で一目も二目も置かれるドライセン達も、インラエンに拠点を置いて長期探索を行っており、インラエン支部にはちょくちょく顔を見せている。
管理所インラエン支部はインラエンの中でもひと際巨大な十階建ての建物だ。探索者の為の訓練所や治療施設、資料施設、酒場など探索者向けの施設がいくつも併設されている。
インラエン支部の運営に関しては、ドラグサキュバス達の裁量に任せており、経理から営業、受付嬢に到るまで妖艶なるドラグサキュバス達が務めている。
彼女らの生み出した魔法生物でも十分にこなせる仕事だが、外部の人間との接触をドラグサキュバス達が求めている事もあり、対人業務は全てドラグサキュバス達が率先して行っているのだ。
肌の露出のない白と灰という地味な配色の制服に身を包むドラグサキュバス達は、異種族との共存の為に魅了の力を封じているが、それでも全員が個性の異なる圧倒的な美女だ。
その為に、支部に集まった探索者達は、年齢や種族、性別の区別なくほとんどが大なり小なり頬を染めて見惚れている有様だ。
魅了に対する耐性を備える魔法具や特殊な技術を習得していても、それらがドラグサキュバスを前に機能する事は滅多にない。
それらは外部からの能動的な干渉に対して反応するものだが、ドラグサキュバスの場合は単純に彼女ら自身が途方もなく美しく、ごく自然体で淫らであるから心を奪われるのだ。
ドラグサキュバスに見惚れるのは、雄大な自然や傑出した芸術品を目の当たりにした時に感動して心が震えるのと同じ現象なのである。
故にドラグサキュバスを前にして平静を保つには、本人の精神や理性が鋼鉄の強靭さを備えていなければならないのだ。
支部に併設されている酒場では、冒険者達が給仕をしているドラグサキュバス達にいちいち見惚れては口から酒を零しそうになったり、見当外れの場所をフォークで突いたりしている。
そんな探索者達の中には使い込んだ武器や佇まいからして歴戦の猛者もいるが、そのほとんどがドラグサキュバスを前にしてだらしない顔ばかり。
からんからん、と支部の入り口に設けられた鈴が軽やかな音を立てて開かれ、そこから顔を見せた一団の姿に、それまでだらしない顔をしていた探索者の全員に大なり小なりの緊張が走る。
冒険者や傭兵として著名な者も含まれる探索者達の中にあって、最強の一角として知られる白いドラゴニアンを筆頭とするパーティーが、相変わらず傷一つない姿で帰還したのだ。
なぜか、子犬のような印象を受ける、薄い茶髪の少年を連れて。
獲物が飛び込んでくるのを気長に待つ巨大な魔物のようにも見えるそこは、内部に何体もの魔物が巣食う危険地帯であり、同時に希少な鉱物や天然の魔晶石と精霊石を得られる場所でもあった。
洞窟内部に充満する高濃度の魔力を食べて生きる魔物の中には、体内に高純度の魔力の結晶体を持っている事もあり、腕に覚えのある者達が日夜足を踏み入れては内部で死闘を繰り広げている。
深層に潜れば潜る程に魔力の濃度は濃くなり、ただ呼吸をするだけでも常人には苦痛を齎す過酷な環境となる。
一方で浅い上層ならば訓練しか知らない新米戦士が一人で挑んでも、余程運が悪くなければ生きて帰れる。
それでもやはり運の悪い目に遭遇する者とはいるもので、ヘグナヘル洞窟を発見したドラグサキュバスによって、壁に埋め込まれた魔法の明かりが照らす中を、一人の少年が必死の形相で走っている。
少年が目指しているのは、地上の出入り口の前にドラグサキュバスが結界を貼って作った安全地帯だ。円形の広間に飛び込めば、結界の中に魔物は侵入できずにすごすごと立ち去る他ない。
少年の身なりを見れば、まだそれ程使い込んだ痕跡の見られないなめした革の胸当てに手袋と安物の短剣、小型の丸盾で武装している。
腰の戦闘用ベルトには予備の短剣に傷薬や火打石を入れた革袋や皮の水筒が下げられていて、典型的な新米冒険者の様相だ。
額から頬から汗を流す彼の後を追っているのは、ヘグナヘル洞窟では上層によく出現する岩窟鬼だ。洞窟内部を満たす魔力と洞窟の岩石が混ざり合い、誕生する子供の背丈程の魔物だ。
黒い地肌にあちこちに岩石を鎧の如く纏っていて、顔に鼻や口はなくぼんやりと光る黄色い光が両目の位置で輝いている。太く発達した両腕から繰り出される一撃は、新米冒険者や新米傭兵の貧しい装備では受けきれるものではない。
黄色い目玉か臍のあたりにある黒い球状の核が弱点でそれを狙うのが定石だが、三体も四体も群れを成して追いかけられては少年一人の手に余るだろう。
必死な形相で逃げる少年には、まだ岩窟鬼からの一撃を受けた様子はなく、だからこそこうして走って逃げていられるのだろう。
少年――ジルグは、管理所で無料公開されているヘグナヘル洞窟の地図を脳裏に思い浮かべて、次の角を曲がれば安全地帯だとかすかな希望の光を見出していた。
死への恐怖で喉はからからに乾いてへばり付き、流れる汗が時折目に入っては痛みが走る。必死に呼吸を繰り返す肺はしきりに痛みを訴えかけているが、ここで足を止めてはそれこそ、比ではない痛みと恐怖が待っているのだ。
ジルグは体の訴える痛みを無視して、鉛のように重たい足を遮二無二動かす。
首から下げた虹色の石を埋め込んだ首飾りが、『生命こそ保証してくれる』とはいえ、それには死に到る事態に襲われたらという条件が付随している。
命は助かると分かってはいても、だからといって苦痛に襲われるのを許容する人間等いるものだろうか。少なくともジルグは絶対に嫌だと答える。
「うわっ」
まだ距離のある前方の曲がり角の向こうから、白い光が滲んでいるのに気付き、安堵したのが良くなかった。足元の確認がおろそかになり、ジルグは小さな石を踏み、それによってふらついて転倒するという致命的な失敗を犯してしまった。
顔から地面に倒れ込み、慌てて左手で顔を庇ったが、地面に体を打った痛みよりも岩窟鬼に追いつかれる事の恐怖がジルグの心を黒く染める。
一体だって倒すのに苦労する岩窟鬼が四体も居るのだ。どう足掻いたってジルグに勝ちの目はない。
ジルグが振り上げられる岩窟鬼の棍棒めいた腕とそれを叩きつけられて血を噴く自分を想像し、恐怖に震える瞳で背後の岩窟鬼達を振り返れば、彼らは――性別があるかは不明なのだが――腰から上を失った姿で地面に倒れ込んでいた。
想像していたのとはまるで違う光景に、ジルグが呆ける中、どちゃっと粘っこい水音が左右の壁際から聞こえてきた。
見れば岩窟鬼の腰から上が壁に叩きつけられて、原型を留めておらず染みとなっていた。
ジルグの目に映ったのは、言葉を失う程整った容貌に凶暴極まりない鋭い目つきと、銀色の鱗を使った鎧と同色の鱗で四肢を覆われたドラゴニアンの少女――クイン。
クインの横に並び、左手を横に伸ばした体勢で立っているのは、巨漢の白い鱗のドラゴニアン――ドライセン。
二人の位置からして、この二人がどうにかして岩窟鬼の体を腰から両断したのだと、ジルグはぼんやりと理解する。
ジルグなどとは比べる気にもならない圧倒的強者の雰囲気を纏う彼らに、ジルグの目は、いや、魂は惹きつけられて止まない。ヘグナヘル洞窟ばかりか迷宮の如何なる脅威も寄せ付けない絶対の存在は、まさしくジルグの目指す理想像の上をゆくものだった。
そして目の前に立って腕を振り上げていた岩窟鬼がどおっと音を立てて倒れると、その後ろに隠れて見えなかったたおやかな影がジルグへと近づいてくる。
首元まで露出なく覆う貞淑な印象を受けるドレスの背からは白い翼と先端がハートマークの形になった尾が伸び、艶めく黒髪を割って白い角が両方の側頭部から伸びている。
竜の生物的特徴を備えた女性である。尻尾の先端の形状と肉体的本能を越えて魂を揺さぶる美貌と雰囲気は、彼女がサキュバスである事を暗に証明している。
古神竜ドラゴンを崇拝するドラグサキュバスの長であり、低位だが真性の女神であるリリエルティエルだ。
圧倒的強者の存在に震えていたジルグの魂が震えを忘れた。自分へと近づいて来るその動作の全て、仕草の何もかもがジルグの五感と魂を強烈に痺れさせていた。あるいは熱していた。
息を忘れ、思考を忘れ、ただ目の前のソレだけが自分の全てになる程の強烈な感激、感動がジルグを満たしている。
リリエルティエルの素肌を晒した白魚の如き指が、ジルグの左頬に付着していた泥を拭った。岩窟鬼の血に相当する魔力を含んだ泥だ。魔法素材として中々優秀で、管理所にはこの泥を求める魔法使い達からの依頼が良く届いている。
「頬を汚してしまいましたね。ごめんなさい」
「あ、ああ、いい、いえいえいえいえ、あああのののの」
意味を成さない言葉の羅列を繰り返すジルグの反応は、リリエルティエルにとってよく見るものなので慌てる事もせず、にっこりと穏やかな笑顔を浮かべ続ける。
ここまで純朴で素直な反応をされると、サキュバスとしての食指が非常に刺激されるのだが、そこはそれ、崇拝するドラゴンの分身体が居る事もあり、リリエルティエルは疼く体を人知れず抑えている。
「めめめ、女神様ですか!?」
ジルグにとってこれまで見た事がない程美しい目の前の女性は、そうとしか思えなかった。そして、それは間違いではなかった。
ジルグは知っていて口にしたわけではないだろうが、見事に自分の素性を言い当てた目の前の少年に、リリエルティエルは楽しそうに笑みを深めた。
「ええ、末席ですけれど」
*
ドランの分身体であるグワンダンがロマル帝国で、あまり目立たぬように行動する、という初期の方針から外れた実績を積み重ねている頃、もう片方の分身体であるドライセンもまたベルン男爵領内にて活動を行っていた。
グワンダンが人間に寄った外見のドラゴニアンであるのに対し、竜に寄った外見をしているドライセンは、これまでアークレスト王国南洋の群島諸国家にある迷宮都市メイズリントで、迷宮を利用する知識や技術の蓄積を行っていた。
それがカラヴィスタワーの利用と運営がベルンで本格的に始まった為、領主補佐官であるドランの立場からは中々足を踏み込めない市生の事情や、カラヴィスタワー探索者の現状を知る為に、ドライセン投入が決定されたのである。
ドライセンが動くとなれば、当然と言わんばかりに彼についてくる者達が居る。メイズリントでも同じパーティーで行動していた女性陣だ。
古神竜アレキサンダーがドラゴニアンに変化したクイン、大地母神マイラールが人間の神官戦士に扮したハンマ、時の女神クロノメイズが姿を変えた神官戦士ドーベンの三名だ。
メイズリントでは冒険者の歴史が長く学ぶべき事が多かった為、指導役の先輩冒険者を雇ったが、カラヴィスタワーにおいては誰もかれもが新人である為に彼らだけで行動している。
ベルン男爵領にて巨大すぎる悩みの種となったカラヴィスタワーだが、ベルン男爵領の人々は不屈ともったいないの精神をもって領地経営の糧とするべく、観光資源としての利用が本格的に始まっていた。
一定距離を離れると見えなくなるカラヴィスタワーの周囲を囲む大神ケイオスとマイラールの防壁の入り口に、ベルン男爵領直営の管理施設とそれに付随される各種の施設が建てられている。
公営の施設以外にも大邪神の名を冠する異形の迷宮が、かつてない危険と魅力を兼ね備えた最高に最低の開拓地であると判断した人々が集い、宿屋や酒場、飲食店から鍛冶工房、病院に神殿や教会に到るまでが軒を並べている。
塔それ自体を見物に来る観光客用の宿泊施設も多いが、塔の内部から採取される希少な貴金属や動植物、あるいはまったく未知の物質を手にすべく多くの商人や研究機関の人間達も居を構える者が増え、既に小さな町として機能していた。
古来、利益を得られる迷宮は冒険者と呼ばれる人々や所有権を主張する国家の軍などによって、踏破され、搾取されるものだが、このカラヴィスタワーにおいてはベルン男爵領が所有権を強く主張している。
元々、アークレスト王国では冒険者ギルドの力が強くなく、冒険者に対して戦闘能力を持った自由労働者として認識されている事もあり、カラヴィスタワーへの入場や内部で得たものの取り扱いなどもまずベルン男爵領を介するものと決められている。
メイズリントのようにカラヴィスタワーを中核とした都市が確立し、自治権を獲得するようになればまた話は別かもしれないが、現状ではベルン男爵領の意向が何よりの力を持っている。
ベルン男爵領の次に力を持っているのが、ケイオスを崇めるケイオス教団とマイラールを崇めるマイラール教団だ。
双方とも世俗の権力闘争や富とは距離を置いているものの、信奉する神々が目に見える形で起こした奇跡が存在している為、これに対して強く反応するのは当然であった。
ベルン男爵領はカラヴィスタワーへ入場する際には、個人情報の登録と入場料の支払い、そしてとあるアクセサリ『アリアドネ』の着用を義務付けている。
指輪や腕輪、耳飾りに額飾り、首飾りと様々な形のアクセサリは、カラヴィスタワー内部で生命の危機に瀕すると、自動である程度傷を癒しつつ着用者の身柄をタワーの入り口にある病院内部の緊急施術室まで転移させる機能を持つ安全装置だ。
入場の際に支給されるこれは、カラヴィスタワーを後にする際には返却が義務付けられており、これに違反した場合には本人のみならず冒険者ギルドや何かしらの組織に所属している場合には組織にも罰則が適用され、厳重な取り扱いを求めている。
安全装置としての機能はカラヴィスタワー内部でのみ機能するように設定されているから、外に持ち出した時点で機能不全の魔道具に成り下がる。
それでも着用者の生命を守りつつ、特定の場所に自動転移させる術式とそれに必要な魔力の充填機構は持ち出しを考えるには十分で、いずれ違反者が出るだろうとベルン側は予測している。
ベルン側が技術と所有権を独占している事もあり、冒険者ギルドとそれに所属する冒険者や商人の一部からは煙たがられているのが偽らざる実情だ。
とはいえ、だ。このカラヴィスタワーが内部に計り知れない富と財宝、そしてそれに付随する名誉が眠っているのは紛れもない事実だ。
例えベルン男爵領に実権のほとんどを握られていようとも構わないという者やそこまで考える程の立場を持たない新人は、意気揚々とカラヴィスタワーに挑み、日々の成果に一喜一憂する毎日を送っている。
ベルン男爵領側ではカラヴィスタワーに挑む者達を一般の冒険者とは区別して登録・管理しており、実績によって階級を付与しており、この階級に応じてカラヴィスタワー探索とは別に発生する特別な依頼を出している。
そしてこれらの人々を『探索者』と呼び、カラヴィスタワー探索の始まったばかりの現状では、誰もかれもが新人探索者でしかなかった。
実力はてんでバラバラな新人探索者達の頼りになる味方は、正規の手順を踏めば必ず支給されるアリアドネと第一階層の絶対安全圏であるドラグサキュバスの街インラエンだ。
ベルン男爵領と極めて良好な関係を築くこのドラグサキュバスは、古神竜ドラゴンを崇め、ドラゴンの友であるマイラールやケイオスといった神々に対しても多大なる敬意を払っており、人間に対しても同じように友好的だ。
通常、サキュバスといえば個人単位ではともかく、種族単位で考えると捕食者と捕食対象の関係である為に、敵対関係にある。
その種族単位での例外であるドラグサキュバスは、極めて強力な種であり、彼女らの協力を得られた事は、カラヴィスタワー探索に於いて非常に心強い存在だ。
カラヴィスタワーの入り口からインラエンまでの道のりは、馬車が横に六台並んで走れる広さの街道で繋がれており、途中途中に体を休める為の無人の小屋や長椅子が置かれているのに加え、タワー内部の敵性存在が近寄らないように遠ざける結界が展開されている。
魔物に襲われても命からがら街道まで逃げ込めれば何とか助かる、と探索者達がタワー入り前に必ず受講させられる講座にて叩き込まれている程だ。
インラエンにはドラグサキュバスの他に彼女らの作りだした魔法生物が住人として生活しており、探索者達は彼女らの経営している宿屋や鍛冶工房を利用し、またベルン男爵領直営のタワー管理所インラエン支部が設けられている。
タワー入口の管理所本部以外にもこの支部で男爵領が仲介した民間からの依頼を受けられるし、またタワー内部で採取した探索物を金銭と交換も出来る。
現在、カラヴィスタワーは第二階層まで探索者達の足が届いているが、第二層は第一層から上がる巨大な螺旋階段のごく近辺のみ、第一層もインラエンを中心とした数日で辿りつける範囲に限られている。
第一層にしても未踏破の地域が広がっており、第二層より上層にある他のドラグサキュバスの都市には、誰もたどり着いていないという現状である。
ベルン男爵領側としてはまず第一層の探索と開拓を重視する方針を打ち出しており、第二層以上へは実力と実績を兼ね備えた精鋭の数が揃ってからの探索を考えている。
その為、インラエンに居を構えて第一層の探索に腰を据えている者が探索者のほとんどを占めており、今日も探索者のひよこが輝かしい未来を得るべく必死に努力していた。
ひよこ探索者達の中で、探索者歴こそ五十歩百歩だが、戦闘能力という点においては他の追随を許さないパーティーこそがドライセン達五名だ。
アークレスト王国や近隣諸国では名前の知られていなかったドライセンらは、南の海を渡って来た渡来の冒険者達という決して嘘ではない素性を表向きには伝えている。
探索者達の中で一目も二目も置かれるドライセン達も、インラエンに拠点を置いて長期探索を行っており、インラエン支部にはちょくちょく顔を見せている。
管理所インラエン支部はインラエンの中でもひと際巨大な十階建ての建物だ。探索者の為の訓練所や治療施設、資料施設、酒場など探索者向けの施設がいくつも併設されている。
インラエン支部の運営に関しては、ドラグサキュバス達の裁量に任せており、経理から営業、受付嬢に到るまで妖艶なるドラグサキュバス達が務めている。
彼女らの生み出した魔法生物でも十分にこなせる仕事だが、外部の人間との接触をドラグサキュバス達が求めている事もあり、対人業務は全てドラグサキュバス達が率先して行っているのだ。
肌の露出のない白と灰という地味な配色の制服に身を包むドラグサキュバス達は、異種族との共存の為に魅了の力を封じているが、それでも全員が個性の異なる圧倒的な美女だ。
その為に、支部に集まった探索者達は、年齢や種族、性別の区別なくほとんどが大なり小なり頬を染めて見惚れている有様だ。
魅了に対する耐性を備える魔法具や特殊な技術を習得していても、それらがドラグサキュバスを前に機能する事は滅多にない。
それらは外部からの能動的な干渉に対して反応するものだが、ドラグサキュバスの場合は単純に彼女ら自身が途方もなく美しく、ごく自然体で淫らであるから心を奪われるのだ。
ドラグサキュバスに見惚れるのは、雄大な自然や傑出した芸術品を目の当たりにした時に感動して心が震えるのと同じ現象なのである。
故にドラグサキュバスを前にして平静を保つには、本人の精神や理性が鋼鉄の強靭さを備えていなければならないのだ。
支部に併設されている酒場では、冒険者達が給仕をしているドラグサキュバス達にいちいち見惚れては口から酒を零しそうになったり、見当外れの場所をフォークで突いたりしている。
そんな探索者達の中には使い込んだ武器や佇まいからして歴戦の猛者もいるが、そのほとんどがドラグサキュバスを前にしてだらしない顔ばかり。
からんからん、と支部の入り口に設けられた鈴が軽やかな音を立てて開かれ、そこから顔を見せた一団の姿に、それまでだらしない顔をしていた探索者の全員に大なり小なりの緊張が走る。
冒険者や傭兵として著名な者も含まれる探索者達の中にあって、最強の一角として知られる白いドラゴニアンを筆頭とするパーティーが、相変わらず傷一つない姿で帰還したのだ。
なぜか、子犬のような印象を受ける、薄い茶髪の少年を連れて。
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