4 / 41
4話
しおりを挟む
おじさんと街道を進むと、遠くに壁が見えてくる。
道中は世間話なんかをしてくれて、この世界のことも少しはわかってきた気がする。
「ここが、俺たちの住む都『アールフォート』ってぇところだ」
おじさんが案内をしてくれたのは、この辺りでも比較的大きな街だそうだ。
外周をぐるりと高い壁で囲われており、入り口には何人もの行列ができている。
そうなると不安になってしまうのが現実での知識。
たいていこういうのは、街に入る前に必要なものがあるのだ。
「お、おじさん……通行料とか身分証明とかって……必要だよね?」
せっかく新しい世界なのだし、これからはなんとなく子供になりきって生きてみることに決めた。
こんな姿でおっさんくさい行動ばかりとっても、周りから浮いてしまうだけだろうし。
「あ、あぁどちらも必要なものだよ。それにしても、まだ子供なのに結構詳しいじゃないか。
おじさんにも同じくらいの孫がいるが、毎日遊んでばかりだ」
やはりお金が必要なのか……
しかも身分証など、僕が持っているはずもない。
「おいっ、そこの馬車!
早く列に並べ、あちこちで好き勝手されると面倒なんだ!」
一人の兵が僕たちの方に向かって怒鳴りちらしている。
まぁ、確かに門の周囲で騒がれたら治安にも問題が生じるだろう。
そう考えたら、別に怒りなど全く湧いてこなかった。
【スノウはスキル:忍耐1を習得】
【スノウはスキル:適応1を習得】
【1】とあるのは、きっと誰でも簡単に習得できるレベルのものなのだろう。
そうでなければ、こんなにもサクサクとスキルを習得できるはずがない。
それにしてもスキルの効果もわからないし、一体何を目的としたゲームなのだろうか?
「おうっ、次のやつ、門の前まで進め!」
厳つい兵士は、僕とおじさんを呼びつける。
馬を兵士に預け、荷馬車の確認を済ませると、次は身分証を持っていない僕のことである。
「子供だろうが身分証は発行されているはずだが?
まさか人さらいをしてきたわけじゃねぇだろうな?」
僕のことでおじさんが問い詰められてしまう。
平原に一人で立っていたのだと説明するおじさんだが、兵士はまったく信じようとはしなかった。
それどころか、積み荷にまで難癖をつけ始め、持っていた鏡なんかは『どこかの貴族を殺して奪ったのか?』なんてひどい言いようだった。
「お、おじさんは何も悪くないですっ!
平原にいた僕を助けてくれたのに、どうしておじさんがひどい目に遭わなきゃいけないんですか!」
いつぐらいぶりだろうか?
心の底から兵士を憎いと感じ、僕は大声でくってかかってしまった。
「あぁ? うるせぇんだよガキが!
おいっ、じじいを連れていけっ! ガキもだ、詰所できっちりとものを教えてやる」
おじさんは抵抗することなく、僕のせいでどこかへと連れていかれてしまった。
僕もまた石で囲まれた部屋に押し込められ、壁の向こうからは兵たちの声が聞こえてくる。
「しっかし、今日はまた一段と機嫌が悪そうだったよなバーン隊長……」
「おかげで俺たちも良い思いをしているんだ。
あんまり下手なことは言わんほうがいいぜ、誰が聞いてるか分からねぇからよ」
「そりゃそうだ……今回も旨そうなもんたんまり積んでたしな。
おとなしく夜を楽しみにしておくぜ」
子供だから縛る必要までは感じなかったのだろう。
部屋に閉じ込められてから僕は、兵たちの話声を必死で聞いていた。
何か脱出の役に立つ情報が、何かおじさんを助けるのに役立つ情報がないか……と。
「おうっ、大人しく待っていたようだな」
門は夕方になると規則で閉じられることになっているそうだ。
その後出入りが可能なのは、冒険者のプレートを持った者か、貴族くらいのものらしい。
兵たちが『今日は外に行った冒険者が少ないから楽だ』なんて話をしているところから推察した、僕の想像なのだけど。
「さて、まずは名前を聞かせてもらおうか」
バーン隊長と呼ばれていた男は、僕のいた部屋に入るなり威圧的に話しかけてきた。
「じん……じゃなかった、えっと……スノウ、です」
つい本名を喋ってしまう。
仕方がないじゃないか、緊張してうまく考えがまとまらないのだから。
「ふんっ、聞いたことの無い名だな。
出はどこだ、自分の住む土地の名くらいは言えるだろう」
え? 生まれ……というか、スタート地点はあの平原なのだけど。
それとも自分の住所を言えってことなのかな?
さすがに始めたばかりのゲームで、こんなにも不親切なわけがない、きっとこうやって情報を埋めていくチュートリアルってことなのだろう。
……そんなわけないよね。
だって、ついさっき数時間は待たされていたのだし。
そりゃあ壁に耳を当てて必死に情報を集めようとしたおかげで退屈ではなかったけれど。
「生まれ……はよくわかりません。
気付いたらあの平原に一人でいました」
ゲームとはいえ、さすがに自分の住所を明かすのは怖い。
仕方なく異世界ものによくあるテンプレみたいな回答をしてみたのだけど。
「は? なめるなよクソガキ……
だったらてめぇの親の名はなんだ?
それも言えねぇってのか?」
バーン隊長の口調がさらに激しくなる。
怖い怖い怖い怖い……
きっとこれも黙っていたら、今度は殴られるのかもしれない。
「え、えっと……ごめんなさい、本当にわからないんです……」
いい歳こいて目に涙が浮かんできた。
なぜゲームでこんなにも嫌な気分にさせられるのだろう。
もうこんなゲームやめてやろう……そんな風に思ってしまった。
「ちっ、マジで知らねぇのかよ……
じゃあもういい、面倒くせぇが貴様を鑑定してやろう。
ったく……手続きが面倒くさいんだぞアレは……」
一人でぶつぶつと呟きながら退室するバーン隊長。
しばらくして、一人の女性を連れてくると、バーン隊長は閉めた扉の横に寄りかかる。
「こんな小さな子を調べるのですか?
そんなことまでせずとも、教会に引き渡せばよろしいのでは……」
「ちっ……本当に何も話さねぇんだよ。
名前すら嘘なんじゃねぇかって思っちまうぜ全く……」
『さっさとお得意の鑑定眼で調べてくれ』と女性に頼むバーン隊長。
どうやらこの若い女性に見つめられると、自分の情報が覗き見られてしまうようだ。
「うーん……ボク、ちょっとだけごめんね」
渋々、といった感じで、僕の目を見つめてくるお姉さん。
歳は17,8くらいだろうか。
そうマジマジと見つめられると正直恥ずかしい。
おかげで視線を顔から胸元にまで下げてしまったのだが、そこにあった柔らかそうなものに気付いて、僕は顔を一気に背けていた。
「聞かなくてもわかると思うけれど、この子の名前はスノウで合っているわ。
それに、偽証のスキルも持っていないような少年の言葉がどうして嘘じゃないかと思えるのかしら?」
あ、あぁなるほど。
どうやって僕のことを調べるのかと考えていたのだが、所持しているスキルで総合的に判断するだけなのか。
「はぁ? じゃあなんだ、このガキは本当に気付いたらモンスターのいる平原に一人でいて、たまたま通りかかったあの行商人に助けられたってことなのかよ?」
結果を聞いてもバーン隊長は納得しようとしない。
だが、どう考えても僕が嘘をついていない以上、罪に問うことは無理なようだ。
それどころか、行商人のおじさんの無罪まで証明することになってしまい、バーン隊長は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。
「ちっ……明日の朝には解放してやるよ!」
「ちゃんと荷物も返してあげなさいよっ」
その後、身寄りのない僕にお姉さんは『家においで』と言ってきた。
どうしてそうなるのかと聞いてみたのだが、どうやら僕のスキルがあまりに弱いかららしい。
ちゃんと生活をしていれば人並みにスキルは習得するはずなのに、それなのに全くと言ってよいほどに何も持っていないのだ。
ま、まぁ……プレイし始めたばかりだからな。
どうしていいものか分からずに、とにかく僕はお姉さんに従うほかないのであった。
道中は世間話なんかをしてくれて、この世界のことも少しはわかってきた気がする。
「ここが、俺たちの住む都『アールフォート』ってぇところだ」
おじさんが案内をしてくれたのは、この辺りでも比較的大きな街だそうだ。
外周をぐるりと高い壁で囲われており、入り口には何人もの行列ができている。
そうなると不安になってしまうのが現実での知識。
たいていこういうのは、街に入る前に必要なものがあるのだ。
「お、おじさん……通行料とか身分証明とかって……必要だよね?」
せっかく新しい世界なのだし、これからはなんとなく子供になりきって生きてみることに決めた。
こんな姿でおっさんくさい行動ばかりとっても、周りから浮いてしまうだけだろうし。
「あ、あぁどちらも必要なものだよ。それにしても、まだ子供なのに結構詳しいじゃないか。
おじさんにも同じくらいの孫がいるが、毎日遊んでばかりだ」
やはりお金が必要なのか……
しかも身分証など、僕が持っているはずもない。
「おいっ、そこの馬車!
早く列に並べ、あちこちで好き勝手されると面倒なんだ!」
一人の兵が僕たちの方に向かって怒鳴りちらしている。
まぁ、確かに門の周囲で騒がれたら治安にも問題が生じるだろう。
そう考えたら、別に怒りなど全く湧いてこなかった。
【スノウはスキル:忍耐1を習得】
【スノウはスキル:適応1を習得】
【1】とあるのは、きっと誰でも簡単に習得できるレベルのものなのだろう。
そうでなければ、こんなにもサクサクとスキルを習得できるはずがない。
それにしてもスキルの効果もわからないし、一体何を目的としたゲームなのだろうか?
「おうっ、次のやつ、門の前まで進め!」
厳つい兵士は、僕とおじさんを呼びつける。
馬を兵士に預け、荷馬車の確認を済ませると、次は身分証を持っていない僕のことである。
「子供だろうが身分証は発行されているはずだが?
まさか人さらいをしてきたわけじゃねぇだろうな?」
僕のことでおじさんが問い詰められてしまう。
平原に一人で立っていたのだと説明するおじさんだが、兵士はまったく信じようとはしなかった。
それどころか、積み荷にまで難癖をつけ始め、持っていた鏡なんかは『どこかの貴族を殺して奪ったのか?』なんてひどい言いようだった。
「お、おじさんは何も悪くないですっ!
平原にいた僕を助けてくれたのに、どうしておじさんがひどい目に遭わなきゃいけないんですか!」
いつぐらいぶりだろうか?
心の底から兵士を憎いと感じ、僕は大声でくってかかってしまった。
「あぁ? うるせぇんだよガキが!
おいっ、じじいを連れていけっ! ガキもだ、詰所できっちりとものを教えてやる」
おじさんは抵抗することなく、僕のせいでどこかへと連れていかれてしまった。
僕もまた石で囲まれた部屋に押し込められ、壁の向こうからは兵たちの声が聞こえてくる。
「しっかし、今日はまた一段と機嫌が悪そうだったよなバーン隊長……」
「おかげで俺たちも良い思いをしているんだ。
あんまり下手なことは言わんほうがいいぜ、誰が聞いてるか分からねぇからよ」
「そりゃそうだ……今回も旨そうなもんたんまり積んでたしな。
おとなしく夜を楽しみにしておくぜ」
子供だから縛る必要までは感じなかったのだろう。
部屋に閉じ込められてから僕は、兵たちの話声を必死で聞いていた。
何か脱出の役に立つ情報が、何かおじさんを助けるのに役立つ情報がないか……と。
「おうっ、大人しく待っていたようだな」
門は夕方になると規則で閉じられることになっているそうだ。
その後出入りが可能なのは、冒険者のプレートを持った者か、貴族くらいのものらしい。
兵たちが『今日は外に行った冒険者が少ないから楽だ』なんて話をしているところから推察した、僕の想像なのだけど。
「さて、まずは名前を聞かせてもらおうか」
バーン隊長と呼ばれていた男は、僕のいた部屋に入るなり威圧的に話しかけてきた。
「じん……じゃなかった、えっと……スノウ、です」
つい本名を喋ってしまう。
仕方がないじゃないか、緊張してうまく考えがまとまらないのだから。
「ふんっ、聞いたことの無い名だな。
出はどこだ、自分の住む土地の名くらいは言えるだろう」
え? 生まれ……というか、スタート地点はあの平原なのだけど。
それとも自分の住所を言えってことなのかな?
さすがに始めたばかりのゲームで、こんなにも不親切なわけがない、きっとこうやって情報を埋めていくチュートリアルってことなのだろう。
……そんなわけないよね。
だって、ついさっき数時間は待たされていたのだし。
そりゃあ壁に耳を当てて必死に情報を集めようとしたおかげで退屈ではなかったけれど。
「生まれ……はよくわかりません。
気付いたらあの平原に一人でいました」
ゲームとはいえ、さすがに自分の住所を明かすのは怖い。
仕方なく異世界ものによくあるテンプレみたいな回答をしてみたのだけど。
「は? なめるなよクソガキ……
だったらてめぇの親の名はなんだ?
それも言えねぇってのか?」
バーン隊長の口調がさらに激しくなる。
怖い怖い怖い怖い……
きっとこれも黙っていたら、今度は殴られるのかもしれない。
「え、えっと……ごめんなさい、本当にわからないんです……」
いい歳こいて目に涙が浮かんできた。
なぜゲームでこんなにも嫌な気分にさせられるのだろう。
もうこんなゲームやめてやろう……そんな風に思ってしまった。
「ちっ、マジで知らねぇのかよ……
じゃあもういい、面倒くせぇが貴様を鑑定してやろう。
ったく……手続きが面倒くさいんだぞアレは……」
一人でぶつぶつと呟きながら退室するバーン隊長。
しばらくして、一人の女性を連れてくると、バーン隊長は閉めた扉の横に寄りかかる。
「こんな小さな子を調べるのですか?
そんなことまでせずとも、教会に引き渡せばよろしいのでは……」
「ちっ……本当に何も話さねぇんだよ。
名前すら嘘なんじゃねぇかって思っちまうぜ全く……」
『さっさとお得意の鑑定眼で調べてくれ』と女性に頼むバーン隊長。
どうやらこの若い女性に見つめられると、自分の情報が覗き見られてしまうようだ。
「うーん……ボク、ちょっとだけごめんね」
渋々、といった感じで、僕の目を見つめてくるお姉さん。
歳は17,8くらいだろうか。
そうマジマジと見つめられると正直恥ずかしい。
おかげで視線を顔から胸元にまで下げてしまったのだが、そこにあった柔らかそうなものに気付いて、僕は顔を一気に背けていた。
「聞かなくてもわかると思うけれど、この子の名前はスノウで合っているわ。
それに、偽証のスキルも持っていないような少年の言葉がどうして嘘じゃないかと思えるのかしら?」
あ、あぁなるほど。
どうやって僕のことを調べるのかと考えていたのだが、所持しているスキルで総合的に判断するだけなのか。
「はぁ? じゃあなんだ、このガキは本当に気付いたらモンスターのいる平原に一人でいて、たまたま通りかかったあの行商人に助けられたってことなのかよ?」
結果を聞いてもバーン隊長は納得しようとしない。
だが、どう考えても僕が嘘をついていない以上、罪に問うことは無理なようだ。
それどころか、行商人のおじさんの無罪まで証明することになってしまい、バーン隊長は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。
「ちっ……明日の朝には解放してやるよ!」
「ちゃんと荷物も返してあげなさいよっ」
その後、身寄りのない僕にお姉さんは『家においで』と言ってきた。
どうしてそうなるのかと聞いてみたのだが、どうやら僕のスキルがあまりに弱いかららしい。
ちゃんと生活をしていれば人並みにスキルは習得するはずなのに、それなのに全くと言ってよいほどに何も持っていないのだ。
ま、まぁ……プレイし始めたばかりだからな。
どうしていいものか分からずに、とにかく僕はお姉さんに従うほかないのであった。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので暗殺される前に国を出ます。
なつめ猫
ファンタジー
公爵家令嬢のアリーシャは、我儘で傲慢な妹のアンネに婚約者であるカイル王太子を寝取られ学院卒業パーティの席で婚約破棄されてしまう。
そして失意の内に王都を去ったアリーシャは行方不明になってしまう。
そんなアリーシャをラッセル王国は、総力を挙げて捜索するが何の成果も得られずに頓挫してしまうのであった。
彼女――、アリーシャには王国の重鎮しか知らない才能があった。
それは、世界でも稀な大魔導士と、世界で唯一の聖女としての力が備わっていた事であった。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]
ラララキヲ
ファンタジー
卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。
「さようなら、私が産まれた国。
私を自由にしてくれたお礼に『魅了』が今後この国には効かないようにしてあげるね」
リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる──
◇婚約破棄の“後”の話です。
◇転生チート。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^
◇なので感想欄閉じます(笑)
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
召喚されたけど要らないと言われたので旅に出ます。探さないでください。
udonlevel2
ファンタジー
修学旅行中に異世界召喚された教師、中園アツシと中園の生徒の姫島カナエと他3名の生徒達。
他の三人には国が欲しがる力があったようだが、中園と姫島のスキルは文字化けして読めなかった。
その為、城を追い出されるように金貨一人50枚を渡され外の世界に放り出されてしまう。
教え子であるカナエを守りながら異世界を生き抜かねばならないが、まずは見た目をこの世界の物に替えて二人は慎重に話し合いをし、冒険者を雇うか、奴隷を買うか悩む。
まずはこの世界を知らねばならないとして、奴隷市場に行き、明日殺処分だった虎獣人のシュウと、妹のナノを購入。
シュウとナノを購入した二人は、国を出て別の国へと移動する事となる。
★他サイトにも連載中です(カクヨム・なろう・ピクシブ)
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
【完結】何度時(とき)が戻っても、私を殺し続けた家族へ贈る言葉「みんな死んでください」
リオール
恋愛
「リリア、お前は要らない子だ」
「リリア、可愛いミリスの為に死んでくれ」
「リリア、お前が死んでも誰も悲しまないさ」
リリア
リリア
リリア
何度も名前を呼ばれた。
何度呼ばれても、けして目が合うことは無かった。
何度話しかけられても、彼らが見つめる視線の先はただ一人。
血の繋がらない、義理の妹ミリス。
父も母も兄も弟も。
誰も彼もが彼女を愛した。
実の娘である、妹である私ではなく。
真っ赤な他人のミリスを。
そして私は彼女の身代わりに死ぬのだ。
何度も何度も何度だって。苦しめられて殺されて。
そして、何度死んでも過去に戻る。繰り返される苦しみ、死の恐怖。私はけしてそこから逃れられない。
だけど、もういい、と思うの。
どうせ繰り返すならば、同じように生きなくて良いと思うの。
どうして貴方達だけ好き勝手生きてるの? どうして幸せになることが許されるの?
そんなこと、許さない。私が許さない。
もう何度目か数える事もしなかった時間の戻りを経て──私はようやく家族に告げる事が出来た。
最初で最後の贈り物。私から贈る、大切な言葉。
「お父様、お母様、兄弟にミリス」
みんなみんな
「死んでください」
どうぞ受け取ってくださいませ。
※ダークシリアス基本に途中明るかったりもします
※他サイトにも掲載してます
義理の妹が妊娠し私の婚約は破棄されました。
五月ふう
恋愛
「お兄ちゃんの子供を妊娠しちゃったんだ。」義理の妹ウルノは、そう言ってにっこり笑った。それが私とザックが結婚してから、ほんとの一ヶ月後のことだった。「だから、お義姉さんには、いなくなって欲しいんだ。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる