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第1章 異世界
26話 キングとクイーンと③
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できるかぎり…力を。
そうやってエンチャントされた矢は赤から青になっていた。
もともと魔法に長けた職業ではないせいか、たった1回で全ての魔力をもっていかれたのだけれど、射ち放って確信する。その矢はしっかり強化されていた。
そうだな、この戦いが済んだのなら誰かに作って貰えばいいか…。
もしくは魔力回復(エーテル)ポーションを使い続け…。
「いやいや…とにかく今は集中しないとな」
まだ二階に登ったところだ、一番奥にいるのならおそらく三階だろう。
外から見たかぎり、それ以上の階数はないと思うのだが、それでも何体いるかわからないオークは脅威であった。
遠く正面には次の階段も見えていた。ただ、二階のどこかにいないとも限らないので小部屋も確認していく必要がある。
「ちっ、こんな部屋でキングに出くわしたらどうやって逃げんだよ…」
休めそうな小部屋はいくつかあるのだが、そんな余裕は無い。
見つからない王女と、迫る時間にだんだんと焦りと苛々が募っていったのだ。
これで5つ目の霊薬か…。
二階にはそれほど多くの魔物はいなかったようで、ほとんどが爆発の音に寄せられて通路や下の階まで降りてきていたようだった。
一つ一つ慎重に確認を終え、わずかばかり残っていたオークを青い矢で消し去ると、三階への階段へ足をかける。
ここも二階同様に、オークたちは下の階まで降りてきていたようである。
見張りかと思える程度に、2体のオークを残しているだけだった。
きっと奴らなりの戦い方なのだろう。
何も知らない冒険者ならば最初の1匹との戦闘に無策で突っ込み、戦闘をしている間にどんどん上の階から新たなオークがやってくる。
もちろんそんな冒険者はあの街には存在しないのだろうが、静かに倒すというのも難しいだろう…。一度に複数のオークを相手にしなくてはいけないのだから非常に難易度が高そうだ
一番奥、ここは司令室のようなものなのだろうか?
俺はわずかに開けた隙間から室内を覗いていた。そこには大きなテーブル、椅子や鎧がありそれらが散乱している。
壁には大きな地図が貼ってあり、それもところどころ破れてしまっている
部屋の片隅、ひとつ置かれた大きな棚、そこに赤い光があるのがわかった。
小さな小さな虫カゴに入れられて。
「アレ…が王女様か」
ポツリと呟いただけなのだ、が。
急に強い殺気が感じられる!
気付いた時にはドアの向こうに大きなハンマーを振りかぶる魔物の姿がいた!
「しまっ…!」
『ドッゴーーーォォォンンン!!』
構える間もないまま、俺は通路を10m以上吹き飛ばされる。
「グォォォォッッ!!!」
魔物の咆哮が砦に響く。
「…いってぇぇ!!」
ドアに寄りかかっていた右腕に激しい痛みが襲う。
それでも幸いと言うべきだろうか、ドア越しの攻撃だったため吹き飛ばされただけで、それ以外はそこまでのダメージではないのだから。
すぐさま俺はヒールポーションを使う。
かなり痛みは治まったのだが、後で考えたらここで帰還の鈴を使うべきだったのかもしれない。
しかも最悪なことに霊薬の効果も切れるのだ。今から攻撃をしようというのに。
ふっと顔を上げ、魔物に目をやる。
魔物はゆっくり迫っている。使用をするならばこの数秒は命取りになるかもしれない。
大きなハンマー、巨大な牙、全身が非常に硬そうな毛で覆われていて、胸や下半身は防具も着けている…。
それに、鋭い目と顔にある大きな傷痕が目に焼きついた…。
その魔物、オークキングは、ハンマーを引きずりながらゆっくりとこちらに歩いていた。
「…余裕ってやつか…」
俺は悔しい気持ちと、そして、奴の完全に格下を相手にするような態度に怒りの感情をあらわにする。
そしてすぐに青い矢を取り出しオークキングに向けていた。
距離わずかに10m、このまま射てば自分もダメージをくらう。
だが、今後ろを向いて逃げればすぐに襲いかかられるだろう。
「くらえぇ!」
青い矢を…放った!
「グォォ!!…グォォォォ!!」
10mの距離、青い矢はコンマ2秒にも満たない速さでオークキングの腹に突き立てられ、爆破しその後数秒にわたって青く燃え盛る。
当然そんな近距離にいる俺は、爆風で吹き飛ばされさらに10m向こう。
階段横の壁にまで飛ばされ身体を打ち付けるのだった。
わざとだった。
そうでもしなければ距離を取れない。しかも一時的にとはいえ、ここからなら連射も可能だ。
スライムで一回経験しているのだからこそできた荒技であったのだ。
「余裕ぶっこいてくれてて助かったぜ…」
すぐに前を向き連射!爆風がここまで届かない訳ではないが、それほどでもない。
壁を背にして安定もする。
3射目、という時、煙の中から青い炎の塊が猛スピードで迫ってきた。
「ちっ、そう簡単にはいかないか!」
階段下へと一気に飛び降りる。
うまく着地し下り階段の方へ走り続け、走りながら霊薬を。そしてもう一つヒールポーションを使って回復を図る。
ちょうど奴も降りて来たようだ。
次の下り階段まで来たらオークキングめがけて1射、そして逃げる!
卑怯だと言われようが構わない!
一階部分は食堂やトイレもあって若干入り組んだ作りになっているが、焦らずに外まで…。
階段から奴が見えた、壁に隠れて1射!
「まだ倒せねぇのか!」
…焦る、焦りまくる。あとどれだけ射てばいいのかわからなかったのだから。
広い部屋に出た、食堂だ。
大きなテーブルがあり椅子があり、それらが非常に迷惑な障害物となっている。
だがそんなことよりも問題があるのだ…。
「どれだ…たしか入って右奥に進んだはずだ…」
通路が複数に分かれているのだ。入り口から入り、ここ一階では全ての通路を確認して回っている。
厨房、トイレ、訓練所、武器庫、書庫…。
全てがこの部屋と直通なわけではないが、だからこそ記憶が曖昧で悩んでしまう。
迷っている時間は無い、一つの通路に決め走る。
「違ったら…あぁ、帰還の鈴か…」
久しく忘れていた鈴の存在にも思い出し『最悪でも死ぬことはないか』と胸をなで下ろす。
後ろを気にしながら走っていると、まだ向かってくるオークキングの姿が見えるのでもう一発射ちこんでやった。
「グォォォォ!!」
再び前を向くと、入ってきた入り口が確認できた!
「よしっ、道は間違ってねぇ!」
後ろも確認する、だがオークキングは倒せていないっ。
どうしてなのだろうか…。
砦に入ってくる時に見ていたはずなのに…。
【後悔】は、してからでは遅いのだ。
入り口まであとわずか、という時に瓦礫に足を取られてしまったのだった。
「うわっ!?」『ガラガラッ』
俺は外へ出ると同時にひっくり返ってしまった。
振り向いて確認をしたせいで足元が疎かになっていたこともある。
はたまた赤い矢で打ちまくっていたせいで瓦礫が多くころがっていたからか。
そんなことはもはやどうでもよく、顔を上げた俺の目に映ったのは…。
振り上げたハンマーを、まさに振り下ろそうとするオークキングだった。
「…帰還の鈴っ!くっ間に合わないっ!」
そうやってエンチャントされた矢は赤から青になっていた。
もともと魔法に長けた職業ではないせいか、たった1回で全ての魔力をもっていかれたのだけれど、射ち放って確信する。その矢はしっかり強化されていた。
そうだな、この戦いが済んだのなら誰かに作って貰えばいいか…。
もしくは魔力回復(エーテル)ポーションを使い続け…。
「いやいや…とにかく今は集中しないとな」
まだ二階に登ったところだ、一番奥にいるのならおそらく三階だろう。
外から見たかぎり、それ以上の階数はないと思うのだが、それでも何体いるかわからないオークは脅威であった。
遠く正面には次の階段も見えていた。ただ、二階のどこかにいないとも限らないので小部屋も確認していく必要がある。
「ちっ、こんな部屋でキングに出くわしたらどうやって逃げんだよ…」
休めそうな小部屋はいくつかあるのだが、そんな余裕は無い。
見つからない王女と、迫る時間にだんだんと焦りと苛々が募っていったのだ。
これで5つ目の霊薬か…。
二階にはそれほど多くの魔物はいなかったようで、ほとんどが爆発の音に寄せられて通路や下の階まで降りてきていたようだった。
一つ一つ慎重に確認を終え、わずかばかり残っていたオークを青い矢で消し去ると、三階への階段へ足をかける。
ここも二階同様に、オークたちは下の階まで降りてきていたようである。
見張りかと思える程度に、2体のオークを残しているだけだった。
きっと奴らなりの戦い方なのだろう。
何も知らない冒険者ならば最初の1匹との戦闘に無策で突っ込み、戦闘をしている間にどんどん上の階から新たなオークがやってくる。
もちろんそんな冒険者はあの街には存在しないのだろうが、静かに倒すというのも難しいだろう…。一度に複数のオークを相手にしなくてはいけないのだから非常に難易度が高そうだ
一番奥、ここは司令室のようなものなのだろうか?
俺はわずかに開けた隙間から室内を覗いていた。そこには大きなテーブル、椅子や鎧がありそれらが散乱している。
壁には大きな地図が貼ってあり、それもところどころ破れてしまっている
部屋の片隅、ひとつ置かれた大きな棚、そこに赤い光があるのがわかった。
小さな小さな虫カゴに入れられて。
「アレ…が王女様か」
ポツリと呟いただけなのだ、が。
急に強い殺気が感じられる!
気付いた時にはドアの向こうに大きなハンマーを振りかぶる魔物の姿がいた!
「しまっ…!」
『ドッゴーーーォォォンンン!!』
構える間もないまま、俺は通路を10m以上吹き飛ばされる。
「グォォォォッッ!!!」
魔物の咆哮が砦に響く。
「…いってぇぇ!!」
ドアに寄りかかっていた右腕に激しい痛みが襲う。
それでも幸いと言うべきだろうか、ドア越しの攻撃だったため吹き飛ばされただけで、それ以外はそこまでのダメージではないのだから。
すぐさま俺はヒールポーションを使う。
かなり痛みは治まったのだが、後で考えたらここで帰還の鈴を使うべきだったのかもしれない。
しかも最悪なことに霊薬の効果も切れるのだ。今から攻撃をしようというのに。
ふっと顔を上げ、魔物に目をやる。
魔物はゆっくり迫っている。使用をするならばこの数秒は命取りになるかもしれない。
大きなハンマー、巨大な牙、全身が非常に硬そうな毛で覆われていて、胸や下半身は防具も着けている…。
それに、鋭い目と顔にある大きな傷痕が目に焼きついた…。
その魔物、オークキングは、ハンマーを引きずりながらゆっくりとこちらに歩いていた。
「…余裕ってやつか…」
俺は悔しい気持ちと、そして、奴の完全に格下を相手にするような態度に怒りの感情をあらわにする。
そしてすぐに青い矢を取り出しオークキングに向けていた。
距離わずかに10m、このまま射てば自分もダメージをくらう。
だが、今後ろを向いて逃げればすぐに襲いかかられるだろう。
「くらえぇ!」
青い矢を…放った!
「グォォ!!…グォォォォ!!」
10mの距離、青い矢はコンマ2秒にも満たない速さでオークキングの腹に突き立てられ、爆破しその後数秒にわたって青く燃え盛る。
当然そんな近距離にいる俺は、爆風で吹き飛ばされさらに10m向こう。
階段横の壁にまで飛ばされ身体を打ち付けるのだった。
わざとだった。
そうでもしなければ距離を取れない。しかも一時的にとはいえ、ここからなら連射も可能だ。
スライムで一回経験しているのだからこそできた荒技であったのだ。
「余裕ぶっこいてくれてて助かったぜ…」
すぐに前を向き連射!爆風がここまで届かない訳ではないが、それほどでもない。
壁を背にして安定もする。
3射目、という時、煙の中から青い炎の塊が猛スピードで迫ってきた。
「ちっ、そう簡単にはいかないか!」
階段下へと一気に飛び降りる。
うまく着地し下り階段の方へ走り続け、走りながら霊薬を。そしてもう一つヒールポーションを使って回復を図る。
ちょうど奴も降りて来たようだ。
次の下り階段まで来たらオークキングめがけて1射、そして逃げる!
卑怯だと言われようが構わない!
一階部分は食堂やトイレもあって若干入り組んだ作りになっているが、焦らずに外まで…。
階段から奴が見えた、壁に隠れて1射!
「まだ倒せねぇのか!」
…焦る、焦りまくる。あとどれだけ射てばいいのかわからなかったのだから。
広い部屋に出た、食堂だ。
大きなテーブルがあり椅子があり、それらが非常に迷惑な障害物となっている。
だがそんなことよりも問題があるのだ…。
「どれだ…たしか入って右奥に進んだはずだ…」
通路が複数に分かれているのだ。入り口から入り、ここ一階では全ての通路を確認して回っている。
厨房、トイレ、訓練所、武器庫、書庫…。
全てがこの部屋と直通なわけではないが、だからこそ記憶が曖昧で悩んでしまう。
迷っている時間は無い、一つの通路に決め走る。
「違ったら…あぁ、帰還の鈴か…」
久しく忘れていた鈴の存在にも思い出し『最悪でも死ぬことはないか』と胸をなで下ろす。
後ろを気にしながら走っていると、まだ向かってくるオークキングの姿が見えるのでもう一発射ちこんでやった。
「グォォォォ!!」
再び前を向くと、入ってきた入り口が確認できた!
「よしっ、道は間違ってねぇ!」
後ろも確認する、だがオークキングは倒せていないっ。
どうしてなのだろうか…。
砦に入ってくる時に見ていたはずなのに…。
【後悔】は、してからでは遅いのだ。
入り口まであとわずか、という時に瓦礫に足を取られてしまったのだった。
「うわっ!?」『ガラガラッ』
俺は外へ出ると同時にひっくり返ってしまった。
振り向いて確認をしたせいで足元が疎かになっていたこともある。
はたまた赤い矢で打ちまくっていたせいで瓦礫が多くころがっていたからか。
そんなことはもはやどうでもよく、顔を上げた俺の目に映ったのは…。
振り上げたハンマーを、まさに振り下ろそうとするオークキングだった。
「…帰還の鈴っ!くっ間に合わないっ!」
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