60 / 132
58話 口止め料ですな
しおりを挟む
「あら? エド、これ見てくれませんか」
「トラブルか? どうしたんだ?」
事務用の魔道具で書類仕事をしていたリリーが俺に声をかけた。
これはちょっと珍しい。
事務関係では彼女のほうが俺よりも能力があるため、リリーが俺を頼ることなどはまずないのだ。
俺が「どれ」と覗き込むと、DPの収支表だ。
だが、数字が明らかにおかしい。
「なんだこれ? 桁がおかしいな」
「この日、40号ダンジョンから27000DPも入ってるんです。間違いなく調査の件だとは思うのですが……」
日付を見ると、たしかにカレー勝負の2日後だ。
おそらく、これがエルフ社長の言っていた『報酬』なのだろう。
しかし、公社ではなく40号ダンジョンからなのは腑に落ちない。
額の多さも引っかかるところだ。
「いいんじゃねえか? もらっとけばよ」
「いやいや、何かの手違いの可能性もあるからな。リリー、メールで問い合わせてくれるか?」
豪快なゴルンは気にもならないようだが、何か不具合の可能性もある。
確認は必要だろう。
リリーが「はい、経理ではなく社長室に問い合わせます」と事務用魔道具のメーラーを開いた。
先日の調査は社長からの依頼だったし、これでいいだろう。
ほどなくすると社長から連絡があり、昼過ぎにこちらに来るそうだ。
「昼飯食いに来るんじゃねえのか?」
「ははっ、それならそれでいいけどな」
よほどゴルンはカレー勝負が印象的だったらしく、社長=飯の人のイメージらしい。
エルフ社長が凄腕だと伝えてはいるのだが、目撃している俺とは認識にズレがあるのは仕方ないだろう。
「あはっ、社長さん来るならお菓子作ります」
「えっ、お菓子っすか!?」
アンが嬉しそうに笑うと、床下でシステム周りをチェックしていたタックがひょっこり顔を出した。
この姿には皆が笑ってしまう。
「なんかひどいっす! なんで笑うっすか!?」
タックも口では文句を言ってるが、自分の言動に思い当たるところもあるのだろう。
自分の発言で「あはは」と笑っている。
「お昼ご飯は社長さんが来ても大丈夫なのがいいですか?」
「なら丼ものがいいっす! アタシももう少ししたら手伝うっす!」
アンとタックは社長に来てほしいらしい。
よほどカレー勝負が楽しかったのだろう。
でも、さすがに昼時に来るなら連絡あると思うぞ。
◆
そして、午後の早い時間。
「いや、突然おじゃましてすいません。あまり記録に残したくなかったものですから」
来て早々、エルフ社長がきわどい冗談を口にする。
ここには国家元首の妹がいるので、不正をほのめかすような発言は控えてもらいたい。
「それは困りましたね。人に説明できない報酬は受け取れません」
「いやいや、失礼しました。記録に残したくないとは、ダンジョンシステムのエラーだからですね。犯罪ではありませんよ」
エルフ社長は苦笑いをし、俺は「失礼しました」と謝罪した。
システムエラーと聞いてエンジニアのタックは「へえ」と興味津々の様子だ。
「40号ダンジョンのコア交換ができていなかったために、許容量を超えてシステムエラーが起きていたのです」
社長が説明するのは簡単な話だ。
ダンジョンが吸収した生命エネルギーはダンジョンで消費する運営費(DP)と魔王領で消費されるエネルギーへと分割され、後者はコアへ蓄積される。
だが、40号ダンジョンのマスターは引きこもりだったために、容量ギリギリまでため込むクセがあったらしい。
それと今回の件が重なり、生命エネルギーがコアの容量を超えてしまった。
そこでシステムエラーが発生し、コアからあふれ出たエネルギーの大部分を無理やりDPに変換したらしい。
ちなみにDPに変換し、こちらへ送られたものは全体で言えば一部なのだとか。
「事故とはいえ、人間から搾取した生命エネルギーをムダにしてしまっては外聞も悪いですしねえ。直接40号ダンジョンから送られたのは、公社を経由するよりロスが少ないからですね」
エルフ社長は「ちょっと多いのは口止め料ですな」と嘘か本当か判断しづらい冗談を口にした。
「あ、コーヒーのお代わりどうですか? 簡単なものですけどチョコレートムースも作ったんです」
話が一段落と見たか、アンがスッとお菓子を並べた。
プリンみたいに器に入ったお菓子のようだ。
ゴルンの前には塩辛いあられを置くあたり、アンはよく分かっている。
案の定、ゴルンはコーヒーに酒を足しているようだ。
「すごかったっす! マシュマロと牛乳でムースとかやばいっす! 錬金術っす!」
タックが大喜びしているが、たしかにこの菓子はウマい。
なめらかな口当たりと強烈な甘みがガツンと舌から脳を刺激してくるようだ。
「えへ、牛乳とマシュマロを一緒に温めて、泡立て器で混ぜるだけなんです。簡単なんです」
「ほほう、マシュマロから。ちゃんとムースになってますね。アンさんはカレーに胃薬といい手間のかからない工夫が上手いですな」
エルフ社長が褒めると、アンが恥ずかしそうに「嬉しいです」とはにかんだ。
肉親を早くに亡くしたアンは、年上に褒められるのが好きなようだ。
タックと好みの異性の話していたが、アンが『優しくて頼れる年上』と答えていたのは身の上と無関係ではないだろう。
ちなみにタックは『イケメン』らしい。
面食いのようだ。
「話は変わりますが、40号ダンジョンマスターの後任は決まりましたか?」
「そうですね、まだ決まってはいませんが候補は絞られてますよ。今は元ダンジョンマスターだった公社役員が兼務しております」
エルフ社長によると、ダンジョンスタッフの安全確保のために規約が変更されるそうだ。
引き継ぐ後任は公社勤務とダンジョン勤務の経験がある者が候補になっているらしい。
「レタンクールさんも候補に名前がありましたが、私の一存で外しておきました」
たしかにリリーはダンジョンの立ち上げから経験しているし、知識も豊富だ。
公社勤務の経験も十分である。
正しくダンジョンマスターに相応しい経歴なのだ。
リリーも「ご配慮、ありがとうございます」と社長に礼を述べた。
「良かったっすね、エドさん! リリーさんどっかにいなくなったら大変っす!」
「全くだよ。リリーがいなくなったら大変だ」
タックと俺がホッと息をつく。
すると社長が「がんばってください、レタンクールさん」となぜかリリーを激励していた。
「それでは、これで失礼しますね。アンさん、ムースごちそうさまでした」
社長は「3階層も楽しみしにしてますよ」と軽く挨拶をして転移スポットから公社へ戻った。
「さて、このDPは使えそうだから各自、どんなダンジョンがいいか考えといてくれ」
エルフ社長の配慮により使えるDPはなんと3万を超えた。
これを使えば余裕をもって3階層は作れそうだ。
さて、どうするべきだろうか。
「トラブルか? どうしたんだ?」
事務用の魔道具で書類仕事をしていたリリーが俺に声をかけた。
これはちょっと珍しい。
事務関係では彼女のほうが俺よりも能力があるため、リリーが俺を頼ることなどはまずないのだ。
俺が「どれ」と覗き込むと、DPの収支表だ。
だが、数字が明らかにおかしい。
「なんだこれ? 桁がおかしいな」
「この日、40号ダンジョンから27000DPも入ってるんです。間違いなく調査の件だとは思うのですが……」
日付を見ると、たしかにカレー勝負の2日後だ。
おそらく、これがエルフ社長の言っていた『報酬』なのだろう。
しかし、公社ではなく40号ダンジョンからなのは腑に落ちない。
額の多さも引っかかるところだ。
「いいんじゃねえか? もらっとけばよ」
「いやいや、何かの手違いの可能性もあるからな。リリー、メールで問い合わせてくれるか?」
豪快なゴルンは気にもならないようだが、何か不具合の可能性もある。
確認は必要だろう。
リリーが「はい、経理ではなく社長室に問い合わせます」と事務用魔道具のメーラーを開いた。
先日の調査は社長からの依頼だったし、これでいいだろう。
ほどなくすると社長から連絡があり、昼過ぎにこちらに来るそうだ。
「昼飯食いに来るんじゃねえのか?」
「ははっ、それならそれでいいけどな」
よほどゴルンはカレー勝負が印象的だったらしく、社長=飯の人のイメージらしい。
エルフ社長が凄腕だと伝えてはいるのだが、目撃している俺とは認識にズレがあるのは仕方ないだろう。
「あはっ、社長さん来るならお菓子作ります」
「えっ、お菓子っすか!?」
アンが嬉しそうに笑うと、床下でシステム周りをチェックしていたタックがひょっこり顔を出した。
この姿には皆が笑ってしまう。
「なんかひどいっす! なんで笑うっすか!?」
タックも口では文句を言ってるが、自分の言動に思い当たるところもあるのだろう。
自分の発言で「あはは」と笑っている。
「お昼ご飯は社長さんが来ても大丈夫なのがいいですか?」
「なら丼ものがいいっす! アタシももう少ししたら手伝うっす!」
アンとタックは社長に来てほしいらしい。
よほどカレー勝負が楽しかったのだろう。
でも、さすがに昼時に来るなら連絡あると思うぞ。
◆
そして、午後の早い時間。
「いや、突然おじゃましてすいません。あまり記録に残したくなかったものですから」
来て早々、エルフ社長がきわどい冗談を口にする。
ここには国家元首の妹がいるので、不正をほのめかすような発言は控えてもらいたい。
「それは困りましたね。人に説明できない報酬は受け取れません」
「いやいや、失礼しました。記録に残したくないとは、ダンジョンシステムのエラーだからですね。犯罪ではありませんよ」
エルフ社長は苦笑いをし、俺は「失礼しました」と謝罪した。
システムエラーと聞いてエンジニアのタックは「へえ」と興味津々の様子だ。
「40号ダンジョンのコア交換ができていなかったために、許容量を超えてシステムエラーが起きていたのです」
社長が説明するのは簡単な話だ。
ダンジョンが吸収した生命エネルギーはダンジョンで消費する運営費(DP)と魔王領で消費されるエネルギーへと分割され、後者はコアへ蓄積される。
だが、40号ダンジョンのマスターは引きこもりだったために、容量ギリギリまでため込むクセがあったらしい。
それと今回の件が重なり、生命エネルギーがコアの容量を超えてしまった。
そこでシステムエラーが発生し、コアからあふれ出たエネルギーの大部分を無理やりDPに変換したらしい。
ちなみにDPに変換し、こちらへ送られたものは全体で言えば一部なのだとか。
「事故とはいえ、人間から搾取した生命エネルギーをムダにしてしまっては外聞も悪いですしねえ。直接40号ダンジョンから送られたのは、公社を経由するよりロスが少ないからですね」
エルフ社長は「ちょっと多いのは口止め料ですな」と嘘か本当か判断しづらい冗談を口にした。
「あ、コーヒーのお代わりどうですか? 簡単なものですけどチョコレートムースも作ったんです」
話が一段落と見たか、アンがスッとお菓子を並べた。
プリンみたいに器に入ったお菓子のようだ。
ゴルンの前には塩辛いあられを置くあたり、アンはよく分かっている。
案の定、ゴルンはコーヒーに酒を足しているようだ。
「すごかったっす! マシュマロと牛乳でムースとかやばいっす! 錬金術っす!」
タックが大喜びしているが、たしかにこの菓子はウマい。
なめらかな口当たりと強烈な甘みがガツンと舌から脳を刺激してくるようだ。
「えへ、牛乳とマシュマロを一緒に温めて、泡立て器で混ぜるだけなんです。簡単なんです」
「ほほう、マシュマロから。ちゃんとムースになってますね。アンさんはカレーに胃薬といい手間のかからない工夫が上手いですな」
エルフ社長が褒めると、アンが恥ずかしそうに「嬉しいです」とはにかんだ。
肉親を早くに亡くしたアンは、年上に褒められるのが好きなようだ。
タックと好みの異性の話していたが、アンが『優しくて頼れる年上』と答えていたのは身の上と無関係ではないだろう。
ちなみにタックは『イケメン』らしい。
面食いのようだ。
「話は変わりますが、40号ダンジョンマスターの後任は決まりましたか?」
「そうですね、まだ決まってはいませんが候補は絞られてますよ。今は元ダンジョンマスターだった公社役員が兼務しております」
エルフ社長によると、ダンジョンスタッフの安全確保のために規約が変更されるそうだ。
引き継ぐ後任は公社勤務とダンジョン勤務の経験がある者が候補になっているらしい。
「レタンクールさんも候補に名前がありましたが、私の一存で外しておきました」
たしかにリリーはダンジョンの立ち上げから経験しているし、知識も豊富だ。
公社勤務の経験も十分である。
正しくダンジョンマスターに相応しい経歴なのだ。
リリーも「ご配慮、ありがとうございます」と社長に礼を述べた。
「良かったっすね、エドさん! リリーさんどっかにいなくなったら大変っす!」
「全くだよ。リリーがいなくなったら大変だ」
タックと俺がホッと息をつく。
すると社長が「がんばってください、レタンクールさん」となぜかリリーを激励していた。
「それでは、これで失礼しますね。アンさん、ムースごちそうさまでした」
社長は「3階層も楽しみしにしてますよ」と軽く挨拶をして転移スポットから公社へ戻った。
「さて、このDPは使えそうだから各自、どんなダンジョンがいいか考えといてくれ」
エルフ社長の配慮により使えるDPはなんと3万を超えた。
これを使えば余裕をもって3階層は作れそうだ。
さて、どうするべきだろうか。
0
お気に入りに追加
166
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
物理系魔法少女は今日も魔物をステッキでぶん殴る〜会社をクビになった俺、初配信をうっかりライブにしてしまい、有名になったんだが?〜
ネリムZ
ファンタジー
この世界にはいくつものダンジョンが存在する。それは国ごとの資源物資でもあり、災害を引き起こすモノでもあった。
魔物が外に出ないように倒し、素材を持ち帰る職業を探索者と呼ぶ。
探索者にはありきたりなスキル、レベルと言った概念が存在する。
神宮寺星夜は月月火水木金金の勤務をしていた。
働けているなら問題ない、そんな思考になっていたのだが、突然のクビを受けてしまう。
貯金はあるがいずれ尽きる、生きる気力も失われていた星夜は探索者で稼ぐ事に決めた。
受付で名前を登録する時、なぜか自分で入力するはずの名前の欄に既に名前が入力されていた?!
実はその受付穣が⋯⋯。
不思議で懐かしな縁に気づかない星夜はダンジョンへと入り、すぐに異変に気づいた。
声が女の子のようになっていて、手足が細く綺麗であった。
ステータスカードを見て、スキルを確認するとなんと──
魔法少女となれる星夜は配信を初め、慣れない手つきで録画を開始した。
魔物を倒す姿が滑稽で、視聴者にウケて初配信なのにバズってしまう!
だが、本人は録画だと思っているため、それに気づくのは少し先の話である。
これは魔法少女の力を中途半端に手に入れたおっさんがゆったりと殴り、恋したり、嘆いたり、やっぱりゆぅたりする話だ。
動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョンを探索する 配信中にレッドドラゴンを手懐けたら大バズりしました!
海夏世もみじ
ファンタジー
旧題:動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョン配信中にレッドドラゴン手懐けたら大バズりしました
動物に好かれまくる体質を持つ主人公、藍堂咲太《あいどう・さくた》は、友人にダンジョンカメラというものをもらった。
そのカメラで暇つぶしにダンジョン配信をしようということでダンジョンに向かったのだが、イレギュラーのレッドドラゴンが現れてしまう。
しかし主人公に攻撃は一切せず、喉を鳴らして好意的な様子。その様子が全て配信されており、拡散され、大バズりしてしまった!
戦闘力ミジンコ主人公が魔物や幻獣を手懐けながらダンジョンを進む配信のスタート!
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
前代未聞のダンジョンメーカー
黛 ちまた
ファンタジー
七歳になったアシュリーが神から授けられたスキルは"テイマー"、"魔法"、"料理"、"ダンジョンメーカー"。
けれどどれも魔力が少ない為、イマイチ。
というか、"ダンジョンメーカー"って何ですか?え?亜空間を作り出せる能力?でも弱くて使えない?
そんなアシュリーがかろうじて使える料理で自立しようとする、のんびりお料理話です。
小説家になろうでも掲載しております。
S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
ファンタジー
主人公ライルはブリケード王国の第一王子である。
しかし、ある日――
「ライル。お前を我がブリケード王家から追放する!」
父であるバリオス・ブリケード国王から、そう宣言されてしまう。
「お、俺のスキルが真の力を発揮すれば、きっとこの国の役に立てます」
ライルは必死にそうすがりつく。
「はっ! ライルが本当に授かったスキルは、【トカゲ化】か何かだろ? いくら隠したいからって、【竜化】だなんて嘘をつくなんてよ」
弟である第二王子のガルドから、そう突き放されてしまう。
失意のまま辺境に逃げたライルは、かつて親しくしていた少女ルーシーに匿われる。
「苦労したんだな。とりあえずは、この村でゆっくりしてくれよ」
ライルの辺境での慎ましくも幸せな生活が始まる。
だが、それを脅かす者たちが近づきつつあった……。
超文明日本
点P
ファンタジー
2030年の日本は、憲法改正により国防軍を保有していた。海軍は艦名を漢字表記に変更し、正規空母、原子力潜水艦を保有した。空軍はステルス爆撃機を保有。さらにアメリカからの要求で核兵器も保有していた。世界で1、2を争うほどの軍事力を有する。
そんな日本はある日、列島全域が突如として謎の光に包まれる。光が消えると他国と連絡が取れなくなっていた。
異世界転移ネタなんて何番煎じかわかりませんがとりあえず書きます。この話はフィクションです。実在の人物、団体、地名等とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる