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三章

ジャイラ、そしてユウビ

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ジャイラ列島国、大都アヌラ。
ムルファは自分の執務室に入って椅子に座り、力を抜いた。今回の外遊は神経を使った。だが、当面最低限の子果は授けてもらえる。資産に余裕のある伴侶たちには出来るだけゴリキを訪れてもらえば、何とか国内の子果清殿も息をつけるだろう。
「ムルファ様」
こんこん、という扉を叩く音がするやいなや部屋に入って来た者がいる。
「ワイエ、もう来てくれたのですか」
このせっかちな人物は、アヌラ子果清殿の清殿長である。年はもう100を越しているのだが、せっかちなところはなかなか直らないらしい。それが癖である貧乏ゆすりをしながら近づいてきたので、向かいの椅子をすすめた。
「それで、ムルファ様、あの、子果は」
「ああ、これだ」
布に包んでおいた子果を机の上に置く。すぐさまワイエは布を開いて子果を検分する。豆粒よりも少し大きい程度の子果は、淀んだ茶褐色でその中を幾つもの黒や茶色、灰色の粒をゆらめかせている。ワイエは少し眉をひそめ、布の上に子果を置いた。
「ムルファ様、これをどうするおつもりですか?」
「とりあえず鉢に入れて、植えてみてくれ。大子果樹になりうるならどのムリキシャでも世話ができるはずだ。‥これが無理なら、‥‥」
ムルファは言葉を吞み込んだ。

これがダメなら新たなカベワタリの子果を手に入れなければならない。だが確かにあの時見た子果樹に他の子果は実っていなかった。子を授けるための子果が実らないことはわかっている。だとすれば、次に打つ手は。
「カベワタリを、この国にさらってくるしかない」
ワイエはせわしく瞬きを繰り返した。目の前の人物が口にしたことが信じられない。
「ムルファ、様、」
「それしかこの国を救う方法はない。‥‥この子果が芽吹くことを祈ろう」
「わかりました・・とにかく、世話を、致します」
ワイエは再び布で子果を包み、それを手に持ったまま立ち上がってムルファの前を辞した。
そのまま子果清殿に向かう。

大都アヌラにある子果清殿だというのに、この清殿内に今植わっている子果樹は70本しかない。子果清官のムリキシャたちは、ほぼ休みなく働き、必死に子果を授けている。それでも待っている伴侶たちは多く、街中の宿は授け待ちの伴侶たちで半分が占められているほどだ。地方や他の島々にある子果清殿ではもっと子果樹の本数が減っており、海を渡る資金力のない者たちは子果を諦める風潮にあるらしい。
そのせいか、闇市場では子どもの奴隷が高く取引されているという噂もある上、子どもの誘拐がこの十年で三倍にまで増えている。
今、ジャイラは未来を見失いそうになっているのだ。
(この、不気味な子果は本当にこの国を救ってくれるのだろうか)
この子果からは不思議なほどに、何も感じない。まるで子果が意志を持って沈黙しているかのように感じられるのだ。
ワイエはそれが不気味だった。
だが、ムルファの言うように、もうこの国にはあとがない。とにかくこの子果にかけてみる他にないのだ。
ワイエは今は子果が植わっていない庭園に入り、鉢をとった。そして砂を入れるため少し待ってみる。
「何も、感じない‥」
この子果は砂を選ばないのか。仕方なく足元の砂をすくって鉢に入れた。そして子果を取り出してみる。やはり何も感じない。そのまま砂に埋め、一度鉢を置いた。
「如雨露を持ってこないと‥」
自分の如雨露を取りに庭園を出る。入れ違いに別の子果清官が砂用の入れ物を持ってやってきた。
「ワイエ様、お戻りでしたか」
「ああ、今おいてある、鉢は、とりあえず、私が世話をするから」
「え?新しいムリキシャはいませんよね?」
「ああ、そうなんだが‥試験的に、育ててほしい、ものがあると、言われていてね」
「?‥わかりました」
清官は不思議に思いながらも、ワイエを見送って庭園に入った。
この清官の子果樹は砂にうるさく、多い時は日に十回も砂の入れ替えや植え替えを要求してくる。今は子果授けがかなり忙しく、ひっきりなしに授け希望者が訪れるので正直疲弊していた。
「なんで、私のだけこんなに手間がかかるのか‥」
とはいえ基本的に子果樹はわがままだ。一日何も手をかけなくていい日などはほとんどない。
とにかく今はみな疲弊している。休みなんてひと月に一日あればいい方だ。精力も体力も使い切って子果が授かるように祈る毎日。十年前まではこんなことはなかったのに。
「もう、なんで私たちばっかり‥嫌だなあ、休みたい‥ゆっくり寝たいよ‥」
そう、愚痴りながら砂をすくい入れているとき、後ろからぼやあっと何かが立ち上ったような感覚がした。何か心をぞわりと波立たせるようなその雰囲気に恐る恐る振り返ると、先ほどワイエが置いていった鉢から、黒や茶褐色の入り混じった木の芽が小指の先ほど覗いている。
「え、ええ⁉」
見間違いでなければ、先ほど見た時には砂しか入っていなかったように思ったが。こんな短期間で芽を出す樹があるものだろうか?
「いや、見間違いかな‥」
清官はそう呟くと砂を入れた容器をよっこいせと気合を入れて持ち上げ、腰で支えた。
「はあ‥とにかくもう、嫌だよ‥何とかならないかな‥」
そう呟きつつ空の庭園を後にする。
その後にまた、淀んだ空気が立ち上ったのを見ることはなかった。

アヌラの子果清殿には今ムリキシャである清官は70人しかいない。最盛期には300人近いムリキシャがいたということだが、もはやその時代を知っているものも少ない。今いるムリキシャで一番若い者でも27歳だ。ワイエは今年113歳になるが、一番多い年代が100歳代なのである。このままこの子果清殿で100歳代の者が次々に死んでしまえば、あっという間にこの子果清殿は機能しなくなってしまう。
その悲壮感はこの五年ほど、ずっと子果清殿を覆っている。ムリキシャが生まれていないことは最重要機密ではあるが、清殿入りするムリキシャがいないことは、そこにいる者にはわかる。皆、人知れぬ不安と、先行きの不透明さに苛まれ、本来喜びを授けるはずの清殿の雰囲気はずっと重い。
加えて終わりの見えない多忙さもあり、ムリキシャたちは疲弊しきっていた。だから小さないざこざが絶えないし、ムリキシャたちの精神状態もよくないので子果の実りも芳しくない。すると期待を込めて訪れた伴侶たちからは失望の声が洩れる。
とにかく、いまアヌラの子果清殿には暗い、負の感情ばかりが立ち込めているのだ。あちこちで、絶望や恨み、疲弊、諦念の声が響いている。

淀みの子果は、そういう人々の負の感情を吸った。それはこの清殿内に満ちており、淀みの子果ーー子果樹はそれをぐんぐんと吸ってぐんぐんと伸びた。
淀みの子果樹はその枝を思い切り伸ばし、ひと月も経つ頃には高さは2カート(180㎝)を優に超える程になっていた。
ワイエはこの異様な成長具合に驚き、すぐにムルファに報告をした。ムルファはすぐに子果清殿を訪れ、淀みの子果樹を見た。この短い間にここまで大きくなっていることに驚いた。そしてまた、黒や茶色灰色といった暗い色が淀み混じり合い、枝の中で揺らめいているその不吉さに慄いた。
「ま‥禍々しい‥だが、確かに樹として成長している、育つのにムリキシャも選ばない‥大、子果樹になり得るのではないか・・?」
ムルファはどうしても、自分の希望的観測を捨てたくなかった。
そんなムルファの思いを断ち切るように、ワイエは震えながらも進言した。
「いえ、ムルファ様、私は、そうは、思いません」
どうしても、ワイエにはこの樹がいいものとは思えなかった。この樹が成長すればするほど、清殿内ではもめ事が増えた。諍いが多くなった。今、清殿内の雰囲気は最悪だ。
「昨日は、とうとう、刃傷沙汰まで、起きたのです!‥あれは、ヒトの心を、悪い方へ導くもの、だと思います!伐採の、許可をください!」
絞り出すようなワイエの訴えに、ムルファははっとしてワイエを見た。顔色は悪く、手はふるえている。子果を託してからまだほんのひと月ほどしか経っていないというのに、このやつれよう。
「‥すまない、ワイエ。私の目が曇っていたようだ。‥伐採を許可しよう」
「‥ありがとう、ございます!」
ワイエはすぐさま子果清殿にいる警護者に声をかけた。清殿内で子果樹の伐採がされるということは、この長い歴史の中でもあり得なかったことだ。とにかく一度この子果樹を抜き、別のところに移してから、伐採、処分を考えねばならない。
そこで警護者たちに指示をして、まずはこの大きな子果樹を根から抜いていく。
警護者五人がかりで引き抜けば、深く張った根が剥がされ表に出てくる。根まで入れれば3カート(270㎝)はありそうだ。
「子果清殿の、敷地内で、処分をするわけには、参りません。‥どちらか、適切な、場所は、ありませんでしょうか?」
そう問いかけるワイエにムルファは少し考えた。‥とはいえ人目につかない場所の方がいいだろう。移動の際には今日自分が乗ってきた小型機工車に乗せれば目立つまい。大きな場所がある程度あってヒトの出入りをある程度規制できる場所、というなら。
「退異師総会館に運べるか、問い合わせてみよう。少し時間をくれ」
「わかりました、では私の部屋の、通信機工を、お使いください」



「‥禍々しい樹ぃ?なんでそんなものがアヌラにあるんですか?」
「大変すまないがケンダル、今は訊かないでもらえるとありがたい。そのうち処分をしようと思ってるから」
アヌラ退異師会総会長であるケンダルは、ムルファの頼みを聞くと、すぐに嫌そうな雰囲気を出した。それもそうだ、理由も知らされず怪しげな樹を保管してくれと言われてはいそうですかと素直に受け取るような退異師会ではない。
確かに国の機関ではあるし、怪しげな異生物の素材も扱ってはいるが、フリーの退異師も所属しているしそもそも独立傾向の強い機関だ。なかでもまだ若いケンダルにはその傾向が強かった。
「今は、っておっしゃいますがね。それをこちらにいつ言っていただけるんすか?‥何か問題が起こってからじゃあこちらとしても困るんですよ。ただでさえ、今はアヌラ周辺での異生物の発生が増えて人手も足りないって時に‥」
ムルファは、以前からこのヒトには不満も溜まっていることもわかっていたので宥めるように言った。
「本当にすまないね、どうしても退異会方面に予算が薄くて‥この件を引き受けてもらえるなら来期は予算を1.5倍にしてお返しするよ」
通信機工の向こう側で、ケンダルがヒューウと口笛を吹いたのが聞こえた。
「へえ、豪気だねえ。…わかりました、それを証紙に書いて送ってください。それが届き次第引き受けますよ。ただし保管期間は六か月だ。それ以上は引き受けられません」
ムルファはほっとして返事をした。
「ああ、構わない。その間には樹そのものを処分する予定だから。ありがとう」
通信機工を切って、横に控えていたワイエに運び出すよう指示をした。それからもう一度議会院に通信をして、もう一台小型機工車を回してくれるように頼み、そのついでに証紙と運び屋を頼んだ。
そこまでの手順を終えて、ふうと長椅子に身体を預けた。「お茶をお持ちします」というワイエに「なんでもいいから酒をくれ」と頼む。

自分の判断は間違っていたのだろうか?あの樹、からは確かに強い力を感じたが、ワイエが言うようにヒトの心を悪い方へ導くもの、という意味での力だったのかもしれない。
あの樹を当てにできないのなら、先日治療をしたカベワタリをさらってきてどうにか大子果樹の事を聞き出すか。だが傍に控えていたあのユウビとかいう生き物はかなり不気味だったし、易々とカベワタリから離れるとも思えない。
正面切って戦争をしたところで、ゴリキにジャイラが戦力で勝てる見込みもない。
「どうすればいいんだ‥」
ムルファは文字通り頭を抱えてうつむいた。


様々な手続きを経て、淀みの子果樹は引き抜かれた後砂も水も与えられないまま、素材倉庫裏の仮置き場に置かれた。かろうじて屋根はあるが地面はむき出しで、横に壁もないような仮置き場だ。ワイエは些少の不安は覚えたが、日を改め切断か焼却処分をするのだから、と無理やり自分を納得させそこから去った。
淀みの子果樹は、今まで渦巻いていた負の感情が薄くなったことを感じた。根を引き抜かれ栄養を吸える土台が無くなったこともわかった。‥なぜこんな仕打ちを受けねばならぬのだろう。自分は望まれてここに来たのではなかったか。



淀みの子果樹は枝が震えるのがわかった。この感覚は何だ。なぜ風もないのに枝を動かせたのか。
力がついてきているのかもしれない。もっと、もっと力をつけられれば。
淀みの子果樹は横たえられたまま、今度は風に揺れてがさがさと枝を鳴らした。



異常事態がなぜジャイラにばかり続くのか。
ケンダルは唾を吐きながら心の中で毒づいた。
アヌラという大都市の近くで、こんなに異生物が発生するなどこの20年聞いた事はない。植物型ばかりなのがまだ救いだが、かといって植物型の異生物が全く移動をしない訳でもないので、早期の討伐が求められることには変わりはない。
今はフリーの退異師とも20人近く契約をしているから何とかもっているが、この契約が切れたらあっという間に人手不足だ。
細かい、だが鋭い歯のたくさんついた鞭をぶんとふりながら目の前の異生物を見た。植物型異生物によくいる蔓の塊のようなものだ。蔓を少しずつ地面に這わせながら移動してくる。退異師たちは五人一組となって少しずつ、塊の部分を切り崩していった。切り崩された異生物のかけらを初位、四位の退異師たちが組になって拾っていく。
そうして逃がさないように周りから少しずつ削っていき、発見当時からすると半分くらいまでの大きさになった。
ケンダルは一位退異師の相棒とともに蔓の塊を挟むようにして囲んだ。位置が決まったところで他の退異師に引くよう合図をし、じりじりと近づいていく。
相棒と手信号でタイミングを計り、ケンダルは鞭をしならせ異生物の下に巻きつける。そこで一位退異師が跳ねあがり、上からマリキとともに力の限り戦斧を振り下ろした。
ボガ、という音とともに蔓の塊が大きくへこんだ。その時ケンダルはレイリキを思いきり込めて鞭を引き回し、下からすくうように持ち上げる。細かく鋭い鞭の刃が蔓の塊の中心部を切断し異生物が四散した。
びちゃっびちゃっと落ちてくる蔓を周りで取り囲みながら観察する。どのかけらも動かないことを確認すると、ようやく全員の力が抜けた。あちこちに散らばった異生物のかけらを手分けして拾っていく。
「結構デカかったが、逃げられなくてよかった。‥引き上げるぞ!素材は倉庫に一回保管しておいてくれ!」
ケンダルは他の一位、二位退異師とともに報告を上げるため議会院の方へ向かった。


落ち着かない。
首の後ろがちりちりする。尾の鱗が波打つようにざわめく。
なぜだろう。
リキのそばを離れているわけでもないし、何か気になることがあるわけでもない。
だが、落ち着かない。
リキをこの手に閉じ込めていても、柔らかい菊孔に自分の陰茎を挿し込んで快楽を追っていても、この感覚が収まらない。
だが原因はわからない。
<リキ>
「ん‥?何だ、ユウビ」
リキは食事の手を止めてユウビを見た。このところユウビが難しい顔をしているのは知っている。リキ自身は優しげな顔をしているユウビしか知らなかったから、どうもおかしいとは思っていた。
<リキは、最近気持ちは落ち着いているか>
「?‥そう、だな、忘れてしまったことはあまり思い出せないが‥落ち着いて生活はできていると思う」
<そうか>
心配そうにこちらを見るリキだが、特に異変は感じていないようだ。
では自分だけが感じることなのか。
今、特にリキ個人に危険が迫っている感覚はない。だが、半年前より自分のこの感覚が少し鈍ったように感じている。
恐らくそれは、リキと身体を繋いで以降の事だった。

なぜだ。

だからこそ望んだ。そして満たされた。幸福という言葉の意味を知った。
だがこの焦燥感は何だ。
何かが迫ってきている。
だがそれが何かがわからない。
生まれた時には脳内はもっと澄んでいたのに。
いくら考えてもわからない。以前、リキが昏睡している時はまだ、考えれば響くように脳内から答えが出ていた。
だが、リキが覚醒する少し前くらいから、意識の清明さが少しずつ失われてきたように思う。それと引き換えに、幸福と満足を覚えたようにも思う。
ユウビは霞がかった脳内で考えた。
まさかとは思うがリキが昏睡している時に、リキの中に深く沈殿していた淀みの記憶を自分は吸収してしまったのだろうか。
だから、ヒトのようにリキと繋がりたくなったのだろうか。それによる満足を欲したのだろうか。
だがあれは、禁忌ではなかった。そのはずだ。強い抑制は感じられなかった。
「ユウビ、どうした?大丈夫か?」
珍しく物思いにふけるような様子のユウビに、リキが声をかけた。ユウビははっと顔を上げ、リキを見た。
「何か気にかかることでもあるのか?」
<いや、大丈夫だ>
そういって椅子に座っているリキの隣へ移動し、横から優しくその頭を抱いた。
満たされる。リキとのふれあいでこんなにも満たされることを、ユウビは知ってしまった。もう、リキが傍にいなくては不安だ。無論、自分の存在はリキを守るためにある。だが、その使命を超えて自分がリキを求めていることにユウビは気づいた。
リキを愛しているといったあの片割れ。
片割れはユウビにとっても大切な存在だ。だが、今リキに近づいてほしくなかった。触れても欲しくなかった。リキが片割れの事を忘れたことがわかった時、都合がいいと思った。そうすれば奪われなくて済む。触れられなくて済む。
だが、自分はこんな感情を抱いていいものだっただろうか。
生まれてすぐは、もっと意識は清明で沈静で、脳内は澄んでいたように思う。恐らく自分は、本来持つべき使命から少しずれてしまっているのかもしれない。だとしても、この先もリキを守っていくことに変わりはない。
ユウビは頭の中でそう整理すると、悩むのをやめた。ただ、この落ち着かない感覚は忘れないようにしなければならないと思った。

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