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一章

リキとアヤラセ 2

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その日の晩に食べた、アナグラシの肉と香草を使った煮込みはなかなかに旨かった。
こちらに来た当初、粥の味をはじめリキには食べ慣れないものばかりで戸惑うこともあったが、アヤラセが色々と聞き取りをしてリキでも抵抗なく食べられるよう、素材を活かした素朴な味付けを心がけたおかげで少しずつ食べられるようになっていった。

アナグラシはリキが食べた経験の中でいえば猪肉に近い味わいがした。香草の中に生姜に似た風味のものがあり、今回はそれを使っていたのでリキにも少しは馴染みのあるものになっていた。
また、こちらに来てからは、気軽に甘いものが食べられる。料理にも砂糖のようなものを使っており、初めてそれらを味わったときには驚いたものだ。だが菓子の味や見た目などは、リキが見たことのないようなものばかりであった。

木皿やスプーンを片付けるから先に風呂を使えとリキはアヤラセに言った。無論アヤラセは自分がするからリキに入れと譲ったが、今夜のリキは頑としていうことを聞かなかった。
「アヤラセが入れ、吾はこれらを片付ける」
ぐいぐい押すようなリキを不審に思いながら、アヤラセは風呂に行った。
アヤラセの家に風呂があるのは、怪我の酷い患者や汚れた患者などを清潔にするためだ。街の方へ行けば随分と一般的になった風呂だが、まだタリエ村では普及が遅れている。水道はほとんどの家に通っているし、湯を沸かすのも安価な温用石を使えばすぐなのだが、如何せん浴槽の値が張るのだ。
アヤラセの家の浴槽は、友人が格安で作ってくれたもので大きな桶のような形をしていた。人が二人はいればぎゅうぎゅうになるくらいのサイズだが、アヤラセはいつも友人に感謝しつつ風呂に入れる幸せをかみしめている。

「…今日のリキ、かわいすぎだろ‥。」
初めて力強く自分に抱きついてきたリキの、やわらかでしなやかな身体の感触が忘れられない。初めて得た金で自分の事を思いやって贈り物までしてくれるとは、出来すぎなくらいだ。
リキの髪の匂いを思い出すと下半身がずくずくと熱を持つ。
「やべ、陰茎ちんぽ出ちまう」
深呼吸、深呼吸。
‥‥‥でも、一緒にいたいって。離れたくない、って初めて言ってくれたな。
かわいいよな。すごくしっかりもしてるんだけど。何もかも知らないところに来て、どうにも心細いはずなのにリキはそういうところを全く見せない。
そんなリキが、おれとずっと一緒にいたいって。
「住まいを、ツトマに変えるくらいの気持ちでいないとやばいかもしれない…。」
この二年、住み慣れた村だ。人は優しいし自然は近いし異生物の発生も少ない。薬草も結構身近な場所で調達できるこの村を、アヤラセはかなり気に入っていた。
「でも本当に、おれもう一人じゃ暮らせないよな‥。」
笑ってくれる、話してくれる、抱きしめさせてくれるリキがいない生活を、アヤラセはもはや考えられなかった。
「一応、色々始末だけつけてから、ツトマに行くか。」
そう決めて浴槽から上がった。


リキに風呂に入るように言うと、すぐに風呂場へ行った。
そんなリキを見ながら、そんなに入りたかったんなら先でもよかったのに、と思いながらテーブルに座る。
テーブルにはリキが焼いた魚とグルル酒が置かれている。先に飲んでいてくれ、と風呂場からリキの声がした。
リキも今日は飲みたいと言っていたっけ。子どもなのにな、と思ったが、これまでにも何度か飲んだことがある、と自信ありげに言われては返す言葉がなかった。
まあ、リキが買ってきた酒だしな。

久しぶりのグルル酒を舐めるように飲めば、風呂で温まった身体に火が入ったようになった。この感じと、さわやかな味わいが好きだ。時折塩味のきつい魚を口に放り込めば、何とも言えない幸福感がせり上がってくる。
アヤラセは酒に酔ったことがない。一度酒場で酔っ払いに絡まれ、相当きつい酒であるフォルトッカの飲み比べをした時も全く酔わなかった。絡んできた酔っ払いの方は、飲んだものをほとんど吐きまくって他の客の顰蹙をかっていたが。
どうせ酔いはしないから自分で酒を買うことはしない。酔いたくて飲んだことはないが、酔えるわけでもないし本当に嗜好品だからあまり普段は飲まなかった。
リキとのツトマ行きの手立てを考えながら、ちびちびと飲んでいたが小瓶が三分の一くらいになった時、リキが遅いことに気づいた。

(あいつ、いつもはアナグラシの水浴びくらい早いのに)
湯あたりでも起こして倒れているのではないか。不安になって様子を見に行こうと立ち上がった時リキが風呂場から戻ってきた。
「お、よかった、遅かったから何かあったかと」
「アヤラセ」
言いかけたアヤラセの言葉を遮るようにリキは言って、テーブルに近づいた。そして残り三分の一ほどになった小瓶を見ると、自分のコップに半分ほどついでぐいっと一息に呷った。
アヤラセが止める隙もなかった。飲み干したコップをかたんとテーブルに置くと、リキは羽織っていた袷をするりと下に落とした。
少し日に灼けた、しなやかな裸身があった。
「吾に触れてくれ、アヤラセ。」

アヤラセは、リキの裸身を見て急激な下半身の疼きを感じた。…やっぱりここが反応するってことは、おれはリキのことを伴侶の候補として愛している、ってことなのか。
でもリキは、まだ愛かはわからないと言っていたのに、抱いてしまっていいものなのか。
…ていうか、リキの陰茎は見たけどホトがあるか確認してない…。おれ…できればリキには陰茎ちんぽ挿入れたいんだけど。
‥って莫迦!おれ!そういう事考えてる場合じゃないだろ!
「…リキ、なんで急にそんなこと言いだすんだ?」
リキはきらきらと輝く緑の目で、まっすぐにアヤラセを見た。
「吾はアヤラセと交わりたい。アヤラセの身体をもっと近くで感じたい。…あの共に風呂に入った日から、アヤラセは吾の逸物には触れてくれぬ。それが寂しい。アヤラセに抱きしめられても離れれば寂しい。」
考えながら訥々とリキは言葉を絞り出した。話しているうちに目に入ってくるアヤラセの驚き戸惑っている顔を見られなくなり、だんだんと視線が下がる。
だが、今日は風呂場である程度しっかりと準備もしてきたのだ。

こちらに来てから小便も糞も出ぬのには驚いた。かわやの話をすればアヤラセの方が驚いていた。「せっかく食ったり飲んだりしたもんを、なんでまた出すんだ?」と不思議そうにしていたのを思い出す。しばらくしておのれも何も出ぬようになっていたのにはまた驚いたが。
おかげで菊穴は汚れてもおらず、ほぐすのにためらいはなかった。リキはぐっと奥歯をかみしめて顔をあげた。アヤラセは戸惑いながらも、いつも通り優しい目をしている。
ああ、この人のこの目が好きだ。
兄とは違う、ヒトを癒す優しい目。この目に出会えて、よかった。
「アヤラセ、吾に触れてくれ。寂しいのは嫌だ。アヤラセに、触れてほしい。」
緑の目に、うっすらと涙を浮かべているリキを見てアヤラセはその裸身を抱きしめた。
「…好きだよリキ。そんなこと言われたら、もう止めてやれない。後悔しないのか?」
リキは潤んだ瞳で微笑んだ。
「吾が頼んでおるのに、後悔などせぬ」

自分で歩くと言ったのに、アヤラセはリキを抱え上げて自分の寝台へ向かった。
以前ともに風呂に入った時には、おのれとは違う股間の印象が強すぎてあまり覚えていなかったが、アヤラセの身体にはしっかりと筋肉がのって引き締まっていた。抱えられて触れているアヤラセの胸の肉が心地よい。
寝台にゆっくりとリキを下ろして横たえると、アヤラセは自分の寝衣を脱いだ。リキは思ったよりも厚いアヤラセの胸の肉や腕に見とれる。アヤラセの目も熱を持って潤んでいるように見えた。
「リキ‥。」

横たわったリキの両脇に腕をついて、ゆっくりと覆いかぶさりながらアヤラセは顔を近づけた。
(くちを吸われる)
そう思ってリキは目を閉じた。そのリキの顔を見てくすっと笑いながら、アヤラセはゆっくりと唇を触れさせた。
「やわらかい、な。」
そう言ってもう一度触れる。唇が熱くなって別の生き物のようだ。アヤラセは少し舌を出してリキの唇をつついた。
リキも少し唇を開いてみる。するとアヤラセの舌がぐっと咥内に入り込んできた。
あふ、と息を洩らしながらリキはもう少し唇を開けた。アヤラセの舌が口蓋の上をなぞる。たったそれだけでリキはぞくぞくとした強い快感をおぼえた。逸物はもう痛いくらいに硬くなっている。
「硬い、リキの陰茎。舐めたい」
そう言ってゆっくりとアヤラセは顔をリキの下半身へと移動させていく。その途中で一度リキの小さな乳首にそっと口づけて、びくりとしたリキの身体に額を押しつけた。
「はあ、かわいいんだけど」
「アヤ、ラセ、もっと欲しい」
身体を次々と駆け抜ける快感に、リキは身体が溶けそうだった。今、おのれはあの時の兄のような顔をしているのだろうか。

「…だから!そうやっておれの事あおんないで!」
アヤラセはリキの締まった腹筋を強く吸った。「ああっ」と喘いでリキがのけぞる。吸われた跡が赤く色づいた。それがまるでリキを自分のものだと示しているようで、嬉しくなる。
「大事に、やりたいからさ‥。」
そう言って柔らかく薄い色の陰毛の中から勃ち上がっている陰茎をぱくりと咥えた。「ひいっ」というリキの喘ぎ声が聞こえる。亀頭からは随分ともう精が出ていた。それを舐めとるようにして舌で愛撫していく。舌が陰茎を這う。咥内を使ってしごくように陰茎を吸う。「あ、あっ」というリキの甘い声が洩れてくる。

リキの頭の中は真っ白になっていた。気持ちいい、きもちいいしか考えられない。逸物を口で吸うなどと聞いた事もなかった。こんなに気持ちいい事だったなんて。自分で慰めていた時と、全く違う快感の波にリキはすっかり溺れていた。
「きも、ちいい、アヤラ、セ、ああ、」
さらさらとしたアヤラセの髪を撫でる。おのれだけではなく、アヤラセにも気持ちよくなってほしいのに、あまりの刺激に何もできない。アヤラセの咥内と舌の動きが早くなってきた。
快感の波が休みなくリキを襲う。
「あっ、アヤラセ、ダメだ、って、しま、う、あっ、くッ」
下半身の奥から湧き上がる快感が、リキの中で弾けた。迸ったリキの精を、ごくりとアヤラセは呑み込んだ。
「甘い‥。」
精が甘いのは、お互いの気持ちが通っている証拠だ。リキの精の甘さにアヤラセは頭が痺れそうな幸福を感じた。
精を出したリキは顔を赤くして息を弾ませている。かわいい。
「アヤラセにも、きもちようなってほしいのに」
乱れた息の下からそんなことを言ってこちらを見てくるリキは、たまらなくかわいくて色っぽかった。
陰茎の下の方を手でまさぐっていると、少し閉じた穴のようなものを見つけた。位置は違うが、穴は穴だ。

「リキ、ここ…舐めてもいい?」
「き、聞くな!」
そう言ってリキは余計に顔を赤くして手で覆ってしまった。拒否なのかと思ったが、そのまま指でそっと触っているとリキの小さな声が聞こえる。
「…アヤラセの、いちも…陰茎を挿入れて欲しゅうて…準備を、した」
えっ、今この子なんて言った‥?
思わず動きが止まったアヤラセにじれて、少し声を大きくしてもう一度リキは言った。
「吾は、そこにアヤラセを受け入れたい。だから、入れてくれていい‥。」
あーだめだ。もうだめだ。
この子はおれの理性を殺しに来てる。間違いない。完全装備で陰裂レムから元気に勃ち上がってびきびきに硬くなった陰茎が姿を見せた。
リキはそれを見て、ちょっと息を呑んだ。
「お、‥大きい、の…。」
「うん、リキ初めてだよね!優しくする、すっごい優しくする!」
不安そうなリキの声を聞いたアヤラセはすかさずそう言って、ずいっと身体を上にせり上げリキの顔を見つめた。
「痛く、ないように頑張る。だからおれの陰茎、受け入れて‥。」
リキはにこっと微笑んだ。
「無論だ。アヤラセとともにきもちようなりたい」

そのリキの事を聞いたアヤラセはぐっとリキの顔を掴み、夢中でその唇にむしゃぶりついた。先ほどの優しい口づけとはまるで違う、情欲にまみれたそれに再びリキの身体は熱くなる。咥内をアヤラセの舌が這い回り、じゅるじゅると音を立ててリキの舌を吸い上げる。強く舌を吸われるたびに、ゆるく勃った陰茎がゆらゆらと揺れた。
アヤラセの掌がリキの身体を這いまわる。リキの胸全体をやさしくさすっていけばその中にあった乳首が少しずつ硬くなる。
掌でさすられる乳首が、だんだんと快感を拾い始めた。

「あっ、い、アヤラセ」
リキは喘いだ。アヤラセの掌が、どこをさすっても気持ちいい。リキの陰茎はまた硬く勃起して少しずつ精を洩らしている。
アヤラセは硬くなったリキの乳首を軽く嚙んで、じゅうっと吸い上げた。「ひっ」という短い喘ぎ声とともにまたリキがのけぞった。アヤラセが、何をしてもきちいい。
乳首を舌で愛撫し、押しつぶしたり甘く噛んだりしながら左手でリキの脚を掴んで大きく開いた。右手でリキの閉じた菊穴を探る。リキが風呂場でほぐしたおかげでか、そこは少し柔らかくなっている。だが、陰裂レムの中のホトより固いようだ。入り口を指でくるくるとさすりそっと指を入れてみた。

「ああ、あ」
リキが少し苦しそうに喘いだ。その声を聞いてアヤラセは両手でリキの脚を掴んで大きく開いた。そこに座り込んでぐっとリキの下半身を膝の上へのり上げさせる。
すると、勃起した陰茎とリキの菊穴がアヤラセの前に突き出される格好になった。腹の方へ返されている下半身が少し苦しかったが、リキはされるがままになっていた。
(舐め、られる)

その予想通り、アヤラセは「綺麗だな、桃色で」と呟いてから菊穴に口づけ、じゅっと吸った。「あんっ、あ!」という自身の喘ぎ声にリキは驚いた。おのれのどこから、そんな甘えた声が出たのか。
(あやらせ、だからだ)
菊穴を舌でつついて愛撫されている。優しい刺激に知らず腰が揺れた。左手でリキの陰茎を緩くしごきながら菊穴を吸い舌を差し入れた。硬く尖らせたアヤラセの舌が菊穴に突き入れられ穴を舐めあげる。穴の中を舌が動くたびに、リキは「ひ、あ、あ、」と声をあげた。
(いいっ、きもち、いい、ああ、兄、上)
主に逸物を入れられ突き上げられ、喘いでいた兄の姿が頭に浮かんだ。

(兄上、は、あのとき、幸せ、だったのだ、な)
なぜなら今、自分がたまらなく幸せだから。
アヤラセの美しい顔が自分の股に埋められていること、その舌が菊穴を愛撫してくれていること、そしてそれが、狂いそうなほどにいこと。
リキはそれを身体中で受けとめ、感じていた。
「あ、んっ、あやらせ、いれて、くれ」
リキの声を聞いて、もう一度じゅっと菊穴を吸い上げてから口を離した。アヤラセは真顔で自分の陰裂レムに指を突っ込んだ。陰茎の下にあるホトからはぐちゅぐちゅと汁がこぼれている。それを自分の陰茎に塗りまぶしてから、リキの下半身を寝台に下ろし菊穴に陰茎をあてがった。
「…絶対、痛くないように、する、から。ちょっとでも変だったら、おれに言って」
リキの顔を見つめて言うアヤラセに、うなずいた。

アヤラセがずっ、と腰を進めた。少し柔らかくなった菊穴に陰茎がずぶりとめり込む。最初はきっと痛いのだろう、だが意地でも痛いと言うものか、と勢いごんでいたリキの思いとは裏腹に痛いとは感じなかった。ただ、身体が開かれるわずかな違和感があるだけだ。
「苦しく、ない?リキ…。」
眉を寄せながら、息を吐いてアヤラセが聞いてくる。アヤラセは苦しいのだろうか。
「くるしく、ない、アヤラセ、もっと…。」
「くそっ、ああ」
アヤラセの腰がぐっと突き入れられた。大きな亀頭が全て菊穴を通った。みちみちとアヤラセの陰茎が菊穴を満たしている感触がする。
幸せだ。
「しあ、わせだ、アヤラセ」
「…っ!」

アヤラセは苦しそうに顔をゆがめながらも、一気に進めることはせず、ゆるゆると陰茎を沈めた。身体が開かれる。挿入ってくる。
「きもち、いい‥」
「リキ!」
ずぐん!と最後まで陰茎が突き入れられた。一瞬、鋭い痛みが走ったが奥歯を噛んでこらえた。顔には出ていない筈、そう思ってアヤラセを見た。
「…ごめん」
しっかりばれてしまったようだ、でも、今は、
「大丈夫だ、アヤラセ、うれしいから」
もう、いたくないから。
リキは腕を伸ばしてアヤラセの顔を引き寄せた。
「きもちよう、なってくれ…」
そう言って深く口づけアヤラセの舌をじゅるっと吸った。あまい、なぜこんなに、あまいのだろう。
「んっ」
アヤラセが腰を揺らし始める。最初はゆっくりとリキのナカを捏ねまわすように動かしていく。ゆっくりと円を描くような動きである。何回かそうされているうちに、脳に刺さるような刺激を感じた。
「あっ」
甘くあげられた声の調子を、アヤラセは聞き逃さない。
「ココ、いい?かな」
ぐるり、と陰茎をかき回す。硬くなったそれに刺激されて、同じところがどんどんと甘く痺れていく。
「ア、んッ、そこ、悦いッ、あ、あ、」
「わかった」

刺激を感じるソコにアヤラセは狙いを定めて腰を打ちつける。じゅぶっ、じゅぶっと淫靡な音が響く。それに混じってばち、ばちと肌がぶつかる音がする。
その淫らな音が遠くに感じるほど、リキは快感に溺れた。こすられる度にそこは熱くなり、どんどんと快感が増していく。リキの陰茎からはとろとろと精が流れっぱなしだ。アヤラセはその精にまみれた陰茎を握ってぬちゅぬちゅとこすり上げた。
「ひいっ、いっ、いいっ、だめっ、ああ、」
菊穴のナカをこすられる快感と陰茎を擦られる快感で身体がおかしくなりそうだ。ああ、気が狂う。
きもちいい、
「だ、め、いっぺんに、したら、おか、しくな、る、っ」
リキの喘ぎを聞いて、アヤラセは陰茎から手を離しそこにへばりついていた精をベロリと舐めた。
「じゃあ、ココだけな」
膝裏に腕を差し込み、腰を掴む。またもぐいっと腰を沈められ、深いところに突き刺さった感じがした。

「ひ、ひ、あ、」
アヤラセは容赦なく腰をぶつけ始めた。ばちゅっばちゅっと肌がぶつかるリズムが早い。尻の中を陰茎がこすっていくのがたまらなくきもちいい。もちろんアヤラセはその中でリキのイイところを突き上げるのも忘れない。
「ああ、アヤラ、セ、そこっ!ソコ、いっ、あ、だめっ、い、く、く、からあっ」
もっと、もっと、ついて、きもちよくして。
「すき、すきだ、あやらせ、きもち、よう、なって」
「おれも、すき、きも、ち、いいっ、よ、リキ、すげえ、リキの、ナカ」
はあ、はあ、と息を弾ませながらアヤラセは言って顔をリキの胸に近づけ、乳首を強めに噛んだ。雷に打たれたような刺激がリキの身体を通り抜ける。
「ひんっ、ひ、いい、いいよお、いっちゃうよお、アヤラセぇ、ああ、」

リキは忘我の境地に陥って唇が半開きになり、そのはたから唾液が一筋垂れている。信長の激しい突き上げに嬌声をあげて感じていた兄、乱法師と、気づかぬうちに同じような痴態を晒していた。
きもちいい、きもちい、とまらない。きもちいい。
「いい、いいよお、」
それしか言えないリキの身体をぎゅっと抱きしめて、アヤラセは最後の打ちつけを始めた。ぱんぱんと汗に濡れた肌がぶつかる音がして、その早いリズムに合わせてリキの身体もゆさゆさと揺さぶられ、もう絶頂から降りてこれない。

「りき、だめもう、おれ、いくっ」
ぱん、と打ちつけられた先で精が放たれたのがわかった。リキの身体の中で、びゅくびゅくと広がっていくのがわかる。じんわりと広がってリキの身体を温めていくようだった。その精の広がりにも快感が伴いリキの身体はびくっびくっと痙攣していた。
「あいしてる、リキ」
痙攣しているリキの胸に、アヤラセはちゅっと口づけた。まだ敏感なままのリキはそんな軽い口づけにも強く感じて「ひいっ」と喘いだ。
「すっごく、気持ち、よかった、リキ。ありがとう」
薄く目を閉じてまだ快感の余韻から抜け出せないリキの額にもアヤラセは口づけた。舌を吸いたかったが、今は無理そうだ。

体勢を変えてリキの横に身体を横たえ、頭の下に腕を通して腕枕をする。リキの頬や髪を撫でてやりながら、アヤラセは泣きそうになっていた。
(しあわせだ、おれ)
二人はその後、しっかりと抱き合って眠った。

その時、居間に置かれていたリキの数珠玉に変化が起きていた。透明な中に揺らいでいた金色の粒子に混じって、じわりと銀色の粒子が浮かび上がる。リキが快楽に身を震わせている時、数珠玉はほのかに光を放っていた。
抱き合って寝室で眠る二人の目には無論、届かない。
闇の中で、数珠玉はしばらく、ほんのりと光り続けていた。
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