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おまけ

その後1

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シャーロットとエドウィンが会場を出た直後のこと。

「パトリック殿下、陛下がお呼びです。」

騎士が数名会場に入り告げる。

「尚、そこにいるキャンベル男爵令嬢も連れてこいとのことです。」

父上が?もしかしてカトリーヌとの婚約のことだろうか?何にせよ行けばわかる事か。

「分かった。今行く。行こうかカトリーヌ。」

カトリーヌの手を引き陛下の元へ向かう。

「こちらの部屋でお待ちです。」

騎士に連れられ書斎へとたどり着く。

コンコン

「父上、パトリックです。」

「入れ。」

「失礼します。」

部屋に入ると陛下と宰相がいた。2人とも顔は険しく、ただことでは無い雰囲気だ。

「此度の件どう責任を取るつもりだ。」

地を這うような声で陛下は静かに問う。

「シャーロットとの婚約破棄のことでしょうか?」

「はっ、愚問だな。それ以外になんのことがある。」

「責任も何も悪いのはシャーロットです!ここにいるカトリーヌを虐めたのが悪いのです!」

「そうです!パトリック様は何も悪くありません!」

「黙れ小娘、誰が喋っていいと言った。」

陛下に怒鳴られ縮こまるカトリーヌ。

何故だ、父上は私とカトリーヌの婚約を祝うためにここに呼んだのではないか?何故、シャーロットとの婚約破棄で責任を取らねばならない。全部悪いのはシャーロットだろう!

「自分が犯した事の重大さにも気づかぬか。」

「なんのことですか!私は正しいことをしました!シャーロットよりもカトリーヌの方がずっと王妃に相応しいです!」

「たかが男爵令嬢だろう。本気で王妃になれるとでも?だとしたら片腹痛いな。」

「ですが彼女は光魔法が使えます!」

「ただそれだけだろう。それにそやつはお前以外の子息とも関係を持っている阿婆擦れだぞ。」

呆れたように言う陛下。その目には何も映してはいなかった。

嘘だ。カトリーヌが他の男とも関係を持っているだと?

パトリックはゆっくりとカトリーヌを見る。カトリーヌはバツが悪そうに俯く。

「カトリーヌ父上が言ったことは本当なのか?」

恐る恐るカトリーヌに縋るように聞く。

「嘘です!私はパトリック様だけを愛しています!」

「ほう、我が虚言を申したと?」

「いえ、それは、その…」

「まぁいい、どうせこの国は滅ぶ。」

どう言うことだ。なぜこの国は滅ばなけれだならない。

「その説明は私の方からいたしましょう。」

今まで一言も話さなかった宰相が言う。

「この度の件でシャーロット様とエドウィン様がこの国を出られました。この事はすぐ他国へ知れ渡ることでしょう。この国の戦力の要であるエドウィン様を失った今、戦争にでもなれば勝ち目はありません。」

「エドウィンが居なくともこの国には魔法があるではないか!」

この国は、他国に比べて魔法が発達しており、弱小国ながら反映してきた。

「その魔法もシャーロット様がいない今、使える者は何人残っていることでしょうね。」

「どういうことだ?シャーロットは魔力が無く魔法も使えないはずだぞ。」

「さっきから口を開けば質問ばかり、少しは自分で考えられぬのか。」

「仕方がありません。シャーロット様のことは一部の人間しか知りえぬ事ですので。」

シャーロットのこと?なんの事だ。あいつは魔法も使えない約立たずではないのか?

「殿下、シャーロット様がいつも身につけていた腕輪をご存知ですね?」

「あぁ。」

「あの腕輪には身につけた人間から魔力を奪い、空気中へと放出する魔法陣が組み込まれています。我々はその放出された魔力を取り込むことで魔法が使えたのです。シャーロット様が魔法を使えなかったのは、常時魔力が奪われ、体内に魔力がなかったからです。」

そんな馬鹿な、この国の人間が皆魔法が使えたということは、少なくともこの国に行き渡るほどの魔力を持っていたことになる。

「今まで使えた魔法が使えなくなり、国は混乱する。その隙に他国に攻められれば為す術もなく敗北するだろう。」

「では、あの二人を連れ戻せばいいではありませんか!」

「それは出来ん。先程、エドウィンからもし追ってくれば国を滅ぼすと言われた。」

「どうせエドウィンもシャーロットの魔力を使って魔法を使っていたのでしょう?」

「いいや、あやつは自分の魔力だけで魔法を使っていた。もし、仮に魔法が使えなくとも剣の腕前で右に出る奴はおらんだろう。」

「だとしても数で圧倒すればいいでしょう!」

「魔法に頼りきっていた我らに何が出来る。有象無象が集まったところでどうにもならん。」

「そんな…」


こうしてシャーロットとの婚約破棄は他国にも伝わり、隣国に攻め入られて、為す術もなく滅びの一途を辿った。
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