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第四章
決戦! 亡者の騎士デュラハン6
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前に出ているヴィッツではなくルフォンを集中的に狙った。
弱そうな相手を優先して狙うという戦略を考えるだけの若干の知恵がある。
ただし見た目ほどルフォンもか弱くはない。
飛んでくる黒い魔力の矢をルフォンは回避する。
避けられないものはナイフで叩き落として、服にすら魔法が掠ることもさせない。
それでいながら迫り来る剣のスケルトンナイトのこともちゃんと見ている。
突き出された剣のスケルトンナイトの剣をルフォンは体を回転させながらナイフを当てて逸らす。
そのまま回転の勢いを利用して剣のスケルトンナイトの頭に目がけてナイフを振る。
剣のスケルトンナイトはすぐさま体を逸らしてルフォンのナイフを回避すると後ろに飛び退いた。
「これは驚きですね」
やはりただのスケルトンたちではなかった。
戦い方に知性があるとヴィッツはわずかに目を細めてスケルトンナイトたちに視線を向ける。
魔法を使うタイミングも連携も取っていて戦い方を知っている戦いをしている。
「……私のことなめてるのかな?」
けれどスケルトンナイトが連携していることなんてどうでもよく、弱いと思われたことにルフォンはムッとしていた。
スケルトンたちが優先してルフォンを狙った理由はそれしかない。
リュードといるなら仕方ないけどヴィッツと一緒にいて見比べた時にサッと倒せる相手にでも見えたのだろうか。
見た目で軽んじられるのはルフォンも許せない。
「いいよ、じゃあ少しだけ本気、見せたげる」
「これは……」
人狼族だと聞いてはいたがヴィッツが目の前でルフォンの魔人化した姿は見たことがなかった。
弱そうならば力を見せてやるとルフォンが魔人化して人狼の姿になる。
真っ黒な毛に覆われた猛き姿を見てまだ弱そうなどと思えるだろうか。
「ヴィッツさんサポートお願いね」
魔人化した姿でも声は同じく可愛らしいということに不思議さを感じずにはいられない。
「速い……!」
ルフォンは地面を蹴るとルフォンに切りかかってきた剣のスケルトンナイトと距離を詰める。
体ごと叩きつけるようにナイフを振り下ろすと剣のスケルトンナイトはギリギリ反応してナイフに剣を当てた。
しかしルフォンの力が強くて剣のスケルトンナイトは押し切られて地面に転がる。
スケルトンメイジが魔法を使ってルフォンを拘束しようと試みる。
地面から黒い触手が何本もルフォンの体に伸びていく。
「させません!」
それをヴィッツが炎をまとった剣で切り裂く。
「流石ヴィッツさん!」
魔法を使った直後で動けないスケルトンメイジにルフォンが飛びかかる。
ルフォンの魔力と聖水による神聖力がこもったナイフが額に当たり、そのまま頭蓋骨を2つに叩き割る。
スケルトンメイジの体が魔力を失ってバラバラと崩れる。
1体倒した。
すぐさま槍のスケルトンナイトがルフォンに襲いかかる。
分かっていたかのようにルフォンは飛び上がり、槍のスケルトンナイトの上を飛び越えながら体を反転させる。
着地してすぐさま反撃を繰り出す。
ナイフが鎧を切り裂くが槍のスケルトンナイトに変化はない。
中に体が詰まっているのではないので鎧が傷付けられただけに終わったからだ。
「私に背を向けるとはいい度胸ですね」
槍のスケルトンナイトがスケルトンメイジを助けようとしたのかは分からない。
もしかしたらまだルフォンの方が弱そうで先に攻撃しにきたのかもしれない。
槍のスケルトンナイトはヴィッツに背を向けてルフォンの方に向かっていった。
当然ヴィッツがその隙を見逃すはずがない。
後ろからヴィッツが槍のスケルトンナイトを斜めに両断する。
炎をまとった剣は鎧ごと槍のスケルトンナイトを真っ二つに切った。
「残るは2体ですね」
「ヴィッツさんはメイジをお願い」
ルフォンは剣のスケルトンナイトに向かう。
立ち上がった剣のスケルトンナイトはルフォンのナイフを防ぎ、段々と後退していく。
実力は悪くはないと思った。
剣のスケルトンナイトは剣を操り、押されながらも何とかルフォンの猛攻に耐えている。
スケルトンナイトにしては相当できる方。
ルフォンが片手しか使っていないとしても相当なスピードなので対応できるのは純粋にすごいと思った。
もしこのスケルトンナイトにゼムトやガイデンのような自我があったならもっと強かったのだろう。
もしかしたらこのスケルトンナイトはそんな感じの強い人のスケルトンナイトだったのかもしれないとすら感じる。
防ぐことも限界に達した時を見計らってルフォンは使っていなかった左手のナイフも使った。
もうギリギリのところで防いでいた剣のスケルトンナイトはルフォンの左手に反応することができなくて、首を切り落とされた。
頭蓋骨が地面を転がっていてもまだ動く気配があったが、ルフォンがナイフを投げて頭蓋骨にトドメを刺すとスケルトンナイトの体が倒れて動かなくなった。
「危ない戦いでございました」
危なげなんてなかった。
前衛がいなきゃスケルトンメイジなんて相手ではないので、ヴィッツはもうすでにスケルトンメイジを片付けていた。
「どちらに向かいますか?」
どちらというのはデュラハンと戦うリュードの方か、スケルトンたちと戦うモノランの方かである。
「……モノランの方に行こう」
「分かりました」
リュードたちなら心配ない。
きっとデュラハンも倒してくれるはず。
今は余裕がなさそうなモノランの方を助けてあげることにした。
もうモノランはあまり魔力がなくてスケルトンたちにチクチクと攻撃されながら少しずつ後退している。
そちらの方が助けが必要そう。
ルフォンはまずモノランを助けに行くことに決めた。
ーーーーー
弱そうな相手を優先して狙うという戦略を考えるだけの若干の知恵がある。
ただし見た目ほどルフォンもか弱くはない。
飛んでくる黒い魔力の矢をルフォンは回避する。
避けられないものはナイフで叩き落として、服にすら魔法が掠ることもさせない。
それでいながら迫り来る剣のスケルトンナイトのこともちゃんと見ている。
突き出された剣のスケルトンナイトの剣をルフォンは体を回転させながらナイフを当てて逸らす。
そのまま回転の勢いを利用して剣のスケルトンナイトの頭に目がけてナイフを振る。
剣のスケルトンナイトはすぐさま体を逸らしてルフォンのナイフを回避すると後ろに飛び退いた。
「これは驚きですね」
やはりただのスケルトンたちではなかった。
戦い方に知性があるとヴィッツはわずかに目を細めてスケルトンナイトたちに視線を向ける。
魔法を使うタイミングも連携も取っていて戦い方を知っている戦いをしている。
「……私のことなめてるのかな?」
けれどスケルトンナイトが連携していることなんてどうでもよく、弱いと思われたことにルフォンはムッとしていた。
スケルトンたちが優先してルフォンを狙った理由はそれしかない。
リュードといるなら仕方ないけどヴィッツと一緒にいて見比べた時にサッと倒せる相手にでも見えたのだろうか。
見た目で軽んじられるのはルフォンも許せない。
「いいよ、じゃあ少しだけ本気、見せたげる」
「これは……」
人狼族だと聞いてはいたがヴィッツが目の前でルフォンの魔人化した姿は見たことがなかった。
弱そうならば力を見せてやるとルフォンが魔人化して人狼の姿になる。
真っ黒な毛に覆われた猛き姿を見てまだ弱そうなどと思えるだろうか。
「ヴィッツさんサポートお願いね」
魔人化した姿でも声は同じく可愛らしいということに不思議さを感じずにはいられない。
「速い……!」
ルフォンは地面を蹴るとルフォンに切りかかってきた剣のスケルトンナイトと距離を詰める。
体ごと叩きつけるようにナイフを振り下ろすと剣のスケルトンナイトはギリギリ反応してナイフに剣を当てた。
しかしルフォンの力が強くて剣のスケルトンナイトは押し切られて地面に転がる。
スケルトンメイジが魔法を使ってルフォンを拘束しようと試みる。
地面から黒い触手が何本もルフォンの体に伸びていく。
「させません!」
それをヴィッツが炎をまとった剣で切り裂く。
「流石ヴィッツさん!」
魔法を使った直後で動けないスケルトンメイジにルフォンが飛びかかる。
ルフォンの魔力と聖水による神聖力がこもったナイフが額に当たり、そのまま頭蓋骨を2つに叩き割る。
スケルトンメイジの体が魔力を失ってバラバラと崩れる。
1体倒した。
すぐさま槍のスケルトンナイトがルフォンに襲いかかる。
分かっていたかのようにルフォンは飛び上がり、槍のスケルトンナイトの上を飛び越えながら体を反転させる。
着地してすぐさま反撃を繰り出す。
ナイフが鎧を切り裂くが槍のスケルトンナイトに変化はない。
中に体が詰まっているのではないので鎧が傷付けられただけに終わったからだ。
「私に背を向けるとはいい度胸ですね」
槍のスケルトンナイトがスケルトンメイジを助けようとしたのかは分からない。
もしかしたらまだルフォンの方が弱そうで先に攻撃しにきたのかもしれない。
槍のスケルトンナイトはヴィッツに背を向けてルフォンの方に向かっていった。
当然ヴィッツがその隙を見逃すはずがない。
後ろからヴィッツが槍のスケルトンナイトを斜めに両断する。
炎をまとった剣は鎧ごと槍のスケルトンナイトを真っ二つに切った。
「残るは2体ですね」
「ヴィッツさんはメイジをお願い」
ルフォンは剣のスケルトンナイトに向かう。
立ち上がった剣のスケルトンナイトはルフォンのナイフを防ぎ、段々と後退していく。
実力は悪くはないと思った。
剣のスケルトンナイトは剣を操り、押されながらも何とかルフォンの猛攻に耐えている。
スケルトンナイトにしては相当できる方。
ルフォンが片手しか使っていないとしても相当なスピードなので対応できるのは純粋にすごいと思った。
もしこのスケルトンナイトにゼムトやガイデンのような自我があったならもっと強かったのだろう。
もしかしたらこのスケルトンナイトはそんな感じの強い人のスケルトンナイトだったのかもしれないとすら感じる。
防ぐことも限界に達した時を見計らってルフォンは使っていなかった左手のナイフも使った。
もうギリギリのところで防いでいた剣のスケルトンナイトはルフォンの左手に反応することができなくて、首を切り落とされた。
頭蓋骨が地面を転がっていてもまだ動く気配があったが、ルフォンがナイフを投げて頭蓋骨にトドメを刺すとスケルトンナイトの体が倒れて動かなくなった。
「危ない戦いでございました」
危なげなんてなかった。
前衛がいなきゃスケルトンメイジなんて相手ではないので、ヴィッツはもうすでにスケルトンメイジを片付けていた。
「どちらに向かいますか?」
どちらというのはデュラハンと戦うリュードの方か、スケルトンたちと戦うモノランの方かである。
「……モノランの方に行こう」
「分かりました」
リュードたちなら心配ない。
きっとデュラハンも倒してくれるはず。
今は余裕がなさそうなモノランの方を助けてあげることにした。
もうモノランはあまり魔力がなくてスケルトンたちにチクチクと攻撃されながら少しずつ後退している。
そちらの方が助けが必要そう。
ルフォンはまずモノランを助けに行くことに決めた。
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