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第三章
熱き砂浜の戦い9
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「そうね。私たちも最初はあんな感じだった……あら」
言われてみればそう感じるとエリザがクスリと笑う。
そんな様子を見て挑発されたと感じたルフォンはギュッとリュードの腕に手を回した。
自分たちだって触れ合えるのだぞとアピールするのだが、顔が赤くなっているのが丸わかりである。
若い2人の近すぎない恥じらいを持った関係性。
昔の自分たちを見てるような気分になってバーナードとエリザは微笑ましくなった。
「スタート前から両者の間には激しく火花が散っております! それでは旗取り最後の戦い、バーナード・エリザペアが勝つのか、シューナリュード・ルフォンペアが勝つのか。それともまた別のペアが勝つのか目が離せません!」
予選が終わって決勝戦。
リュードたちの左隣がバーナード・エリザペアであった。
「最後に旗を持っていたペアが勝者となります。位置について……よーい、スタートぉ!」
都合4回目でも砂浜の上を走ることは難しい。
未だに慣れたとは言えない。
だから出来ることを全力でする。
最初から全身全霊での猛ダッシュ。
バーナード・エリザペアは足を出すタイミングを合わせるのに掛け声を使っていたけれど、リュードとルフォンにはそんなものもなかった。
勝ちに向かって集中力の高まった2人は自然と息が合い、足が合った。
「速い、速ーい! シューナリュード・ルフォンペア速い! まるで普段から足を縛って生活しているかのような息の合い具合!」
スタートダッシュは大成功。
誰よりも早く起き上がり、誰よりも早くターンを決めた。
「バーナード・エリザペアも負けじと食い下がるが……差が縮まない!」
「ルフォン」
「ううん、リューちゃん、2人で」
視線も交わさない短い会話。
2人は一際強く砂を蹴ると一直線に旗に飛びついた。
ゴールは同時に。
「取ったぁーーーー! シューナリュード・ルフォンペアなんと2人で旗を取り高くそれを掲げましたー! 旗取りペア部門の勝者はシューナリュード・ルフォンペアだーーーー!」
歓声。
1番難しい走りだったのに1番早く走れた。
「へへっ、やったね。次も勝ってこのまま優勝しちゃおうね!」
「ああ、このまま優勝だな!」
今自分たちはノっているとリュードも感じていた。
バーナードとエリザペアに少し押され気味であったけれど自分たちのペースというものを取り戻した。
どんな競技が待ち受けていようとも勝てる。
足の縛りを外してもらったけれど、それでパッと離れるのも逆に恥ずかしくなって近いようなそんな距離を2人は保つ。
「名残惜しくも最後の競技となってしまいました。この大会ラストを飾ります競技、それはスナハマラベック! 知らない人にとってはちょっとだけルールが聞き慣れないかもしれません。簡単に申しますとこのラベックというボールを砂浜に落としてはならない、そのような競技となっております」
簡単にウェッツォがルールの説明をする。
なんだかこれは1番競技っぽいなと思っていたら、このラベックという競技よくよく聞くと要するにビーチバレーのようなものであった。
ボールを持ったりせずに体のどこかで跳ね上げて地面につけないようにしながら、漁用の網で区切られた相手のスペースにボールを落とすという競技。
聞けば聞くほどバレーなのだが名前はラベック。
これはボールの名前から来ていて、そのボールの名前は素材となった魔物の名前から来ている。
今は別にその魔物で作られたものだけではないのだけれど、元々そんな魔物の皮で作ったボールで遊んでいたことが発祥らしい。
「意外と跳ねるな」
練習としてラベックを触ってみると思いの外しっかりとしたボールだった。
こうしたものが普及すればスポーツ的な文化も花咲く可能性がありそうだ。
「ちなみにこちらのラベックはモスナ商店で販売しております!」
時々協賛している商人の紹介が入る。
観客も多い商業的な側面もあるイベントで色々と利権も絡んでいるのだろう。
用意されたコートは2つで戦いは勝ち上がりトーナメント方式。
この時点で勝ち目がないと棄権してしまったペアもあり計16ペアでの戦いになることになった。
1回戦目は16組のペアトーナメント表ではリュードたちの逆側の山からやっていくことになって、リュードたちはちょっとお休みとなった。
リュードはともかくルフォンが口頭での1回だけの説明でちゃんと競技を理解できているか分からないので助かった。
他のペアで理解できているであろうバーナード・エリザペアは試合をしているので偵察も兼ねて見に行くことにした。
この2人は前回大会にも出ているしラベックがどんな競技か知っている。
「エリザ!」
「はいよ!」
「エリザのアタックが決まったー!」
相手ペアもラベックを知っているのか全く動けていないわけじゃないが、慣れてもいないのか動きがグダグダ。
とてもじゃないがバーナード・エリザペアには敵わない。
それでも基本的な動きは見ることができたのでルフォンも基本ルールは理解できた。
そのまま危なげなくバーナード・エリザペアは勝ち抜き、リュードたちも呼ばれて試合の番となった。
「いけそうか?」
「うん、大丈夫!」
相手ペアはエンジョイ勢の初心者。
非常にちょうど良い相手である。
リュードがいればまず負けることはない相手なのでリュードはルフォンのフォローを上手くしながら色々と練習を兼ねてやらせてみる。
運動神経もいいし、勘もいい。
みるみる間にラベックに慣れていき、ルフォンは上手くなっていく。
感じ的にはトスを上げるよりアタックが上手い。
「やあっ!」
「ルフォンの強力なアタックを相手チームは取ることができない!」
「ナイス!」
「へへ!」
リュードが上げてルフォンが決めるの流れが出来つつあった。
2回戦目はそうした流れを確立する様に動いていき、ルフォンも優秀なアタッカーとなった。
トスを受けるのも動体視力がいいので上手く、2回戦目は失点も少なく勝つことができた。
言われてみればそう感じるとエリザがクスリと笑う。
そんな様子を見て挑発されたと感じたルフォンはギュッとリュードの腕に手を回した。
自分たちだって触れ合えるのだぞとアピールするのだが、顔が赤くなっているのが丸わかりである。
若い2人の近すぎない恥じらいを持った関係性。
昔の自分たちを見てるような気分になってバーナードとエリザは微笑ましくなった。
「スタート前から両者の間には激しく火花が散っております! それでは旗取り最後の戦い、バーナード・エリザペアが勝つのか、シューナリュード・ルフォンペアが勝つのか。それともまた別のペアが勝つのか目が離せません!」
予選が終わって決勝戦。
リュードたちの左隣がバーナード・エリザペアであった。
「最後に旗を持っていたペアが勝者となります。位置について……よーい、スタートぉ!」
都合4回目でも砂浜の上を走ることは難しい。
未だに慣れたとは言えない。
だから出来ることを全力でする。
最初から全身全霊での猛ダッシュ。
バーナード・エリザペアは足を出すタイミングを合わせるのに掛け声を使っていたけれど、リュードとルフォンにはそんなものもなかった。
勝ちに向かって集中力の高まった2人は自然と息が合い、足が合った。
「速い、速ーい! シューナリュード・ルフォンペア速い! まるで普段から足を縛って生活しているかのような息の合い具合!」
スタートダッシュは大成功。
誰よりも早く起き上がり、誰よりも早くターンを決めた。
「バーナード・エリザペアも負けじと食い下がるが……差が縮まない!」
「ルフォン」
「ううん、リューちゃん、2人で」
視線も交わさない短い会話。
2人は一際強く砂を蹴ると一直線に旗に飛びついた。
ゴールは同時に。
「取ったぁーーーー! シューナリュード・ルフォンペアなんと2人で旗を取り高くそれを掲げましたー! 旗取りペア部門の勝者はシューナリュード・ルフォンペアだーーーー!」
歓声。
1番難しい走りだったのに1番早く走れた。
「へへっ、やったね。次も勝ってこのまま優勝しちゃおうね!」
「ああ、このまま優勝だな!」
今自分たちはノっているとリュードも感じていた。
バーナードとエリザペアに少し押され気味であったけれど自分たちのペースというものを取り戻した。
どんな競技が待ち受けていようとも勝てる。
足の縛りを外してもらったけれど、それでパッと離れるのも逆に恥ずかしくなって近いようなそんな距離を2人は保つ。
「名残惜しくも最後の競技となってしまいました。この大会ラストを飾ります競技、それはスナハマラベック! 知らない人にとってはちょっとだけルールが聞き慣れないかもしれません。簡単に申しますとこのラベックというボールを砂浜に落としてはならない、そのような競技となっております」
簡単にウェッツォがルールの説明をする。
なんだかこれは1番競技っぽいなと思っていたら、このラベックという競技よくよく聞くと要するにビーチバレーのようなものであった。
ボールを持ったりせずに体のどこかで跳ね上げて地面につけないようにしながら、漁用の網で区切られた相手のスペースにボールを落とすという競技。
聞けば聞くほどバレーなのだが名前はラベック。
これはボールの名前から来ていて、そのボールの名前は素材となった魔物の名前から来ている。
今は別にその魔物で作られたものだけではないのだけれど、元々そんな魔物の皮で作ったボールで遊んでいたことが発祥らしい。
「意外と跳ねるな」
練習としてラベックを触ってみると思いの外しっかりとしたボールだった。
こうしたものが普及すればスポーツ的な文化も花咲く可能性がありそうだ。
「ちなみにこちらのラベックはモスナ商店で販売しております!」
時々協賛している商人の紹介が入る。
観客も多い商業的な側面もあるイベントで色々と利権も絡んでいるのだろう。
用意されたコートは2つで戦いは勝ち上がりトーナメント方式。
この時点で勝ち目がないと棄権してしまったペアもあり計16ペアでの戦いになることになった。
1回戦目は16組のペアトーナメント表ではリュードたちの逆側の山からやっていくことになって、リュードたちはちょっとお休みとなった。
リュードはともかくルフォンが口頭での1回だけの説明でちゃんと競技を理解できているか分からないので助かった。
他のペアで理解できているであろうバーナード・エリザペアは試合をしているので偵察も兼ねて見に行くことにした。
この2人は前回大会にも出ているしラベックがどんな競技か知っている。
「エリザ!」
「はいよ!」
「エリザのアタックが決まったー!」
相手ペアもラベックを知っているのか全く動けていないわけじゃないが、慣れてもいないのか動きがグダグダ。
とてもじゃないがバーナード・エリザペアには敵わない。
それでも基本的な動きは見ることができたのでルフォンも基本ルールは理解できた。
そのまま危なげなくバーナード・エリザペアは勝ち抜き、リュードたちも呼ばれて試合の番となった。
「いけそうか?」
「うん、大丈夫!」
相手ペアはエンジョイ勢の初心者。
非常にちょうど良い相手である。
リュードがいればまず負けることはない相手なのでリュードはルフォンのフォローを上手くしながら色々と練習を兼ねてやらせてみる。
運動神経もいいし、勘もいい。
みるみる間にラベックに慣れていき、ルフォンは上手くなっていく。
感じ的にはトスを上げるよりアタックが上手い。
「やあっ!」
「ルフォンの強力なアタックを相手チームは取ることができない!」
「ナイス!」
「へへ!」
リュードが上げてルフォンが決めるの流れが出来つつあった。
2回戦目はそうした流れを確立する様に動いていき、ルフォンも優秀なアタッカーとなった。
トスを受けるのも動体視力がいいので上手く、2回戦目は失点も少なく勝つことができた。
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