72 / 262
第二章
父の出した条件2
しおりを挟む
リュードたちの少し前に並んでいる奴らの会話が聞こえてきた。
これまでも物珍しそうに見てくる視線は感じていたけれど露骨にいじってくる輩は初めてだった。
リュードに聞こえているならルフォンにも聞こえている。
尻尾に振りが弱くなっていき、ルフォンの機嫌が悪くなる。
「ルフォン、気にするな」
「だって……」
「これからもこういうことは山ほどある。いちいち目くじら立ててたら身が持たないぞ」
「むう……リューちゃんは気にならないの?」
気にならないというとウソになる。
あんな風に聞こえる音量で人のことをやいのやいの行ってくる連中なんて一人一人ぶん殴ってやりたいぐらいだ。
しかし角を隠してでもしない限りは容姿を揶揄してくるやつは絶対に出てくる。
そんな奴らを一々相手にしていては時間がもったいない。
それに真人族の領域で問題を起こせば魔人族のリュードにとっては良い結果になることはない。
殴りかかれば悪いのはリュードたちになる。
仮に向こうのほうから殴りかかられても真人族の領域では魔人族に公平な判断なんて望めず、リュードが悪いことにされてしまうのは火を見るより明らかだ。
ムカついてもいらぬ波風は立てないのがいい。
長い旅の中でムカつくやつをぶっ飛ばしていったら死体の山になるかもしれない。
「気にならないわけじゃないがわざわざ弱い奴らに突っかかっていくこともないだろ」
声を潜めて冗談めかして言う。
聞こえると因縁をつけられるかもしれないし、この方が冗談っぽく聞こえる。
ルフォンがクスリと笑う。
「そうだね、あんなのリューちゃんには敵わないしね」
「ああ、だから気にするな」
その後バカたちの興味は他に移ったのかリュードたちのことは忘れられた。
結局ルフォンに声をかける勇気もない連中なのだ、相手にしなくて正解だった。
検問の列も進んでいきリュードたちの番になる。
「通行の目的は?」
きっちりと鎧を装備した衛兵がリュードたちに訪問の目的を尋ねる。
「冒険者学校に入学しに来ました」
そう言って推薦状を衛兵に渡す。
軽く内容を読んで確認する。
「よし、通れ」
推薦状をリュードに返し、中に入れと顎をしゃくる。
検問といっても全員が全員身分を証明できるものを持っているわけではない世界だ。
よほど怪しくない限りはそのまま通してしまうのが基本である。
今回は推薦状もあるし特に怪しいところもないのですんなり通してくれた。
「ありがとうございます」
このような検査をするところには袖の下、いわゆる賄賂を要求してくるところもある。
その点だけ考えればここはちゃんとしているほうかもしれない。
「わあ~」
最初に寄った町なんかはまだ牧歌的な緩やかさもあったけれどツミノブはしっかりと騒がしさがあって都会的な感じがあった。
門の中すぐということもあってか人が多く、ごった返している。
「まずは冒険者学校に行かないとな」
冒険者学校への入学はいつでも可能だが授業の開始タイミングがある。
この世界では四季にも近い感じで1年を4つの節というものに分けている。
そして二節ごとに学校が始まるのだ。
旅程が事情により遅れることはままあるので多少遅れてしまい、始まったときにいなくても構わないが授業の進度には遅れることになる。
なので緩めに考えても大丈夫なのであるが成績優秀で卒業するためには始業の時からちゃんと通っておきたい。
だからできるだけ早めに入学手続きを済ませてしまった方が良い。
緩いと言っても機嫌はある。
もし入学のタイミングを過ぎていてしまったら次を待たねばいけなくなる。
二節、つまりは半年という期間待つのはリュードとしても避けたい。
「ねえリューちゃんあれ食べたい!」
そんなことを考えているリュードに対してルフォンはのんきなものだった。
というものの親の目はなくお金に余裕がある。
少しぐらい贅沢しても怒る人はいないのだ。
お昼として食べ歩きなんかしながら冒険者学校を探す。
食べ歩きながら道中何人かに聞きながら冒険者学校を探す。
ツミノブにおいて冒険者学校は有名なところである。
新人冒険者は町にとっても賑わいとなるので冒険者学校に行こうとする新人冒険者にはみんな優しく、みんな快く道を教えてくれた。
ある程度近くまで来ると大きな建物が見えてきて、それが冒険者学校だとすぐにわかった。
「すいませーん」
学校と行ってもリュードが転生前に通っていた学校とは違っていて、イメージ的には大きな塾ぐらいの物である。
大きな教室がいくつかと体を動かせるトレーニングルームや武器の扱いも許可されている訓練場、生徒専用の食堂なんかがある。
寮のようなものもありお金がない人はそこで泊まることもできる。
お金があるなら近くの宿に泊まることももちろんできる。
「はい、どういったご用件でしょうでしょうか?」
「入学しに来ました」
リュードは推薦状を受付の女性に渡す。
しっかりと一読して受付の女性がちらりとリュードとルフォンを見た。
内容を読むとゴールド+クラスの冒険者からの推薦状だった。
仮に偽物でもお金を払って入学するのなら基本的には問題もない。
「推薦状に問題はありません。ではこちらにお名前を書いていただき、入学金をお納めください。ご希望でしたら代筆も承っております」
授業によっては怪我をする可能性もある。
この冒険者学校では他の国からも人が集まり、身分は関係ないので一人一人に細かな配慮をすることは不可能。
苦情が出てしまっては困るので入学届とともに免責書にもサインする。
代筆も出来ると言われたがリュードとルフォンは自分で名前を書く。
リュードたちの村ではみんな一様に教育を受ける。
簡単な計算なんかも出来るし、もちろん文字も習う。
なのでリュードもルフォンも普通に文字が書けるのだ。
これまでも物珍しそうに見てくる視線は感じていたけれど露骨にいじってくる輩は初めてだった。
リュードに聞こえているならルフォンにも聞こえている。
尻尾に振りが弱くなっていき、ルフォンの機嫌が悪くなる。
「ルフォン、気にするな」
「だって……」
「これからもこういうことは山ほどある。いちいち目くじら立ててたら身が持たないぞ」
「むう……リューちゃんは気にならないの?」
気にならないというとウソになる。
あんな風に聞こえる音量で人のことをやいのやいの行ってくる連中なんて一人一人ぶん殴ってやりたいぐらいだ。
しかし角を隠してでもしない限りは容姿を揶揄してくるやつは絶対に出てくる。
そんな奴らを一々相手にしていては時間がもったいない。
それに真人族の領域で問題を起こせば魔人族のリュードにとっては良い結果になることはない。
殴りかかれば悪いのはリュードたちになる。
仮に向こうのほうから殴りかかられても真人族の領域では魔人族に公平な判断なんて望めず、リュードが悪いことにされてしまうのは火を見るより明らかだ。
ムカついてもいらぬ波風は立てないのがいい。
長い旅の中でムカつくやつをぶっ飛ばしていったら死体の山になるかもしれない。
「気にならないわけじゃないがわざわざ弱い奴らに突っかかっていくこともないだろ」
声を潜めて冗談めかして言う。
聞こえると因縁をつけられるかもしれないし、この方が冗談っぽく聞こえる。
ルフォンがクスリと笑う。
「そうだね、あんなのリューちゃんには敵わないしね」
「ああ、だから気にするな」
その後バカたちの興味は他に移ったのかリュードたちのことは忘れられた。
結局ルフォンに声をかける勇気もない連中なのだ、相手にしなくて正解だった。
検問の列も進んでいきリュードたちの番になる。
「通行の目的は?」
きっちりと鎧を装備した衛兵がリュードたちに訪問の目的を尋ねる。
「冒険者学校に入学しに来ました」
そう言って推薦状を衛兵に渡す。
軽く内容を読んで確認する。
「よし、通れ」
推薦状をリュードに返し、中に入れと顎をしゃくる。
検問といっても全員が全員身分を証明できるものを持っているわけではない世界だ。
よほど怪しくない限りはそのまま通してしまうのが基本である。
今回は推薦状もあるし特に怪しいところもないのですんなり通してくれた。
「ありがとうございます」
このような検査をするところには袖の下、いわゆる賄賂を要求してくるところもある。
その点だけ考えればここはちゃんとしているほうかもしれない。
「わあ~」
最初に寄った町なんかはまだ牧歌的な緩やかさもあったけれどツミノブはしっかりと騒がしさがあって都会的な感じがあった。
門の中すぐということもあってか人が多く、ごった返している。
「まずは冒険者学校に行かないとな」
冒険者学校への入学はいつでも可能だが授業の開始タイミングがある。
この世界では四季にも近い感じで1年を4つの節というものに分けている。
そして二節ごとに学校が始まるのだ。
旅程が事情により遅れることはままあるので多少遅れてしまい、始まったときにいなくても構わないが授業の進度には遅れることになる。
なので緩めに考えても大丈夫なのであるが成績優秀で卒業するためには始業の時からちゃんと通っておきたい。
だからできるだけ早めに入学手続きを済ませてしまった方が良い。
緩いと言っても機嫌はある。
もし入学のタイミングを過ぎていてしまったら次を待たねばいけなくなる。
二節、つまりは半年という期間待つのはリュードとしても避けたい。
「ねえリューちゃんあれ食べたい!」
そんなことを考えているリュードに対してルフォンはのんきなものだった。
というものの親の目はなくお金に余裕がある。
少しぐらい贅沢しても怒る人はいないのだ。
お昼として食べ歩きなんかしながら冒険者学校を探す。
食べ歩きながら道中何人かに聞きながら冒険者学校を探す。
ツミノブにおいて冒険者学校は有名なところである。
新人冒険者は町にとっても賑わいとなるので冒険者学校に行こうとする新人冒険者にはみんな優しく、みんな快く道を教えてくれた。
ある程度近くまで来ると大きな建物が見えてきて、それが冒険者学校だとすぐにわかった。
「すいませーん」
学校と行ってもリュードが転生前に通っていた学校とは違っていて、イメージ的には大きな塾ぐらいの物である。
大きな教室がいくつかと体を動かせるトレーニングルームや武器の扱いも許可されている訓練場、生徒専用の食堂なんかがある。
寮のようなものもありお金がない人はそこで泊まることもできる。
お金があるなら近くの宿に泊まることももちろんできる。
「はい、どういったご用件でしょうでしょうか?」
「入学しに来ました」
リュードは推薦状を受付の女性に渡す。
しっかりと一読して受付の女性がちらりとリュードとルフォンを見た。
内容を読むとゴールド+クラスの冒険者からの推薦状だった。
仮に偽物でもお金を払って入学するのなら基本的には問題もない。
「推薦状に問題はありません。ではこちらにお名前を書いていただき、入学金をお納めください。ご希望でしたら代筆も承っております」
授業によっては怪我をする可能性もある。
この冒険者学校では他の国からも人が集まり、身分は関係ないので一人一人に細かな配慮をすることは不可能。
苦情が出てしまっては困るので入学届とともに免責書にもサインする。
代筆も出来ると言われたがリュードとルフォンは自分で名前を書く。
リュードたちの村ではみんな一様に教育を受ける。
簡単な計算なんかも出来るし、もちろん文字も習う。
なのでリュードもルフォンも普通に文字が書けるのだ。
12
お気に入りに追加
400
あなたにおすすめの小説
仮初の年上妻は成長した年下王子に溺愛陥落させられる
沖果南
恋愛
「貴女が仮初めの妻なんかじゃないことを、分からせてやる」
ピエムスタ帝国の皇女コルネリアは、隣国の年下の王子リシャールと顔も合わせないまま政略結婚する。元敵国の皇女コルネリアに、はじめは反発するリシャールだったが、雷の夜に一晩過ごしたことがきっかけとなり、コルネリアとリシャールは穏やかな関係を築いていく。
しかし、成長したリシャールはだんだんコルネリアとの関係に不満を持ちはじめ――?
◇クールな年下執着王子×異国から来たおっとり年上妻◇
※ムーンライトノベルズに連載しているものです。エロに辿り着くまでが長いです…!
※こちら、[短編]成長した年下王子は逃げたい年上妻を陥落させる をベースにした長編小説となります。さっくりRシーンを楽しみたい方は短編をどうぞ。16万字ちかくあり、かなり長いお話になってしまいましたので、ゆっくりお付き合いください。
※毎日のんびり投稿予定です!
※ムーンとエブリスタにも投稿中です。
※素敵な表紙イラストは羅鳩様です。
ポンコツ女子は異世界で甘やかされる(R18ルート)
三ツ矢美咲
ファンタジー
投稿済み同タイトル小説の、ifルート・アナザーエンド・R18エピソード集。
各話タイトルの章を本編で読むと、より楽しめるかも。
第?章は前知識不要。
基本的にエロエロ。
本編がちょいちょい小難しい分、こっちはアホな話も書く予定。
一旦中断!詳細は近況を!
【R18】ひとりで異世界は寂しかったのでペット(男)を飼い始めました
桜 ちひろ
恋愛
最近流行りの異世界転生。まさか自分がそうなるなんて…
小説やアニメで見ていた転生後はある小説の世界に飛び込んで主人公を凌駕するほどのチート級の力があったり、特殊能力が!と思っていたが、小説やアニメでもみたことがない世界。そして仮に覚えていないだけでそういう世界だったとしても「モブ中のモブ」で間違いないだろう。
この世界ではさほど珍しくない「治癒魔法」が使えるだけで、特別な魔法や魔力はなかった。
そして小さな治療院で働く普通の女性だ。
ただ普通ではなかったのは「性欲」
前世もなかなか強すぎる性欲のせいで苦労したのに転生してまで同じことに悩まされることになるとは…
その強すぎる性欲のせいでこちらの世界でも25歳という年齢にもかかわらず独身。彼氏なし。
こちらの世界では16歳〜20歳で結婚するのが普通なので婚活はかなり難航している。
もう諦めてペットに癒されながら独身でいることを決意した私はペットショップで小動物を飼うはずが、自分より大きな動物…「人間のオス」を飼うことになってしまった。
特に躾はせずに番犬代わりになればいいと思っていたが、この「人間のオス」が私の全てを満たしてくれる最高のペットだったのだ。
二人の公爵令嬢 どうやら愛されるのはひとりだけのようです
矢野りと
恋愛
ある日、マーコック公爵家の屋敷から一歳になったばかりの娘の姿が忽然と消えた。
それから十六年後、リディアは自分が公爵令嬢だと知る。
本当の家族と感動の再会を果たし、温かく迎え入れられたリディア。
しかし、公爵家には自分と同じ年齢、同じ髪の色、同じ瞳の子がすでにいた。その子はリディアの身代わりとして縁戚から引き取られた養女だった。
『シャロンと申します、お姉様』
彼女が口にしたのは、両親が生まれたばかりのリディアに贈ったはずの名だった。
家族の愛情も本当の名前も婚約者も、すでにその子のものだと気づくのに時間は掛からなかった。
自分の居場所を見つけられず、葛藤するリディア。
『……今更見つかるなんて……』
ある晩、母である公爵夫人の本音を聞いてしまい、リディアは家族と距離を置こうと決意する。
これ以上、傷つくのは嫌だから……。
けれども、公爵家を出たリディアを家族はそっとしておいてはくれず……。
――どうして誘拐されたのか、誰にひとりだけ愛されるのか。それぞれの事情が絡み合っていく。
◇家族との関係に悩みながらも、自分らしく生きようと奮闘するリディア。そんな彼女が自分の居場所を見つけるお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※作品の内容が合わない時は、そっと閉じていただければ幸いです(_ _)
※感想欄のネタバレ配慮はありません。
※執筆中は余裕がないため、感想への返信はお礼のみになっておりますm(_ _;)m
完結「不治の病にかかった婚約者の為に、危険を犯して不死鳥の葉を取ってきたら、婚約者が浮気してました。彼の病が再発したそうですが知りません」
まほりろ
恋愛
「リシェル・ゼーマン辺境伯令嬢!
貴様は婚約者である僕の看病をそっちのけで、新米の兵士でも一週間あれば余裕で取れる不死鳥の葉を、一か月もかけてのろのろと取ってきたそうだな!
しかもキマイラやグリフォンやケルベロスの出る山を五つ越え、バジリスクの住む死の荒野を越え、毒蠍の出現する砂漠を越え、アンデットモンスターが闊歩する毒の沼地を越え、不死鳥の山を半日ほどロッククライミングして山頂にいる不死鳥とバトルして、艱難辛苦の末に、不死鳥が守っていた木から不死鳥の葉を手に入れ来たなどと嘘をついているそうじゃないか!
そんな薄情で嘘つきでずる賢い女は僕の婚約者に相応しくない!
よって今日限りで貴様との婚約を破棄する!
僕は、病に冒された僕の手をずっと握っていてくれた優しいクラーラと結婚する!」
苦労して不死鳥の葉を取ってきて王太子の病を治してやったのに、彼から言われた言葉はこれだった。
こんなアホでも一応幼馴染、十八歳の若さで死なせるのは可哀相だと思い、不死鳥の葉を取ってきたのが間違いだった。
こんな愚か者とはさっさと別れて、故郷に帰ってのんびり暮らしましょう。
「婚約破棄、承知いたしました」
私は淑女の礼をして部屋を出た。
王太子は病が完治したと思い込み私を切り捨てた。
しかし数か月後、王太子の病が再発して……。
不死鳥の葉を取りに行けるのは勇者の血を引く私と父のみ。
王太子殿下、私たち親子をあれだけ罵っておきながら今さら泣きついてきたりしませんよね?
【こんな人におすすめ】
・強いヒロインが好き
・ざまぁは徹底的に
・ハッピーエンドが好き
・スパダリから溺愛されたい
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※後日譚を不定期に投稿してます。
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
※「不治の病にかかった婚約者の為に危険を犯して不死鳥の葉を取ってきた辺境伯令嬢、枕元で王太子の手を握っていただけの公爵令嬢に負け婚約破棄される。王太子の病が再発したそうですが知りません」のタイトルで、小説家になろうにも投稿してます。
※2023年9月17日女性向けホットランキング5位まで上がりました。ありがとうございます。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
恋愛
子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる