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第二章
後の大商人か1
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旅に出発したリュードたちであるがこの旅の始まりは二人きりではない。
リュードたちが住む森は魔物も多くいて危険が高い。
なのでリスクを減らすためにリュードたちは村から出発する行商に同行して旅は始めたのであった。
「よろしくお願いしますね、シューナリュードさん!」
事前の顔合わせもあったけれど同行させてもらうのだから今一度改めて挨拶する。
行商はメインとなる商人の人狼族夫婦とその息子、それに荷物持ち兼護衛が3人の計6人がいる。
そんなに荷物持ちがいなくてもマジックボックスの魔法がかかったカバンがあるので入れていけばいいじゃないかと思うがそうもいかない事情がある。
現代ではマジックボックスの魔法がかかったカバンも貴重品である。
村ではリュードの父親のヴェルデガーが作れるので比較的普及したものではあるが外では違う。
マジックボックスの魔法がかかったカバンがあることをあからさまにしてあまり身軽な持ち物で移動することは良い選択とは言えない。
なので大量とは言えなくてもある程度の荷物は持って移動する。
それに道中には魔物や盗賊などの危険性もあるので護衛も必要である。
今回はリュードとルフォンの他に商人も息子も同行することになっていて名前はロセアといい、リュードとルフォンと同い年である。
鍛冶屋の息子ラッツといいテユノといい歳の近いところで色々な奴がいる。
ロセアは同年代で見ても小柄な体格をしている。
理由は知らないけれど何故なのかリュードをシューナリュード、しかもさんを付けて呼んでいた。
近い年の人は愛称のリュードでなくとも多くが呼び捨てなのに同い年でこう呼ばれるのは珍しい。
「よろしくお願いします、みなさん」
行商の雰囲気は軽く、そのまま村長になってしまえばよかったのになんて冗談もありながら歩いていく。
町へのルートはちゃんと道のよう整備はされている。
何回も人が通っていくので獣道のようになっていたところを先代の村長時代に整備していたのである。
馬車なんかが通れるような道ではなくて草を刈り、でこぼこしたところを軽くならしただけであるが何もない頃よりははるかにマシである。
問題がない限り毎回同じルートを同じペースで進んでいくので、休むのもおおよそ同じ場所になる。
周りを切り開いて焚き火用に少しだけ掘り下げた場所があり、そこで夜を過ごす。
早く進んでも遅く進んでもそうしたキャンプポイントのようなところまで行って、その日の旅を切り上げるのだ。
運が良く、町に着くまでの間に魔物に遭遇することはなかった。
「人がいっぱいいる……」
町に着いて、ルフォンは驚きの声を漏らした。
村に比べるとたくさんの人が歩いている。
まだまだこれぐらいで驚いてちゃ今後持たないぞと思うが水を差す真似はしない。
ルフォンは今フードをかぶっている。真人族の中には魔人族に良い顔をしないものもいるからだ。
獣人族は見た目で分かりやすく、大戦前では奴隷にされていた獣人族も多い。
人数も多く戦争で前に立って戦った獣人族もたくさんいたので未だに獣人族に対して根強い偏見の目は存在している。
ルフォンはどうしてもその見た目から獣人族に勘違いされてしまう。
ケモミミを隠すのが苦手なのでしょうがなくフードで隠している。
リュードはというと堂々とツノを出している。
別にリュードは完全にツノを消してしまえるがもはやルフォンがやらないならリュードもその特徴を消してしまうことはしない。
フードをかぶっても膨らみで違和感がありすぎるので隠すことをやめてしまった。
偏見の目で見たいのなら見ればいい。
そんなこと今更気にしない。
それに堂々としていればわざわざひそひそとしてくる人も意外と少ないものである。
規模としては小さい町なので人の目は多くない。
元はもっと廃れてつぶれそうな村だった。
竜人族の村が森にできて、竜人族や人狼族が魔物を狩って減らし、魔物の素材を町に売りに来てくれるので町はかなり持ち直した。
「申し訳ございません。あと一部屋しか空きがなくて……」
キョロキョロと町の様子を興味深そうに見回すルフォンを微笑ましく眺めながら行商の時にいつも使う宿に向かった。
今回はリュードとルフォン、ロセアといつもよりも人数が多いので宿の空き状況を聞いたところ、こう返事が返ってきた。
行商の日は決まっているのでいつものメンバー分は空きを確保してくれているのだが予想外の人員の分までは確保してくれてはいない。
むしろ行商の来るタイミングは商品入荷の時期になるので宿も埋まってしまっていた。
「いや、問題はないんじゃないか」
ロセアの父がなんてことはないように言った。
普段取っている部屋は4人部屋1つと2人部屋1つ。
4人部屋に護衛の3人が泊まり、2人部屋に商人夫婦が泊まっている。
今空きがあるのは2人部屋1つ。
泊まれる人数は8人で今いる人数も8人。
ロセアの父が4人部屋に行き、ロセアの母とルフォン、リュードとロセアでそれぞれ2人部屋に泊まれば解決できる。
一瞬だけルフォンと同室かなんて考えた自分が恥ずかしいリュードだった。
こうした宿の費用も行商側で持ってくれることになってくれていた。
みんなの思いやり、旅の餞別みたいなものである。
ただお世話になっているだけなのも悪いのでリュードとルフォンも行商を手伝って荷物を持つ。
といっても最初の町で寄るのは商会1ヶ所だけである。
他の町にも行って商売をするし何ヶ所も回ると面倒なので懇意にしている商人としか商売をしない。
この町の他に2つの町、計3つの町に行く予定で、1回目の交渉は今後の商談を占うことにもなる大事な商談である。
そうして始まった商談はロセアの父が手腕を振るって、やや有利な条件で話をまとめた。
気を良くしたのか昼は予定よりも少しだけ良いお店で食べて、あとは自由となった。
町を探索したかったがリュードとルフォンだけでは不安なのでロセアにもついてきてもらって町の中をぶらぶらと探索した。
次の日の朝には次の街に向けて出発となるので滞在時間はとても短かった。
リュードたちが住む森は魔物も多くいて危険が高い。
なのでリスクを減らすためにリュードたちは村から出発する行商に同行して旅は始めたのであった。
「よろしくお願いしますね、シューナリュードさん!」
事前の顔合わせもあったけれど同行させてもらうのだから今一度改めて挨拶する。
行商はメインとなる商人の人狼族夫婦とその息子、それに荷物持ち兼護衛が3人の計6人がいる。
そんなに荷物持ちがいなくてもマジックボックスの魔法がかかったカバンがあるので入れていけばいいじゃないかと思うがそうもいかない事情がある。
現代ではマジックボックスの魔法がかかったカバンも貴重品である。
村ではリュードの父親のヴェルデガーが作れるので比較的普及したものではあるが外では違う。
マジックボックスの魔法がかかったカバンがあることをあからさまにしてあまり身軽な持ち物で移動することは良い選択とは言えない。
なので大量とは言えなくてもある程度の荷物は持って移動する。
それに道中には魔物や盗賊などの危険性もあるので護衛も必要である。
今回はリュードとルフォンの他に商人も息子も同行することになっていて名前はロセアといい、リュードとルフォンと同い年である。
鍛冶屋の息子ラッツといいテユノといい歳の近いところで色々な奴がいる。
ロセアは同年代で見ても小柄な体格をしている。
理由は知らないけれど何故なのかリュードをシューナリュード、しかもさんを付けて呼んでいた。
近い年の人は愛称のリュードでなくとも多くが呼び捨てなのに同い年でこう呼ばれるのは珍しい。
「よろしくお願いします、みなさん」
行商の雰囲気は軽く、そのまま村長になってしまえばよかったのになんて冗談もありながら歩いていく。
町へのルートはちゃんと道のよう整備はされている。
何回も人が通っていくので獣道のようになっていたところを先代の村長時代に整備していたのである。
馬車なんかが通れるような道ではなくて草を刈り、でこぼこしたところを軽くならしただけであるが何もない頃よりははるかにマシである。
問題がない限り毎回同じルートを同じペースで進んでいくので、休むのもおおよそ同じ場所になる。
周りを切り開いて焚き火用に少しだけ掘り下げた場所があり、そこで夜を過ごす。
早く進んでも遅く進んでもそうしたキャンプポイントのようなところまで行って、その日の旅を切り上げるのだ。
運が良く、町に着くまでの間に魔物に遭遇することはなかった。
「人がいっぱいいる……」
町に着いて、ルフォンは驚きの声を漏らした。
村に比べるとたくさんの人が歩いている。
まだまだこれぐらいで驚いてちゃ今後持たないぞと思うが水を差す真似はしない。
ルフォンは今フードをかぶっている。真人族の中には魔人族に良い顔をしないものもいるからだ。
獣人族は見た目で分かりやすく、大戦前では奴隷にされていた獣人族も多い。
人数も多く戦争で前に立って戦った獣人族もたくさんいたので未だに獣人族に対して根強い偏見の目は存在している。
ルフォンはどうしてもその見た目から獣人族に勘違いされてしまう。
ケモミミを隠すのが苦手なのでしょうがなくフードで隠している。
リュードはというと堂々とツノを出している。
別にリュードは完全にツノを消してしまえるがもはやルフォンがやらないならリュードもその特徴を消してしまうことはしない。
フードをかぶっても膨らみで違和感がありすぎるので隠すことをやめてしまった。
偏見の目で見たいのなら見ればいい。
そんなこと今更気にしない。
それに堂々としていればわざわざひそひそとしてくる人も意外と少ないものである。
規模としては小さい町なので人の目は多くない。
元はもっと廃れてつぶれそうな村だった。
竜人族の村が森にできて、竜人族や人狼族が魔物を狩って減らし、魔物の素材を町に売りに来てくれるので町はかなり持ち直した。
「申し訳ございません。あと一部屋しか空きがなくて……」
キョロキョロと町の様子を興味深そうに見回すルフォンを微笑ましく眺めながら行商の時にいつも使う宿に向かった。
今回はリュードとルフォン、ロセアといつもよりも人数が多いので宿の空き状況を聞いたところ、こう返事が返ってきた。
行商の日は決まっているのでいつものメンバー分は空きを確保してくれているのだが予想外の人員の分までは確保してくれてはいない。
むしろ行商の来るタイミングは商品入荷の時期になるので宿も埋まってしまっていた。
「いや、問題はないんじゃないか」
ロセアの父がなんてことはないように言った。
普段取っている部屋は4人部屋1つと2人部屋1つ。
4人部屋に護衛の3人が泊まり、2人部屋に商人夫婦が泊まっている。
今空きがあるのは2人部屋1つ。
泊まれる人数は8人で今いる人数も8人。
ロセアの父が4人部屋に行き、ロセアの母とルフォン、リュードとロセアでそれぞれ2人部屋に泊まれば解決できる。
一瞬だけルフォンと同室かなんて考えた自分が恥ずかしいリュードだった。
こうした宿の費用も行商側で持ってくれることになってくれていた。
みんなの思いやり、旅の餞別みたいなものである。
ただお世話になっているだけなのも悪いのでリュードとルフォンも行商を手伝って荷物を持つ。
といっても最初の町で寄るのは商会1ヶ所だけである。
他の町にも行って商売をするし何ヶ所も回ると面倒なので懇意にしている商人としか商売をしない。
この町の他に2つの町、計3つの町に行く予定で、1回目の交渉は今後の商談を占うことにもなる大事な商談である。
そうして始まった商談はロセアの父が手腕を振るって、やや有利な条件で話をまとめた。
気を良くしたのか昼は予定よりも少しだけ良いお店で食べて、あとは自由となった。
町を探索したかったがリュードとルフォンだけでは不安なのでロセアにもついてきてもらって町の中をぶらぶらと探索した。
次の日の朝には次の街に向けて出発となるので滞在時間はとても短かった。
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