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第二章
ゴブリンはカエルの商人に出会いました2
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「なんなのか分かってるゲコ?」
「もちろん」
袋を手に取って中身を見てみる。
白い粉が入っている。
「確かめても?」
「……これを買えるだけのものがあるならゲコ」
買う見込みもないのに大事な商品を確かめさせられはしない。
何かがあった時にちゃんと買えるだけのお金なり、交換できるものを見せろとゲコットは要求した。
「ほらよ」
ドゥゼアは自分の荷物から袋を取り出してゲコットに投げ渡す。
「ゲ、ゲコー!?」
しっかりとキャッチしたものの想像以上に重たい袋を落としかける。
ジャラリとした袋の手触りにその中身をゲコットがさっする。
しかし確かめるまでは確定出来ない。
ゲコットは袋を開けて中身を確認して驚いた。
袋の中にはいっぱいに硬貨が入っていた。
驚きに口をあんぐりと開けて長い舌が地面にまで垂れる。
少額硬貨もあれば高額硬貨もある。
これまで冒険者の荷物を漁るたびにお金はちゃんといただいてきた。
レビスやユリディカには価値は分かっていないが元人間のドゥゼアはちゃんとお金の価値を分かっていた。
買い物するのにも十分すぎるぐらいの金額があることも当然把握している。
「へ、へへ、お客様、ご所望の品はなんでしょうかゲコ」
シュルルンと舌を口の中に戻したゲコットはヘラヘラと笑い出して両手を揉み出した。
どうやら持っているお金の量は合格のようである。
分かりやすい変わり身である。
ただその目があまり笑っていないこともドゥゼアは分かっている。
金は持っている。
その次に商人が考えるのはいかにお金を引き出すか。
多少の賢さとお金は持っているようだけど所詮はゴブリン。
それならば上手く褒めそやして持ち上げてお金を多めに引き出してやろうとゲコットは考えていた。
どうせ他でお金を使うことなどない。
多少高値で売り付けても分かるはずがない。
それでも互いに得する取引になる。
黒い腹の内を見せないように笑顔を貼り付ける。
「食料品を買わせてもらう。
ついでにお菓子や砂糖ももらう。
本当に砂糖が確かめてもいいか?」
「もちろんゲコ」
サラサラとした粉は砂糖に見えるけれど別のものや塩の可能性もある。
信頼第一の商人が出会ってすぐに偽物の砂糖を用意して騙してくることなど考えにくいが相手の話を鵜呑みにするほどドゥゼアもバカじゃない。
袋の中の粉を指先で摘んで舐める。
確かに舌先に広がる甘み。
同時にドゥゼアの胸に感動も広がる。
ゴブリンになってから甘いものなど無縁となっていた。
そんなに日頃から甘いものを食べるような人ではなかったが全く食べられなくなると食べたくなるものである。
森に生えてる果物を食べられた時もあったが作られた甘いものはまた違うのだ。
ジンと甘さに感じ入っているドゥゼアを見てレビスとユリディカもソワソワし出す。
サトーなるものがなんなのか分からないけれどさらりとしたリアクションが多いドゥゼアがしっとりとうなずいたのを見て興味を持った。
「砂糖だな」
「砂糖ゲコ」
砂糖なことは確認が取れた。
日持ちするように固く焼いたパンや干し肉、水分の少ないチーズなどを買う。
まるで熟練した冒険者のような目利きだとゲコットは思ったけれど適当に選ぼうと大差はないので良い目をしていると褒めておく。
「あとは砥石や地図はあるか?」
「あるゲコ。
少し待ってほしいゲコ」
ゲコットはまた牛にかけたリュックを漁る。
「砥石は武器の修理用でよかったゲコ?」
「ああそうだ」
武器も手入れをしなければならない。
もう少し強かったなら冒険者を襲うなりして使い捨てのようにするのだけどドゥゼアたちではそうもいかない。
人間の身ならば鍛冶屋に行くなりして手入れしてもらえばいいがゴブリンじゃそうも出来ない。
ドゥゼアのナイフや短剣なんかは別に使い捨ててもいいのだけどレビスの短槍は中々同じような長さのものもない。
けれど使っているうちにくたびれてきてしまっていた。
少しでも長く使おうと思うならお手入れの方法を手に入れる必要があると考えていた。
長時間旅をする冒険者なら自分で武器の手入れをできるように砥石を持ち歩いている人もいる。
刃を砥石で研ぎ直してやればいくらか長持ちはする。
「地図は……今あるのはこれと、ちょっと離れた国のものがあったゲコ」
「今いる場所は分かるか?」
「今は……ここら辺ゲコ」
2枚取り出した地図のうち1枚を広げてゲコットはドゥゼアの質問に答えて指を指す。
何もない平原部分。
名前すらついていない土地にドゥゼアたちはいた。
もう1枚の方の地図はここから2つほど離れた国のものらしい。
「どちらも買おう」
「本当ゲコ?
それはありがたいゲコ」
かさばるものでもないが2つも離れている国の地図となると売りにくい。
買ってくれるなら文句もなかった。
「それじゃあ料金は……」
「待て」
「まだ何がお求めで?」
「いや、これは警告だ」
「け、警告?」
「俺からぼったくろうだなんて考えないことだな」
「な……」
そういえば一緒にいたワーウルフがいない。
ゲコットはようやく気がついた。
「もちろん」
袋を手に取って中身を見てみる。
白い粉が入っている。
「確かめても?」
「……これを買えるだけのものがあるならゲコ」
買う見込みもないのに大事な商品を確かめさせられはしない。
何かがあった時にちゃんと買えるだけのお金なり、交換できるものを見せろとゲコットは要求した。
「ほらよ」
ドゥゼアは自分の荷物から袋を取り出してゲコットに投げ渡す。
「ゲ、ゲコー!?」
しっかりとキャッチしたものの想像以上に重たい袋を落としかける。
ジャラリとした袋の手触りにその中身をゲコットがさっする。
しかし確かめるまでは確定出来ない。
ゲコットは袋を開けて中身を確認して驚いた。
袋の中にはいっぱいに硬貨が入っていた。
驚きに口をあんぐりと開けて長い舌が地面にまで垂れる。
少額硬貨もあれば高額硬貨もある。
これまで冒険者の荷物を漁るたびにお金はちゃんといただいてきた。
レビスやユリディカには価値は分かっていないが元人間のドゥゼアはちゃんとお金の価値を分かっていた。
買い物するのにも十分すぎるぐらいの金額があることも当然把握している。
「へ、へへ、お客様、ご所望の品はなんでしょうかゲコ」
シュルルンと舌を口の中に戻したゲコットはヘラヘラと笑い出して両手を揉み出した。
どうやら持っているお金の量は合格のようである。
分かりやすい変わり身である。
ただその目があまり笑っていないこともドゥゼアは分かっている。
金は持っている。
その次に商人が考えるのはいかにお金を引き出すか。
多少の賢さとお金は持っているようだけど所詮はゴブリン。
それならば上手く褒めそやして持ち上げてお金を多めに引き出してやろうとゲコットは考えていた。
どうせ他でお金を使うことなどない。
多少高値で売り付けても分かるはずがない。
それでも互いに得する取引になる。
黒い腹の内を見せないように笑顔を貼り付ける。
「食料品を買わせてもらう。
ついでにお菓子や砂糖ももらう。
本当に砂糖が確かめてもいいか?」
「もちろんゲコ」
サラサラとした粉は砂糖に見えるけれど別のものや塩の可能性もある。
信頼第一の商人が出会ってすぐに偽物の砂糖を用意して騙してくることなど考えにくいが相手の話を鵜呑みにするほどドゥゼアもバカじゃない。
袋の中の粉を指先で摘んで舐める。
確かに舌先に広がる甘み。
同時にドゥゼアの胸に感動も広がる。
ゴブリンになってから甘いものなど無縁となっていた。
そんなに日頃から甘いものを食べるような人ではなかったが全く食べられなくなると食べたくなるものである。
森に生えてる果物を食べられた時もあったが作られた甘いものはまた違うのだ。
ジンと甘さに感じ入っているドゥゼアを見てレビスとユリディカもソワソワし出す。
サトーなるものがなんなのか分からないけれどさらりとしたリアクションが多いドゥゼアがしっとりとうなずいたのを見て興味を持った。
「砂糖だな」
「砂糖ゲコ」
砂糖なことは確認が取れた。
日持ちするように固く焼いたパンや干し肉、水分の少ないチーズなどを買う。
まるで熟練した冒険者のような目利きだとゲコットは思ったけれど適当に選ぼうと大差はないので良い目をしていると褒めておく。
「あとは砥石や地図はあるか?」
「あるゲコ。
少し待ってほしいゲコ」
ゲコットはまた牛にかけたリュックを漁る。
「砥石は武器の修理用でよかったゲコ?」
「ああそうだ」
武器も手入れをしなければならない。
もう少し強かったなら冒険者を襲うなりして使い捨てのようにするのだけどドゥゼアたちではそうもいかない。
人間の身ならば鍛冶屋に行くなりして手入れしてもらえばいいがゴブリンじゃそうも出来ない。
ドゥゼアのナイフや短剣なんかは別に使い捨ててもいいのだけどレビスの短槍は中々同じような長さのものもない。
けれど使っているうちにくたびれてきてしまっていた。
少しでも長く使おうと思うならお手入れの方法を手に入れる必要があると考えていた。
長時間旅をする冒険者なら自分で武器の手入れをできるように砥石を持ち歩いている人もいる。
刃を砥石で研ぎ直してやればいくらか長持ちはする。
「地図は……今あるのはこれと、ちょっと離れた国のものがあったゲコ」
「今いる場所は分かるか?」
「今は……ここら辺ゲコ」
2枚取り出した地図のうち1枚を広げてゲコットはドゥゼアの質問に答えて指を指す。
何もない平原部分。
名前すらついていない土地にドゥゼアたちはいた。
もう1枚の方の地図はここから2つほど離れた国のものらしい。
「どちらも買おう」
「本当ゲコ?
それはありがたいゲコ」
かさばるものでもないが2つも離れている国の地図となると売りにくい。
買ってくれるなら文句もなかった。
「それじゃあ料金は……」
「待て」
「まだ何がお求めで?」
「いや、これは警告だ」
「け、警告?」
「俺からぼったくろうだなんて考えないことだな」
「な……」
そういえば一緒にいたワーウルフがいない。
ゲコットはようやく気がついた。
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