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088:4人の奴隷
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「死のゲームのルールは頭の中に流すから耐えてね~ん❤︎」
ピエロが指パッチンをした瞬間、ボドゲ部たちの頭の中に今回行われる死のゲームのゲーム内容が光の速さで大量に流れ込んだ。
神様が作った盤上遊戯にワープさせられたときに流し込まれたボドゲ空間のルールほどではなかったがキンタロウたちは光の速さで流れ込んでくる大量のデータに目眩や吐き気を催した。
「う、ぅ……ゔぉぇえ……」
ちょっとした浮遊感でも気分が悪くなってしまうキンタロウはまたしても嘔吐してしまう。キンタロウが吐き出したのは水分多めの吐瀉物だ。前回のマスでメイドウサギのタルトからもらって飲んだ紅茶が全て出てしまった。
吐き出された吐瀉物は赤紫色の床にばら撒かれたがボドゲ空間のシステムによってキンタロウが吐き散らした吐瀉物は全て床に吸い込まれるように消えていった。
「キンタロウ、お主ら大丈夫か?」
苦しむボドゲ部を見て心配するイリスが声をかけた。
「めまいと吐き気が……うゔぇぉえ……」
キンタロウは吐き気が治らずえずき続ける。もう胃から出てくるものは少量の胃液しかない。それほど胃に詰まっていたものを全て吐き出したのだ。
モリゾウもイチゴもノリもキンタロウほどではないが頭や胸を抑え平常心を保とうとしている。その後、落ち着きを取り戻したモリゾウが頭の中に流れ込んできたゲームの内容を口にした。
「やっぱりここは第6層ですね……はぁ、対戦中にHPが0になると死ぬんですね……」
モリゾウは真っ先に死について口にした。死のゲームにおいて一番気になるのは命が失い方だ。命の失い方を知れば回避方法だって見つかるはずなのだ。
けれど命の失い方は単純。死のゲームの対戦中に与えられたHPが0になった途端に死を迎える。
「うふふ。単純なルールでしょ~ん❤︎では早速、死のカードゲームを始めましょ~ん❤︎」
目の前のピエロはサーカスなどで人々を楽しませる道化のピエロではない。ピエロは海外のホラー映画などに登場する殺人ピエロだ。虫を殺すような瞳でボドゲ部たちを見下した。そして狂気的に笑った。
「この死のカードゲームは4対4のチーム戦ですよね。そちらは1人ですか? また処刑人Xのような操り人形でも使うんでしょうか?」
プレイヤーの人数に疑問を持ったモリゾウはピエロに言った。しかしピエロは鼻で笑った。
「ご心配なく。ちゃんとプレイヤーは用意してるわよ~ん❤︎おいで~私の奴隷コマたち~ん❤︎」
ピエロが奴隷コマと呼ぶ誰かを呼んだ直後、ピエロが現れたトランプの扉の後ろから4人の女性が悲哀に満ちた表情で俯きながらゆっくりと歩いて姿を現した。悲哀に満ちた表情の4人は普通の表情を見なくてもわかるくらい顔が整った美人な女性だ。
「そ、その女の人たちは……うゔぇ」
現れた4人の女性が何者なのか吐き気が治らないキンタロウがピエロを睨みながら問いただした。
「私が用意した奴隷コマよ~ん❤︎殺すのがもったいなくてね~ん❤︎」
ピエロは先頭に立つ女性の頬を舐めな胸を揉みながらキンタロウの問いに答えた。その姿にボドゲ部全員の背筋がゾッと凍った。舐められた女性は怯えているが叫ぶことはしなかった。おそらく叫んだり嫌がったりするとピエロから何らかのお仕置きが待っているのだろう。まさに人権を失くされた奴隷だ。
ピエロが用意した奴隷コマと呼ぶ4人の女性はピエロとの勝負で負けたプレイヤーたちだ。
服装は4人とも統一されておりマジシャンがショーの時に着るタキシードのような衣装を着ている。この衣装はピエロが用意した衣装だ。そしてピエロの髪色と同じくピンク色に髪を染められている。ピエロは自分の奴隷コマにタキシードを着させ髪色をピンク色にするこだわりがあるのだ。
震える4人のタキシード姿の女性。今にも泣き出しそうな表情だが唇を噛み締めて泣かないように我慢をしている。よく見ると4人の女性の瞳には光が一切ない。全てを諦めたような曇った瞳だ。
そんな姿を見たキンタロウは怒りを爆発させ叫んだ。
「ふざけんなピエロ。お前が勝負しやがれ! はぁ、はぁ……」
吐き気を根性で抑え勢いに任せて叫んだ。呼吸は荒いが叫んだおかげで吐き気は少し楽になったみたいだ。
「ええ、許せませんね。こんなに悲し色を見たのは初めてですよ」
「あら緑髪くん。私の奴隷コマの心を勝手に見ないでくれるかしら~ん❤︎」
自分の奴隷コマの心情を読み取ったモリゾウに対してピエロは声をトーンを低くしながら怒るように言った。
モリゾウは探偵スキルの相手の心情を読み取る能力を使い4人の女性の心の色を見たのだ。モリゾウが見た色は悲しみの紫色。そしてただの紫色ではない。黒色に近い紫色だ。悲しみの感情が多ければ多いほどドス黒い紫色になっていく。
「まあいいわ。役者も揃ったところで始めましょうか❤︎死のカードゲームを❤︎」
震え怯える4人の女性の前でピエロは両手を広げて死のゲームの開始合図を大声で叫んだ。ピエロが叫んだ直後に赤紫色の床から死のカードゲームを行うステージと必要なカードが出現した。
ルールは頭の中に流れ込んでいるのでこれ以上の説明はいらない。ボドゲ部4人とピエロに奴隷にされた女性4人の死のカードゲームが始まろうとしている。
ピエロが指パッチンをした瞬間、ボドゲ部たちの頭の中に今回行われる死のゲームのゲーム内容が光の速さで大量に流れ込んだ。
神様が作った盤上遊戯にワープさせられたときに流し込まれたボドゲ空間のルールほどではなかったがキンタロウたちは光の速さで流れ込んでくる大量のデータに目眩や吐き気を催した。
「う、ぅ……ゔぉぇえ……」
ちょっとした浮遊感でも気分が悪くなってしまうキンタロウはまたしても嘔吐してしまう。キンタロウが吐き出したのは水分多めの吐瀉物だ。前回のマスでメイドウサギのタルトからもらって飲んだ紅茶が全て出てしまった。
吐き出された吐瀉物は赤紫色の床にばら撒かれたがボドゲ空間のシステムによってキンタロウが吐き散らした吐瀉物は全て床に吸い込まれるように消えていった。
「キンタロウ、お主ら大丈夫か?」
苦しむボドゲ部を見て心配するイリスが声をかけた。
「めまいと吐き気が……うゔぇぉえ……」
キンタロウは吐き気が治らずえずき続ける。もう胃から出てくるものは少量の胃液しかない。それほど胃に詰まっていたものを全て吐き出したのだ。
モリゾウもイチゴもノリもキンタロウほどではないが頭や胸を抑え平常心を保とうとしている。その後、落ち着きを取り戻したモリゾウが頭の中に流れ込んできたゲームの内容を口にした。
「やっぱりここは第6層ですね……はぁ、対戦中にHPが0になると死ぬんですね……」
モリゾウは真っ先に死について口にした。死のゲームにおいて一番気になるのは命が失い方だ。命の失い方を知れば回避方法だって見つかるはずなのだ。
けれど命の失い方は単純。死のゲームの対戦中に与えられたHPが0になった途端に死を迎える。
「うふふ。単純なルールでしょ~ん❤︎では早速、死のカードゲームを始めましょ~ん❤︎」
目の前のピエロはサーカスなどで人々を楽しませる道化のピエロではない。ピエロは海外のホラー映画などに登場する殺人ピエロだ。虫を殺すような瞳でボドゲ部たちを見下した。そして狂気的に笑った。
「この死のカードゲームは4対4のチーム戦ですよね。そちらは1人ですか? また処刑人Xのような操り人形でも使うんでしょうか?」
プレイヤーの人数に疑問を持ったモリゾウはピエロに言った。しかしピエロは鼻で笑った。
「ご心配なく。ちゃんとプレイヤーは用意してるわよ~ん❤︎おいで~私の奴隷コマたち~ん❤︎」
ピエロが奴隷コマと呼ぶ誰かを呼んだ直後、ピエロが現れたトランプの扉の後ろから4人の女性が悲哀に満ちた表情で俯きながらゆっくりと歩いて姿を現した。悲哀に満ちた表情の4人は普通の表情を見なくてもわかるくらい顔が整った美人な女性だ。
「そ、その女の人たちは……うゔぇ」
現れた4人の女性が何者なのか吐き気が治らないキンタロウがピエロを睨みながら問いただした。
「私が用意した奴隷コマよ~ん❤︎殺すのがもったいなくてね~ん❤︎」
ピエロは先頭に立つ女性の頬を舐めな胸を揉みながらキンタロウの問いに答えた。その姿にボドゲ部全員の背筋がゾッと凍った。舐められた女性は怯えているが叫ぶことはしなかった。おそらく叫んだり嫌がったりするとピエロから何らかのお仕置きが待っているのだろう。まさに人権を失くされた奴隷だ。
ピエロが用意した奴隷コマと呼ぶ4人の女性はピエロとの勝負で負けたプレイヤーたちだ。
服装は4人とも統一されておりマジシャンがショーの時に着るタキシードのような衣装を着ている。この衣装はピエロが用意した衣装だ。そしてピエロの髪色と同じくピンク色に髪を染められている。ピエロは自分の奴隷コマにタキシードを着させ髪色をピンク色にするこだわりがあるのだ。
震える4人のタキシード姿の女性。今にも泣き出しそうな表情だが唇を噛み締めて泣かないように我慢をしている。よく見ると4人の女性の瞳には光が一切ない。全てを諦めたような曇った瞳だ。
そんな姿を見たキンタロウは怒りを爆発させ叫んだ。
「ふざけんなピエロ。お前が勝負しやがれ! はぁ、はぁ……」
吐き気を根性で抑え勢いに任せて叫んだ。呼吸は荒いが叫んだおかげで吐き気は少し楽になったみたいだ。
「ええ、許せませんね。こんなに悲し色を見たのは初めてですよ」
「あら緑髪くん。私の奴隷コマの心を勝手に見ないでくれるかしら~ん❤︎」
自分の奴隷コマの心情を読み取ったモリゾウに対してピエロは声をトーンを低くしながら怒るように言った。
モリゾウは探偵スキルの相手の心情を読み取る能力を使い4人の女性の心の色を見たのだ。モリゾウが見た色は悲しみの紫色。そしてただの紫色ではない。黒色に近い紫色だ。悲しみの感情が多ければ多いほどドス黒い紫色になっていく。
「まあいいわ。役者も揃ったところで始めましょうか❤︎死のカードゲームを❤︎」
震え怯える4人の女性の前でピエロは両手を広げて死のゲームの開始合図を大声で叫んだ。ピエロが叫んだ直後に赤紫色の床から死のカードゲームを行うステージと必要なカードが出現した。
ルールは頭の中に流れ込んでいるのでこれ以上の説明はいらない。ボドゲ部4人とピエロに奴隷にされた女性4人の死のカードゲームが始まろうとしている。
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