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外伝:白兎月歌『白いウサギ編』

外伝40 最も危険で邪悪な悪巧み

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 ――欠けた月が輝く深夜の人間族の国ユマン王国
 王族が住んでいる宮殿内にある聖騎士団本部に二人の人物が訪れていた。

「まさか千影サウザンドシャドーを回収する前に倒されてしまうとは」

「今回は運が悪かったってことで許してもらうしかねーよ」

「そうですね」

 聖騎士団青犬せいけんの副団長――ヴァ・シアンと、聖騎士団朱猿すえんの副団長――ミリオン・ヴェルの二人だ。
 二人は猿人族の国サンジュグノンに突如現れた幻級げんきゅうの魔獣『千影サウザンドシャドー』の討伐報告をするために聖騎士団本部に足を運んでいたのである。

 そんな二人を歓迎する一人の人物――人間族の男が二人の目の前に現れた。

「やぁ、待ってたよ」

 その声にヴェルとシアンの二人は敬意を示すために跪いた。

「キング」
「キング」

「おいおい。その呼び方はやめてくれよ。自分がから」

「申し訳ございません。ロイ様」
「申し訳ございません。ロイ様」

「うん。よろしい。頭をあげていいよ」

「はっ」
「はっ」

 飄々ひょうひょうとした人間族の男は、国王ジングウジ・ローテルの実の息子、王子のジングウジ・ロイだ。
 ロイは、ゆっくりと跪いている二人のもとへと歩いきながら口を開く。

幻級げんきゅうの魔獣の回収に邪魔が入ったんだってね。久しぶりの幻級げんきゅうだったのに残念だよね」

「申し訳ございません」
「申し訳ございません」

「ううん。謝らなくていいよ。君たちのせいじゃないから。ささ、ここで話すのもあれだし……僕の部屋に来てよ」

「はっ」
「はっ」

 ロイに招待されたヴェルとシアンは、招待されたロイの部屋へと向かうために立ち上がった。そしてロイの後ろを付いていく。
 そんな時、三人に向かって声がかかった。否、三人というのは語弊がある。声がかけられたのは王子のジングウジ・ロイと聖騎士団朱猿の副団長ミリオン・ヴェルにだった。

「ヴェルさん!? そ、それにロイ様!?」

「ん?」

 ロイは声をかけてきた人物を黒瞳に映す。

「おや? どうして朱猿すえんの団員が?」

「あっ、はい。その、任務の報告書を書いていましたらこんな時間に……」

「そうか」

「えぇ。まさかロイ様をお目にかかれるとは思ってませんでした。一生懸命働くものですね。あはは」

 朱猿すえんの団員は、ロイに出会えたことをとても嬉しそうにしていた。それほどロイは表舞台にはほとんど姿を現さない人物。
 王族でありながらもロイの実力は団長クラスのもので、一部の聖騎士団の団員からは憧れの存在でもあるのだ。まさに目の前にいる朱猿すえんの団員がそれである。
 そんな喜びが隠せない朱猿すえんの団員に向かって、否、ヴェルとシアンに向かってロイは一言――

「殺せ」

 と、命じた。

 その僅か一秒後、朱猿すえんの団員が転がり倒れた。
 血も流さず、悲鳴もあげることなく、朱猿すえんの団員はヴェルとシアンの二人の拳によって殺されたのである。
 朱猿すえんの団員が死んだ後に、ロイは飄々としながら口を開いた。

「あぁ、ヴェルのところの団員だったね。ごめんね。必要な人材だった?」

「いいえ。名前も覚えていないほどのですのでご安心ください」

「うん。ならよかった。それじゃそのゴミは僕ののエサになってもらうおう。新鮮なうちにね。だから運んでくれ~」

「はっ」
「はっ」

 ロイの指示に何の躊躇いもなく二人は従う。
 死体となった朱猿すえんの団員|を運んだのは、朱猿すえんの副団長のヴェルではなく、シアンだった。それほどヴェルは自分が所属する団の団員に対して無関心だということだ。

 歩く三人は、すぐにロイの部屋の前に到着する。その扉の前には黒いフードを被った男が一人ロイの帰りを待っていた。

「キング」

「キミもそうかい。その呼び方はやめてくれと、あれほど言ってるのに。全くキミたちときたら……」

「大変申し訳ございません」

 黒いフードの男は跪き謝罪をする。その姿に飄々とロイは口を開く。

「うん。よろしい。頭を上げていいよ。キミたちはボクの特別だからね」

「はっ。嬉しいお言葉感謝であります」

「それじゃ、ミオレも付いておいで」

「はっ」

 ロイはヴェル、シアン、そして黒いフードを被ったミオレという男と共に部屋の中へと入る。
 部屋に入るとミオレはすぐに部屋の鍵を閉める。その行動は王を賊から守るためのものではない。これから行う悪巧みを誰にも邪魔させないためである。

「それじゃ、に。クイーンとルークも待ってるからさ」

 ロイは部屋の中の隠し扉を開けた。この隠し扉は地下へと繋がるもの。この隠し扉を知るものはロイが仲間と認めたものだけ。父親でありこの国の王であるジングウジ・ローテルでさえ、この隠し扉を知らない。

 蝋燭だけが道を照らす薄暗い階段を降りていくと、ロイが言っていた通り二人の人物が退屈そうに待っていた。

「やあ、お待たせ。久しぶりの幹部大集合だね」

「うふふ。ずいぶんと遅かったわね。それとも私が早く来すぎちゃったのかしら?」

 妖艶に口を開いたのは黒い花魁衣装に身を包んだエルフの女性クイーンだ。

「ごめんね。ちょっと邪魔が入ったみたいでさ。ルークも退屈してたかい?」

「いいえ。今来たところです」

「ふぅ~。できる男は違うね。さすが龍人だよ」

 腕を組みながら座っている男は龍人族のルーク。彼の右腕は義手で義手ではない左腕から左顔にかけて龍の刺青が彫られている。

 こうして会議室とも呼べる秘密の地下室に悪巧みを企む者たちが集結した。
 ロイは集まった全員の顔を見てニコニコと楽しそうにする。そして最後に顔を見合わせたシアンを見た瞬間に何かを思い出したかのように口を開く。

「あっ、そうだ。ポチとジョンにそのエサをあげといて」

「はっ」

 シアンはエサと呼ばれる死んだ猿人族を担ぎながら奥へと進んでいった。そして唸り声が聞こえる暗闇の中へとそのエサを投げる。
 すると、バキバキと骨を砕く音が地下室中に響き渡った。一番近くにいて嗅覚が敏感なシアンにだけは血生臭い臭いが鼻腔を刺激する。

 そのままシアンはポチとジョンと呼ばれる魔獣の食事を最後まで見ることなく、悪巧みを始める仲間たちの元へと戻る。
 その仲間たちはすでに椅子へと腰を下ろしていた。空いている席が一席あるが、その席がシアンの席だ。

 ロイたちの椅子にはそれぞれ違った背もたれが付いていた。その背もたれはチェスの駒を模した形になっており、ロイはキング、クイーンはクイーン、ルークはルーク、ヴェルはナイト、シアンはビショップ、ミオレはポーンになっている。
 他にも彼らが囲うテーブルも歪な形ではあるが、チェス盤のようになっている。

 シアンが席に付くとこの世界で最も危険で邪悪な悪巧みが開始する。最初に口を開いたのはやはりこの男、ジングウジ・ロイだ。

「えーっと、全員揃ったところで、『みんなで世界を滅ぼしちゃおうぜ』の作戦会議を始めまーす」

「うふふ。とっても楽しげなリズムと作戦名だけれども、とても物騒ね」

「いい作戦名だろ? 朝から考えてた」

「うふふ。素敵よ」

 と、ロイとクイーンは微笑み合ったが、他の面々は真剣な表情のまま、ロイを一言一句逃さないために集中していた。

「みんな、硬い表情だよ。ほら、クイーンみたいに柔らかくー」

 それでも表情は変えずに真剣な表情だ。しかし、重くのしかかっていた空気は、少しだけ和らいだ。その和らいだ空気を感じたロイは満足し、話を進める。

「う~んと、戦争を始める前に、まずは聖騎士団と傭兵団の大量虐殺をしようと思うんだけど、何か質問はある?」

 真っ先に手を挙げたのはナイトの椅子に座る聖騎士団朱猿すえんの副団長ミリオン・ヴェルだ。

「それはいつでしょうか?」

「う~ん。一年後? 近々? いつってのは明確には決まってないけど、準備次第すぐだね。次に質問ある人はー?」

 次に手を挙げたのは、クイーンの椅子に座る妖艶なエルフの女性クイーンだ。

「何人くらい殺す予定なのかしら?」

「はっきりとした人数はわからないけど、今の聖騎士団に所属する団員数を半分にしたいな。これも戦争を始めるための準備ってことね。あと、僕の父上も邪魔だから一緒に消えてもらうとするよ。はい次ー」

 次々に質疑応答が行われる中、次に手を挙げたのはビショップの椅子に座る聖騎士団青犬せいけんの副団長ヴァ・シアンだ。

「大量虐殺の方法は?」

「それはおいおい話すよ。罠にかかった獲物によって人材を変えようと思ってるからね。あっ、大量虐殺は一日だけで行うからね。もっと細かく言うと二時間以内。それ以上時間がかかると不都合が多くなるからさ」

 聖騎士団を半壊させるのに使う時間はたったの二時間だとロイは無謀とも思える計画を告げた。しかし、チェスの駒を模した椅子に座る面々は誰も無謀な計画だとは一切思っていないのも事実だった。
 ただ、クイーンの頭の片隅には一人の人物の姿が鮮明に映る。

「もしもその中に『白き英雄』がいたらどうするのかしら?」

「う~ん。その時はその時だけど、多分来ないね。と言うか来れないよ。『白き英雄』が来るのは『いずれ来る大戦争』と呼ばれる戦争の時、すなわち僕たちが起こそうとしている戦争の時だからね。でもその場にいないからと言っても油断しちゃダメだよ。僕たちの計画に勘付いて邪魔しに来るからさ」

「だから二時間以内なのね」

「そう言うこと~」

 ロイは指パッチンをしながら、それはそれは嬉しそうにニッコリと答えた。

「今のところ警戒するのは『白き英雄』に該当する兎人族とじんぞくだけだからね~」

 呟いたロイの言葉を一言一句逃さなかったポーンの椅子に座るミオレが手を挙げた。

「なら『白き英雄』を殺すべきではないでしょうか? 我々なら殺せるはずです」

「まあそうなんだけどさ。予言というか未来視だとさ、『いずれ来る大戦争』に絶対『白き英雄』が出てくるんだよね~。だから戦争の前に殺そうとしても無駄。僕たちの想像を超える何かが『白き英雄』を殺させないからね。それに『黒き者』の正体も『幻獣』の正体もいまだに謎だしね。変に動いちゃうとこっちが全滅しちゃうよ」

「そ、そうですか。わかりました」

「うん。でもね未来視も僕たちの行動のおかげで少しずつ変わってきてるんだよ。『白き英雄』と『黒き者』それに『幻獣』が死んで、僕たちが勝利する未来に。だから慌てずにゆっくりやっていこうよ。あっ、この場合は『白き英雄』は『白き者』のままだね。ま、そういうことだよ」

 未来視とは元兎人族とじんぞくの神様――アルミラージ・ウェネトが残した『いずれ来る大戦争』に関する書物の内容のこと。その内容が少しずつ変わってきているのである。
 未来視を変えることなど可能なのかと思うだろうが、それは可能だ。同じが行動すれば未来を少しずつ変えることは可能なのである。

「他に質問がある人は~?」


 こうして『いずれ来る大戦争』を企てる者たちの秘密の会議は長時間行われた。その内容はロイの『聖騎士団大量虐殺』の作戦についての質疑応答がほとんだ。
 なぜなら、まるで未来を見ているかのような完璧すぎる作戦内容に変更点を上げる者は一人もいないからである。


「それじゃお疲れ様。引き続き『いずれ来る大戦争』のために尽力を注いでくれ~」

「「「はっ」」」

 影で暗躍する者たちによって『いずれ来る大戦争』が始まるその日は着々と近付いているのであった。
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