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第4章:恋愛『ファンが来た編』
186 元凶現る
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クレールが開けたキッチン側にある小窓から、オレンジ色をした小動物のようなものが入り込んできた。
その姿にマサキとネージュの二人の体はビクッと反応し、気絶寸前にまで怯えてしまうのだが、持ち堪えた。
持ち堪えた理由はマサキとネージュの精神力が原因ではない。小窓から入り込んできた小動物のようなものに見覚えがあり、安心感があったからだ。
「ガガッガ、デ、デール? ガガッガガガッガ……」
「ガタガタガタガタガタガタ……ド、ド、ド、ドール? ガタガタガタ……」
マサキとネージュ二人の口から自然と名前が溢れる。
小窓から入ってきた人物は一人。二人が名前を言ったように双子の姉妹のデールとドールのどちらかだ。
いつもなら二人一緒のはずなのだが、続けてもう一人が入ってこない。つまり、双子の姉妹の片方だけが、十人ものぴょんぴょんマスクの熱狂的なファンたちを掻い潜りここまでやってこれたのである。
「ドールだよー」
そして幼女はドール。間違えずに名前を呼べたのはネージュだった。
マサキは塩と砂糖の区別はできるのに、双子の姉妹の区別はいまだにできていない。それほど似ているということだ。
そしてドールの他にもう一人いる。その人物は小窓からひょっこりと顔を出し、部屋の中に向かって声を飛ばした。
「あの、私です。ポッシュです」
それはこのファン騒動の元凶ともいえる人物。アパレルショップ店員のポッシュだった。
小窓から入ってこないのは、そのままの理由。小窓が小さくて入ってくる事が困難だからだ。
ポッシュの存在に気が付いた瞬間、クレールは『透明スキル』を発動し姿を隠した。
不意に顔を出したポッシュだったが、クレールの姿は見ていない様子だ。
そして、クレールが姿を消すのと同時に、マサキは口を開いた。その声に反応したからこそ、ポッシュの意識はクレールではなくマサキに向いた。だからクレールの姿に気が付かなかっただの。
「アパレル店員! 何してくれてんだ! 外がやばい状況だぞ!」
「ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ……」
小刻みに震えるネージュも表情は怒りの表情だ。
「ちょ、ちょっと、落ち着いてください」
「落ち着けるかー! どうするんだよ。俺たちの悠々自適なスローライフが外の連中に脅かされてるんだぞ!」
「そ、その事について話をしようと思ったんですよ。ドールちゃん。お願いします」
「はーい」
ドールは無人販売所イースターパーティーの店内へと繋がる通路に向かって走り出した。そして通路の仕切りの役割であるカーテンを通っていく。
その行動は出入り口の扉を開けに行ったのだと、捉えられる。
「ド、ドール!?」
驚くマサキ。止めようにも体が言うことを聞かず、立ち上がることすらできない。それに可愛らしいドールに声を上げて怒鳴り、止めようとすることもできない。したくないのだ。
だからドールを無人販売所イースターパーティーの店内へと行かせてしまった。
このままでは熱狂的ファンが雪崩のように入り込む最悪な事態が起きてしまう。
「ガタガタガタ、ま、マ、ま、ま、ガタガタガタ、マ、マガタ、マ、マ、ガタガタガ……」
最悪な事態を想像してしまったネージュはマサキの名前を呼ぼうとしているのだが、震えてうまく言葉を発せられずにいた。
そんな中、マサキは最後の最後まで足掻こうと、元凶であるポッシュに向かって声をかけ、どうにかするように説得しようと試みるが、ポッシュの姿は小窓の外にはなかった。
そこでようやく気が付く。
(扉を叩く音が消えてる。それどころか微かに聞こえていた声も消えてる……)
今、マサキの耳に届いている音は、ネージュの歯と歯がぶつかり合う情けない音と、空の色と同化する小鳥の囀る鳴き声だけ。
その後、すぐに扉が開く音とデールとポッシュの足音がマサキの耳に届いた。
ドドドッと、駆け足のような足音。その足音通りポッシュは駆け足でマサキたちがいる部屋へと入る。
そして――――
「すみませんでしたー!!」
第一声は謝罪の言葉だった。そして体勢は土下座の体勢。ポッシュは誠心誠意謝罪を始めたのである。
マサキは謝罪をするポッシュの姿を見て『やっぱりな』と、心の中で思った。このファン騒動の元凶がポッシュだと考えていたからだ。
「ほんの少し、ほんの少しの気持ちで、覆面マスクのサインを自慢したら……みんなが私も私もって欲しがっちゃって…………どこでサインをもらったのかとか、いろいろと質問責めされたので誤魔化し続けましたが…………」
「ましたが?」
「最後の最後で口が滑ってここの場所を言ってしまいましたー! すみませんでしたー!」
ポッシュの立派な土下座と立派な謝罪。金色の垂れたウサ耳は、さらに垂れて床に付いている。
誠心誠意行なった謝罪なら相手に気持ちが伝わるはず。しかしマサキの心には全く気持ちが伝わらなかった。
人間不信で心が歪んでいるマサキには土下座や謝罪の言葉、謝罪の手紙など、本音かどうかを疑ってしまう。その疑いから相手の気持ちを理解する事が困難になる。そして信じるよりは疑った方が騙される事なく楽だと知っているのだ。
涙を流そうが、地面に頭を擦り付けようが、靴を舐めようが、マサキの疑う気持ち、相手を信じられない気持ちは変わらない。たとえ相手の気持ちを理解したつもりで許したとしても、その気持ち自体、偽りのものであって心というものをより一層信じられなくなる材料の一部にしかならなくなってしまうのだ。
けれど――――
「はぁ~、やっぱり元凶だったか……わかったよ……わかったから頭を上げてくれ」
マサキはため息と共に疑う気持ちを吐き捨てた。なぜなら疑う気持ちや信じられない気持ちと同等に、否、同等以上に可哀想だと相手を思う気持ちが存在したからだ。
土下座をして必死に謝る姿が可哀想なのだと。哀れなのだと、心が痛むのである。
マサキは人間不信で疑い深い部分もあるが同時に心優しい青年なのだ。相手が相手なら同情から許すこともあるのである。
「そ、その……ギャルの見た目で頭を下げられると、情報の処理が追いつかなくて頭痛が起きちまうからな……」
「あ、ありがとうございます!」
頭を上げるポッシュ。その碧色の瞳は涙で潤み光っていた。この涙は本物か演技かわからない。しかし女を泣かせるほどマサキは責めたりなどしない。だからこれ以上の追求を行わず、今後の策を練ろうと頭を切り替える。
「ネージュ。落ち着くんだ。これからどうするか考えるぞ。最悪な場合引っ越しも視野に入れなくちゃいけなくなるかもしれない」
「ガタガ……ひ、ひ……引っ越しですか、ガタガタガタガタ……い、いやですガタガタ、おばあちゃんの、いいえ、おばあちゃんのお父さんお母さん、もっと昔の、私の先祖が残してくれた家なんですから、何があっても絶対に引っ越したくありません!」
濡れた子ウサギのように小刻みに震えていたネージュだったが、家を、先祖を大事に思う強い意志が彼女の弱い心を消し去った。
ネージュの真っ直ぐな瞳、そして強い意志にマサキは驚きを隠せなかった。
恥ずかしがり屋で人前に出ると怯えて小刻みに震えてしまうネージュ。その性格から自分の意思を強く伝えることは少ない。そんなネージュが強い意志で思いを伝えているのだ。驚くのは当然だ。
ただ驚いてそれで終わりではない。ネージュの強い意思を知ったからこそ打開策を思考し、この騒動を解決しなければならないのだ。
「よし、わかった。引越しは却下だな。というか、俺たち引っ越しをするほどお金に余裕なんてないからな。元から引っ越しの案は打開策の候補の一つにも入らない。さてさて、どうすっかね…………ところで、なんで普通に入ってこれたの? 外のファンたちは?」
ここでマサキは、ポッシュが正面突破してきた事について疑問が生じる。外にファンがいるのなら正面突破で表の扉から入るのはほぼ不可能だからだ。
この疑問はポッシュが入ってきた瞬間から感じていたものだが、ポッシュの謝罪の勢いに押されて、疑問は頭の隅に追いやられていたのだ。
「それにドールも一人だけで……ダールとデールはどうしたんだ?」
この場にいない人物の心配をするのも当然だ。その人物の行動次第では作戦が大きく変わることもある。
「ダールさんとデールちゃんは、私が中に入れるようにと囮になってくれました」
「デールがお姉ちゃんを助けるやくめー! ドールはポッシュを助けるやくめー!」
「あー、だから二人は別々なのか。って囮? どういうこと? どうしてダールが囮に? 外のファンたちは俺、というかぴょんぴょんマスクのファンなんでしょ? それとルナちゃんのファンか。それならダールは関係ないはずだし、囮にはなれないはずだぞ。ダールの話術でも無理だろうし……それに助けるって……」
全く作戦の意図が掴めずに混乱するマサキ。
囮とは対象物を誘い寄せるために使う手段のことであって、ぴょんぴょんマスクとルナのことが大好きな熱狂的ファンたちをダールが誘い寄せるなど辻褄が合わない。
ダールの巧みな話術で誘い寄せたとしても、熱狂的なファンたちが全員大人しく付いていくとは考えにくい。よってダールに囮はできないはずなのだ。
最悪の事態を避けたいネージュは、この状況をしっかりと把握しておきたいと思い口を開く。
「もう少し説明してくれませんか? 私にはさっぱりわかりません」
ネージュに便乗し、マサキも口を開く。そもそもネージュの言葉はネージュが言わなければマサキが言っていた言葉だ。
「俺も俺も。もう少しわかりやすく、というか細かく」
「はい。わかりました。ではファンたちがここに来た時のことから」
ポッシュはこの部屋の中に入る数分前の出来事を話し始めた。
その姿にマサキとネージュの二人の体はビクッと反応し、気絶寸前にまで怯えてしまうのだが、持ち堪えた。
持ち堪えた理由はマサキとネージュの精神力が原因ではない。小窓から入り込んできた小動物のようなものに見覚えがあり、安心感があったからだ。
「ガガッガ、デ、デール? ガガッガガガッガ……」
「ガタガタガタガタガタガタ……ド、ド、ド、ドール? ガタガタガタ……」
マサキとネージュ二人の口から自然と名前が溢れる。
小窓から入ってきた人物は一人。二人が名前を言ったように双子の姉妹のデールとドールのどちらかだ。
いつもなら二人一緒のはずなのだが、続けてもう一人が入ってこない。つまり、双子の姉妹の片方だけが、十人ものぴょんぴょんマスクの熱狂的なファンたちを掻い潜りここまでやってこれたのである。
「ドールだよー」
そして幼女はドール。間違えずに名前を呼べたのはネージュだった。
マサキは塩と砂糖の区別はできるのに、双子の姉妹の区別はいまだにできていない。それほど似ているということだ。
そしてドールの他にもう一人いる。その人物は小窓からひょっこりと顔を出し、部屋の中に向かって声を飛ばした。
「あの、私です。ポッシュです」
それはこのファン騒動の元凶ともいえる人物。アパレルショップ店員のポッシュだった。
小窓から入ってこないのは、そのままの理由。小窓が小さくて入ってくる事が困難だからだ。
ポッシュの存在に気が付いた瞬間、クレールは『透明スキル』を発動し姿を隠した。
不意に顔を出したポッシュだったが、クレールの姿は見ていない様子だ。
そして、クレールが姿を消すのと同時に、マサキは口を開いた。その声に反応したからこそ、ポッシュの意識はクレールではなくマサキに向いた。だからクレールの姿に気が付かなかっただの。
「アパレル店員! 何してくれてんだ! 外がやばい状況だぞ!」
「ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ……」
小刻みに震えるネージュも表情は怒りの表情だ。
「ちょ、ちょっと、落ち着いてください」
「落ち着けるかー! どうするんだよ。俺たちの悠々自適なスローライフが外の連中に脅かされてるんだぞ!」
「そ、その事について話をしようと思ったんですよ。ドールちゃん。お願いします」
「はーい」
ドールは無人販売所イースターパーティーの店内へと繋がる通路に向かって走り出した。そして通路の仕切りの役割であるカーテンを通っていく。
その行動は出入り口の扉を開けに行ったのだと、捉えられる。
「ド、ドール!?」
驚くマサキ。止めようにも体が言うことを聞かず、立ち上がることすらできない。それに可愛らしいドールに声を上げて怒鳴り、止めようとすることもできない。したくないのだ。
だからドールを無人販売所イースターパーティーの店内へと行かせてしまった。
このままでは熱狂的ファンが雪崩のように入り込む最悪な事態が起きてしまう。
「ガタガタガタ、ま、マ、ま、ま、ガタガタガタ、マ、マガタ、マ、マ、ガタガタガ……」
最悪な事態を想像してしまったネージュはマサキの名前を呼ぼうとしているのだが、震えてうまく言葉を発せられずにいた。
そんな中、マサキは最後の最後まで足掻こうと、元凶であるポッシュに向かって声をかけ、どうにかするように説得しようと試みるが、ポッシュの姿は小窓の外にはなかった。
そこでようやく気が付く。
(扉を叩く音が消えてる。それどころか微かに聞こえていた声も消えてる……)
今、マサキの耳に届いている音は、ネージュの歯と歯がぶつかり合う情けない音と、空の色と同化する小鳥の囀る鳴き声だけ。
その後、すぐに扉が開く音とデールとポッシュの足音がマサキの耳に届いた。
ドドドッと、駆け足のような足音。その足音通りポッシュは駆け足でマサキたちがいる部屋へと入る。
そして――――
「すみませんでしたー!!」
第一声は謝罪の言葉だった。そして体勢は土下座の体勢。ポッシュは誠心誠意謝罪を始めたのである。
マサキは謝罪をするポッシュの姿を見て『やっぱりな』と、心の中で思った。このファン騒動の元凶がポッシュだと考えていたからだ。
「ほんの少し、ほんの少しの気持ちで、覆面マスクのサインを自慢したら……みんなが私も私もって欲しがっちゃって…………どこでサインをもらったのかとか、いろいろと質問責めされたので誤魔化し続けましたが…………」
「ましたが?」
「最後の最後で口が滑ってここの場所を言ってしまいましたー! すみませんでしたー!」
ポッシュの立派な土下座と立派な謝罪。金色の垂れたウサ耳は、さらに垂れて床に付いている。
誠心誠意行なった謝罪なら相手に気持ちが伝わるはず。しかしマサキの心には全く気持ちが伝わらなかった。
人間不信で心が歪んでいるマサキには土下座や謝罪の言葉、謝罪の手紙など、本音かどうかを疑ってしまう。その疑いから相手の気持ちを理解する事が困難になる。そして信じるよりは疑った方が騙される事なく楽だと知っているのだ。
涙を流そうが、地面に頭を擦り付けようが、靴を舐めようが、マサキの疑う気持ち、相手を信じられない気持ちは変わらない。たとえ相手の気持ちを理解したつもりで許したとしても、その気持ち自体、偽りのものであって心というものをより一層信じられなくなる材料の一部にしかならなくなってしまうのだ。
けれど――――
「はぁ~、やっぱり元凶だったか……わかったよ……わかったから頭を上げてくれ」
マサキはため息と共に疑う気持ちを吐き捨てた。なぜなら疑う気持ちや信じられない気持ちと同等に、否、同等以上に可哀想だと相手を思う気持ちが存在したからだ。
土下座をして必死に謝る姿が可哀想なのだと。哀れなのだと、心が痛むのである。
マサキは人間不信で疑い深い部分もあるが同時に心優しい青年なのだ。相手が相手なら同情から許すこともあるのである。
「そ、その……ギャルの見た目で頭を下げられると、情報の処理が追いつかなくて頭痛が起きちまうからな……」
「あ、ありがとうございます!」
頭を上げるポッシュ。その碧色の瞳は涙で潤み光っていた。この涙は本物か演技かわからない。しかし女を泣かせるほどマサキは責めたりなどしない。だからこれ以上の追求を行わず、今後の策を練ろうと頭を切り替える。
「ネージュ。落ち着くんだ。これからどうするか考えるぞ。最悪な場合引っ越しも視野に入れなくちゃいけなくなるかもしれない」
「ガタガ……ひ、ひ……引っ越しですか、ガタガタガタガタ……い、いやですガタガタ、おばあちゃんの、いいえ、おばあちゃんのお父さんお母さん、もっと昔の、私の先祖が残してくれた家なんですから、何があっても絶対に引っ越したくありません!」
濡れた子ウサギのように小刻みに震えていたネージュだったが、家を、先祖を大事に思う強い意志が彼女の弱い心を消し去った。
ネージュの真っ直ぐな瞳、そして強い意志にマサキは驚きを隠せなかった。
恥ずかしがり屋で人前に出ると怯えて小刻みに震えてしまうネージュ。その性格から自分の意思を強く伝えることは少ない。そんなネージュが強い意志で思いを伝えているのだ。驚くのは当然だ。
ただ驚いてそれで終わりではない。ネージュの強い意思を知ったからこそ打開策を思考し、この騒動を解決しなければならないのだ。
「よし、わかった。引越しは却下だな。というか、俺たち引っ越しをするほどお金に余裕なんてないからな。元から引っ越しの案は打開策の候補の一つにも入らない。さてさて、どうすっかね…………ところで、なんで普通に入ってこれたの? 外のファンたちは?」
ここでマサキは、ポッシュが正面突破してきた事について疑問が生じる。外にファンがいるのなら正面突破で表の扉から入るのはほぼ不可能だからだ。
この疑問はポッシュが入ってきた瞬間から感じていたものだが、ポッシュの謝罪の勢いに押されて、疑問は頭の隅に追いやられていたのだ。
「それにドールも一人だけで……ダールとデールはどうしたんだ?」
この場にいない人物の心配をするのも当然だ。その人物の行動次第では作戦が大きく変わることもある。
「ダールさんとデールちゃんは、私が中に入れるようにと囮になってくれました」
「デールがお姉ちゃんを助けるやくめー! ドールはポッシュを助けるやくめー!」
「あー、だから二人は別々なのか。って囮? どういうこと? どうしてダールが囮に? 外のファンたちは俺、というかぴょんぴょんマスクのファンなんでしょ? それとルナちゃんのファンか。それならダールは関係ないはずだし、囮にはなれないはずだぞ。ダールの話術でも無理だろうし……それに助けるって……」
全く作戦の意図が掴めずに混乱するマサキ。
囮とは対象物を誘い寄せるために使う手段のことであって、ぴょんぴょんマスクとルナのことが大好きな熱狂的ファンたちをダールが誘い寄せるなど辻褄が合わない。
ダールの巧みな話術で誘い寄せたとしても、熱狂的なファンたちが全員大人しく付いていくとは考えにくい。よってダールに囮はできないはずなのだ。
最悪の事態を避けたいネージュは、この状況をしっかりと把握しておきたいと思い口を開く。
「もう少し説明してくれませんか? 私にはさっぱりわかりません」
ネージュに便乗し、マサキも口を開く。そもそもネージュの言葉はネージュが言わなければマサキが言っていた言葉だ。
「俺も俺も。もう少しわかりやすく、というか細かく」
「はい。わかりました。ではファンたちがここに来た時のことから」
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