上 下
8 / 16
―― 本編 ――

【八】正直な気持ち

しおりを挟む


 翌朝も、私は約束通り、フェンネル様と食事を共にする事になった。
 後宮の私の部屋のテーブルには、本日も色鮮やかな料理が並んでいる。

「おはよう」
「おはようございます」

 私は昨夜から考えている事があった。
 直接――フェンネル様のお考えを聞いてみたいと思っていたのだ。

「フェンネル様……あの」
「どうかした?」

 パインジュースの入るグラスを傾けながら、フェンネル様が私を見た。

「伺いたい事があるんです」
「なんでも聞いて欲しい。どうかしたの?」
「――後宮の事なんです」
「後宮?」
「他の側妃様をお迎えになるご予定なのだと聞いて……」

 勇気を振り絞って尋ねたのだが、思ったよりも私の声は小さくなってしまった。
 フェンネル様の表情を見るのも怖い。
 そう感じていた時、フェンネル様がテーブルにグラスを置いた。

 だけど、私は知りたい。

「そうなのですか?」
「誰になんと聞いたのかな?」

 フェンネル様の声音は、いつもと同じで穏やかだった。

「ソレル様に、お迎えする予定があるとだけ」
「へぇ。全く、彼も余計な事を。大賢者の名が聞いて呆れる」
「あ、あの! 別に私は、傷ついたりは――……あんまりしません」
「あんまり?」
「う……その」
「俺としてはショックを受けて欲しいし、嫌だと言って欲しいところだけど」
「そ、それは……それで、どうなんですか?」
「一応確認するけれど、マリーローズは、俺が他の側妃を迎えたら嫌ではないの?」
「……」

 私は思わず沈黙した。

「拗ねても良いかな?」
「え?」
「例えば逆の立場だったとして、俺はマリーローズが他に配偶者を迎えると言い出したら、許さない自信しかないけどな」
「フェンネル様……」
「――と、言うのは取り置いて。真面目な話、俺は後宮について考えている事がある」

 そう言うとフェンネル様が不意に真剣なまなざしに変わった。

「俺は、後宮制度を廃止しようと考えている」
「!」

 フェンネル様の言葉に、私は目を見開いた。
 ゆっくりと瞬きをしたフェンネル様は、それから再びグラスを手に取った。
 そして一口ジュースを飲み込んでから、まじまじと私へ視線を向けた。

「元々、俺は後宮制度が好きではなかったんだ」
「どうしてです?」
「後宮の維持費を考えると、それこそ孤児院に寄付をすべきだと思うからだよ」
「……確かに」

 納得して私は頷いた。
 以前クレソンに聞いた理由と同じだ。

「――と、これは建前なんだけどね。事実ではあるけれど」
「建前?」
「そう。俺は……愛の無い政略結婚をした母、現正妃様を身近で見ながら育ってきた。俺の実母である正妃様は、父である国王陛下の愛情が、他の寵姫に移る度に、深く傷ついていたんだよ。俺はそれを知っているけれど、愛のある家庭や、強い愛情関係にある両親像は知らない。後宮制度は、そういった歪みを生む。俺はそれが好きになれないんだ。王家の血筋を残すために必要だとは言うけれど、果たして本当にそうなのかな? 俺はそうは思わない。王族の数だって十分多い。養子を迎えるという選択肢だってある」

 つらつらと語ってから、フェンネル様が改めて私を見た。

「俺は、ね。たった一人だけを愛したい。夢見がちなのかもしれないけれど、愛の無い婚姻をして、誰かを傷つける事をよしとはしない。少し前までは、それで良いと思っていたはずなんだけどな。マリーローズ。君と出会ったら、考えが変わってしまったんだ。だから、責任を取ってもらえるかな?」
「!」
「俺は君だけを愛したい。そしてもう、その覚悟を固めているよ。だから、側妃を勧めたりしないでくれ。好きな相手に別の人間を推薦されるのは、中々に辛い」

 それを聞いて、私は瞠目した。驚きすぎて、声が出てこない。

「俺は今後、断言して他の妃を迎えるつもりはない。必要な人脈は、自分で築いていく。それは俺の仕事だ」
「フェンネル様……」
「もう打算的な考えなんてやめるよ。俺は実力で、王太子である事を、次期国王である事を、周囲の者にも民草にも認めさせる。俺にこの決意と自信をくれたのは、マリーローズ。君だ」
「私が?」
「うん。俺は君の事を第一に幸せにする。そこから、全ては始まると思っているよ」

 その言葉が嬉しくて、気づくと私の瞳は潤んでいた。
 だから俯いて誤魔化す。
 私は唇の両端を必死で持ち上げ、静かに頷いた。

「もう十二分に幸せです」
「もっともっと幸せにすると誓う」

 本当に、こんなにも幸せで良いのだろうか?
 私にそれが許されるのだろうか?
 煩く騒ぐ鼓動を必死で制しながら、私はフェンネル様の言葉を噛み締める。

 どんどん私の胸が温かくなっていく。
 ああ……私が好きになった人は。
 本当に優しい。

「さぁ、食事を楽しもう。全然食べていないじゃないか」
「は、はい!」
「このスープ、俺のお気に入りなんだ」
「すごく美味しいです」
「好きになってくれたら嬉しいな」
「なりました。フェンネル様のお好きなもの、もっと沢山教えて下さいね?」
「勿論だよ」

 そんなやりとりをしながら、朝食の時間が流れていった。

 朝食を終えると、フェンネル様が私を見据えた。

「マリーローズ。実はね、俺からも話したい事があるんだ」
「なんですか?」
「二人きりの場で話したい。だから今日の午後、時間を作ってもらえないかな?」
「いつでも構いません」

 今日は結婚式の準備もない。
 私が同意すると、フェンネル様が嬉しそうな色を瞳に浮かべた。

「それじゃあ、少し二人で遠出しない?」
「遠出ですか?」
「とは言っても、王宮の敷地内だけどね。旧宮殿の向こうに、小さな湖があるんだ。そこならば、安全な場所だから、近衛騎士にも離れた場所で待機を命じられる。二人きりで、伝えたいんだ」
「分かりました」

 一体どんなお話だろう?
 思案しつつも、私は頷いた。

「では、昼頃迎えに来るよ。午前中は、面会の予定があるから、今日も公務をしてくる」
「応援してます」
「有難う。それじゃあ、また後で」

 フェンネル様は微笑すると、部屋から出ていった。
 それを見送ってから、私はクレソンが淹れてくれた紅茶を飲む。
 良い香りがする。

「どんなお話かな?」

 思わず呟くと、クレソンがこちらを見た。

「楽しみになさっていたら良いのでは?」
「だけど緊張する」
「んー、俺の予想だと、悪いお話じゃないと思うけどな」
「え?」
「だって、フェンネル様のお顔、明るかったですもん」

 それは私も感じた。
 クレソンの言葉の通り、私は信じて、明るい気持ちでいた方が良いのかもしれない。
 時々ネガティブになってしまうのは、私の悪い癖だ。

「それにしても、昼頃、ですか」
「そう仰っていたね」
「だとすると――……ピクニックなんていかがですか?」
「え?」
「フェンネル殿下にはお伝えしておきますし、聞いている範囲だと会談も昼食前には終わるはずだから――お二人で食べては?」
「ピクニック……」
「たまには外で食べるのも良いと思いますよ」
「そうね」

 純粋に楽しそうだなと感じた。

「よし、連絡をお願いしてきます」

 クレソンはそう言うと、部屋の外に控えていた侍従に指示を出していた。

「湖は、俺も一度だけ見た事があるんですが、ピクニックに丁度良い四阿があるんですよ」
「そうなの?」
「はい。そうだなぁ、サンドイッチでも手配しましょうか」
「素敵!」

 こうしてサンドイッチに決まると、クレソンが厨房に手配してくれた。
 昼食を楽しみにしながら、私は紅茶を飲んだ。

 そうしていると、時間はあっという間に過ぎていった。
 サンドイッチが入ったバスケットが届いた時、私は心を躍らせながら、窓の外を見た。
 本日も、良く晴れている。

「フェンネル様と、二人でピクニックかぁ」

 昨日の迷いが嘘のように晴れている。
 フェンネル様は、私に幸せを与えてくれる。
 私は最早、フェンネル様の事が大好きでたまらない。
 そう感じながら、両手でバスケットを持った。


 ――昼食時の少し前、フェンネル様が迎えに来てくれた。

「許可も降りたし、二人で行こう。少し歩く事になるけど」
「平気です。ご一緒させて下さい」

 こうして私達は、王宮の敷地内の湖へと向かう事になった。
 サンドイッチの入ったバスケットはフェンネル様が持ってくれた。

 外の空気は清々しい。

 見慣れぬ道を、二人で雑談しながら歩く。
 このひと時が無性に幸せだ。

「クレソンも気がきくな。俺も二人で食べたいと思っていたんだ。クレソンは良くしてくれている?」
「はい。本当にいつも良く仕えてくれて」
「良かったよ」
「あ。あのお花綺麗ですね」
「この辺りは自生している草花も綺麗なんだよ。手入れされた庭園の花々も美麗だとは思うけど、俺も、野に咲く雑草も好きなんだ」

 そんなやり取りをしながら歩いて十五分ほど。

 次第に木々が深くなり、合間の坂道を抜けていくと、視界が開けた。

「見えてきたね」
「あれが湖……」
 軟禁されていたから、実を言えば、私は水辺に出向いた経験がない。
 幼少時も危険だからという理由で、近づいた事が無かった。

 思わず目を丸くしていると、私の片手をフェンネル様が握った。

「さぁ、もうちょっと。まずは四阿まで行こうか」
「はい!」

 こうして私達は坂道を登りきった。
 四阿は、湖を一望出来る場所にあった。
 そのテーブルの上に、フェンネル様がバスケットを置く。

 私はそれを認識しつつも、目の前に広がる光景に釘付けになった。

 湖の向こうには、どこか蒼く見える山がある。
 その山と空が、湖に映りこんでいる。

「鏡みたい」
「そうだね」

 絶景、というのは、こういう景色のために用意された言葉なのかもしれない。
 感嘆の息をはいた私は、思わず笑顔を浮かべた。

 隣に立っているフェンネル様が、私の腰に手を添えている。

「俺はこの景色が好きなんだ」
「私も、今、好きになりました」
「嬉しいな。喜んでもらえた?」
「はい。フェンネル様の好きな景色を知る事が出来たのも、この景色を見られたのも、本当に嬉しくて」
「座ろうか。湖は逃げないよ。ゆっくりと眺めよう」

 楽しげな声でフェンネル様が言った。
 頷いて私は、四阿のベンチに座る。
 フェンネル様も隣に腰を下ろした。

 そして手際良く、バスケットの中身を広げていく。

 私はそれを手伝いつつも、何度も何度も湖を見てしまった。
 風景が映っている水面が、時折揺れている。

「こんなに沢山の水を見たのは初めてです」
「なら、海を見たらもっと驚くんじゃないかな」
「そうかもしれません」
「今度一緒に、海も見に行こうね」
「はい!」
「君との約束が増えるのは嬉しい。一つずつ、叶えたいし、もっと増やそう」
「マリーローズは、もっと我が儘を言っても良いんだよ?」
「私は十分我が儘です」
「どこが?」
「だって、ずっとフェンネル様と一緒にいたいって願っているんです」

 思わず私は、本心を口走った。

 フェンネル様が、私の両手を握ったのは、その時の事だった。
 驚いて顔を向けると、真剣な瞳と目が合った。

「俺も同じ気持ちだよ」
「フェンネル様……」
「いいや、違うかも知れない。俺の方が、ずっと強く、マリーローズと一緒にいたいと思っていると感じる」
「え?」
「俺はもう、君を手放せる気がしない」
「フェンネル様……」
「これでもね、俺は必死に考えたんだよ。マリーローズが、どこなら喜んでくれるか。そんな時に、思い浮かんだ場所の一つがここなんだ。俺はこの風景を、君と一緒にどうしても見たかったんだよ」

 柔和なフェンネル様の声音を聞いて、私は両頬を持ち上げた。
 純粋に嬉しい。
 だから湖へと再び視線を向ける。

「連れてきて頂いて、本当に嬉しいんです。フェンネル様が好きだと思う景色を一緒に見られる事が。それが私の幸福です。私の喜びです」

 フェンネル様のおそばにいられるのならば、どこだって幸せな場所に変わる気がする。
 両手から感じるフェンネル様の指先の温もりが、私の心を穏やかにしてくれる。

「俺も、君がそばにいてくれるならば、どんな景色も好きになれそうだよ」
「同じ気持ちで嬉しいです」
「そうだね。マリーローズと一緒にいると、野に生える草花一つとっても、共に見られる幸福を感じてしまうんだよ」
「私も。私もです」
「ずっと俺のそばにいてくれる? 空が水面に映るように、水面が空を受け止めるように。ずっと俺と君は、そばにいられるかな。いいや、空と湖ではダメだな。俺はこうして、君に触れていたいから」

 フェンネル様の手に力がこもった。

「俺の腕の中に、いて欲しいんだ、マリーローズ。そして、話がある。大切な話があるんだ」
「お話ですか?」
「どうしても君に聞いて欲しい事があるんだ。ずっと伝えたかった事が」

 フェンネル様の声音が、真剣なものへと変わった。
 その気迫に、私は大きく目を瞬かせる。

 一体どんなお話なんだろう?

「なんですか?」
「今、上手い言葉を探しているんだけど」
「?」
「見つからなくて困ってる。素直に気持ちを告げたら、それで良いのか。でもそれだけじゃ、俺の激情は伝わらないようにも思ってる」
「フェンネル様……?」
「それでも、どうしても今日、二人きりのこの場所で。俺は君に伝えたいし、告げると決意しているんだ」

 どこか焦燥感に駆られているかのようなフェンネル様の声音。
 一体どんなお話なんだろう?

「例えそれがどのような内容でも、私はフェンネル様のお言葉なら、受け止めます」
「マリーローズ」
「なんでも話して下さいね? 私で良ければ。私は、フェンネル様のお力になりたいです」
「君は、そばにいてくれるだけで、俺に活力をくれるよ。マリーローズは、十分すぎるほど、俺の力になってくれてる」

 フェンネル様は、私の手を握る指先に力を込めた。
 そしてじっと私を見た。

「マリーローズ、聞いて欲しい」
「はい」
「俺は――」

 私はフェンネル様の言葉に、耳を澄ませた。

「マリーローズを愛している」
「!」
「好きだ、マリーローズ。心から君が好きなんだ」
「フェンネル様……」

 突然の告白に、私は目を見開いた。
 想像もしていなかった言葉に、胸が高鳴る。

「気がついたら惹かれていて、もう気持ちが抑えきれない。マリーローズが大切なんだ。兎に角大切で、ずっとそばにいたい」
「フェンネル様、私も、私もフェンネル様が好きです!」

 私は必死に自分の気持ちを伝えた。

「本当?」
「はい! 本当です」
「俺はもう、政略結婚という関係では我慢出来ない。だから偽りの愛はいらない」
「偽りなんかじゃ無いんです。私、気付いたらフェンネル様の事ばっかり考えていて……お慕いしております」
「――嬉しくて舞い上がってる。俺の事が好き?」
「好きです」
「俺もマリーローズが好きだ。だから改めて言いたい。政略結婚ではなく――俺と結婚してもらえませんか?」
「! は、はい!」
「有難う。俺の生涯をかけて、君を愛し、幸せにすると誓うよ。俺のたった一人の妃になって欲しい。俺は生涯、たった一人、そう、たった一人君だけを愛するよ」

「フェンネル様……私、嬉しくて言葉が出てきません」
「私で良いんですか?」
「君がいいんだよ。マリーローズが良いんだ」

 フェンネル様が微笑した。

「最初は、控えめなところ、憂いがある顔が気になっていたんだ。けれど話せば話すほど、君の真っ直ぐな心根と、優しさ、そして芯が通った部分にも惹かれてしまったよ。俺の隣に生涯立っていて欲しいんだ。結婚してくれるんだね?」
「私にそのように優れた部分があるのかは、私自身には分かりません。だけど、私はフェンネル様の隣にいたいです。私に出来るのならば、フェンネル様をお支えしたいです。フェンネル様を愛しています」
「有難う。これからの生涯を、共に歩もう。だけどシンプルになってしまったな。あれこれプロポーズの言葉は考えていたんだけどね……」

 フェンネル様はそう述べると微苦笑した。

「『結婚して下さい』――結局はこれが、素直な気持ちだったからさ」
「フェンネル様……」
「好きだよ、マリーローズ」
「フェンネル様が好きすぎて、大変なんです」

 だからフェンネル様の言葉が本当に嬉しい。
  胸がどんどん温かくなってきた。

「俺の方こそ大変だよ。幸せすぎて、夢を見ているのかと思うほどだ」
「愛おしすぎて、激情に囚われそうなんです」
「俺は常に激情に囚われているけれどね」
「え?」
「マリーローズの事ばかり考えているんだ」



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

溺愛の始まりは魔眼でした。騎士団事務員の貧乏令嬢、片想いの騎士団長と婚約?!

恋愛
 男爵令嬢ミナは実家が貧乏で騎士団の事務員と騎士団寮の炊事洗濯を掛け持ちして働いていた。ミナは騎士団長オレンに片想いしている。バレないようにしつつ長年真面目に働きオレンの信頼も得、休憩のお茶まで一緒にするようになった。  ある日、謎の香料を口にしてミナは魔法が宿る眼、魔眼に目覚める。魔眼のスキルは、筋肉のステータスが見え、良い筋肉が目の前にあると相手の服が破けてしまうものだった。ミナは無類の筋肉好きで、筋肉が近くで見られる騎士団は彼女にとっては天職だ。魔眼のせいでクビにされるわけにはいかない。なのにオレンの服をびりびりに破いてしまい魔眼のスキルを話さなければいけない状況になった。  全てを話すと、オレンはミナと協力して魔眼を治そうと提案する。対処法で筋肉を見たり触ったりすることから始まった。ミナが長い間封印していた絵描きの趣味も魔眼対策で復活し、よりオレンとの時間が増えていく。片想いがバレないようにするも何故か魔眼がバレてからオレンが好意的で距離も近くなり甘やかされてばかりでミナは戸惑う。別の日には我慢しすぎて自分の服を魔眼で破り真っ裸になった所をオレンに見られ彼は責任を取るとまで言いだして?! ※結構ふざけたラブコメです。 恋愛が苦手な女性シリーズ、前作と同じ世界線で描かれた2作品目です(続きものではなく単品で読めます)。今回は無自覚系恋愛苦手女性。 ヒロインによる一人称視点。全56話、一話あたり概ね1000~2000字程度で公開。 前々作「訳あり女装夫は契約結婚した副業男装妻の推し」前作「身体強化魔法で拳交える外交令嬢の拗らせ恋愛~隣国の悪役令嬢を妻にと連れてきた王子に本来の婚約者がいないとでも?~」と同じ時代・世界です。 ※小説家になろう、ノベルアップ+にも投稿しています。※R15は保険です。

氷のメイドが辞職を伝えたらご主人様が何度も一緒にお出かけするようになりました

まさかの
恋愛
「結婚しようかと思います」 あまり表情に出ない氷のメイドとして噂されるサラサの一言が家族団欒としていた空気をぶち壊した。 ただそれは田舎に戻って結婚相手を探すというだけのことだった。 それに安心した伯爵の奥様が伯爵家の一人息子のオックスが成人するまでの一年間は残ってほしいという頼みを受け、いつものようにオックスのお世話をするサラサ。 するとどうしてかオックスは真面目に勉強を始め、社会勉強と評してサラサと一緒に何度もお出かけをするようになった。 好みの宝石を聞かれたり、ドレスを着せられたり、さらには何度も自分の好きな料理を食べさせてもらったりしながらも、あくまでも社会勉強と言い続けるオックス。 二人の甘酸っぱい日々と夫婦になるまでの物語。

冷酷非情の雷帝に嫁ぎます~妹の身代わりとして婚約者を押し付けられましたが、実は優しい男でした~

平山和人
恋愛
伯爵令嬢のフィーナは落ちこぼれと蔑まれながらも、希望だった魔法学校で奨学生として入学することができた。 ある日、妹のノエルが雷帝と恐れられるライトニング侯爵と婚約することになった。 ライトニング侯爵と結ばれたくないノエルは父に頼み、身代わりとしてフィーナを差し出すことにする。 保身第一な父、ワガママな妹と縁を切りたかったフィーナはこれを了承し、婚約者のもとへと嫁ぐ。 周りから恐れられているライトニング侯爵をフィーナは怖がらず、普通に妻として接する。 そんなフィーナの献身に始めは心を閉ざしていたライトニング侯爵は心を開いていく。 そしていつの間にか二人はラブラブになり、子宝にも恵まれ、ますます幸せになるのだった。

村八分にしておいて、私が公爵令嬢だったからと手の平を返すなんて許せません。

木山楽斗
恋愛
父親がいないことによって、エルーシャは村の人達から迫害を受けていた。 彼らは、エルーシャが取ってきた食べ物を奪ったり、村で起こった事件の犯人を彼女だと決めつけてくる。そんな彼らに、エルーシャは辟易としていた。 ある日いつものように責められていた彼女は、村にやって来た一人の人間に助けられた。 その人物とは、公爵令息であるアルディス・アルカルドである。彼はエルーシャの状態から彼女が迫害されていることに気付き、手を差し伸べてくれたのだ。 そんなアルディスは、とある目的のために村にやって来ていた。 彼は亡き父の隠し子を探しに来ていたのである。 紆余曲折あって、その隠し子はエルーシャであることが判明した。 すると村の人達は、その態度を一変させた。エルーシャに、媚を売るような態度になったのである。 しかし、今更手の平を返されても遅かった。様々な迫害を受けてきたエルーシャにとって、既に村の人達は許せない存在になっていたのだ。

公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。

木山楽斗
恋愛
実は、公爵家の隠し子だったルネリア・ラーデインは困惑していた。 なぜなら、ラーデイン公爵家の人々から溺愛されているからである。 普通に考えて、妾の子は疎まれる存在であるはずだ。それなのに、公爵家の人々は、ルネリアを受け入れて愛してくれている。 それに、彼女は疑問符を浮かべるしかなかった。一体、どうして彼らは自分を溺愛しているのか。もしかして、何か裏があるのではないだろうか。 そう思ったルネリアは、ラーデイン公爵家の人々のことを調べることにした。そこで、彼女は衝撃の真実を知ることになる。

行き遅れにされた女騎士団長はやんごとなきお方に愛される

めもぐあい
恋愛
「ババアは、早く辞めたらいいのにな。辞めれる要素がないから無理か? ギャハハ」  ーーおーい。しっかり本人に聞こえてますからねー。今度の遠征の時、覚えてろよ!!  テレーズ・リヴィエ、31歳。騎士団の第4師団長で、テイム担当の魔物の騎士。 『テレーズを陰日向になって守る会』なる組織を、他の師団長達が作っていたらしく、お陰で恋愛経験0。  新人訓練に潜入していた、王弟のマクシムに外堀を埋められ、いつの間にか女性騎士団の団長に祭り上げられ、マクシムとは公認の仲に。  アラサー女騎士が、いつの間にかやんごとなきお方に愛されている話。

わたくし悪役令嬢の器ではございませんので、俺様王子殿下の婚約者の座は、わがまま公爵令嬢様に喜んでお譲りいたしますわ

しましまにゃんこ
恋愛
傲慢で思慮の浅いアーロン王太子の婚約者として選ばれてしまった伯爵令嬢のリアナは、王太子の失態を隠すため、体のいい小間使いとして扱き使われていた。今回もまた、学園で平民娘のロマンス詐欺に引っかかったアーロンがリアナに事態の収拾を求めたため、リアナは平民娘を容赦なく断罪する。 アーロンとの婚約関係はしょせん仮初のもの。いずれは解放される。そう信じていたリアナだったが、アーロンの卒業を祝う舞踏会の日、リアナはアーロンの婚約者であることを笠にした傲慢な振る舞いをしたとして断罪され、婚約破棄されてしまう。 その上、明確な罪状がないまま国外追放までされてしまったリアナ。周囲の心配をよそに毅然とした態度で会場を後にするが、その場に崩れ落ちて。 そんなリアナを追いかけてきたのは、第二王子のジェームズだった。誰よりも高貴な身の上でありながら不遇な立場に追いやられているジェームズ。想いの通じ合った二人は手に手を取って隣国に渡る。だが、隣国で意外な事実が判明する。どこまでが彼女の計算だったのか。全ては誰かの手の平の上。 悪役令嬢役を強いられた令嬢がしたたかに幸せを掴み取るお話です。

恋愛戦線からあぶれた公爵令嬢ですので、私は官僚になります~就業内容は無茶振り皇子の我儘に付き合うことでしょうか?~

めもぐあい
恋愛
 公爵令嬢として皆に慕われ、平穏な学生生活を送っていたモニカ。ところが最終学年になってすぐ、親友と思っていた伯爵令嬢に裏切られ、いつの間にか悪役公爵令嬢にされ苛めに遭うようになる。  そのせいで、貴族社会で慣例となっている『女性が学園を卒業するのに合わせて男性が婚約の申し入れをする』からもあぶれてしまった。  家にも迷惑を掛けずに一人で生きていくためトップであり続けた成績を活かし官僚となって働き始めたが、仕事内容は第二皇子の無茶振りに付き合う事。社会人になりたてのモニカは日々奮闘するが――

処理中です...