黒薔薇の刻印

猫宮乾

文字の大きさ
上 下
41 / 61

【四十一】種付けⅡ

しおりを挟む

 ゆっくりと律動が始まった。抜き差しされる度に、俺の内側に魔力が注がれていく。その感覚に意識がぐらつくのだが、果てそうになると動きが止まり、快楽を体が思い出すから意識を飛ばす事が出来ない。

「いっぱい子種を注ぎましょうね」
「あ、ぁ……ァ、あ……んン」

 ポロリと俺が涙を零した時、ラハルが果てた。瞬間、俺の内側で魔力が渦を巻いた。

「え」

 途端に体が熱くなり、俺は絶叫した。今までに覚えた事のない、未知の感覚がする。

「いや、あ、あ、何これ、なんだこれ、あ、あ」
「水の魔力は、注ぐと渦を巻くんですよ。そんな事も知らないとは」
「あ、あ、あああ、うあ、あ」
「気持ち良いでしょう?」
「気持ち良、い、あ、ア」

 その後、うわごとのように俺は、気持ち良いと繰り返した。もう理性なんて何処にも無かった。俺から陰茎をラハルが引き抜いたのは、少し時間をおいてからだった。

「さて、栓をしておきますか」
「っく、ぁ、ああ」

 だらりと何かが零れそうになっていた所へ、ラハルが張り型を突き立てた。涙で滲む虚ろな瞳をシーツに向け、俺はギュッと手を握りしめながら、いまだ体内を渦巻く快楽に耐える。

「今日は初夜ですから、皆が遠隔魔術でこの風景を見ているんですよ」
「!」
「無事に済んで良かった」
「あ……ぁ、ァああ……う……うう、ぁ……体が熱い……や、やぁ……」

 俺はすすり泣きながら、痴態を見られている事に苦しくなった。結局どこへ行こうとも、俺に求められているのは体なのだ。

 この夜、ラハルはそのまま出て行った。俺は一人寝台の上で悶えていた。
 熱が酷く、一睡も出来ないまま朝を迎えたのだが、どんどん体の内側が熱くなっていく。まるで満月の夜が続いているような錯覚をしてしまう。朝食が運ばれてきたが、立ち上がる事すら出来なかった。それは昼食時も夕食時も同様で、俺は夜までずっと快楽に震えていた。

 夜になりラハルがやってきて、俺の中から張り型を引き抜いた時、俺にはもう、ほとんど意識は無かった。目こそ開いてはいたが、自分が何処で何をしているのかもわからないほどの快楽に苛まれていた。

「一日でここまで魔力卵を成長させるとは。さすがは神産みの経験者だ。もう卵が孵化しかかっている」

 まじまじと俺の菊門をラハルが見ていた。太股を持ち上げられている状態で震えながら泣いていたその時――俺の内部から蠢く何かが出てきた。まるで触手のように太く長い何か、怯えながら視線を向けると、それは半透明で、中にびっしりと卵が詰まっていた。それらが俺の肉壁を刺激しながら出てきた時、俺は絶叫した。あんまりにも気持ち良かったからだ。

「あー、あー。あー、あ、ああ」
「出産とは気持ちが良いそうだ。雌にとっては。これで陛下も立派な雌だ」

 この夜、俺は一度目の産卵を果たしたのである。以後、これは日常となる。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

部室強制監獄

裕光
BL
 夜8時に毎日更新します!  高校2年生サッカー部所属の祐介。  先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。  ある日の夜。  剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう  気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた  現れたのは蓮ともう1人。  1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。  そして大野は裕介に向かって言った。  大野「お前も肉便器に改造してやる」  大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…  

僕が玩具になった理由

Me-ya
BL
🈲R指定🈯 「俺のペットにしてやるよ」 眞司は僕を見下ろしながらそう言った。 🈲R指定🔞 ※この作品はフィクションです。 実在の人物、団体等とは一切関係ありません。 ※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨 ので、ここで新しく書き直します…。 (他の場所でも、1カ所書いていますが…)

男色医師

虎 正規
BL
ゲイの医者、黒河の毒牙から逃れられるか?

見せしめ王子監禁調教日誌

ミツミチ
BL
敵国につかまった王子様がなぶられる話。 徐々に王×王子に成る

『僕は肉便器です』

眠りん
BL
「僕は肉便器です。どうぞ僕を使って精液や聖水をおかけください」その言葉で肉便器へと変貌する青年、河中悠璃。  彼は週に一度の乱交パーティーを楽しんでいた。  そんな時、肉便器となる悦びを悠璃に与えた原因の男が現れて肉便器をやめるよう脅してきた。 便器でなければ射精が出来ない身体となってしまっている悠璃は、彼の要求を拒むが……。 ※小スカあり 2020.5.26 表紙イラストを描いていただきました。 イラスト:右京 梓様

珍しい魔物に孕まされた男の子が培養槽で出産までお世話される話

ききふわいん
BL
目が覚めると、少年ダリオは培養槽の中にいた。研究者達の話によると、魔物の子を孕んだらしい。 立派なママになるまで、培養槽でお世話されることに。

甥の性奴隷に堕ちた叔父さま

月歌(ツキウタ)
BL
甥の性奴隷として叔父が色々される話

奴隷騎士のセックス修業

彩月野生
BL
魔族と手を組んだ闇の軍団に敗北した大国の騎士団。 その大国の騎士団長であるシュテオは、仲間の命を守る為、性奴隷になる事を受け入れる。 軍団の主力人物カールマーと、オークの戦士ドアルと共になぶられるシュテオ。 セックスが下手くそだと叱責され、仲間である副団長コンラウスにセックス指南を受けるようになるが、快楽に溺れていく。 主人公 シュテオ 大国の騎士団長、仲間と国を守るため性奴隷となる。 銀髪に青目。 敵勢力 カールマー 傭兵上がりの騎士。漆黒の髪に黒目、黒の鎧の男。 電撃系の攻撃魔術が使える。強欲で狡猾。 ドアル 横柄なオークの戦士。 シュテオの仲間 副団長コンラウス 金髪碧眼の騎士。女との噂が絶えない。 シュテオにセックスの指南をする。 (誤字脱字報告不要。時間が取れる際に定期的に見直してます。ご報告頂いても基本的に返答致しませんのでご理解ご了承下さいます様お願い致します。申し訳ありません)

処理中です...