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【三十六】偽りと絶望の神産みⅠ
しおりを挟む「今日は、貴方を貰う事とする」
泣きながらぐったりとし、体を震わせていた俺に、ユーガ殿下が言った。気づけば、ユーガ殿下の陰茎は、既にそそり立っていた。それを菊門に押し当てられた時、俺は声を上げた。
「早く、う、うあ」
「可愛いな、俺のネルスは、本当に」
「ああああ!」
ユーガ殿下の陰茎の先端が入ってきた。押し広げられる感覚がした時、触れ合っている温度で体が溶けそうになった。
「好き。ユーガが好き。あ、あ、もっと」
「俺を愛してくれたか。漸く」
「うん、うん」
俺は、愛を知ったのだと思う。ユーガ殿下と繋がっていると思うだけで、心が満ちていく。根元まで入った時、俺は射精した。のし掛かってくる殿下に、震えながら抱きつく。思わずその背中に爪を立ててしまった。すると喉で殿下が笑った。
「俺と貴方の交わりで生まれる神の種子や卵は、まさに子だ。俺達の関係の証だ。産んでくれるな?」
「あ、あ……ああ……産む、だから、だからもっと……ア」
「力を注ぐぞ」
「あ――!!」
瞬間的に、俺の体に魔力があふれかえった。それが壮絶な快楽をもたらした。直後、今度はそれを抜かれた。するとより強い快楽が体に染みこんできた。もう訳が分からなくて、俺はしがみついているしか出来ない。
「砂の神の力を解放する」
「!! っ――、――」
頭が真っ白に染まった。黒薔薇の刻印が反応して、光を放つ。殿下は、その時、ニヤリと笑った。
「樹の神の力も十分満ちているようだな。指示した甲斐があったというものだ」
「あ、ああ、あ、え? あ、ああああ!!」
「知っているか? 絶望が深いほど、兵器の威力は高まるんだ」
「な、何? いや、あ、あああああ!」
その時だった。俺の体を壮絶な痛みが支配した。突然快楽から痛みに切り替わり、意識がついていかず、俺の記憶はそこで飛んだ。
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