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【二十四】性欲処理者Ⅱ
しおりを挟む向かった先は、地の国の設営している砦だった。
「おかえりなさいヴェルス団長。ええと……それは?」
「俺の新しい男娼だ」
「お金払うんですか?」
「衣食住くらいは保証してやるさ」
ニヤっと笑った男は、ヴェルスという名らしい。そのまま俺は、砦の奥の簡素な部屋へと連れて行かれた。ぐったりとしていた俺の体を、木の板に布をかけただけの寝床に、ヴェルスが下ろした。
「咥えろよ」
「……」
首輪がその命令に反応する。俺が口を開くと、ヴェルスが長く太いものを突っ込んできた。雄の臭いに、息を詰める。口の奥深くまで暴かれながら、必死に舌と頬を動かした。
「さすがに巧いな。出すぞ」
「っぐ」
口の中深く、喉の間際まで貫かれ、そこに吐精された。俺の唇の端から、白液が零れる。
「飲め」
「っ、ぁ」
必死に言われた通りにすると、頭を撫でられた。それからヴェルスが俺の耳を擽った。ピクンと俺の体が跳ねる。それから、ヴェルスは俺の背後に回ると、四つん這いになっている俺の腰を掴み、性急に挿入してきた。硬度を取り戻していたヴェルスの肉茎は、グリと俺の感じる場所を抉った。
「ああ」
布を掴み、俺が声を上げると、俺に激しく打ち付けながら、ヴェルスが笑った気配がした。
「あ、あ、あ」
まるで獣のような交わりだった。乱暴なのだが、気持ち良い。痛みは無い。激しいのだが、気を遣って抱いているのだと理解出来る。
「あ、そこは、嫌だ……やあああ」
「感じすぎて嫌か?」
「う、うあ、あ、ああ……お願い、あ、イっちゃ――ああああ!」
「いっぱいイけよ。一緒に気持ち良くなろう、な?」
「ああ、あ、ああ! 待って、まだイったばっかりで」
黒薔薇の刻印の残っている力で、俺は何度でも果てられる体らしい。それが逆に辛い。ボロボロと泣きながら、俺は快楽に耐えた。緩急をつけて俺の内部を暴きながら、ヴェルスが楽しそうな声を上げた。
「いいねぇ、いいな。気に入ったよ、お前の体」
「あ、は……ああ、あア」
「顔も随分と綺麗だしな。こりゃあ……そうだな。献上品にも良いか」
「もう、もう……ア……あああ!」
「良い声で啼くんだなぁ。んー、誰に捧げるとするか」
「ひゃッ!」
俺の陰茎から精液が飛び散る。一瞬力が抜けて寝台に上半身を預けた時、背中に体重をかけられた。そして両手首を掴まれる。その状態で腰を揺さぶられた。
「だめ、だめだ、だめ、だめいやあああ」
「嘘つきだなぁ。よがってる」
「お願いだから、あ、あ――さっきの所突いて」
「うん。そうやって素直にしてろ」
クスクスとヴェルスは笑ったが、そのまま動いてくれなかった。果てたくて果てたくて、何度も俺は懇願した。だがヴェルスは俺の背中をねっとりと舐めるだけだった。そうしてその夜は、散々焦らされた後、最後はまた獣のように貫かれ、俺はいつの間にか意識を手放していた。
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