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下界の淫魔
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水色のワンピース、白いエプロン。
真っ赤な口紅は、頬まで乱され伸びていた。
胸元は開かれ、白い女性物の下着がたくし上げられ、平らな胸の小さな乳首にはチェーンの付いたクリップが嵌められている。
拘束された腕は壁に貼り付けられ、M時に開かれた脚もラバーで縛り付けられていた。
女性物の薄くて白いレースの下着は、雄の象徴を隠す様にずらされ、アナルにはずっぽりとバイブが刺さっている。
目隠しされ、周りは暗闇だ。
小さく震えるバイブの音が聞こえる。
「こう見ると、ペチャパイな女の子だね」
息が荒いそんないやらしい声が聞こえた。
暗闇の中、乳首に激痛が走る。
「ぅあっ、ぃっ、た……」
少しでも激痛を弱らせようと、カグヤは胸を突き出した。
「キツめに調節したから痛いよね」
乳首に付けられたクリップのチェーンを引っ張られた。
「あ、あっ……」
引っ張られたまま、その周囲を撫でられる。
ゾワッと背筋に妙な感覚が走ると、背中をのけぞらせた。
「痛い?気持ちいい?」
ピンと張ったチェーンを上下に揺さぶりながら男は聞いた。
「ぃ、あ、気も……、ィイっ!」
「本当に?」
限界までチェーンを張ると、そのチェーンを指先で弾いた。
チェーンを伝って潰された乳首に振動が伝わると、ビリビリと身体中に電流が走った。
腰が浮き上がる。
「あ”ァっ!」
浮き上がった腰から腿がビクビクと震えた。
「あ、イっちゃった?」
男の笑い声が聞こえる。
カグヤの腰がくったりと床に沈んだ。
「もう、すごいね。チンコ勃ってないけどお漏らしでグチョグチョに濡れててさ、もっこりはしてるけど下着が透けて女の子が濡れてるみたい」
濡れた下着の上から、柔らかいペニスを触られた。
「何で気持ちいいのに勃たないんだろうね」
グニグニと袋から包み込む様に揉まれる。
「目……、取ってぇ……、見えな、ぁ、あっ」
バイブの動きが強くなった。
左右に畝り、振動が加わり、ズボズボと音を立てながら出し入れされる。
「あ、あっ、ダメっ!直ぐ、イくっ!!ァアァアーっ!!」
再び、カグヤは腰を仰け反らせ、ビクビクと震えた。
それでも、男はバイブの動きを止めない。
「ぃ、今っ!イっだからぁっ!と、止めっ!ぅあぁッ!!」
波が途絶える事がなく、カグヤの下半身は痙攣し続けた。
「勃たないのは残念だけど、本当に女の子としてるみたいでいいね」
「あ、ゃらっ!ぉ、願ぃいっ!!」
「お尻がバイブを離したくないよー、って」
グリグリと左右に捻りを咥えながら、男は執拗にバイブを動かした。
イきたくなくても、無理矢理イかされ休む間もないその行為に、頭がバカになりそうだ。
「勃たない分、いっぱいメスイキし「お時間でーす」」
男が一心不乱にバイブでカグヤを弄んでいる最中に、勢い良くドアが開かれ弾がズカズカと入って来た。
そして、男の襟首を掴み上げた。
カグヤは再びぐったりと腰を沈めた。
息は荒く、顔や身体は汗でぐっしょりとしている。
やっと終わった、カグヤは少し安堵した。
「ちょ、まだ挿れてないっす」
そんな声が聞こえた。
「延長料金、倍取るぞ」
「分かりましたよォ……。払うから、生で中出しいいっすか?」
「仕方ないなぁ。プラス二倍の料金ね」
暗闇の中で聞こえる二人の声に、カグヤはゾッとする。
本来なら、中で直に精を取れるのは喜ばしい事なのだが、気分が乗らない。
心の中の黒いモヤが広がって行く。
「さっさと終わらせろよー」
弾の声の後に、目隠しされたカグヤの頬に生暖かい少しだけ柔らかい男のペニスが押し当てられた。
ムワッとする蒸れた臭いが鼻につく。
上下にソレを擦り付け、カグヤの唇に先端を押し当てた。
「カグヤちゃんも早く終わらせたいならさっさと完勃ちさせた方がいーよー」
少し遠くから弾の声が聞こえた。
見学でもする気だろう。
カグヤは口を開け、舌を出した。
「ふ、ぅんっ」
男のペニスが口に入れられ、蒸れた臭いと湿った感触がカグヤの口内に広がった。
カグヤは顔をしかめつつも、ソレにむしゃぶりついた。
「あぁ、口紅がぐちゃぐちゃで可愛いよ」
男はカグヤの頭を撫でながら、ゆっくり腰を動かした。
その時、ド派手なハードロックな音楽が流れ出した。
「んもぉ、誰だよ」
弾のスマホの着信音らしい。
いつもはバイブにしてあるのに。
「あー、気にしないで続けてていーよ。……もしもぉーし。神代から電話なんて珍しっ」
神代、その名前にカグヤは強ばった。
男の影で弾からはカグヤの表情は見えていない。
弾から見えるのは、M字に開かれたグチョグチョの下着からはみ出るバイブが突っ込まれたカグヤのアナルと、男のダルダルの汚い尻だ。
「えー、マジでチンコ貸してくれるのっ!?……あはは、顔は出さねぇよ。ま、傷のある顔でも神代なら再生回数は稼げるけど」
何の話をしているのだろうか。
弾の電話の目の前でこんな事をしてるなんて知られたら、軽薄な目で見られるのだろうか。
そんな事を考えても、男の腰は止まらない。
「ん、んっ」
酸素を取り入れる度に、口元から声が漏れてしまう。
「お相手の女優さんはね、おっぱいでかくて童顔で可愛いー子だよー。あ、甘々恋人設定らしいから、蕩けさせちゃって」
千皇は誰かを抱く、それは理解出来た。
男は、カグヤの口からペニスを抜いた。
そして、バイブを引っこ抜く。
ぽっかりと空いたカグヤのアナルに男のペニスの先端が当てられた。
「ぁ、今は挿れな……、んんっ!」
カグヤは小声でそう訴えるも、男のペニスは一気にカグヤを貫いた。
パン、と肉がぶつかる音が響いた。
「んっ、んっ!!」
口を塞ぎたくても、両手は拘束されている。
唇を噛み締めて、声を押し殺す。
「俺じゃないよー。あ、そうだ、なぁなぁチンコ勃つ方法ってない?……だから、俺じゃないの。EDになっちゃった子が居てさー。ま、ケツ穴があるから問題ないっちゃないけど」
自分の事を言われて居るのだろう。
悔しくて悲しくて、噛み締めた唇から血が滲んだ。
「ぅ、んっ……」
「ほら、ちゃんとお仕事しないと。今は穴しかないんだからさ、カグヤちゃん」
バレた。
千皇に今交尾中なのが、バレた。
「あ、締め付け凄いっ!出すよ、中に出すよっ!!」
声を殺す度に身体に力が入る。
カグヤの腹の中がギュッと強く締め付けていた。
男の腰は激しくぶつかる。
「……。俺がそー言う性格なの、知ってるだろぉ?」
「んんーっ!!」
「俺が先に見つけたの。神代には紹介してやんないよ」
カグヤの腹の中に、男の精液が注ぎ込まれる。
生暖かくて、気持ち悪い。
ずるっと、ペニスが抜かれた。
男は閉じようとするカグヤのアナルを無理やり広がし、そこから溢れ出る自分の精子を見ると、満足気に笑った。
「お金、置いときますから」
男は下半身丸出しのまま立ち上がると、台の上にあるティッシュで自分のペニスを拭いた。
「撮影は明日の夕方からだから、迎えに行ってやるよ。んじゃねー」
弾はそう言うと電話を切った。
男は身支度を整えると、お金を置いて部屋を出て行った。
カグヤはぐちゃぐちゃにされたまま、放置された。
しばらくして、弾がカグヤに近付き、しゃがみ込むとカグヤの目隠しを剥ぎ取った。
いきなりの光に、カグヤは一瞬目を閉じた。
「何で泣いてるの?」
弾はカグヤの目元に指を当てた。
「……泣いてねぇ。生理現象だ」
「ふーん……。逢った事あるんだろ?神代に」
「知らねぇよ、……そんな奴」
「いつもなら、俺が電話中でもアンアン言うくせに」
「暗いのが嫌なだけだ」
そっか、と弾は呟くとカグヤの手の拘束を解いた。
手を解かれたカグヤは、自分で足の拘束を取った。
乳首クリップから垂れるチェーンを掴んだ弾は、思い切りそれを引っ張る。
「い”あっ!」
乳首が引っ張られ、バチンと音がするとクリップはカグヤの胸から弾け取れた。
「あ”っ、あ”」
あまりの痛みに、カグヤは呻きながら胸を抑える。
「神代はね、すげぇ綺麗な男なんだよねー。性格悪いけど」
「……っ」
「無表情で何考えてんか分からないけど、ムカつくくらい、顔がいーの。だから、いつか組み敷いてさ、歪めたいんだよね」
「……俺は、……知らない」
胸を抑えたまま、カグヤは答える。
「今度ね、AV出るの。女の子とねセックスするんだ」
カグヤは違う胸の痛みを感じた。
溢れ出そうな涙を堪え、下を向いた。
「アレだけ嫌がっていたんだけど、何があったんだろぉね」
クリップのチェーンを軽く振り回しながら、弾は不思議そうに呟いた。
「カグヤちゃん、今日は帰っていーよ。結構ハードだったし、乗り気じゃないでしょ?」
弾はにっと笑った。
「穴まで使えなくなったら困るだろ?」
出来るなら、身体を洗い流したい。
全部、洗い流される事が出来たら、千皇の手を取れるかも知れないのに。
どんどんと、黒いモヤに汚されて行く。
「俺も明日は忙しいから、ゆっくり休んでいいよー。セックス休む日とか作れば勃つかも」
弾は立ち上がるとそう言い、部屋を出て行った。
(……俺とはセックスしなかったのに)
そんな事、思える立場では無いのは分かっている。
汚いと弾から言われ、ニセモノでも千皇なら興奮した自分に嫌悪を持ち、千皇の手を振り解いた。
精を取る為に、いろんな輩と交尾をする。
どんなに汚いと言われても、千皇と出逢わなければ笑って交尾が出来た筈だ。
カグヤは右手を上げて床に打ち付けようとするも、出来なかった。
出来る筈がない。
自分の中に居る千皇への欲が、どんどん大きな物になって行ってるのも分かっている。
自分はこれからも誰かの精を取り、自分を汚して行く。
今は物珍しさから手を伸ばしているだけかも知れない。
掴んだ手が汚いと言われたら、……それが一番怖い。
(……嫌だ、怖いよ……)
カグヤはギュッと自分を抱き締めると、言い知れぬ恐怖に身体を震わせた。
真っ赤な口紅は、頬まで乱され伸びていた。
胸元は開かれ、白い女性物の下着がたくし上げられ、平らな胸の小さな乳首にはチェーンの付いたクリップが嵌められている。
拘束された腕は壁に貼り付けられ、M時に開かれた脚もラバーで縛り付けられていた。
女性物の薄くて白いレースの下着は、雄の象徴を隠す様にずらされ、アナルにはずっぽりとバイブが刺さっている。
目隠しされ、周りは暗闇だ。
小さく震えるバイブの音が聞こえる。
「こう見ると、ペチャパイな女の子だね」
息が荒いそんないやらしい声が聞こえた。
暗闇の中、乳首に激痛が走る。
「ぅあっ、ぃっ、た……」
少しでも激痛を弱らせようと、カグヤは胸を突き出した。
「キツめに調節したから痛いよね」
乳首に付けられたクリップのチェーンを引っ張られた。
「あ、あっ……」
引っ張られたまま、その周囲を撫でられる。
ゾワッと背筋に妙な感覚が走ると、背中をのけぞらせた。
「痛い?気持ちいい?」
ピンと張ったチェーンを上下に揺さぶりながら男は聞いた。
「ぃ、あ、気も……、ィイっ!」
「本当に?」
限界までチェーンを張ると、そのチェーンを指先で弾いた。
チェーンを伝って潰された乳首に振動が伝わると、ビリビリと身体中に電流が走った。
腰が浮き上がる。
「あ”ァっ!」
浮き上がった腰から腿がビクビクと震えた。
「あ、イっちゃった?」
男の笑い声が聞こえる。
カグヤの腰がくったりと床に沈んだ。
「もう、すごいね。チンコ勃ってないけどお漏らしでグチョグチョに濡れててさ、もっこりはしてるけど下着が透けて女の子が濡れてるみたい」
濡れた下着の上から、柔らかいペニスを触られた。
「何で気持ちいいのに勃たないんだろうね」
グニグニと袋から包み込む様に揉まれる。
「目……、取ってぇ……、見えな、ぁ、あっ」
バイブの動きが強くなった。
左右に畝り、振動が加わり、ズボズボと音を立てながら出し入れされる。
「あ、あっ、ダメっ!直ぐ、イくっ!!ァアァアーっ!!」
再び、カグヤは腰を仰け反らせ、ビクビクと震えた。
それでも、男はバイブの動きを止めない。
「ぃ、今っ!イっだからぁっ!と、止めっ!ぅあぁッ!!」
波が途絶える事がなく、カグヤの下半身は痙攣し続けた。
「勃たないのは残念だけど、本当に女の子としてるみたいでいいね」
「あ、ゃらっ!ぉ、願ぃいっ!!」
「お尻がバイブを離したくないよー、って」
グリグリと左右に捻りを咥えながら、男は執拗にバイブを動かした。
イきたくなくても、無理矢理イかされ休む間もないその行為に、頭がバカになりそうだ。
「勃たない分、いっぱいメスイキし「お時間でーす」」
男が一心不乱にバイブでカグヤを弄んでいる最中に、勢い良くドアが開かれ弾がズカズカと入って来た。
そして、男の襟首を掴み上げた。
カグヤは再びぐったりと腰を沈めた。
息は荒く、顔や身体は汗でぐっしょりとしている。
やっと終わった、カグヤは少し安堵した。
「ちょ、まだ挿れてないっす」
そんな声が聞こえた。
「延長料金、倍取るぞ」
「分かりましたよォ……。払うから、生で中出しいいっすか?」
「仕方ないなぁ。プラス二倍の料金ね」
暗闇の中で聞こえる二人の声に、カグヤはゾッとする。
本来なら、中で直に精を取れるのは喜ばしい事なのだが、気分が乗らない。
心の中の黒いモヤが広がって行く。
「さっさと終わらせろよー」
弾の声の後に、目隠しされたカグヤの頬に生暖かい少しだけ柔らかい男のペニスが押し当てられた。
ムワッとする蒸れた臭いが鼻につく。
上下にソレを擦り付け、カグヤの唇に先端を押し当てた。
「カグヤちゃんも早く終わらせたいならさっさと完勃ちさせた方がいーよー」
少し遠くから弾の声が聞こえた。
見学でもする気だろう。
カグヤは口を開け、舌を出した。
「ふ、ぅんっ」
男のペニスが口に入れられ、蒸れた臭いと湿った感触がカグヤの口内に広がった。
カグヤは顔をしかめつつも、ソレにむしゃぶりついた。
「あぁ、口紅がぐちゃぐちゃで可愛いよ」
男はカグヤの頭を撫でながら、ゆっくり腰を動かした。
その時、ド派手なハードロックな音楽が流れ出した。
「んもぉ、誰だよ」
弾のスマホの着信音らしい。
いつもはバイブにしてあるのに。
「あー、気にしないで続けてていーよ。……もしもぉーし。神代から電話なんて珍しっ」
神代、その名前にカグヤは強ばった。
男の影で弾からはカグヤの表情は見えていない。
弾から見えるのは、M字に開かれたグチョグチョの下着からはみ出るバイブが突っ込まれたカグヤのアナルと、男のダルダルの汚い尻だ。
「えー、マジでチンコ貸してくれるのっ!?……あはは、顔は出さねぇよ。ま、傷のある顔でも神代なら再生回数は稼げるけど」
何の話をしているのだろうか。
弾の電話の目の前でこんな事をしてるなんて知られたら、軽薄な目で見られるのだろうか。
そんな事を考えても、男の腰は止まらない。
「ん、んっ」
酸素を取り入れる度に、口元から声が漏れてしまう。
「お相手の女優さんはね、おっぱいでかくて童顔で可愛いー子だよー。あ、甘々恋人設定らしいから、蕩けさせちゃって」
千皇は誰かを抱く、それは理解出来た。
男は、カグヤの口からペニスを抜いた。
そして、バイブを引っこ抜く。
ぽっかりと空いたカグヤのアナルに男のペニスの先端が当てられた。
「ぁ、今は挿れな……、んんっ!」
カグヤは小声でそう訴えるも、男のペニスは一気にカグヤを貫いた。
パン、と肉がぶつかる音が響いた。
「んっ、んっ!!」
口を塞ぎたくても、両手は拘束されている。
唇を噛み締めて、声を押し殺す。
「俺じゃないよー。あ、そうだ、なぁなぁチンコ勃つ方法ってない?……だから、俺じゃないの。EDになっちゃった子が居てさー。ま、ケツ穴があるから問題ないっちゃないけど」
自分の事を言われて居るのだろう。
悔しくて悲しくて、噛み締めた唇から血が滲んだ。
「ぅ、んっ……」
「ほら、ちゃんとお仕事しないと。今は穴しかないんだからさ、カグヤちゃん」
バレた。
千皇に今交尾中なのが、バレた。
「あ、締め付け凄いっ!出すよ、中に出すよっ!!」
声を殺す度に身体に力が入る。
カグヤの腹の中がギュッと強く締め付けていた。
男の腰は激しくぶつかる。
「……。俺がそー言う性格なの、知ってるだろぉ?」
「んんーっ!!」
「俺が先に見つけたの。神代には紹介してやんないよ」
カグヤの腹の中に、男の精液が注ぎ込まれる。
生暖かくて、気持ち悪い。
ずるっと、ペニスが抜かれた。
男は閉じようとするカグヤのアナルを無理やり広がし、そこから溢れ出る自分の精子を見ると、満足気に笑った。
「お金、置いときますから」
男は下半身丸出しのまま立ち上がると、台の上にあるティッシュで自分のペニスを拭いた。
「撮影は明日の夕方からだから、迎えに行ってやるよ。んじゃねー」
弾はそう言うと電話を切った。
男は身支度を整えると、お金を置いて部屋を出て行った。
カグヤはぐちゃぐちゃにされたまま、放置された。
しばらくして、弾がカグヤに近付き、しゃがみ込むとカグヤの目隠しを剥ぎ取った。
いきなりの光に、カグヤは一瞬目を閉じた。
「何で泣いてるの?」
弾はカグヤの目元に指を当てた。
「……泣いてねぇ。生理現象だ」
「ふーん……。逢った事あるんだろ?神代に」
「知らねぇよ、……そんな奴」
「いつもなら、俺が電話中でもアンアン言うくせに」
「暗いのが嫌なだけだ」
そっか、と弾は呟くとカグヤの手の拘束を解いた。
手を解かれたカグヤは、自分で足の拘束を取った。
乳首クリップから垂れるチェーンを掴んだ弾は、思い切りそれを引っ張る。
「い”あっ!」
乳首が引っ張られ、バチンと音がするとクリップはカグヤの胸から弾け取れた。
「あ”っ、あ”」
あまりの痛みに、カグヤは呻きながら胸を抑える。
「神代はね、すげぇ綺麗な男なんだよねー。性格悪いけど」
「……っ」
「無表情で何考えてんか分からないけど、ムカつくくらい、顔がいーの。だから、いつか組み敷いてさ、歪めたいんだよね」
「……俺は、……知らない」
胸を抑えたまま、カグヤは答える。
「今度ね、AV出るの。女の子とねセックスするんだ」
カグヤは違う胸の痛みを感じた。
溢れ出そうな涙を堪え、下を向いた。
「アレだけ嫌がっていたんだけど、何があったんだろぉね」
クリップのチェーンを軽く振り回しながら、弾は不思議そうに呟いた。
「カグヤちゃん、今日は帰っていーよ。結構ハードだったし、乗り気じゃないでしょ?」
弾はにっと笑った。
「穴まで使えなくなったら困るだろ?」
出来るなら、身体を洗い流したい。
全部、洗い流される事が出来たら、千皇の手を取れるかも知れないのに。
どんどんと、黒いモヤに汚されて行く。
「俺も明日は忙しいから、ゆっくり休んでいいよー。セックス休む日とか作れば勃つかも」
弾は立ち上がるとそう言い、部屋を出て行った。
(……俺とはセックスしなかったのに)
そんな事、思える立場では無いのは分かっている。
汚いと弾から言われ、ニセモノでも千皇なら興奮した自分に嫌悪を持ち、千皇の手を振り解いた。
精を取る為に、いろんな輩と交尾をする。
どんなに汚いと言われても、千皇と出逢わなければ笑って交尾が出来た筈だ。
カグヤは右手を上げて床に打ち付けようとするも、出来なかった。
出来る筈がない。
自分の中に居る千皇への欲が、どんどん大きな物になって行ってるのも分かっている。
自分はこれからも誰かの精を取り、自分を汚して行く。
今は物珍しさから手を伸ばしているだけかも知れない。
掴んだ手が汚いと言われたら、……それが一番怖い。
(……嫌だ、怖いよ……)
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