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~第二章~

猫耳萌えだぜーー!!!

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今までの経緯を言い終わるとアルト様は一息つく

「ということで明日っていうかもう今日かな、ギルドに行くけど…大丈夫?雪ちゃん」
「……あ!、はい!大丈夫です!!」
な、何か私が寝ている間に凄いことが起きてて呆けちゃった
でも…
「あの、アルト様…」
「うん?」
「その格好で怪しまれなかったんですか?」
今のアルト様の姿はあの狭界で私と会った時の姿で服装だけは黒いローブを着ている何故か似合っているけど…
でも、金髪の人がローブを着てたらおかしく見えなかったのかな…?
「…雪ちゃん、それって僕はいつも怪しい者に見えるってことかな……」
がっくりと項垂れるアルト様に慌てる
「そういう意味じゃなくて…えっと…」
何でだろう…言葉が思いつかない


「こほん、実は僕のスキルの力だよ」
「スキルですか?」
確かスキルは生まれもったもの、特定の条件が揃ったら手に入るもの、がある
だけど大抵の人は4~5ぐらいしかスキルを持っていない
下手したら2~3程のスキルしか手に入らず人生を終わる人もいる
「そう、スキル。この『詐欺師』っていうスキルでね…」
アルト様の話によると詐欺師というスキルは何でも隠せるらしい
それこそ、姿にステータス…名前まで!
「はら、こんな感じで…」
そう言うとアルト様は立ち上がったと思ったらいつの間にかそこには白猫が座っていた
「え!?…ア、アルト様…?」
「うん、僕だよ」
白猫の姿でアルト様の声が出て驚くと元の姿に戻ってしまった
そのままでも良かったのに…

「あと雪ちゃん、僕のことは様付けしちゃだめだよ?」
「え!?…どうしてですか?」
「まず、もう僕は神じゃないから!それに他の人たちには兄妹ってことにしているんだから
雪ちゃんが様付けするのは可笑しいでしょ?」
確かにそれはそうだけど…
何かいまさら感があるし、恥ずかしいし…
「じゃあ、僕も雪ちゃんのことは雪って呼び捨てにするよ」
それなら、おあいこでしょ?とアルト様は笑うけど…
「ほら、雪?」
「っ~…ア、アルト」
アルトさ…アルトは満足そうに微笑むと私を立ち上がらせた
「さすがにこれ以上起きてたら寝不足になっちゃうからもう寝た方がいいよ」
そういうとドアの方に歩きだす

……その時、何故か分からないけど反射的にローブを掴んでいた

「え?雪?」
アルト様の困惑した声にはっとする
わ、私何やって…
「…雪、手出してくれるかな?」
無言で手を出すとアルトは自分の手を重ねた
すると、水色の光が出てきて反射的に眼を閉じると暖かい光に体が包まれる感覚がした
と、思ったらすぐにその暖かさが消えて光もいつの間にか消えていた
「はい、お兄ちゃんからのプレゼント」
おどけた様にアルトは笑うと私の首に何かをかけた
「これは…」
手にとって見るとそれは白と水色が混ざっていて一見石のようにも見えるけど月の光を受けてキラキラと輝き神秘的にだけどどこか優しく光っている
「ムーンストーンだよ、僕の魔力を込めたから何があっても君を守ってくれる」
するとムーンストーンがほんのりと光った

「…ありがとう、アルト」
私が泊まっていた部屋までアルトは送ると最後に優しく私の頭を撫でて部屋に戻っていった
…もしかして子供扱いされてる?

部屋に戻ってベッドに横になるとアルトに貰ったネックレスを軽く握りしめる
すると光と、ともに暖かくなりながらいつの間にか眠っていた

「…き……ゆ…き」
「んん…?…アル…ト…?」
朝日が眼に入ったのか凄く眩しい
「うん、僕だよ雪。おはよう」
「…おはよう」
まだ、少しだけ呼び捨てになれないから恥ずかしい…

「じゃあ、下で待ってるから」
ゆっくり準備していていいよと、アルトは言うと部屋を出て行った
準備?…あ!そっか!ギルドに行くんだ!
急いで髪を手櫛で整えて顔を洗うと下に降りた
下にはアルトがこの宿屋の主人らしき人と話していた
邪魔かな?
待っていようと思い階段で待っていると…
「もしかして、貴方…あの男の妹さん?」
不意に話しかけられて慌てて話しかけられた方を見ると…美少女がいた
水色の髪を耳くらいに纏めてポニーテールにしていて端正な顔立ち
服装はどこかの学校の制服っぽい感じで異世界なのに親近感を覚えた…と、思う
「えっと、あの男って今宿屋の主人と話している人ですか?」
「そうよ…てことは本当に兄妹なのね?」
探るように見つめられてたじろぐ
「は、はい…」
「ふーん、ねえ…」
美少女は一歩私に近づくと顔が近付く

                「雪」

思わず後ずさりしそうになった時…不意に背中が暖かくなり頭に手が載せられる
「アルト…?」
はっとして後ろを見ようとするとアルトがそれをさせてくれない
「あんまり妹を苛めないでくれないかな?」
「…別に苛めた訳じゃないんだけど?本当に兄妹なのかまだ疑っているだけ」
そういうと私に目を向ける
「…もし、嫌な思いをしたんならごめん」
「へ?…い、いえ!」
申し訳なさそうに顔を上げるとクスッと笑う
初めて笑った顔は何だか見た目に反してかわいく見える
…さすが、美少女
「どうして、謝った本人より申し訳なさそうなのよ」
「え!?いや、あの…その…」
どう説明すればいいのか分からなくてしどろもどろになると美少女が堪え切れずに吹き出した
「慌てすぎ…」


「じゃあ、行こうか…あっ!」
その後、やっと笑いが収まり宿屋を出ると美少女が立ち止まる
「そういえば自己紹介がまだだったね私はリリよろしく!雪!あんたはどうでもいい」
「酷いなぁ、まあ僕もリリって呼ばせてもらうよ」
「よ、よろしくリリ」
名前を呼び捨てにするのはやっぱり慣れないなぁ…
それに、何でこんなにこの二人はこんなに仲が悪いんだろう?


「はい、ここがギルド『永遠の太陽』よ」
リリに案内されてギルドの中に入ると途端にいろいろな人達の声とお酒の匂いがする
あっけにとらわれながらも私は今更のことに気付く
「ア、アルト」
「ん?どうした?気分が悪いならここのギルドは止めてもいいよ?」
「ううん、そうじゃなくて姿が…」
アルトの今の姿は昨日と全く変わっていない
私の疑問が分かったのかアルトは苦笑いすると説明してくれた
「ああ、そういえば言ってなかったね…実はこのスキル見せる人と見せない人を決めれるんだよ
今は雪以外の人達には僕は普通の人に見えるだろうね」
「ちょっと!、何で止まってるのよ!早く行くよ!」
アルトが肩をすくめると同時にリリが私の手を取って先頭を歩いて行く

リリが先頭を歩いてくれたおかげで転ばずに何とか受付に着いた
「ここでパスが作れるし次いでにギルドカードも作っちゃえば?あのー!」
私、まだ何も言ってないんだけど…
アルトと苦笑いをすると受付の奥から今度は美女が出てきた
リリと同じ水色の髪は縛らずに腰まで伸びていてどことなくリリと似ている感じがする
でもメガネをかけていてその奥の瞳は優しく光っている
「はーい!…ってリリ?どうしたの?」
…知り合いかな?もしかして兄妹だったり…
「あ!雪、紹介するね!私の姉のルル姉ちゃん!ここのギルドの受付嬢で、しかもギルド長の彼女!アイタッ」
「リーリー?」
「わーわー!ごめんなさい!お姉ちゃん!」
「…まあ、いいわ。それより貴方達は?」
ルルさんが私達の方に目を向けると私は慌てて頭を下げる
「は、初めまして!私は雪と言います!」
「僕はアルト、雪の兄です」
「二人ともここのギルドに入る次いでにパスを作りたいんだって」
「分かったわ、それじゃあこの契約書にサインを書いて」
そういってルルさんが出した契約書にサインをすると別室に案内された
「パスを作るにはまず現在の属性とフルネーム後は年齢が必要でこの水晶に手をかざせば出来るわ」
属性って…私全属性だけど不審がられないかな?
「雪、スキル『隠蔽』を使えばいいよ」
アルトがそっと私に耳打ちすると水晶に向かう
そっか!忘れてたスキルを使えばいいんだ!
えっと…火属性と水属性後は回復の聖属性だけでいいかな?

…………うん、出来た!
「雪さん、準備出来ましたよ」
「あ、はい!」
水晶は一見何の変哲もないように見えるけど手をかざすと中が不思議に光って収まると私の目の前に一枚の髪が浮いていた
「それに魔力を流してたら、もうそれで完成よ」
言われた通り魔力を流すと長方形の黒いパスが出来た文字は白色で…うん属性も大丈夫だね
「出来たら私に渡してくれる?」
「はい」
「ふむふむ、火属性に水属性に聖属性ね…三つも持っていてその内一つは珍しい聖属性か…雪さん良く今まで無事だったわね…?」
「え!?」
無事だったねって…そんなにヤバい属性なのかな…?
アルトを見るとニコッとした
怒ってるのかな…?選択間違えたから
「怒ってないよ雪、それに僕が守るから」
「え?でも…」
私が言いかけた時、今のを見ていたルルさんが少しだけ顔を青くする
「いやいや!ちょっと待って!?君は…アルト君だっけ?
聖属性は珍しいだけじゃない、その力の威力を知ってわがものにしようとする者もいるのよ!?
今では少なくなったけど聖属性を持った者を殺せばその力が手に入るって信じている人もいるのに…」
ルルさんの眼は〔まだ子供の君が守れるわけない〕と言っている
だけどアルトは自信たっぷりに
「だから何ですか?雪は僕のたった一人の妹です
それに雪には何人なんぴとたりとも指一本すら触れさせません」
僕にはそれだけの力がありますからと言うとルルさんが困惑した顔で
「確かに貴方の属性は希少属性の一つ、『重力』だけど…
………いいえ、無理ね」
数秒ルルさんは考えたけどすぐに顔を横に振る
「希少属性は持っている人が極端に少ないってだけで特別強いだけじゃないの
厳しい事を言うけど貴方じゃ無理、現実を見なさい」
そういうとルルさんが私に目を向け
「雪さんは?アルト君がちゃんと守ってくれるという自信はある?
もしかしたら、いざという時にアルト君が尻尾を巻いて逃げるかもしれないわよ?」
流石に頭にきたのかアルトが口を開けるとそれより先にルルさんが早口で
「それか…あんまり言いたくはないけど貴女のせいでアルト君が命を落としたらどうするの?」
命を…落と…す…?
ルルさんの言葉は私の頭の中でグルグル回りながら響く

その時不意にアルトと初めて会った時やこの世界のことを教えてくれたこと…
いろいろなことを思い返す
「いい加減…」
「ルルさん」
私が話した事に驚いたのかアルトとルルさんが同時に私を見た気配がした
でも私は下を見てて顔が見えないようにしていたから本当にこっちを見たのかは分からない
「確かに私とアルトが一緒にいた時間は少ないですがでもアルトは嘘をつきません」
昨日の晩、アルトが見せた悲しい顔が頭に浮かぶ
嘘つきならあんな顔はしない、絶対に
「私はアルトを信じてます、それに…」
ふっと顔を上げるとルルさんに向き合う
「アルトは強いです、だから死にません」
「っ…」
横でアルトが息を飲んだ声がした
……と思ったらいきなり抱きしめられた
「て、え!?アルト!?」
「………」
どうすればいいのか分からなくてあたふたしているとルルさんが呆れたように笑う
「全く…さっきまでの感じはどうしたのか…
まあ、いいわ…じゃあこうしましょう」
アルトが離れるとルルさんは説明した
ちなみに離れる時は渋々といった感じだけど今はとても嬉しそうに私の頭を撫でる
「ここのギルドの三人と戦って勝てたら良しとする」
「…負けたら?」
恐る恐る聞くとルルさんは眼を伏せる
「上に報告するわ、多分…いえ絶対保護されるわ」
「保護?」
「噂だけど城の地下に隠されるって」
隠される…その言い方ではまるで物のようだ
そう思うと背筋がぞっとして無意識に腕を組んでいた
「取り合えず勝てばいいんですね?」
それまで黙っていたアルトは私の頭から手を降ろすとにやっと笑う
「……言っとくけど手加減はしないわよ」
「もちろん」
ルルさんは少し眉をよせたけど結局は何も言わずに部屋を出て行った
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