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幕間(3)
幕間 とある女神の事情
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私はルナ。転生の女神をやっています。
さて、ちょっと困った事になりました。兼ねてより気にかけていた少年、リョーマさんが遊戯の女神の悪戯により、魔界に飛ばされてしまったのです。
最初は他の女神の尻拭いで転生させたのですが、気になって成長を見守っている内に、我が子のように可愛く見えてきました。
ですが、基本的に女神は下界への干渉が出来ません。遊戯の女神は以前犯した罪の罰として、精神を地上に繋ぎ止められて居たため、地上にある程度干渉できてしまったようです。
何とかしたいけど出来ない。とてももどかしいですね。それにポチさんの状態も気になります。
さて困りました。
「よう、ルナ。大変な事になってるな」
悩んでいる私のところにそう言ってやってきたのは運命の女神でした。口は悪いけど、一応女神です。
おっと、口が悪いとか思ったのが顔に出てしまったのか、睨まれてしまいました。
「ええ、全くです。まさか、遊戯の女神があのような手に出るとは予想外です。
少しは反省してると思ってたんですけどね」
「ああ、反省はしてるみたいだが、その方向性がおかしいんじゃねぇか?」
方向性・・・ですか。まぁ確かに悪魔を使って人類の世界に侵攻するのは、とりあえず止めたみたいですね。
でも逆に、魔界と行き来する道を完全に封じられてしまいました。リョーマさんを連れ帰るのには骨が折れそうです。
ホントにあの女神は何を考えているのでしょうか? 遊戯の女神だけあって、昔から楽しければそれで良いみたいなところもありますからね。私には理解できないです。
「それで、貴女はその話をするだけのために、ここへ来たのですか?」
ここは私の空間、俗に言う白い世界です。許可した女神であれば自由に出入りできます。
「そうだな。もちろん大変だなって話だけをしに来たわけじゃないぞ。
リョーマには俺の信者たちも世話になってるしな。何とかしてやりたいのは俺も同じだ」
なるほど。どうやら一緒に対策を考えてくれるようです。
「まずは状況をお仲間さんたちに伝えたいところだが、果たしてどこまで【神託】で伝えられるかだな」
都合よく、リョーマさんには運命の女神の【神託】を受ける事のできる仲間が居ます。その方々に簡単にでも状況は説明するべきですね。とは言え我々女神は下界へ深く干渉することを避ける為に、色々と禁則事項が設けられています。
「まあ良い、そっちは俺が出来る限り伝えておくぜ。今回は悪ふざけもなしだ。正確に伝えるぜ」
今回はと言っているのは、リョーマさんの名前の事でしょう。あれは本当に悪い事をしました。まあ、悪いと思っているからこうして協力してくれているんでしょうが。
「それで、リョーマさんの方はどうしますかね。
直接手を出すわけにもいかないですし。
今から手足になるような者を準備してても間に合いません」
「お! それだ!」
いや、どれでしょう?
「今からじゃ間に合わないなら、過去に作ればいいんだ」
何を言ってるのでしょうかこの女神は。パンが無ければお菓子を食べたら良いみたいな感じでとんでもない事を言い出しました。時の流れに逆らう事は、我々女神でも簡単では有りません。それこそ色々な制約が付いてきます。
「でもよ? 今から急ごしらえで準備する事に比べたら制約も少なくなるんじゃねぇか?
それに、こんな事もあろうかと多少は準備してたんだろ?」
おっと、どうやらバレていたようです。今回使うかどうかは置いといて、確かに以前から私が下界に干渉するために1つ準備はしていました。
「しかし、彼女はまだ時期尚早です。物心も付いていないような歳なのです」
「けど、他に方法はないだろ? 俺も力を貸すからちょっと能力を強化しようぜ? 過去に干渉すると言っても数年くらいだ。俺とお前で協力したら行けるだろ」
既に生まれてしまった魂への干渉は、制約事項が多すぎて難しいですが、生まれる前への干渉は確かに可能です。
本来、過去へ干渉するには女神と言えども年単位で力を蓄える必要があります。2人がかりで数年程度の干渉なら、まあ行けなくもないのでしょうか?
問題は過去への干渉による弊害ですが・・・。
「・・・他に良い案もないですし、致し方ありませんね。
いいでしょう。その案に乗らせて頂きます」
「で、その彼女とやらは誰を転生させたんだ? 過去の偉人か誰かか?」
「あら? 知ってるでしょ? 普通の魂は私の力で転生先を指定はできないと」
私は転生の女神です。しかし、転生先を自由に選ぶ事はできないのです。
但し、例外もあります。
「ははん、なるほどな。そう言う事か。
良いだろう。よし俺もそこに混ぜて貰おう」
「え? ちょっとそれは流石に・・・」
「ほら、行くぞ! 過去への干渉、手伝ってくれるんだろ?」
運命の女神がそう言うと、その体が虹色に光出しました。
ああ! 止める暇もなく力を解放してしまいました。こうなると下手に止める方が危険です。もう、どうなっても知りませんからね! ・・・何て無責任な事は言えないので、何とかするしかないのですが。
これできっと今から準備するのに比べたら数年は縮めることができますが、それでもこの細工が実を結ぶのはまだ何年もかかりそうですね。
リョーマさん。その間、頑張って下さい。
さて、ちょっと困った事になりました。兼ねてより気にかけていた少年、リョーマさんが遊戯の女神の悪戯により、魔界に飛ばされてしまったのです。
最初は他の女神の尻拭いで転生させたのですが、気になって成長を見守っている内に、我が子のように可愛く見えてきました。
ですが、基本的に女神は下界への干渉が出来ません。遊戯の女神は以前犯した罪の罰として、精神を地上に繋ぎ止められて居たため、地上にある程度干渉できてしまったようです。
何とかしたいけど出来ない。とてももどかしいですね。それにポチさんの状態も気になります。
さて困りました。
「よう、ルナ。大変な事になってるな」
悩んでいる私のところにそう言ってやってきたのは運命の女神でした。口は悪いけど、一応女神です。
おっと、口が悪いとか思ったのが顔に出てしまったのか、睨まれてしまいました。
「ええ、全くです。まさか、遊戯の女神があのような手に出るとは予想外です。
少しは反省してると思ってたんですけどね」
「ああ、反省はしてるみたいだが、その方向性がおかしいんじゃねぇか?」
方向性・・・ですか。まぁ確かに悪魔を使って人類の世界に侵攻するのは、とりあえず止めたみたいですね。
でも逆に、魔界と行き来する道を完全に封じられてしまいました。リョーマさんを連れ帰るのには骨が折れそうです。
ホントにあの女神は何を考えているのでしょうか? 遊戯の女神だけあって、昔から楽しければそれで良いみたいなところもありますからね。私には理解できないです。
「それで、貴女はその話をするだけのために、ここへ来たのですか?」
ここは私の空間、俗に言う白い世界です。許可した女神であれば自由に出入りできます。
「そうだな。もちろん大変だなって話だけをしに来たわけじゃないぞ。
リョーマには俺の信者たちも世話になってるしな。何とかしてやりたいのは俺も同じだ」
なるほど。どうやら一緒に対策を考えてくれるようです。
「まずは状況をお仲間さんたちに伝えたいところだが、果たしてどこまで【神託】で伝えられるかだな」
都合よく、リョーマさんには運命の女神の【神託】を受ける事のできる仲間が居ます。その方々に簡単にでも状況は説明するべきですね。とは言え我々女神は下界へ深く干渉することを避ける為に、色々と禁則事項が設けられています。
「まあ良い、そっちは俺が出来る限り伝えておくぜ。今回は悪ふざけもなしだ。正確に伝えるぜ」
今回はと言っているのは、リョーマさんの名前の事でしょう。あれは本当に悪い事をしました。まあ、悪いと思っているからこうして協力してくれているんでしょうが。
「それで、リョーマさんの方はどうしますかね。
直接手を出すわけにもいかないですし。
今から手足になるような者を準備してても間に合いません」
「お! それだ!」
いや、どれでしょう?
「今からじゃ間に合わないなら、過去に作ればいいんだ」
何を言ってるのでしょうかこの女神は。パンが無ければお菓子を食べたら良いみたいな感じでとんでもない事を言い出しました。時の流れに逆らう事は、我々女神でも簡単では有りません。それこそ色々な制約が付いてきます。
「でもよ? 今から急ごしらえで準備する事に比べたら制約も少なくなるんじゃねぇか?
それに、こんな事もあろうかと多少は準備してたんだろ?」
おっと、どうやらバレていたようです。今回使うかどうかは置いといて、確かに以前から私が下界に干渉するために1つ準備はしていました。
「しかし、彼女はまだ時期尚早です。物心も付いていないような歳なのです」
「けど、他に方法はないだろ? 俺も力を貸すからちょっと能力を強化しようぜ? 過去に干渉すると言っても数年くらいだ。俺とお前で協力したら行けるだろ」
既に生まれてしまった魂への干渉は、制約事項が多すぎて難しいですが、生まれる前への干渉は確かに可能です。
本来、過去へ干渉するには女神と言えども年単位で力を蓄える必要があります。2人がかりで数年程度の干渉なら、まあ行けなくもないのでしょうか?
問題は過去への干渉による弊害ですが・・・。
「・・・他に良い案もないですし、致し方ありませんね。
いいでしょう。その案に乗らせて頂きます」
「で、その彼女とやらは誰を転生させたんだ? 過去の偉人か誰かか?」
「あら? 知ってるでしょ? 普通の魂は私の力で転生先を指定はできないと」
私は転生の女神です。しかし、転生先を自由に選ぶ事はできないのです。
但し、例外もあります。
「ははん、なるほどな。そう言う事か。
良いだろう。よし俺もそこに混ぜて貰おう」
「え? ちょっとそれは流石に・・・」
「ほら、行くぞ! 過去への干渉、手伝ってくれるんだろ?」
運命の女神がそう言うと、その体が虹色に光出しました。
ああ! 止める暇もなく力を解放してしまいました。こうなると下手に止める方が危険です。もう、どうなっても知りませんからね! ・・・何て無責任な事は言えないので、何とかするしかないのですが。
これできっと今から準備するのに比べたら数年は縮めることができますが、それでもこの細工が実を結ぶのはまだ何年もかかりそうですね。
リョーマさん。その間、頑張って下さい。
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