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第3章 王都騒乱編
第35話 特典が発動するみたいです
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とりあえず寝てしまったミルクをシルクに任せて、昨日の会議室に向かう。するとそこには王様とゼムスさん、そしてシーラ様が居た。徹夜かな?
「おはようございます」
「リョーマ君、おはようございます」
「おや、リョーマ。早いのぉ」
「ああ、おはよう。リョーマ君。
聞けば昨日は早朝からダイダの街の防衛にも参加してくれたそうじゃないか。疲れも溜まってるだろう?
もっとゆっくり休んでいてくれて良かったんだぞ?」
挨拶をすると、王様にそんな心配をされてしまった。
「ありがとうございます。でも、大丈夫です。
十分に休めましたので、今日もコンディションは万全です。
それに3人は徹夜ですよね? 僕も負けてられません」
「ふむ。そうか? まあ、お主がそう言うならそれで良い。
しかし、肝心な時に大切なものを守れないような事にだけはならないよう、体調にも気を付けるんだぞ」
そう言う王様の顔はどこか悲しげだった。前に大切なものを守れなかった事でもあるんだろうか。
あ、リーナさんのお母さんかな・・・。深くは追求しないでおこう。
「はい、分かりました!」
そう言いながら、顔色の優れない3人には回復魔法をかけておく。子供の体だとどうしても眠くなってしまうけど、大人ならこれで今日1日くらいは持つだろう。あと、風呂も入れていないだろうから『クリーン』の魔法もかけておこう。
「こ、これは・・・。身体が軽くなったぞ。しかも、とても清々しい。浄化された気分だ。
リョーマの仕業なのか?」
「はい。お疲れの様子でしたので、勝手ながら回復魔法をかけさせて頂きました」
「テイマーにして錬金術師、そしてこの魔法か・・・。世界を救う男と言うのも伊達ではないな」
「うふふ。そうなんですよ。リョーマ君は素晴らしいんです」
その世界を救う男って言われるたびにむず痒くなるから、広めるのをやめて欲しいです。言われて嫌な気持ちはしないんだけど、どうしても恥ずかしいかな。
でも、シーラ様が自分の事のように喜んでくれるのは素直に嬉しい。
そんなやり取りをしている内に、窓の外は完全に明るくなってきて、レミとソラの兄弟が起きて来た。
「これはこれは。聖女殿ではないか。昨夜は挨拶もろくにできず、すまなかったな」
「いえ、こちらこそ、挨拶が送れ申し訳ありません。
レミと申します。よろしくお願い致します」
レミの敬語は初めて聞いたかも知れない。いつも砕けた感じなんだよね。まあ、さすがに王様にいつもの感じでは話さないか。
「おはよう。ちゃんと眠れましたか?」
「おはようリョーマ。徹夜なんて慣れたものだから、ちょっとでも寝れたら大満足だよ」
・・・そう言えば、レミの前世の死因は過労なんだっけ。徹夜なんて慣れたものだったんだろうな。
「それでも、無理をしないでちゃんと休んでください」
って、俺もさっき王様に言われたばかりで説得力がないかな。
「師匠! おはようございます」
そう言えば、ソラは弟子入り志願者だった。どうしよう。
「ソラは僕に弟子入りして、強くなりたいんですよね?」
「はい! でも僕も空気くらいは読めます。このドタバタが落ち着いてから、ゆっくり鍛えて下さい!」
まあガルムとパートナー契約したら強くはなれるんだけど、それは最終手段だよね?
「そうだ、リョーマにお願いがあるんだけど?」
うん。こっちもパートナー契約の話だよね?
「なんでしょう?」
一応、聞いてみる。
「昨日の夜、リョーマの従魔のシルクとお話してたんだけどね?
何でも、リョーマの従魔とパートナー契約? って言うのをしたらリョーマの従魔に準ずる扱いになるとか!
私も是非、リョーマの従魔にして欲しいの!」
いやいや、従魔にして欲しいのって、それはおかしいでしょう!
「前世では貴方のお陰で、生き長らえる事ができた。だから今世では貴方の役に立つことがしたいの。
・・・ダメかな?」
猫耳少女が頭をコテンと倒して、上目遣いでお願いしてくる。くっ! 破壊力がハンパない!
「ダメかなと言われても・・・。そもそもレミは聖女ですよ。僕の従魔のパートナーになっていいんですか!?」
「聖女なんて、貴方のお陰で【神託】がたまたま2レベル上がったから祭り上げられただけだよ!
それに、別にパートナー契約をしたところで、私の自由が無くなる訳じゃ無いでしょ?」
うーん。確かにそうなんだけど・・・。
「ん? 一体何の話をしてるんだ? 前世とか聞こえたが・・・」
あっ! ここには王様も居る事を忘れていた!
どうしよう? 正直に話をした方がいいかな? そう思いつつ、ゼムスさんとシーラ様の方を見ると、仕方ないみたいな顔をして、無言で頷かれた。話せって事かな。
「えっと、実はレミと僕は前世の記憶があります。いわゆる転生者という奴です」
「何と! 王国でも言い伝えは残っているぞ。異なる世界の記憶を持つ者の話だ。
君たちもそうだと言うんだな?」
さすが王様。一応転生者についての知識もあるようだ。
「はい、僕は前世でレミを助けて命を落としたんです。レミはそのお礼がしたいと言っているんです」
「ほう。して、パートナー契約とはなんだ?」
やっぱりそこも気になるよね・・・。説明するしかないよね。
「実は僕の従魔とパートナー契約を結ぶと、僕の従魔と同じ恩恵が受けられるんです。
具体的にはステータスが約2倍、取得経験値は約10倍、回復力も約10倍になります」
「は? 何だそのでたらめな恩恵は!」
ですよね。でたらめですよね。知ってます。
「ねえ、リョーマ君。私もそのパートナー契約したいんだけど? 私王都に向かう途中、エガルムちゃんと仲良くなったんだけど、どうかしら?」
「いやいや、シーラ様! 貴方も巫女じゃないですか! ダメダメ、ダメですよ。
パートナー契約すると言うことは、僕の従魔に準ずる扱いになるんです!」
「ぼ、僕もイガルムと仲良くなりました! どうですか!?」
更にソラまで乱入してきた。もう収集がつかないよ!
結局、この後1時間近く話し合った末、レミはシルクと、シーラ様はエガルムと、ソラはイガルムとパートナー契約をする事になった。
王様が羨ましそうにこちらを見ている。いやいや、貴方は絶対にダメです!
《レミ、ソラ、シーラをそれぞれ、シルク、イガルム、エガルムのパートナーに設定しました。
これにより、従魔とパートナーの合計が333体に達しましたので特典が発動します》
え? 何それ。今まで特典なんて無かったのに、急にどうして?
《【テイマー】レベル10だと従魔の最大数は999体となります。その3分の1に達した事によるボーナスです》
うん。何か良く分からないけど、とにかく特典が発動するみたいです。
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ポチも喜んでいます。
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「おはようございます」
「リョーマ君、おはようございます」
「おや、リョーマ。早いのぉ」
「ああ、おはよう。リョーマ君。
聞けば昨日は早朝からダイダの街の防衛にも参加してくれたそうじゃないか。疲れも溜まってるだろう?
もっとゆっくり休んでいてくれて良かったんだぞ?」
挨拶をすると、王様にそんな心配をされてしまった。
「ありがとうございます。でも、大丈夫です。
十分に休めましたので、今日もコンディションは万全です。
それに3人は徹夜ですよね? 僕も負けてられません」
「ふむ。そうか? まあ、お主がそう言うならそれで良い。
しかし、肝心な時に大切なものを守れないような事にだけはならないよう、体調にも気を付けるんだぞ」
そう言う王様の顔はどこか悲しげだった。前に大切なものを守れなかった事でもあるんだろうか。
あ、リーナさんのお母さんかな・・・。深くは追求しないでおこう。
「はい、分かりました!」
そう言いながら、顔色の優れない3人には回復魔法をかけておく。子供の体だとどうしても眠くなってしまうけど、大人ならこれで今日1日くらいは持つだろう。あと、風呂も入れていないだろうから『クリーン』の魔法もかけておこう。
「こ、これは・・・。身体が軽くなったぞ。しかも、とても清々しい。浄化された気分だ。
リョーマの仕業なのか?」
「はい。お疲れの様子でしたので、勝手ながら回復魔法をかけさせて頂きました」
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「ソラは僕に弟子入りして、強くなりたいんですよね?」
「はい! でも僕も空気くらいは読めます。このドタバタが落ち着いてから、ゆっくり鍛えて下さい!」
まあガルムとパートナー契約したら強くはなれるんだけど、それは最終手段だよね?
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「なんでしょう?」
一応、聞いてみる。
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何でも、リョーマの従魔とパートナー契約? って言うのをしたらリョーマの従魔に準ずる扱いになるとか!
私も是非、リョーマの従魔にして欲しいの!」
いやいや、従魔にして欲しいのって、それはおかしいでしょう!
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・・・ダメかな?」
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