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第1章 地方都市ガメル(仮
第13話 依頼をうけました
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ギルドカードを発行してもらった俺は、早速依頼を受ける事にした。
「質問ばかりですみません。最初はどんな依頼を受けたら良いでしょうか?」
「そうだね! 最初はあっちの依頼ボードの左端、Fランクの依頼を確認すると良いよ!」
「はい! ありがとうございます」
相変わらず元気の良いギルド職員のチールさんに教えて貰うと、早速依頼ボードに向かう。
えっと、Fランクの依頼はっと。お、この辺りかな?
俺は順に貼り出されている依頼書を見て行く。間、間で歯抜けになっているのは既に誰かが受けてしまったんだろう。
何々、「迷子になったペットを探して下さい」「引越しの手伝い急募」「荷物を届けて下さい」。
・・・予想はしてたけど、Fランクは本当に雑用係のようだね。
もう少し見ていると、Fランクの端の方に常設コーナーというのがあった。
ん? この常設って何だろう?
《常設依頼と言うのは、年中貼り出されている依頼ですね。薬草から、魔物の素材まで汎用性の高い物を持ってきて納品すると依頼達成になります》
なるほど、さすが知識の泉。詳しいね。で、Fランクの常設は・・・「薬草の採取」。これだけだ。傷薬用の薬草とか、解熱用の薬草とか何種類かあるけど、全部薬草の採取だね。
まあ、Fランクにいきなり戦闘はさせられないだろうから、採取だけなのも仕方ないか。
薬草の採取については、明日の訓練でもレクチャーしてもらえるとの事だったので、今日はやめておこう。採り方を間違えたら二束三文で買い叩かれるとかありそうだしね。
そうなると、どの雑用を受けるかな。何て考えていたら、新しい依頼書が貼り出された。
《マスター、その依頼にしましょう》
その依頼? 今貼り出されたやつかな?
《はい。そうです。ご確認下さい》
えっと、「部屋に溢れた荷物の整理を手伝って下さい」。他の依頼とそんなに変わらないと思うけど?
《依頼者の住所を見て下さい。教会の近くなので移動が楽ですよ》
おー、なるほどね。ここは広い街では無いけど、それでも端から端まで歩くと数時間はかかる。教会に近いにこしたことはないよね。知識の泉さん、ありがとう。
心の中で知識の泉にお礼を言いつつ、依頼書を依頼ボードから外して受付に向かう。
「すみません。この依頼を受けたいのですが?」
「お! 決まったかい? ふむふむ。お片付けの手伝いか! 良いんじゃないか? さすがに片付けなら依頼失敗もないだろう!」
そして問題なく依頼を受けると、依頼者の元に向かうのであった。
☆
さて、書いてあった住所だとこの辺りだと思うけど・・・。
俺は依頼書に書かれていた住所。俺の住む教会から通りを何個か挟んだ路地裏に来ている。
近所ではあるけど、この辺りは足を運んだ事がないのでイマイチ分からない。
《依頼者の名前で検索を行いますか?》
ああ、そうか。知識の泉なら見えていない情報でも検索できるんだっけ? お願いしようかな。
《依頼者ココを検索します。
検索中です・・・。
ヒットしました。2軒隣の建物です》
すごいな。検索時間わずか1秒。某検索サイト並みだね。今回は近場で絞り込んだから早かったのかな?
《この街の中くらいなら、今と同じ速度で検索可能です》
知識の泉が優秀過ぎた。嬉しい限りだね。
本来なら、まず依頼者に会うのに近所の聞き込みが必要だ。住所も前世のようにしっかりと分かるわけじゃなく、結構曖昧だから意外と大変なんだよ。
とりあえず、2軒隣に向かうとそこには古びた小屋が建っていた。そして、看板が出ている。
「えっと、占いの館ココ・・・」
そのまんまでした。占い師さんなんだね。
この世界は天職があるので、前世の占いより精度が高いと思われる。本当に未来が垣間見えたりするのかな?
《高位の天職を持つ者でしたら、その通りです。一般的な占い師でしたら所持スキルも予感程度で、当たるも八卦、当らぬも八卦と言った感じですね》
前世とそんなに変わりませんでした。それでも勘とかではなく、予感スキルを使う分まだマシなのかな?
そんな事を考えながら、占いの館(と言う名の小屋)に入る。
薄暗い小屋の中は、ただでさえ狭そうなのに、所狭しと荷物が積み上がっていた。うわー、これを片付ける手伝いか・・・。思ったより大変かも。
「こんにちはー。誰かいますか?」
人影が見当たらなかったので挨拶をしてみる。
「おや? お客さんかの?」
そう言って荷物の陰から出てきて出迎えてくれたのは、お婆さんっぽい話し方のお姉さんだった。
「質問ばかりですみません。最初はどんな依頼を受けたら良いでしょうか?」
「そうだね! 最初はあっちの依頼ボードの左端、Fランクの依頼を確認すると良いよ!」
「はい! ありがとうございます」
相変わらず元気の良いギルド職員のチールさんに教えて貰うと、早速依頼ボードに向かう。
えっと、Fランクの依頼はっと。お、この辺りかな?
俺は順に貼り出されている依頼書を見て行く。間、間で歯抜けになっているのは既に誰かが受けてしまったんだろう。
何々、「迷子になったペットを探して下さい」「引越しの手伝い急募」「荷物を届けて下さい」。
・・・予想はしてたけど、Fランクは本当に雑用係のようだね。
もう少し見ていると、Fランクの端の方に常設コーナーというのがあった。
ん? この常設って何だろう?
《常設依頼と言うのは、年中貼り出されている依頼ですね。薬草から、魔物の素材まで汎用性の高い物を持ってきて納品すると依頼達成になります》
なるほど、さすが知識の泉。詳しいね。で、Fランクの常設は・・・「薬草の採取」。これだけだ。傷薬用の薬草とか、解熱用の薬草とか何種類かあるけど、全部薬草の採取だね。
まあ、Fランクにいきなり戦闘はさせられないだろうから、採取だけなのも仕方ないか。
薬草の採取については、明日の訓練でもレクチャーしてもらえるとの事だったので、今日はやめておこう。採り方を間違えたら二束三文で買い叩かれるとかありそうだしね。
そうなると、どの雑用を受けるかな。何て考えていたら、新しい依頼書が貼り出された。
《マスター、その依頼にしましょう》
その依頼? 今貼り出されたやつかな?
《はい。そうです。ご確認下さい》
えっと、「部屋に溢れた荷物の整理を手伝って下さい」。他の依頼とそんなに変わらないと思うけど?
《依頼者の住所を見て下さい。教会の近くなので移動が楽ですよ》
おー、なるほどね。ここは広い街では無いけど、それでも端から端まで歩くと数時間はかかる。教会に近いにこしたことはないよね。知識の泉さん、ありがとう。
心の中で知識の泉にお礼を言いつつ、依頼書を依頼ボードから外して受付に向かう。
「すみません。この依頼を受けたいのですが?」
「お! 決まったかい? ふむふむ。お片付けの手伝いか! 良いんじゃないか? さすがに片付けなら依頼失敗もないだろう!」
そして問題なく依頼を受けると、依頼者の元に向かうのであった。
☆
さて、書いてあった住所だとこの辺りだと思うけど・・・。
俺は依頼書に書かれていた住所。俺の住む教会から通りを何個か挟んだ路地裏に来ている。
近所ではあるけど、この辺りは足を運んだ事がないのでイマイチ分からない。
《依頼者の名前で検索を行いますか?》
ああ、そうか。知識の泉なら見えていない情報でも検索できるんだっけ? お願いしようかな。
《依頼者ココを検索します。
検索中です・・・。
ヒットしました。2軒隣の建物です》
すごいな。検索時間わずか1秒。某検索サイト並みだね。今回は近場で絞り込んだから早かったのかな?
《この街の中くらいなら、今と同じ速度で検索可能です》
知識の泉が優秀過ぎた。嬉しい限りだね。
本来なら、まず依頼者に会うのに近所の聞き込みが必要だ。住所も前世のようにしっかりと分かるわけじゃなく、結構曖昧だから意外と大変なんだよ。
とりあえず、2軒隣に向かうとそこには古びた小屋が建っていた。そして、看板が出ている。
「えっと、占いの館ココ・・・」
そのまんまでした。占い師さんなんだね。
この世界は天職があるので、前世の占いより精度が高いと思われる。本当に未来が垣間見えたりするのかな?
《高位の天職を持つ者でしたら、その通りです。一般的な占い師でしたら所持スキルも予感程度で、当たるも八卦、当らぬも八卦と言った感じですね》
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そんな事を考えながら、占いの館(と言う名の小屋)に入る。
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