大聖女と大魔王に転生した勇者夫婦、前世は命を犠牲に世界を救いましたが今度は一緒にぶっつぶします

「やっと、思い出したかい、エレナ」~大魔王は大聖女に微笑んだ。
  大聖女カサンドラは聖剣で先代大魔王を一刀両断にしたほどの力を持つが、今の大魔王エルドラには歯が立たず九連敗中。いつも捕らえられるがなぜかすぐに解放されていた。
  十連敗目で捕らわれた夜、エルドラに招待されたディナーの席で吟遊詩人による勇者夫婦ディーノとエレナの伝説の歌を聴いたとき、自分がエレナの、エルドラがディーノの生まれ変わりであることに気づく。エルドラは初めて戦ったときにすでに気がついていた。
  勇者夫婦のエレナとディーノは自分たちの命で世界を救ったが、宿したばかりの子供の命すら犠牲にしていた。カサンドラとエルドラは前世を後悔し、これからは自分たちのことだけを考えてエレナとディーノとして一緒に幸福になることを誓う。
  とは言え、今は敵対する立場の二人。現実は思うようにはならないが、人目を忍んでデートを重ね、時には戦うフリをして周囲を欺いて甘い日々を送る。
  しかし、新たな命が宿ったことで二人は決断する。大魔王と大聖女の子供は人間界でも魔界でも忌み嫌われる存在になってしまう。自分達の子供が幸福になれる人間と魔族が共存できる世界に今の世を変えるべく、二人は大聖女と大魔王の力を使って世界をぶっつぶしてでも幸せになると聖と魔に戦いを挑んでいく。そして……
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